●2003年7月号報告書●


今月のOURSは、色んな意味で魂揺さぶられっぱなし。感情振り回されっぱなし。
おかげさんで平日仕事の合間に魂がすっ飛んでどっか行きかけること数回。
(長すぎる会社の会議、進捗報告の合間で延々こんなん考えてる社員がいてますよ、部長?)
「報告は要点を抑えて手短にかつ漏れなくまとめるようにと教えたはずだ!」
不肖の弟子(?)ですんません。だけどコイツは譲れない。(キッパ★)
あまりに要素が多いので、今回ばかりは駆け込み感想ではとてもじゃないけど 間に合いそうにない、というわけでとりあえず思うところからピックアップで お届けしようと思います。(おそらくは3回程度になるかなと・・・)
唯でさえグダグダに長い報告書をこれ以上増殖させてどうするという話もありますが。
最終的に手に負えないくらい長いシロモノになりましたら校正いれてまとめますので 今はただ思いのままに、いってみましょうOURS報告書!


その1.「ばかだねニコラス」編   2003.06.07  

冒頭のリヴィオくんと爺様の過去回想エピソードについては、とりあえずバーベキューの野菜よろしく端の方によけといて。
先月の爺様の報復宣言を現実のものとすべく、孤児院の中に閉じ込められていたメラニィおばちゃん と子供たちが、今まさに戦いの舞台となっている教会の建物の前に引き出されてきます。
背の高いお兄ちゃんに抱きついてるオーバーオールの子がなんだか可愛いなぁと思ってみたりも したのですが、状況が状況なだけにほのぼのというわけにもいかず。
「こんな事してあんたたちに何の得があるっていうのさ!!」
そう叫ぶおばちゃんたちの眼の前に威嚇射撃の銃弾が降り注ぎ。
立ち上る土煙に紛れて合図をしたらバラバラの方向に逃げるよう、おばちゃんが子供たちにこっそり囁きます。
合図とともに子供たちをかばうように両手を広げて立ち上がったおばちゃん。
でも、誰一人逃げ出す子はいなくて。
「何でッ・・・!!何でいかないのよ〜〜〜っ」
緊迫したの事態の中で一瞬の安らぎを感じさせてくれるひとコマ。
後ろの子供たちのコメントがそれぞれ別々なのも妙にリアルで面白かったり。
(うん、腰が抜けてちゃ無理だよね、そうだよね)
でも、実際、バラバラに逃げなくて良かったです。
そうなったらきっと、それぞれ別々に狙い撃ちされてしまうだけだもの・・・。
(いや、おばちゃんの優しさは優しさとして否定するもんではないですが)
そんなおばちゃんたちの様子を見、この男はそんなところに命をかけていたのかも知れんと呟く爺様。
「・・・・・「識別」できるかな?この男だ」
仰向けに倒れたまま、天へ向けられた男の顔を見せようと爺様は足元の牧師の顎下につま先をかけます。
その動作に顎に力を込めて無言の抵抗を試みる牧師。
「見られたく無い様だな変わり果てた己の姿を」
「体の深まで染み込んだ殺し屋の忌まわしい臭いに怯えている」
この部分あえて「体の芯」といわず「深」という文字を使ったのは、今の彼の存在の根幹にまで 「殺し屋」としての業が根深く食い込んでしまっているんだってことを強調したかったからかしらと思ってみたり。
言いながら爺様は牧師の顎を押す足に力を込めていきます。
もう動く力はほとんど残っておらず手を動かすこともままならないそんな状態での必死の抵抗はあっけなく 封じられて。
ゴツンという鈍い音とともに仰け反った顔は、彼女たちの前に晒されます。
上下が逆転した牧師の視界に映ったのは。
驚きを隠せない表情でコチラを見つめるメラニィおばちゃんの顔。そして。
「・・・・・・ニコ・・・ラス・・・・・・」
驚愕の中から自分の名を呼ぶ声。
この時の牧師の表情が・・・表情が・・・・・・・・・・・・・・・

