●2003年9月号報告書●


異様なまでの涼しさと長雨に秋の訪れを感じてしまう今日この頃。
というか今年の夏はどこへ消えた??という感じなんですが・・・。
夏大好きっ子な身としてはちょっと寂しい気がします。
暑い室内で汗水たらしながら効いてるんだか効いてないんだかの扇風機の風だけを頼りに チャーハンを掻き込む某CMに心意気を感じていた身としては(あれが熱いお茶漬けだったら尚のことよし!なのですが) やっぱり夏は暑いほうがいいんだな、うん。(他に幾らでも夏らしいシチュエーションはあるだろうによりによってこの例えかい・・・)
お盆も過ぎたことですし、ここ数ヶ月続く遅延連鎖のジンクスを断ち切るべく行ってみましょうOURS報告書!
(いやもう充分遅延しておりますが)


先月、リヴィオの台詞に凄惨な展開を予想した今月冒頭。
イキナリ現れた過去回想。
しかも牧師と台風氏が出会ったあの場面。
どこまでも続く青い空の下、巨大な十字架を背負い砂漠の真ん中に半分砂に埋もれるようにうずくまっていた牧師の姿。
かわされた台詞まで忠実に再現されていて。
ページを開いた瞬間、体中の体液が(血液といわずリンパ液といわず)ブラジル・アマゾン川で起こるポロロッカのごとく 逆流していく錯覚に襲われて、反射的に雑誌を閉じてしまいました。
まずい。この展開は極めてまずい。
なんでこのタイミングで過去なんか振り返ってるんですか。
君らが見ないといかんのは過去よりも未来でしょ〜〜〜!!!
昔話はヒゲも髪も真っ白な爺様になってからおやんなさいっっ
・・・・・・・・・・・・・・と、あまりの悪い予感にしばし先に進めず。
しかし放っておいてもどうにもならないし、どんな展開がこようとも最後まで見届けるって決めたやん自分・・・と恐れおののく我が心 を懸命に奮い立たせ、意を決して再び雑誌を開きます。(この間およそ30分)
『ウルフウッドや。ヨロシク!!』
そういって手を差し出した牧師の表情が今と微妙に違うことに年月の流れを感じてみたり。(キチンと描きわけられてるあたりが凄いなぁ・・・)
・・・・手がこちらに差し出されているということはこの回想は台風氏のものですね?
髪が少し短くて今より少し少年っぽい印象だったんだなぁ。そういえば。
この2、3年でグッと男前になったよなぁウルフウッド・・・・(いやこれは私の感想で)
そして場面はいきなり現在へと引き戻され。
迫りくるラズロと迎え撃つ体勢の牧師。
孤児院の皆さんを建物の中へと避難させて引き返してくる台風氏。
引き返してくるとは思ってなかったのでちょっと意外でしたが。
そこに襲い掛かるお付きの人々。(まだ居らしたんですね・・・忘れてました)
迷うことなく地面を蹴ったその先は。
牧師がお付きの人々へ、台風氏がラズロへと。
互いの敵へと目標をスイッチさせた絶妙なクロスアタック!
あああっ格好いいよぅ〜〜!!(うっとり)
この目標チェンジをラズロ君いわく
『めくばせひとつなくやってみせやがった・・・!!』
ちゅうところがまたよくて。奴らに言葉はいらないわけだ。先月の通じてないかもなんて心配は杞憂もええとこでしたか。
はははっいや〜お姉さん一本とられたな〜。(いつものことですが)
そして二人が背中合わせに立ったこの構図がまたツボで。
以前、ナイブズの元へ辿り着く前に、やっぱり二人が一緒に背中合わせで闘った時がありましたが(重慶ビル戦の直後)、あの時、牧師は相手に 背中を預けてるってことには無自覚でした。台風氏に寄りかかられて、はっとして、無意識のうちに自分が相手に背後をまかせていたことに気付いて 「不覚や」とか呟いてました。あの時点ではまだ、牧師の中に台風氏を信じることへの迷いがあったわけで。
それが今回、完全に意識的に牧師は台風氏に背中を任せている。振り向いて確認することもしないで、まるでそうすることが当たり前とでもいうかの ように。迷いもなく疑いもなく、だからきっと後悔もしないだろうということがこう画面からひしひしと伝わってきまして。
彼らの歩み寄ってきた遠い道のりを思うと、こうグッと胸にくるものがあるわけですよ。
(最近、毎号毎号感じるものではあるのですが)
なんでラズロ君の
『こいつら・・・すさまじく共闘(たたか)い慣れている!』
というコメントに、「そんなに単純なものじゃないと思うぞ?」と少し突っ込んでみたかったり。
実際、表に出てきていないものを含めるとそれなりに共に闘った経験はつんできている二人だとは思うのですが、協力し合って相手に向かうという意味では 微妙なところだと思うのです。それぞれがそれぞれの相手と戦うことで結果的にお互いのサポートになっていたところはありますが、一つの場所で 一緒にってなると実はそれほど多くはない気がするのです。それに牧師にとって台風氏のサポートがあくまで「ビジネス」として解釈されていた期間の戦い は、戦いの最中でも何かしらの距離感が二人の間に存在していたわけで。
それが氷解した今だからこそ、彼らはこういう戦い方ができるようになったんだと思うのですよ。
単純な慣れじゃない。もともと個々の銃の技量とか戦闘センスとかも卓越している二人だから一緒に闘えばそれなりの効果はあるし、間近でそれぞれの 戦い方を見てきていれば相手のペースやタイミングの読みも可能なのだろうとは思うけれど、それだけじゃない。
それだけじゃないんだと私は解釈しております。


