●2003年12月号報告書●


11月ももうすぐ終わり。やがて慌しさを増す師走となりますがいかがお過ごしでしょうか。
管理人としては殺人的スケジューリングで乗り切った11月を上回る慌しさが押し寄せてきた場合 サイボーグにでもなるしかないんではないかと戦々恐々としておりますが。
なにはともあれ昨日はOURS発売日!(1月号のね(爆))
自虐的お預けの刑に服す期間を縮めるためにもさくさくいってみましょうOURS報告書!

まず表紙。
今月号は内藤先生が表紙!しかも今の展開とあわせて考えるとなにか読者を本屋で挙動不振にさせる 企みがされているに違いない!・・・と覚悟を決めて本屋へ足を運びました。
ええ、確かに別の意味で挙動不審になりましたよ。
牧師の表情の可愛さに!
壊れた機械の上に腰掛けてパニッシャーを背後において、口元を風から庇うように手で覆いながら煙草に 火をつけるその目を閉じた横顔が、俯き加減な前傾姿勢が、まるで何かに祈っているかのようでめちゃツボ。 かなりツボ。自分が牧師の横顔フェチであることを自覚したばかりであっただけに、なにか見抜かれてる感も あったりして。
しかしどうして内藤さんの描く牧師の横顔はこんなに可愛いんでしょうかねぇ・・・。
女顔なわけではないのにねぇ・・・・。
自分の眼におかしなフィルターがかかっているのでしょうか?
でもいいや。『可愛いってことは愛しいってこと』(by『ベイビーリーフ』)なので!
台風氏はいなかったけど、頭上にフィフスムーンが出ていたからOKです。(代理ですか←多分違うぞ?)
もちろんテレカは予約申し込み済みです。(今回の構図は絶対ロゴない方がカッコいいと思うのです)

そして本編。
前月号で牧師の怒りの鉄拳を食らったラズロ。
「なぜ・・・・・・拳!?」
戸惑うラズロに立て続けに浴びせられる牧師の拳の連打。それがもの凄く痛いと感じるラズロ。
先月号でも思ったんですけどラズロには「痛み」の感覚というか記憶というものが欠落していた感がありますね。
肉体強化の結果、脅威の再生能力を身につけた、それだけが理由というよりは、彼はリヴィオが自らを守るために 生み出した人格なわけだから「痛み」に傷ついたり恐れを抱いたりする感覚は最初から排除されていたのかな と思ってみたり。
牧師の拳の連打音を背後に聞きながら、唇を噛み締めていた台風氏。
そんな彼のサングラスに隠れた瞳から溢れた涙が頬を伝って、開かれた口から漏れたのは無音の叫び。
「声なき慟哭」と言えばよいでしょうか。
恐らく台風氏には分かってしまうのでしょうね。殴られるものの痛みも殴るものの痛みも。
そのどちらをも経験して知っているだろうから。
それにあとに出てくるラズロの述懐の通り、ボロボロの体で闘っている牧師にしてみれば「一気に銃で片付け」た方が楽なわけ ですが、でもそうしなかったのは「ラズロ」の向こう側にいる「リヴィオ」をどうにかして引き寄せたかったから。
だから敢えて体に負担がかかるのを承知の上で、自らの拳を使っているわけで。
牧師の意図するところを台風氏がすべて理解しているとは思わないのですが(そもそもいまの「ラズロ」をみて「リヴィオ」と 同一人物だと分かるのかという問題もあるような)少なくとも単純に殺すことで解決する道を牧師が放棄していることは解かっ たんじゃないかと。あるいはこれがいわゆる「報復」的な「殴り殺し」行為だとしても、今の台風氏には止められないというの もあるのかなと。(後者は今の牧師の行動としてありえないものだと100も承知の上なんですが、先々月のあの展開を振り返 ってみるとですね、この行為にそういう意図があったとしても客観的には成り立ちそうなので・・・)
どちらにしても確かに存在する痛み。
早く終わって欲しいと思いながら同時に今の牧師を止めることは出来ないということも分かっている。
矛盾した思いを抱えながらそれでもそこにある痛みを思えば涙が出てくる。叫びたくなる。台風氏はそういう人だと思うのです。