・・・っっっっだぁっっっ!!!(ガシャンゴロンゴロン)
↑思いあまって何かをひっくり返した模様。
顔が仰け反っているので紙面上、上下が逆転しており細かい表情が読み取りにくいなって思って 雑誌引っくり返した瞬間に何かに後頭部すごい勢いでひっぱたかれたような感じになりまして。
だって、こんな表情の牧師、今まで見たことないですよ?
辛そうなことはこれまでも幾度かありましたけど。。。こんな今にも泣き出しそうな悲しそうな絶望的な 表情を浮かべた牧師は・・・(・・・記憶検索のちコミック総ざらえ復習中・・・・)ええ、見たことないですとも。
牧師が一番恐れていたこと、一番避けたかったことってまさにコレだったんじゃないですか?
孤児院の人間に今の自分の変わり果てた姿を見られてしまうこと。
自分がかつて共に暮らした「ニコラス」だと知られてしまうこと。
そして今まで自分がしてきたことを知られてしまうこと。
その結果、自分の唯一の居場所であり心の拠り所である彼女たちに「拒絶」されてしまったら。
きっとどうやって生きていったらいいのか分からなくなる。今度こそ道を見失う。
だから多分もう二度とここに戻ってくるつもりはなかったんでしょうね。牧師・・・。
こんな事態になった今だからこそ戻ってきたけど、その前は近づくことも避けてたんじゃないかなと思うのです。
(そこには当然、この孤児院の人たちを巻き込みたくはないって心遣いもあったはず)
今回だって自分が何者なのかあえて知らせるつもりはなかっただろうし、誰にも気付かれないまま去っていく つもりだったんだろうな・・・。
でも牧師の中の理性がそういう判断を下す一方で、感情の部分ではこの場所に帰りたいと思い続けていたはずなんです。 それこそ夢にみるほどに。
だから、気付いて欲しい気持ちもどこかにあった。矛盾してるんだけどそういう気持ちも抱えていた。
おばちゃんに名を呼ばれた瞬間、牧師は絶望もしたけど・・・・その中には安堵の気持ちもあったんだろうな。
懸命に隠していた秘密が白日の下に晒されて、ずっと一人で抱え続けていた重い荷物を降ろすことができるそういう安堵。
ただし、この時点でこの安堵はどっちかっちゅうと全然建設的なもんでなくて「全部終わったな」的な諦めの感情に 近い気がするんですわ。
だから張り詰めていたものが途切れて「力が一気に抜けて」しまった。

その様子に続く爺様の高笑い。
この「鐘」、少々どころではなく鳴りすぎなので2002年12月号のリヴィオ君よろしく誰か蹴っ飛ばして下さいまし。
年長者と老人に対する尊敬とか敬意とか。先月の牧師の言葉を借りるなら『じゃかましわボケ!!!』
そんな爺様の様子を気にとめることもせず、おばちゃんは静かに言います。
「ばかだね」
「ニコラス。あんた、また独りでやろうとしただろ」
そう言われた牧師の表情は、孤児院にいた少年の時そのままで。
(いや、間違いなくこのコマだけ牧師実年齢に戻ってる気が・・・)
「全く損な子だねぇ」
「あんた理想が高いくせに融通が効かなくて傷付きやすいんだから、一人だと色々手にあまってきたじゃないか」
「そんなに傷ついて・・・・何年も帰ってこなかったくせに・・・・・・」
「一番居て欲しい時にはちゃんと来てくれるんだねえ、あんたは」
そういって涙を流したおばちゃんの姿を見てたらですね。
・・・・・・・いや、もう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(言葉が出てこない様子)
・・・・・〜・・・・・・・・っっ・・・おばちゃん、ありがとう。ホントに、ありがとう、というしかないです。(滂沱)
よかったね、牧師さん。ニコラスくん。君が守ろうとしたものには命をかけるそれだけの価値が確かにあったよ。
牧師の心配は全部取り越し苦労でしたね。おばちゃんの方が何倍も上手でしたよ。
しかし、おばちゃんのこの言葉、繰り返し読んでるうちにフイに気付いたことがあり。
「理想が高い」「融通が効かない」「傷付きやすい」・・・・・・・・・・・・・これって私の知る牧師の姿とは微妙に違う気が。
これらの形容詞ってどっちかっていうと台風氏に当てはまりませんか?
って考えて閃いたある発想。
そうか。
やっぱり似てるんだわ、この二人。本質に抱えているものは同じなんだわ。
牧師はそういった自分を押し殺さないと生きていけかった。『ミカエルの眼』の一員として「殺し屋」として 生きていく以外に選択の余地がないという現実の前では、高い理想も融通の効かなさも傷つきやすい繊細さも すべて邪魔なものでしかなかったから。だからそういったものは胸の奥深くにしまい込んでしまっていた。
そうするとなぜ牧師が台風氏の言動にこだわっていたのか分かるような気がするのですよ。
牧師は台風氏の中に、切り捨てたはずの過去の自分の姿を見ていたんじゃないかな。
だからあんなにイラついたりぶつかったりしてたんじゃないでしょうか。
なんだかそんな気がします。

