プロローグ
かつてセラフだったルシファーが天界より追放されてから、気が遠くなるほど長い長い年月が過ぎた。
今、魔界では悪魔達が二つに分かれて対立していた。
片方は現在の魔王・レオン率いる蒼の一族。そして対立するのは魔王の考えを疎ましく思うカシス率いる黒の一族。
この二人の力は五分といわれている
レオンは、理由も無く人間や天界のものと争う必要は無いと言った。
カシスは、人間は愚かな生き物、天界は目障りなもの。よって滅ぶべきだと言った。
「カシス、お前は変わってしまった。今のその手は血に塗れ、その心は光を失ってしまった」
「レオン、私は魔族の偉大さを見せつけ、人間界を第二の魔界にしてみせる」
かつては友であった二人。
そしてもう一人、どちらにつくこともない中立の男がいた。
「悪魔だろうが人間だろうが神だろうが…そんなことどうでもイイじゃないか」
男が言った。
「私はそうありたい」
悲しげな目でレオンが言った。
「どうだ?私と手を組もうではないか」
冷たい眼差しでカシスが言った。
「オレはどちらにもつく気はない。俺は俺だ」
蒼と黒の長い戦いが始まる。