●2004年8月号報告書●


記録的な猛暑に豪雨となにやら様子のおかしい今年の夏ですが。
へばってばかりもいられないので、いっちょ気合いを入れていきたいと思います。
出来うることなら8月の声を聞く前に(遅)、さくさく行ってみましょうOURS報告書!


冒頭。地球からの救援船の中。
登場したのは、自立人型プラントのクロニカさん。
テスラとプラント兄弟以降、はじめてお目見えした新しい人型のプラントさんです。
特別席にて日本茶らしきものを啜っているところや他のクルーとのやり取りをみると、人型プラントと人間との 共生共存関係は、地球においてすでにある程度確立していると言えそうですが。
見開きの扉頁を見た瞬間に、なぜか頭に『宇宙戦艦ヤ○ト』のテーマソングが流れたのは・・・なぜだろう・・・。
(多分、あの女性の体にフィットした感じの宇宙服のデザインのせいじゃないかと思われますが)

そして戻って星の上。
ザジ嬢分のコインをもってきてくれた濃いキャラのおじさん(いや、意外と若いのか?)はザジ嬢の再インストール先ではありませんでした。
支配蟲をリバースしてバタバタキャーキャー一騒動のあとあっさり去っていかれて寂しかったような安心したような・・・。
しかしなんでワザワザ律儀にコインを届けようって気になったんかなぁ・・・ザジ嬢=ワムズの長は。
コインイベントがレガート氏の自己満足的レクリエーションイベントなら、ほったらかしといても害はなかったような・・・。
それかレガート氏の指示かな?コインイベントやりたくって仕方がないってこと?
ところでリヴィオくん。伊豆の稲取温泉地にでも行ってきたのかね君は?
「ハマグリとキンメダイ」では私はキンメダイが好きですが。

コインが全部揃ったところで、ケースの外枠が外れてスイッチらしきものが出現しましたが。
台風さんがボタンを押す前に、レガートさんからのメッセージが流れます。(録音?ライブ放送?多分録音でしょうか。)
ノリノリなレガートさん。まだ、コインケースに隠されたイベントの本質については秘密のようです。
スイッチはレガートさんと台風氏が邂逅を果たした時に意味を持ってくるのかな?
うっかり押してしまわないように、もう一度カバーをかぶせておいた方が良さそうです。
とりあえず自分を目掛けて何かを仕掛けてきてくれる方が、乱戦が予想される今後の戦いにおいては好都合、と解釈する台風さんですが。
も一人の面倒そうな相手、エレンディラ姐さんについては、リヴィオに任せるつもりのようで。
その役割を素直に請け負うリヴィオ。そのあっさり加減にエレンディラもレガート氏に負けず劣らず相当な化け物であるという認識がリヴィオにあるのか 多少心配になった様子の台風氏ですが。
ニッコリ笑ってリヴィオがいいます。
「闘いで後れをとる気は毛頭ありません。それに――――」
言葉の間に挟まれた半拍ほどの間。一瞬身構えたような台風氏の表情から次にくる言葉を咄嗟になんと予想したのかはあとの文脈と併せると概ね想像がつくところなのですが。
リヴィオの口からは予想した人物の名前は出てきませんでした。
何かを守るために力を使えるなら痛快、というリヴィオを見ながら微かに表情を緩める台風氏。
『名前を口にしない。そのことがかえって如実に現してしまう事もある』
『本当に強く心の奥底に結びついているものであればある程、それを口に出せなくなる人種がいる』
『その時ヴァッシュ・ザ・スタンピードがそれに気付いたのは彼もまた同じ部分を持っていたからかも知れない』
・・・・・・・・・・・・ああ、そうだね。
気付いてましたよ。
2004年1月のあの時以降、台風氏の口からは一度もウルフウッドの名前が出てきてない。
そのことが寂しくもあったし哀しくもあったけど、口に出来ない心理も理解できたから。
でも、それを行間からだけ読んでいるとやっぱり不安になったりもするわけですよ。
やはり抑えられている感情の片鱗をどこかで何かしら垣間見せて欲しいと思う。
だから台風氏の反応の一つ一つを見落とさないように見つめて、そこから何かしらの意味を掬い取ろうと必死になってしまうわけなんですが。
今回はリヴィオを介してそういった感情の片鱗に触れることができた感じでした。
分かってはいてもこんな風に言葉にしてもらえると安心できるんですよ。
リヴィオと台風氏。
彼らはウルフウッドを通して繋がっている関係なわけで、それはこの二人の間には常にウルフウッドの存在がある、ということなんですよね。
だから二人でいる時、彼らは一番ウルフウッドのことを側近く感じることになるんじゃないでしょうか。
・・・やっぱり、なにがあっても生き残んなきゃだめだよリヴィオくん。
それが君に課せられた一番の役割だと思う。


