夏が過ぎ去り秋がやってきてるよママン・・・。何も悪いことしてないのに。(森羅万象に影響するようなことをしでかしてたら大変だ)
泣き言いってても前には進まないので気合いをいれていきたいと思います。
冒頭。クロニカvsナイブズでクロニカさん側からの第二攻撃。よく考えたら背後に人質を取った相手に艦載砲をぶっ放しているんだから恐ろしい状況なわけですが、クロニカさんとしてはナイブズが攻撃を弾くことを織り込み済みの様子。もしかして、ある程度ぶつけるエネルギーに関しても制限してるんじゃないかと思われます。それがこの状況下でのやむを得ない制約なのか、はたまた別の意図があってそうしてるのか。相手が消耗するのを待ってるのかもしれないと思ってみたり。
ともかくこちらの対戦については今回はここまで。
プラントvsプラントの大規模な空中戦が展開されるその真下で、レガートvs台風氏の戦いが静かにしかし確実に進行していきます。
そもそも先々月号の時点で余力など残っていないことが明らかな台風氏と四肢の自由を手にした今のレガート氏ではまともな対戦になりようがない・・・と思っていたのですが、それは概ね間違いではありませんでした。
叫び声とともに頭上彼方のナイブズに向けられる銃口。
膝立ちの状態から、残された渾身の力を振り絞って振り上げられたその右手から、無情なほどにあっけなく銃把が離れて床に転がり。
荒い呼吸と震える手で取り落としたそれを拾い上げようとした動きはレガートの技によってガッチリと押さえ込まれてしまいます。
それでも体にかかる負荷を無視して必死に抗おうとする台風氏。
その台風氏の様子を冷静に見下ろしていたレガートがフイに驚いたように目を見開き、台風氏の襟元を掴んでその顔をまじまじと覗き込み。
彼がそこに見たものは。
おそらく一言で言い表すなら『空虚』。
開いた目は景色を映しながら、その実なにも見てはいない。
体はここにありながら、魂はまるでここにないかのごとく空っぽな何か。
レガートはそこにかつての自分の姿を見出し、一つの結論に辿り着きます。
『この男「も」自分がこの世に居ることに価値を見ていない』と。
レガート氏はそれを「傑作だ」と言い、「「君のような男」がこんなにも僕と近しい存在だったなんて!」と言っておりますが・・・。
果たしてそれはそうなのか?それで正しいのか?・・・と思うわけです。
台風氏の中にある空虚さそれ自体を見誤ったとは思わない。
「自分がこの世に居ることに〜」のくだりは、辛いながらも「やっぱりあなたもそう思うのか・・・」という感を覚える指摘ではあるのです。
それはこの頂上決戦が始まる前からも始まってからも、ずっと台風氏に付きまとっていたものだと思うのです。
そしてはっきり台風氏自身が「この星の未来に俺達は必要ない」と口にしてしまっているわけだから。
台風氏が抱える虚無とレガートの中にある絶望と。
確かにそれは傍目には似通って見えるかもしれないけれど・・・私は別のものだと思うのです。
台風氏の空虚さの根底にあるのは、やっぱり欠くべからざるものの喪失。
・・・もちろん牧師のいるいないに関わらず、台風氏が抱えている巨大な空虚さに変わりはないと考えることも可能なのだとは思いますが。
それでも前回、方舟始動前の頂上決戦で台風氏とナイブズが相対した時には、台風氏はここまで『空っぽ』じゃなかった。
ロストジュライの記憶を取り戻し、一際大きなウツロを自らのうちに穿った状態であったにせよ、それでも彼は「明日」という言葉を口にしていた。
誰かの悲しみを消しながら、そうやって「明日も明後日も」この星の人々の傍らに「静かに寄り添う」と言っていた。
この時点では確かに自己をも含めた未来を見つめる視点が存在していたと思うのです。
それが今回の戦いでは見事に抜け落ちている。
この二つの対決の間で彼の身に何があったのかを考えれば、おのずと答えは一つの場所へ行き着いてしまいます。
あの教会のあの場所に。台風氏は自分の中の何かをあの男ごと置いてきたんだと考えるしかない。
私達読者が多かれ少なかれそうであるように。
進んでいく物語についていく一方で、あの時のあの場所から身動きできずにいる心が常に傍らにあるように。
翻ってレガートの場合。最初から彼は自分以外に失うものは何もない状態だったんではないかと。
自らを肯定し支えうる核になるものがない。彼の場合、『まだ愛を知らない』という感じがするのです。
台風氏の場合は、一概に絶望と言ってよいものかも表現に悩むところなのです。
だって絶望しているというのなら、彼はどうして今ここで闘っているのか。
ボロボロになってギリギリの限界まで粘りながら、体を張ってなお闘い続けようとするのはなぜなのか。
一方に絶望を抱えながら一方で希望のために闘うというのは矛盾しているようにも思えるけれど、その矛盾が台風氏らしいといえば台風氏らしくもある。
だからええっと、何が言いたいのかといいますとっっ(飽和してきたらしい)
レガートと台風氏では自らに価値を見ないという一点で似通っているように思えても、根幹の部分は真逆といってもいいくらい違っているぞーということ。
だからそのシンパシィは間違っている。(断言)・・・と思う。(断言じゃなかったの?)