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とりあえず第一部はここまで。第二部は「友達できてんで」編ということで。
「つきあってやるか」という奇特な方がいらっしゃったら続きもどうぞよろしくです。


その2.「友達できてんで」編   2003.06.22  

反転した視界の向こうに佇むおばちゃんたちの姿を見つめながら、牧師は胸の内で呟きます。
『そうやな・・・なんもかんも一人でやろうとしすぎたかな・・・』
そして微かな笑みを口元に刻んで呼びかけます。
『なぁ・・・おばちゃん。友達できてんで。ワイよりアホやねんで』
その表情が穏やかで。穏やか過ぎて。何か牧師の中で思いが昇華されてしまったようで。。。
魂まで手放したらあかんで?それだけはマジ勘弁。いやマジホントに。
神様、お迎えはまだよこしたらあきません。この人、これから幸せになるんやから。
と涙ぐみながらハタとつまずき。
友達。ふむ友達・・・・・・友達??えーとっえーとっ誰のことでしょうか???
あなたよりアホなキャラクタてほかにいてましたでしょうか??(何気にあなたド失礼なことを・・・)
いや、何を言わんとしているのかは、かっちりきっちり分かります。
行間読むまでもなくそりゃあの男のことだってことは、どんな捻くれた見方したって丸分かりです。
でも・・・なんというんだろう。理性の理解速度に感性の理解が追いつかないというか。
磁石の同極のように近づけば近づくほど妙な反発力が働くというか。
友達じゃ不満なんか?自分・・・。いや、友達でええんやけど・・・悪いわけじゃないんだけど。。。。
でもっでもですねぇぇぇ友達か??君らは友達なのか!?
仲良きことは美しきことなんやけどあんたらいつの間に、そんな「友達」ゆう一言で言い表せるほどシンプルに仲良くなったんやーーーー!!
お姉さんに分かるように説明してーーーーーーっっ!!!!
ザッパーンッッゴプゴプゴポゴポッッ。゚。゚゚。・・・・・・すいません、今、往年の東映映画並みの 感情の高波が防波堤を越えてちょっと気持ちが嵐の波間で行方不明に。(日本語をしゃべんなさいね)

