自分が「バレーはケンカ」と思って戦ってきたから、要所で腰が引けるセッターを久光製薬監督の中田久
美は認めない。 本人によれば勝負強いセッターとは「大事な局面で意表を突くトスをする。 勝負どころであえてセオリーを外したい。 その流れへと試合を組み立てられる」。 そんな一家言のある歴代有数のセッターが、身長185センチのアタッカー狩野舞子(トルコから久光製薬
に復帰)に今季からセッターをさせている。
さすがにまだ狩野のトスはぎこちない。石の上にも三年、と中田は見守る。「セッターが選手を動かし、
試合を動かせるレベルになるには1万時間必要。1日8時間練習しても3年以上かかる」。 自分の日立時代、監督の山田重雄に辛抱強く育てられた。「麻衣子も我慢して使い続けられるか。私、彼
女はケンカができると思うんです」
狩野が大成するとどうなるのか。「麻衣子が高いところでバーッとトスを上げるバレー、想像つきます?
すごいことになりますよ」と話す目は輝く。 「久美が代表監督になったら木村沙織(身長185センチの日本のエース)と狩野の2セッターもかりかねま
せん」と、五輪や日立でコンビを組んでいた丸山由美(旧姓江上)は半分冗談に予想する。 「小さいセッター |