●2004年12月号報告書●


師走も半ばを超え、年の瀬も押し迫ってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか・・・。
1回休載に気を抜いているうちにこんな時期になってしまいました。
うかうかしてると新年の声をきいてしまうことになりそうです。
・・・っていうか今年の年末は新刊2冊同時発売とOURS発売日が隣接しているんだから気を抜いている場合じゃないわけで。
気合を入れ直していってみましょうOURS報告書!

前月号で救援船のクルーであるドミナをその乗船艦ごと取り込んだナイブズ。
やはり攻撃の矛先を救援船に向けてきました。艦船の周囲に張り巡らされたバリアのような保護フィールドのおかげで攻撃=即損害ということにはならないようですが、攻撃を畳み掛けられれば防御速度が間に合わなくなるのは自明の理。
旗艦にて艦隊を指揮する司令官らしきオジサマから、取り込みを免れたクロニカさんへ、ドミナの乗船艦に対する攻撃命令が発動されて。
(呼び名間違いは誤植ですよね?)
ナイブズにトールハンマーの攻撃をかわされた時にも動じる様子をみせなかったクロニカさんも、この命令にはさすがに動揺を隠し切れない様子。
攻撃は、あくまでも相手のエネルギーを防御へ回させ攻撃を封じるため。殺傷が目的ではないと頭では理解していても、危険が伴う行為に変わりはないわけで。仕事と割り切って平然とつい今しがたまで仲間だった相手に銃口を向けられるほど、クロニカさんは冷淡な人ではないと分かって少しホッとしたりとか。逆にみれば、その当たり前の「人間的な感情」につけ込むことがナイブズの狙いでもあるのだろうと考え薄ら寒くなったりとか。
実際、攻撃準備を整えるクロニカさんの目の前で、ドミナの乗船艦の保護フィールドを完全にOFFにして、主砲トールハンマーへのエネルギー充填を加速させていますしね。
相手が撃ってきても撃ってこなくても、結局、救援船団内部で損害が出ることになるわけだから、ナイブズ的には構わないってことなんでしょうけど・・・。

一方、その頃地上では。
街の人たちのパニックは続いていますが、攻撃そのものはやはり方舟には届いていない様子。
そうすると、上に向かって打ちあげたものが何にも当たらない場合、自由落下してくるのが地上における万有引力の法則なわけでして。
頭上に向けて発砲された銃弾が、雨あられと人々の上に降り注ぎ(かなり危険)、結果的に攻撃そのものは収まった様子。
街中が大パニックで方舟を攻撃していた間、憲兵軍については沈黙を守っていたということですが。
エレンディラさんが目的を達成しちゃったのかなぁ・・・。

そして上空。主砲トールハンマーへのエネルギー充填が加速されたことで、船団側の攻撃準備完了以前にドミナの乗船艦側からの攻撃が可能となる最悪の事態に。保護フィールドを全開にしても恐らくは防ぎきれない大出力の攻撃を前に、もはや成す術なしかと思われたその時。

台風氏が動きました。
抜き撃ちで数発。
装填されていた特殊弾は、内包するプラントとしての力をその軌跡にまとわせながら、SHIP頭上にいるナイブズのもとへ飛んでゆき。
特殊弾により、ナイブズの周りで起きる小規模な爆発。
その極めて小さな爆発の一つが、成層圏の外側へ向かって伸ばされていた一本の細い糸のようなナイブズの"腕"を包み込み、断ち切ります。

同時にそのはるか頭上では、ナイブズによる制御を離れたドミナの乗船艦は攻撃の手を止めて沈黙し。

訝しげにSHIP上部に佇む台風氏に目を向けるナイブズ。
「今 何をやった?ヴァッシュ」
問われた台風氏。慌てる様子もなく、おもむろに取り出したサングラスをかけ。
「別に。ただの抜き撃ちさ」
サングラスで遮られ底の見えない表情の中、唇の端をくいっと上げて、いっそ不敵な笑みさえ浮かべて。
大半が黒に染まった台風氏の髪の毛を見咎めながら、命が惜しければ力を使うなというナイブズに使わないさと、うそぶいて。
「お前がこれから相手にするのはただのガンマンだ」
「そしてお前はそのただのガンマンの前にひれ伏す」
ああ。バシさんだ。バシさんだよ。この外連味が私らが惚れたバシさんなんだよ。
馬鹿でっかいスケールに拡散しつつある物語のクライマックス。
一体どんな形で台風氏が絡んでくるのかと若干心配もしてました。
とても一人で太刀打ちできるような状況じゃないだろうにと。
でもこの状況にあえて一人の「ガンマン」として相対するその心意気。
傍から見たらばナイブズが指摘してるようにドリーマーな発想なんかもしれませんが。
これで状況引っくり返ったら、そりゃあなたエライ格好エエって思いません??
「引っくり返るわきゃねーだろ!」な状況を精密射撃一本で凌ぎきったら鳥肌もんだと思うわけです。
んで、多分、台風氏はそれをやってくれる。やろうとしてる。
「生憎だが夢じゃない。この生き方は100年体に刻んできた現実。おまえの知らない俺なだけだ」
そう台風氏が言っているように、きわめて大真面目に、銃に託してきた自分の生き方を体現しようとしている。
多少デタラメだって構いやしません。大幅にデタラメだったら拍手喝采。
それが『トライガン』の真骨頂でしょ!やっぱり基本はガンアクションでしょ!!
(だってコミック柱の副題は「DEEP SPACE PLANET FUTURE GUN ACTION!!」な訳ですから)
ミサイルとか最終兵器とかで全部吹っ飛んでオシマイなんてラストは誰も望んでないわけだから。
やってこいこい銃撃戦!(←物騒この上ない祈祷だよ・・・)

次号ではこのまま台風氏vsナイブズの決戦に突入するのでしょうか?
裏で動いてるエレンディラさんとリヴィオくんの方に視点が移って、頂上決戦は一回休みになる気もします。
虎視眈々と出所をうかがってる伏兵レガート氏の動向も気になるところ。
ともすれば供給過剰になりそうなアドレナリンの分泌を抑えつつ、待ちたいと思います。



■前の報告書へ■  ■戻る■  ■次の報告書へ■