改めまして。
今回のキーワードとして色々物議を醸している牧師の「友達」発言。
「きっと脳に血が足りてないに違いない」とか「牧師の夢物語」とか「言葉が不自由な人だから他に表現方法が思いつかなかった」とか色々な説が出回っておりますが。
読んだ直後は、私も上記のごとくかなりグルグルしてたんですけど、(ええ、もう鳴門の渦潮状態で) おばちゃんの台詞とかその時の牧師の表情とか、繰り返し繰り返し思い返し見返しているうちに、 「ああ、これは牧師の偽らざる本音なんだろうなぁ」と思うようになりまして。
牧師と台風氏の関係は傍から見てたらとても単純に割り切れるものではなくて、二人の間に存在する甘すぎず馴れ合わない ストイックな緊張感が彼らの魅力の一つにもなっていたのですが、実際のところ、この二人の関係を単純ならざるものにして いたのってなんでしょうか。
それは一つには牧師の置かれていた『立場』が大きく影響していると思うのです。
「GUNG−HO−GUNS」であり、かつ「ミカエルの眼」の裏切り者でもあり、ナイブズから「案内役」と「子守」の指令 を受けた身でもあった牧師は所属する組織の中で常に微妙かつ複雑な立場に立たされてきています。
その微妙さがそのまま台風氏との関係の微妙さや複雑さにつながっていたのは確かなわけで。
それが今、ナイブズからの依頼であった「案内人」としての立場はなくなり、反旗を翻した結果「GUNG−HO−GUNS」の 一員としての働きは放棄され、それと同時にギリギリのバランスで保たれていた「ミカエルの眼」の構成員としての役割も完全に手放している。
彼の今の立場は以前とは比べ物にならないくらいシンプルになっているんですよね。つまり組織としての縛りがなくなっている。
そして、牧師自身は「喰えない」のなんのかんのと言われてはいますが、複雑な「立場」を背負って生きていく上での処世術を差し引いた部分では、 極めてオーソドックスな考え方と価値観を持った人だと思うのです。
フィフスムーン事件で台風氏の人外としか思われぬ桁外れの力を目のあたりにし、その脅威を恐れ、その存在を利用し場合によっては 排除することを当初は目論んでいたとしても、幾つかのターニングポイントを通過するうちに確実に気持ちが変化していったのは間違いないわけで。
私が思うターニングポイントは以下の4点。
  @雲泥対戦編(コミック2巻)
  ASHIP激闘編(コミック3巻)
  BDOUBLEチーム編(コミック6巻)
  C方舟救出編(コミック8巻)
その中でも大きく気持ちが動いた箇所は@の雲泥対戦編からAのSHIP激闘編にかけてだと思っております。
(もちろん地球からの救援船の話も気持ちを揺さぶる上で高ポイントであったことは間違いないわけで)
それから後は、基本的に牧師は台風氏の行動を極めて自然にサポートしているように思えるのです。
ただし、ここからあともしばらく牧師は自分の気持ちの変化というものに対する自覚があまりないような (というかワザとその部分については、はぐらかしてしまっているような、認めることを拒んでいるような)印象が強くて。
(これは多分、第一部の終わりの方でちょろっと言った生きていくために押し殺してきた部分だと思うんですが・・・)
彼には「案内人」として与えられた使命があってそれを果たさなくてはいけない。
台風氏を庇うのも加勢するのもすべて『仕事』のうちなのだと、ことあるごとに呟いてきたのは、 何かを期待してしまいそうな自分自身に釘を刺す意味あいが強かったんだろうな・・・。
(ほら・・・彼は台風氏いわく「裏切られるのが怖い」人でもあるから・・・←ここら辺に傷つきやすい少年らしさがほの見えていたとも言えるのかも・・・)
期待しなければ裏切られて傷つくこともないわけだし・・・。
でも、無意識の底には「もしかしたらこの男なら・・・」っていう気持ちが常にあったはずで。
それがはっきりと現れたのがBのDOUBLEチーム編の時かなと。
無意識に背中預けてたっていうのは、相手に対する信頼がなければできないことだと思うんですよ。
そして最後の一押しは方舟救出編。
「案内人」としての役割を終えた彼には、もう今までの行動原理(「仕事」を理由にした台風氏のサポート)は働かなくなっている。
それでも「人一倍死に怯え生きることに執着した」牧師が命をかけて挑んだ、劣勢必至のこの勝負。
この時、彼を動かしたものは「立場」ではなく、一人の人間としての意志だったわけですよね。
先月号で牧師が呟いていた言葉たち。それが台風氏の救出を決断した時の牧師の心情そのものだったと言えるのではないかなと。
あの桁外れの一途さを信じてみようと決意して動いた、その結果はまだ出てはいませんが、少なくとも自分の意志による決断と行動をあの男は 「間違ってない」という言葉で肯定してくれた。
ある意味、信じてみようとした牧師の思いは正しく報われたと言ってもいいんじゃないかなと思うのです。
(大きな意味での結論はまだこれからっていうのはもちろんありますが)
もしかしたら、その後の台風氏の台詞まで、牧師寝たフリしてきっちり聞いてたかもしれませんね。。。
性格まで完全に見抜かれてた上、これから桁外れの脅威となった相手に挑む理由が自分がかけた命ひとつで十分とまで言われたら、諸手をあげて 全面降伏しちゃいそうな気がするんですが。
ってか私だったらする。してしまう。そして嬉しさ余って舞い踊る。(←よしなさいってば)
冷静に考えたらそんな勢いでつっこむなっ阿呆−−−っっとかいって諌めた方がええんかもしれませんが、実際自分が言われてしまったら、 理屈より前に胸が熱くなって何も言えなくなるんじゃないかと。
方舟からの脱出を果たしたあとで、牧師、台風氏に自分の過去の秘密とか年齢の話とかしてますよね。
この話、いままで誰にも話したことはない内容のはずで、また、組織を離れたとはいっても誰にでも話せる内容ではないわけで。
それを語ったってことは、それだけ相手に心を許してるって証拠かなと。
そして繰り返し口にした「頼むで」の言葉もその裏打ちになるんじゃないかなと。
組織の中での立場を離れ、一人の人間として、ニコラス・D・ウルフウッドとして人間台風、ヴァッシュ・ザ・スタンピードと向き合ったこの時から、 牧師の中では台風氏は友人として位置づけられたんじゃないかと思うのです。
この際、台風氏がどう考えてるかはあんまり重要ではなくて(いや、台風氏にも同じ気持ちはあると思ってはおりますが)、牧師が台風氏のことを 「信じてもいい」と思えたことに意味があるんじゃないかなと。
そして皆さんご存知の通り、牧師は情の強い人間ですから、一度友人と認めたからにはお別れしようが、遠く離れて会えなかろうが、今頃ドコで 何してるのかと心配もするし、本人がいないところで誰かが悪く言うようなことがあれば反論もする。
しんどいことがあれば手伝ってやりたいと思う気持ちも、それができなくて申し訳なく思う気持ちも彼がヴァッシュを友人と認めたところから 発してると考えると合点がいくのです。
(おばちゃんに向けた彼の言葉、「自分のこと心配せえよ」って、まんま牧師に言ってやりたいよ。。。)
牧師はそういう奴なんだと思いますわ。大切に思う身内や友人は絶対に切り捨てられない。自分がそういう人間だと分かってたから、 あえて台風氏と距離を置くようにしてたところもあったのかもしれないなぁ・・・。
まるで代名詞のように「裏切り者」呼ばわりされる牧師ですが、ホントはそうではなく、彼は自分の大事なものを裏切れないだけなんですよね。