休むまもなく繰り出される拳の雨に晒されながら、心の中でマスターに助けを求めるラズロ。
その時、不意に牧師が動きを止め大量の血が開いた口から溢れ出てきて。
内ポケットから取り出しかけた代謝機能増進用のアンプル液も指の間をすり抜けてカラカラと地面を転がっていきます。
アンプル液のケースさえまともに掴めん・・・ということはもしかしてハンドガンを使いたくてももうまともにトリガーに指をかけて 照準定めることさえ覚束なかったからあえて拳で勝負してたんか?という勘繰りも出てきたりするのですが。
誰か拾ってやってくれ!という気持ちより、頼むからこれ以上それ飲まんといて!という気持ちの方が強かったのでむしろ転がって くれてよかったような気がしております。
牧師の体の限界を悟ったラズロ。これを機に形勢を立て直すべく生き残っていたお付きの方々に加勢を命じます。
台風氏に撃たれたまま倒れていた二人のお付きの方々はラズロの呼びかけに反応し、牧師目掛けて一気に襲い掛かりますがその加勢は 牧師越え一回転宙返りかまして割って入った台風氏によって退けられて。
押さえ込んだお付きの方々に腕を掴まれ同時にそれ以上の動きを封じられる台風氏。
その様子を横目で見ながらようやく再生が追いついた腕で牧師にトドメの一撃を放つラズロ。
意識すら覚束ない様子の牧師はその攻撃を避ける素振りもみせず。
しかし。
牧師の心臓をえぐりだそうと繰り出された左腕の手刀は、まっすぐに牧師の顔の横、左肩の上を通過して。
左腕の軌道を変えさせたものは他ならぬラズロの右腕。
呆然とするラズロの意識に這いのぼってきたのはリヴィオの気配。
予想外のリヴィオによる妨害に動揺するラズロの眼の前で、不意に意識を覚醒させた牧師が顔を上げると凄まじい叫びとともにラズロの 頭を後ろへ押し退けます。
一瞬後、勢いで起き上がっていた上半身ごと後ろへ倒れたラズロの顔面スレスレ、ついさっきまで頭のあったその位置を巨大な飛来物が 横切り、牧師の肩へ深々と突き刺さります。その勢いで牧師はそのまま後ろへ吹っ飛ばされて。
仰け反ったラズロの視界に映ったものは。半身を起こして自らのパニッシャーを構え、引き金を引き絞ったマスターCの姿。
・・・・・・・・・・・・・・・・アナタ4ヶ月前にお亡くなりになっていたのでは、という突っ込みは恐らく全読者共通の認識ではないかと思いますが。 執念というか妄執というか。それほどまでに牧師が許せなかったんでしょうか。これが「狂信的執着心」の表れと言われればそうか、とも 思うのですが。
しかしマスターCの行動はラズロにとっては許しがたい裏切り行為と映ったようで。
自分がここに居たにも関わらずそれに構わず攻撃したということを、自分をも殺そうとしたと受け取って。
・・・それは幾らなんでも飛躍しすぎと違うかと思ってもみたのですが、それだけラズロが純粋にマスターCを信頼し、心の支えにしていたと いうことの裏返しなのかなと思ってもみるのです。
ラズロにとって自分を肯定してくれるものはマスターCしかいなかった。
『ミカエルの眼』の中ですら、自分の桁違いな能力と精神の不安定さを危ぶみ排除する動きがあった。その時に自分の能力を認め、身を挺して 命を庇ってくれたのはマスターCその人だけだったから。
だから、自分はその人にとって特別な存在だと思っていた。二つの通り名を与えられ三本のパニッシャーを与えられ確かに特別な存在として 必要とされているはずだった。その他大勢のように駒として扱われることがあるなんて思いもしなかったのかなと。
『ミカエルの眼』の戦い方の理屈から言えば、目的の為に犠牲を厭わないということは至極当たり前のことで、マスターCこと爺様はそれを 実践したに過ぎないともいえるのです。ラズロも頭ではその理屈は分かっていると思うのですが、自分が「目的の為に犠牲」とされる側へ 回ることは想像していなかったんでしょうね。しかも爺様にそうされるとは。
そして理屈と感情の不整合に折り合いを付けるには、ラズロという人格はあまりに不安定で幼いのだろうと思いまして。
「牧師の実年齢21歳」が公式発表されたとこから計算すると「リヴィオ」の実年齢は19〜20歳で「ラズロ」はそれよりあきらかに年下 (2003年2月号参照)なわけですから14〜17歳くらいじゃないかなと。「幼い」というには少し年齢が上ですが「若い」のは確かかなと。