んでもって。早業で台風氏の持っていたコインケースを奪うレガート氏。
台風氏がコインケース挟んでたのってガンホルダーがあるのと同じ辺りでスリットの間から取れるような感じのところだったようです・・・・・・落ちないのかな、それ・・・。
かといって、胸の内ポケットとかそーゆー取りにくそうなところに大事にしまっておいて欲しかったわけでもないですが。
自由を奪われた台風氏がレガート氏にアチコチ探られまくる絵というのはあんまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見たくないし・・・・・・・・・・。
「やっぱり使うことにしよう」
っていよいよコインイベントの発動ですよっっ
レガート氏がコインケースのスイッチをおもむろに押して。
カチッと。
次の瞬間発生したのは強力な磁場。
コインケースは特製超小型超磁場発生装置で、レガート氏が技に用いる帯電金属糸はそのことによって完全に無力化されてしまう・・・と。
対人戦において圧倒的な強さを誇る彼の「技」。それを自ら封じるのは、ハンデを作ってそれでもなお引けを取らない自信があるから。
プラス自分を不利な状態に追い込むことで、よりナイブズに対する忠誠心の強さを示すため。
結局ナイブズの視点には台風氏とそれ以外という区分けしか存在しておらず、レガート氏がいくら忠誠を尽くしても、彼を特別な存在として必要としているわけではない。
役に立つから側に置いておく。それ以上の意味はない。
「忠誠など必要無い」それがナイブズのスタンス。
レガート氏はそれでは満足できなかった。自らの忠誠心が他に並びないものであることを知って欲しかった。認めてもらいたかった。
要するに彼は自分の居場所をナイブズの側に求め続けているということなんだと思うのですが。
それを示すために矛先向けられた台風氏にしてみればいい迷惑だ・・・・・・・・・・。
第一この結果レガート氏が台風氏を害したとしても、ナイブズがレガート氏を認めるとは到底思えない。
思えないんだが、レガート氏にはそれが見えていない。
まるで恋に狂った少女のよう。
純粋な。あまりにも純粋なその狂気。己の心のみと向き合う行動原理は危ういほどに凶暴で恐ろしい。
・・・・・・・・・・んですが。(以下素直すぎる心の声をそのままに)
神龍は?ねぇ神龍は?出てこないの??(・・・ソレまだ待ってたんかい・・・)
心の中で倒壊寸前まで積み上げたちゃぶ台の淵に手をかけたこの体勢はどうすれば?
(そろそろ崩れたちゃぶ台に埋まるがいいさ)
えーえーえーえーここまで引っ張ってそんなオチ?そんなオチなのーーーー!?
あなたの自己満足のための企画だったのーーー??
そんな自分プロデュースのサプライズ誕生パーティーみたいなもんに人の命のヤリトリ絡めてんじゃないわー!
心の底からハタ迷惑だぞ。フザケテンナヨコノヤロウ(斬)
・・・ってね。思うわけですよ。
最後のコマの台風氏の「なんだと?」に込められた想いもつまりはそういった感じではないかと思うのですが。
自己満足の余興のために、人の命を弄ぶ。台風氏が一番嫌う行為の一つでしょう。
というか、普通に考えて馬鹿にされてるって思うよねぇこの仕掛け・・・。
そうやって相手に本気を出させようとする、煽動や挑発の意図も最初から込められてるんだろうけれど。
コインイベントが発動したとこで今月は幕。
リヴィオvsエレ姐さんの戦いについては今月もお休み。
台風氏vsレガートの戦いはこれからが正念場を迎えることになりそうです。
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