しかして不器用で意地っ張りなこの男が「友達」として台風氏を認めたんはともかく、モノローグとはいえ言葉にしたことの意外さは残るわけで。
ただ相手が母親代わりともいえる、おばちゃんであったからこそ素直にその言葉が出てきたって言えるのかな〜と。
張り詰めていた色んなものが緩んだ拍子につい本音が、みたいな。
彼女の前にいるのは誠実で不器用で傷つきやすくて情の深い一人の、まだ十代の少年そのままの牧師なんだと思えば、違和感なく受け止められる気がするんですわ。
まるで学校から帰ってきた子供が親に今日あった嬉しいことを報告しているような感じですもんね。
やっぱ、牧師、相当嬉しかったんだろうな・・・方舟で台風氏が言ってくれた一言が・・・・・・(と私は解釈しておりますが)

以上、私なりの牧師の「友達」発言解釈ですがホンマはこんなにややこしく考えなくても、素直に作品を読めば奴らは友達っちゅうことで なんの問題もないんかもしれません。
しかし毎月毎月、行間を読みといて色々な想像を逞しくする作業を延々続けておりますと、作品に描かれていない部分での関係解釈が自分 のなかである程度出来上がってしまってて、その枠内に収まりきれない展開がやってくるとすんなりとは自分の中に入っていかないのですよ。。。

『踊る大捜査線 THE MOVIE』で小泉今日子が演じていたレクター博士ばりのサイコキラーの台詞を借りるなら
「おまえたちが事件を複雑にしているだけだ」

はーい、そうかもしれませーんっっっ(泣笑)
でもここまで来たら、もう後には戻れない。引き返せないなら前に進むだけです。(キラリン★)