やがて夜が明けて、星歴0114年7月21日。おそらくはこの星の人々にとって一番長い一日となるであろう日が始まります。
方舟の接近に伴って共鳴を起こしはじめるオクトヴァーンのプラント群。
近づきつつある地球からの救援船と方舟。何を選択すべきかという答えはプラントたちの間でもまだ出ていない状態で。
チャンスはあると思う、という台風氏。方舟による侵攻を止め、最後の砦のこの街に集まった人々が救われる可能性はまだ残っている。
そのチャンスを作るためには、まず方舟を無闇に攻撃しないこと。
攻撃により方舟に集められているプラントが傷つくようなことがあれば、ディセムバの時と同じ事態を招くことにもなりかねないからでしょう。
その上でナイブズによる方舟からの攻撃を食い止める。それが台風氏が自分に課した役目でした。
街の高台にあるSHIP。その上層の見通しの良いところから方舟の「力」を狙い撃つ。
2種類の力をぶつけることで対消滅が可能となるプラントの力の性質を利用して攻撃を阻止するのが台風氏の作戦の模様。
SHIPの上層へ向かうエレベータへ一人乗り込む台風氏を見送る人々の中に、涙を堪えきれないメリルの姿もあって。

この時のメリルと台風氏のお別れの場面なんですが。
せっかく準備された貴重な二人の触れ合いツーショットシーンではあったんですが・・・嬉しいというよりは、どちらかというと「台風さんってばヒドイ人っっ」 という感じでした。
「メリル」って2回も名前を呼んでるでしょ?
本来なら、かなり特別なことだと思うんです。メリルの気持ちを考えると喜んでもいいシチュエーションだと思うんです。
なかなか名前を呼ばないこの人に、二度も続けて名前を呼んでもらえたってことは。
でもね。その直前に名前を呼べないことの深さと重さが語られているわけだから、かえって逆効果に見えてしまうんですよ・・・。
今回はいっそ名前を呼ばないままでいてくれた方がよかったんじゃないかなぁ・・・とか。
んで、台風氏の表情もね。糸目笑いのままだったから。
私的には今の台風氏のこの笑い顔は、表面に張られたカモフラージュのための仮面でしかないと思っているので。
結局、彼女に対して本心は曝け出してくれなかった・・・という風に見えてしまう。
それは台風氏の優しさであり、思いやりではあるのですが・・・恋する乙女にとっては「隣人愛」的愛情は時にかえって残酷であったりもするわけでして。
相手が特別な人であるのなら頭を撫でてくれる優しい慰めより、抱える痛みや重みを分け与えてもらえた方が嬉しい時だってあるでしょう。
じゃなきゃ自分の無力さを痛感させられるだけだもの・・・。
メリルも台風氏のそういう一線をおいた態度には前々から気付いていると思うのですよ。
前にマーロンが言ってた、立ち入らせてくれない領域につい遠慮してしまうっていうのはそういうことでしょ?
それでも名前を呼ばれれば心が動いてしまう。嬉しくなったり切なくなったりしてしまう。 ゲンコツで交わしたキスは台風氏にとっては一つの励ましの手段だったかもしれないけど、メリルにとってはとても特別な意味をもつものだったに違いないとか考えるとですねぇ・・・。
やっぱり「台風さんってばヒドイ男っっ」なわけですよ・・・。
(涙を浮かべて自分のゲンコツに一生懸命チューしてるメリルの表情が健気過ぎるし・・・)


そして再び救援船。星上のプラント融合体を確認した救援船クルーであるクロニカは臨戦態勢の指示を出します。
そして地上においてはリヴィオとエレンディラ姐さんが邂逅を果たし。
来月、おそらくはこの二人の戦闘が開始されるものと思われます。
これから始まる闘いに、一つの予感があるのですが。
ウルフウッドの存在がどのような形であるにせよ、くっきり浮き出てくるのはこれからじゃないかと思うのです。
リヴィオにしろ台風氏にしろ彼を巡る抑え込まれていた様々な感情が、闘いの中でこそ露わになってくる。
それは姿でも名前でもない全く別の形かもしれないけれど。
ウルフウッドの教会激闘編の最中、そこにいないはずの台風氏の存在があれほど色濃く感じられたように、これからの闘いの中に私たちはウルフウッドを垣間見ることになるかもしれない。
首筋の後ろあたりがチリチリするそんな予感とともに、今後の展開を見つめていきたいと思います。



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