怒りにまかせ、すでに力尽き事切れていたであろう爺様へ向けてパニッシャーを乱射するラズロ。
そのままあらぬ方向へと銃口を向け所構わず乱射を続けるラズロの目の端に、爺様のパニッシャーを肩に受けうずくまる牧師の姿が映って。
銃口の先を牧師へ向けようとしたその瞬間。
ラズロの暴走を制したのは、やっぱりリヴィオでした。
せめぎ合うラズロとリヴィオの意識。俺がいなければ何もできないだろうとうそぶくラズロにもう大丈夫だと宣言するリヴィオ。
「そうさ。あの人みたいに生きてみたいんだ」
そう呟いた視界の先には、肩を押さえうずくまる牧師の姿。
牧師の思いは確かに届いたんだなぁと安心する一方、君がもっと早くに気付いてくれてればさぁねぇおいな気持ちも結構な分量ありましてよリヴィオくん? って突っ込みいれたくもなるわけで。
結果ラズロの意識を統合し、自らの意識を回復した「リヴィオ」。
地面にひっくり返って煙草をふかしながら牧師がようやく呼びかけます。
「"泣き虫リヴィオ"のご帰還やな・・・」
最後でようやく気付いたんですけど、途中一回も牧師「リヴィオ」って呼びかけしてないんですね。
引き寄せるのに多分一番効果的なはずの「名前を呼ぶ」という行為を抜きにして呼び戻しちゃったわけですね。
いや、名前どころか今月号、最後のコマまでまともな言葉は発しておりません、この人。
言葉によらず、行動だけで引き戻しましたか・・・・・・男前やなぁ・・・ってか格好つけ過ぎだいコンチクチョウ(ジタバタジタバタ)

ちなみにラズロとリヴィオの統合シーン。
カメラアングルを変えると顔の右側と左側で表情の違う人が独り言で会話してるという非常に怖い絵柄になるんだろうなと思ったりしました。


なにはともあれ、牧師は無事・・・とはいえないまでもどうにかこうにかリヴィオを引き戻すことに成功したわけです。
リヴィオがラズロを統合するにあたって大きな力となったのは、やはり爺様の攻撃から身を挺してラズロを庇った牧師のあの行動じゃないかと 思うのです。そのままラズロを盾にすることも出来たのに敢えてそうしなかった。
その辺りの牧師の思いを来月号ではリヴィオくんに問いただしてもらいたいとも思ったりしますが。
心配なのは牧師の今後。
これだけ体ボロボロの限界に追い込まれてしまったら、流石にこれ以上の再参戦は無理かなと。
生きてるだけで充分という気持ちもありますが。
自らの意識を回復したリヴィオくんが牧師の代わりに台風氏のサポートに回るのか?・・・・・とか考えたりもしましたが・・・・。
確かにあの撃たれ強さはこの上もない戦力だと思いますが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・ただですねぇ、リヴィオと台風氏が二人並んだ構図というのはですねぇ、こうしっくりこないというかなんというか・・・。

はっきりいえば台風氏の隣にいるのは牧師じゃないと嫌なんだってことなんですが。

だってせっかくここまで二人で来たんじゃないですか。最後まで見届けて欲しいじゃないですか。
ここまできて選手交代されるとですね、なんだか気分は「地区予選優勝まで漕ぎつけ甲子園出場、ベスト4入りが決定したところで いままでバッテリーを組んでいたキャッチャーが事故で入院。変わりに後輩とバッテリーを組んで決勝戦進出」な感じなんですよ。
本番これからじゃん!みたいな。
「二人で甲子園行って優勝するって誓ったよなぁ!」みたいな。(いつだよ)
紫紺の優勝旗だけ持って帰ってこられても、嬉しいけれどそれは何かが違うだろうと思ってしまうような。。。
「すべてやりとげた明日を共に〜」っていうのは「甲子園で優勝して金メダルを胸に一緒に校歌を聞こうぜ!」と同異義じゃないんでしょうか。
(そろそろ甲子園ネタから離れなさい)

・・・あんまり呑気なことばっかり言ってて牧師の命が危機的状態になったら洒落にならないのでこのあたりでやめにしておきます。
どうか来月号、怖い展開が待っていませんように・・・。



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