例え今後、本人を眼の前に、牧師の口から「友達」発言が飛び出してこようと。
「ヴァッシュ」とかちょっと照れながら呼び始めても。(爆)
お姫様抱っことかされちゃっても(壊)←大丈夫。レイもシンもされてるからっっ男の友情の証だからっっ(すいません、最近『北○の拳』読みました・・・)
砂漠にかかる幻の虹の袂を目指して二人で走り出したとしてもっっっ(幽体離脱中)
・・・・・・・・・・・・・大丈夫さっっおおっ大丈夫だともっドンとこいっっ(涙目)←ドコまで本気なんだ自分・・・
(最後の一個はともかく他のが来ないと思い切れないところが怖いよぅ・・・)

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ひとまず第二部はここまで。第三部は「HERO RETURNE」編ということで。
今後の展開妄想も付随でくっついてくる気配なので、今の勢いのまま走ってみようと思います。
(今度こそ近日中にはっっ)
発売日に間に合わん展開予想は見苦しいだけやしな・・・。(遠い目)


その3.「HERO RETURNE」編   2003.06.26  

戻りまして本編。
束の間のおばちゃんとの穏やかな時間は当然長く続きようも無く。
爺様の報復実行を告げる声により、遠くに彷徨いかけていた牧師の意識は現実に引き戻されます。
ゆっくりとパニッシャーの照準が定められていく様を見上げる牧師の視界の中、爺様の膝の上のアンプルホルダーが目に留まり。
まるで弾かれたような勢いで牧師、そのアンプルホルダーに噛み付きます。
多分、この人この時なにも考えていないと思われます。
体も碌に動かんような状態で、それでも今から眼の前で起こる理不尽な殺戮を是が非とも止めたくてただ必死なのだということが すごく伝わってくるんですよね。
(でも「噛み付いてそれからどうする」ってついつい考えてしまいましたけど・・・)
そして。

今まさに惨劇の現場にならんとするこの場の上をよぎった飛行艇の巨大な影。
牧師の必死さも爺様の動きを止めることはできず、絶望が一瞬辺りを包んで。
鳴り響く銃声と訪れる沈黙。
しかしそこに現れたのは凄惨な悲劇ではなくて。
流される血の変わりに彼らの目の前に現れたのは。
赤いコートの優しい死神。
牧師が鍵と呼び、友と認めて希望を託したあの男。
昨年12月号の「HERO RETURNE」宣言から8ヶ月。(ああ、ちょうど作中で方舟作戦が発動されてからの年月の経過と同じくらいですか・・・ →これが読者に作中世界の追体験を促すために意図的に準備された間合いだったとすれば凄過ぎなんですが・・・さすがにそれは深読みが過ぎますか・・・)
やはりひとまず言いたいのは「おかえりなさい主人公!」ですねっっ
観測至上近年稀に見る早さといわれたホンマもんの台風を伴って現れるなんて洒落が効きすぎですぜ旦那!
いや、、、しかし長かったな、この8ヶ月。。。あんまり台風氏の不在が長いので途中赤コート欠乏症になって悪魔とダンスを踊ってたのが遠い昔のようですわ。。。。 (赤コートについて言えば、不在期間は通算1年半にも及びますか→表紙は別としまして)