そしてようやく出てきた牧師の言葉。
台風氏との会話。
「おまえな、大ピンチだんたん(や)(だ)ぞ」
っていきなり二人でハモられましても・・・・。(^^;)
ってか大ピンチだったのはどう考えても牧師さん、アンタの方でしょうが!
局所的にみればお付きの人たちに攻撃されかけてた台風氏もピンチといえばピンチだったかもしれませんが、ここ数ヶ月の危機的状況で人の心拍数掻き回して くれてたのは明らかに牧師の方だったので。人の心配しとる場合かホンマにもうっともう何度目になるか分からない突っ込みを入れてみたくなったり。
互いが眼の前の敵を放ったらかしてまず相手の大ピンチに加勢した結果が、あのめくばせいらずなクロスアタックだったってことで。
「ゆなっちどう思う?」「ラブ死に♪」(by『ひみつの保健室』)
頭の中を一瞬『賢者の贈り物』のストーリーダイジェストが通り過ぎていったなんてこともここだけのお話。


そして続く牧師と台風氏のドつき漫才。
「おんどれこんな所に来とる場合かッ!?兄貴の方はどうしたッ」
って牧師さんの突っ込みにやっぱりやってくれたかと微笑ましくなったり。
言われて何もいえなくなってションボリ落ち込む台風氏がエライ可愛いとか思ってみたり。
そんな台風氏に
「スマンちっと言い過ぎたなワイ」
とか牧師が謝ってるのに驚いてみたり。(まずいよこの人思ってたより素直な人かもと心配(?)してみたり)
など色々思うところはあったのですが。
この場面、一番に突っ込まんといかんのは、

君ら戦いの最中に敵さん無視して何してますのん!?

ってとこですね、やっぱり・・・・。
もう完全にラズロとかお付きの人とかアウトオブ眼中で二人だけの世界。
あんたら状況分かってるのかーーー!!分かっててやってんのかーーーー!!
いや、あんまり分かってないだろう。
周りが見えてないだろう。
久しぶりの再会で嬉しかったのは分かるけど。
状況を考えなさい状況を!!!
お馬鹿さんでしょ君たちっ
あ〜〜も〜〜っっこんな奴らが大好きだよっっ!!ちくしょう愛しくて堪んないよぅ馬鹿ヤロウっ(半泣)
・・・・とひとしきり自分でも制御不能な感情のうねりにのたうってたのは、ひとえにオープニングの体液ポロロッカの反動なわけですが。
あの30分間の大葛藤は一体なんだったのかと。。。
恨み言の一つも言いたくなるってもんです。
そーんなプニプニほっぺでにらんだって怖くなんかないぞっ(メロメロ♪)←ダメじゃないか全然・・・。
いや、久しぶりのデフォルメ映像にいたく心が和んだのは事実なんですが。


そしてページをめくるとなぜか厚生省衛生二課の入江さんが(笑)
すわ落丁かと、思わずページ番号見直したのはお約束だと思いますが。
今月のページ数が少なかったことについては、残念な気持ちが半分、安堵の気持ちが半分といったところで。
あんまりサクサク進まれると早く終わりがきちゃう、というのもありますし。
それにトライガンは量より質の漫画だと思っているので、多少のページ数の増減は読み手としてそれほど気にはしてません。
むしろ納得のいくものを丁寧に描きこんでもらえる方が有り難いし、嬉しいですよね。
(いや、もちろん増えてたら小躍りして喜びます→人間てのは現金なもので(^^;))


うっかりギャグゴマに毒気を抜かれていると、来月波瀾の展開に足元をすくわれることになりかねません。
(まだ少しポロロッカ現象が尾を引いている模様・・・)
大時化がきても耐えられるようにしっかり足元踏ん張って来月号を待ちたいと思います。



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