待ちに待った再登場。一方で「あ〜来ちゃったんだ。。。」という気持ちもなきにしもあらず。
彼の登場を一台風ファンとして嬉しく思う気持ちは多分にあるんですが「この問題は牧師に自分の手で解決させてあげたい」とずーっと思ってもいたので。
だって、これって単純に大切な人を守るための戦いっていうだけでなくて牧師にとっては「過去の清算」って意味合いも強いんじゃないかと思っているので。
でも、やっぱり牧師辛そうだから、サポートしてあげて欲しいって気持ちもあったわけで。
「来ないで欲しい」と「来て欲しい」の間で自分でもどっちになって欲しいのかよく分からなくなってたというのが正直なところで。
だから何にせよ台風氏が来てくれて、ひとつの方向に答えが出てすっきりしたっていうのはあります。
こうして台風氏が来てみて思うのは、もし、このまま台風氏が牧師を助けにこないままで牧師の件に関してなんらかの決着がついてしまうと、 展開としてはハードボイルド、クール&ドライで格好いいんですが、この「教会激闘編」がまるごと話の本筋と絡まないサイドストーリーに なってしまいかねないんですよね。
そうするとその後、台風氏がどう行動してもなんだか説得力とか緊張感とか勢いが弱くなるのは否めない気が。
だからやっぱりこの場所への台風氏の登場はある意味最初から約束されていたことでもあるって言えちゃうのかな〜と。
それに、リィナを取り返しに行った時もSHIPの皆を助けに赴いた時も、台風氏の大切な誰かを守るために、いつも牧師は手を貸してくれているんですよね。
裏に色々事情があって、単純な人助けの気持ちばかりが理由ではなかったにせよ、結果として彼が手を貸してくれたお陰で守られたものは大きかったと思うのです。
だから、今、牧師が大切なものを守るための闘いに台風氏が参戦して手を貸すということは、極めて自然な流れなんですよね。
ただ、牧師がこの事態を素直に喜ぶかどうかとなると話はまた別でして。
『あいつなら一緒にやってくれたかもしれんな・・・』とかモノローグしておきながら実際に来たら来たで「何しにきたんやボケェ!!!」と叫ぶ可能性も大。極めて大。 素直じゃないのが牧師の売りですから。
あんまり素直になって真正面からビバ歓迎大感謝モードでお出迎えされたら、どんビキに引きまくりです。
そして本気モードで「重慶ビル戦での楽師のソニックウェーブの後遺症が今頃になって!!」とか心配されますから。
しかし、台風氏、この場所目指して一直線に飛んできてたのかな・・・。
孤児院がディセムバの外れにあること自体は以前、牧師が話してたから知ってるだろうし。(そして台風氏は律儀にそういうことは忘れない人だし)
牧師がそこを目指すであろうことは、容易に想像できることだし。
偵察がてら同乗していた高速挺の航路がたまたま牧師の教会の近くで、爆炎が上がるのを見て、もしやと思ってやってきたいうあたりが順当でしょうか。
んで、いつぞや乗り合いバスの中から針の先ほどのサイズの彼を見つけた時と同様に、持ち前の目の良さを生かして牧師発見、そのまま高速挺から飛び降りたと。
驚いたやろな・・・高速挺に同乗してた人たち。
台風氏のことやから、多分たいした説明もせずに勝手に飛び降りてる可能性大やもんな。。。。
ええ、重慶ビル戦前、ホテルの窓から砂漠虫に飛びついた彼ならきっとそうしてるんじゃないかと。
人類の運命左右するような戦いの鍵を握る男にこんな予測不能な行動されること考えると、一緒にいる人間は鋼の心臓とザイル並みに太い神経を持ち合わせとかんと 身がもたんと思われますわ。
やっぱり台風氏と一緒にいられるのは君しかいないよっ牧師!
この際、ガラスのライオンハートはも一回胸の奥にしまいこんで最後までつきあってもらえませんかね?
→なんにも関係ないですけど、「一匹狼」っていう言葉にはダンディズムを感じるのに「ロンリーウルフ」ちゅうた途端、 えらいラブリーな印象に早変わりするのは一体どういう言葉のマジックなんやと思います?(ホンマなんの脈絡もないな・・・)


さて、台風氏参戦により今後、物語が大きく動くことが予想されます。
次号を待ちきれない頭の中では、すでに両手の指では到底間に合わない数の展開予想が花盛り。
当たるも八卦当たらぬも八卦でそのホンノ一部をちょっとだけ書かせていただきます。

今の状況で後のことを台風氏だけに任せて牧師実況中継に回るってのはありえん話なので彼の再参戦は必須なんじゃないかと思っています。
ということはアンプル液注入も必須になってくるわけで・・・(ブルブル)・・・でも他に元気になる方法が思いつかないです。。。
あと台風氏には牧師を助けること以外にも実は目的があって、ミカエルズのコインを集めにきたっちゅうのが真相だったりしたら・・・ (いやだな・・・でもそれもありか・・・っていうかあれまだ有効なんかな・・・)
そして爺様の暴露話。(牧師発言の伝達事項引継ぎ完了)嫌がらせですか。はい、嫌がらせです。
あとどうしても気になるのが、今の牧師のポジション。
爺様が相変わらずこの不肖の弟子を座椅子のごとく尻の下に敷いているのが気がかりで。
なんかしようにも近すぎるんですよ。牧師と爺様の距離が。
台風氏がくるまでは、孤児院のおばちゃんと子供たちが牧師をいたぶる材料であり人質でもあったわけですが、台風氏がきた今、彼女たちの身の安全が確保されて、 変わりに牧師の方が極めてやばくなったように思えるのです。
純粋な命の危機、というよりは牧師を精神的に追い詰めるため、彼自身の命を利用することを爺様が考えたとしたら、という部分で。
つまり牧師、人質にされるんじゃないかと思いまして。。。
眼の前に自分の愛弟子が希望を抱くきっかけとなった相手がいて、自分の足元には身動きを封じられているその不肖の弟子がいて。
爺様がこの好機を見逃すだろうか。見逃してくれるんだろうか。
牧師の希望を根こそぎにして絶望の中に叩き込むことが爺様のいう報復ってことなら、この何一つ見限らないと宣言された男に残酷な二者択一を 迫ったりしだすんじゃないだろうか。
眼の前で信じた相手に裏切られるというシチュエーションを作り出す。そういうことを考えていたりはしないだろうか。
牧師にパニッシャーの銃口を押し付けて、台風氏に牧師が守ろうとしている孤児院の皆さんをどうにかしろとか言い出すんじゃないかと・・・。
(すいません・・・自分で考えながら血の気が引いてきてます)
言われて素直に応じるなんてことはこの人のことですから絶対ないでしょうが、この場合「ヤダ」の一言で事態の打開を望むのは難しいと思われますし・・・。
牧師が黙って人質役に甘んじるとは思えないし・・・。
台風氏でてきたばっかりだというのに、いきなり急転直下な展開に巻き込まれそうな予感がします。
リハビリ期間もなしですか。
そんなにいきなり動いたらダメ!体液でちゃいますから!(ナ○シカ?台風氏はオームの子?(爆))


一方で、読者の色んな心配(妄想)を掻き消すスタイリッシュアクションが拝めるような期待もしてたりします。
台風氏登場の落胆とか不満とか不安とか、その逆の歓喜とか期待とか希望とか、諸々全部抱き合わせていい意味で全ての読者の期待や予想をことごとく 裏切ってくれるような気もしてるのです。
(だって内藤さんですから!)

そしてこれは予想というより希望なのですが。
トライガンに出会ってはや4年。
テレビシリーズを見終わった時からずーっと頭の中で思い描いていた一つの場面があります。
牧師と孤児院の方々絡みでどうしても見たい場面があるんです。
聞きたい台詞、と行った方が正しいかな?
アニメはアニメ、漫画は漫画で基本的には別々のものだと思っていますし、展開上出てこない可能性もあったし、夢想はしつつも半ば諦めかけていたのですが、 現在の展開なら、役者の揃ったこのシチュエーションなら、もしかしたら見られるかもしれないな、と密かにかなり期待してたりします。
多分、多くのトライガンファン、とりわけ牧師ファンが心の底で待ち望んでいることじゃないかなと一人勝手に思ってみたりしているのですが。
(いや、逆に見たくないって思ってる人もいるかな・・・)
これは当たって欲しい予想なので、あえてここでは書かずにおきます。
ほら、エエ夢は人に話したらアカンっていいますやん?
願い事は叶うまでは黙っとく方がええらしいですし。
(んじゃ、上に散々書き散らしたものは一体なに→ほら、悪い夢は人に話せば正夢にはならないって言いますから)
来月は無理でも再来月。再来月が無理でも再々来月あたり。
あるかもしれないし、ないかもしれない。
でも、あったらいいなと思いながらその日を待ちたいと思います。



以上で三部構成でお届けしました今月分の報告書は終わりとなります。
こんな書いた本人が気が遠くなるようなダラダラ感想に、ここまでおつきあい下さいました方、どうもありがとうございます。
そして結論。

やっぱり報告書は要点を抑えた手短なものであるべきだと認識しました部長ーー!!(大馬鹿モノ)
来月号はもう少し落ち着いた状態で抑え目にいきたいと思います。



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