壁際にうずくまった牧師。
ひとまず、まだ生きてました。(前回それさえも曖昧だったからね・・・)
近づいてくるミカエルの眼の方々に条件反射のように構えたハンドガンのマガジンは空っぽで、
引き金を引くたびに鈍いハンマーコックの音のみが響きます。
(あかんのか…!!ここまでやってきて…!!)
銃弾ガンガン浴びせられて、意識は朦朧としてるわ、弾切れだわ・・・
四方八方ふさがった状況で抵抗を諦めかけた牧師の脳裏に孤児院の子供たちの顔が浮かんできて、
その中にあったまだあどけない表情のリヴィオの姿が、現在の彼の姿と重なります。
(まだや!)
力の入らない体に鞭打って大量の血を吐きながらもパニッシャーを構えなおして立ち上がる牧師。
(泣き虫リヴィオ…!!おんどれは…ワイが救ったる!!全員で…生き延びるんや!!)
そんな牧師の文字通り血を吐くような祈りもむなしく、リヴィオの手によって容赦ない銃弾の雨が牧師に降り注ぎます。
かろうじて急所を構えたパニッシャーで庇いながら、苛烈な攻撃に成すすべもなく晒される牧師。
血の色に染まって翳る視界の向こうに見えるのは絶望の暗い闇。
踏みしめていた足からは力が抜け、体を支えきれなくなります。
(頼むで…後生や…救いたいんは本当やねんか・・・)
そこまでされても、尚まだ救いたい言いますか、この人は・・・。。。 ( _ _ 。)
牧師の思いは又もすれ違い・・・いつもいつも相手のことを想っているのに報われないんだよね・・・。
(牧師の片想い比率はトライガン1やと思いますわ)
ことここに到って「この人って聖職者だったんだよな」と思い出してみたり。
(「牧師」ってまんま聖職者のはずなんだけど、もう固有名詞化してたから・・・)
もがいてももがいても光が見えない闇の中。
それほど多くのことを望んでいるわけではないのに願いはままならず。
「譲れないものを守るため」であったとしても、それを無条件の免罪符とすることもできないで罪悪感に苛まれ、
必死になって掻き抱く腕の中から何もかもが零れ落ちていく無力感に襲われて・・・。
普通だったら、あまりの理不尽さ不条理さに憤り、神様罵倒しても仕方ないような状況だと思うんです。
神様なんてホントにいるんかって疑ったっておかしくない。
(って思うのは私が特定の宗教を信仰してないからかもしれないけど)
でも牧師はそれをしないんだよな。
重き荷が自分に課せられた使命だとまでは思ってないにしても、神様の悪意を呪うことも疑うこともせずただ祈るだけ。
というより、もうこれは嘆願。
まるで小さな子供が親に助けを求めて、握り返してもらえない手を必死で伸ばしているような痛ましさが漂ってくるんだよ・・・。
なんか神様の首根っこ掴んで振り向かせてやりたい気分になってしまう。
(神様…よう、神様…人殺しは人殺しか。綺麗事ぬかして笑かすないう事か…ワイは…)
「間違ってる言うんか」
誰も応えてくれる当てのない問いかけの最後の呟きだけが声になり言葉となって、牧師の口からこぼれます。
多分それは今までも彼が何度も心の中で問いかけて、実際に口にしたこともある言葉だと思うのです。
答えがないのは分かっていて、でも本当は誰かに応えてもらいたくて無意識のうちに発した言葉。
そのまま力尽きて倒れかけた牧師の体は冷たい床に投げ出される手前で何かに柔らかく受け止められます。
降り注ぐ銃弾の雨をくい止めて、牧師を庇うように広げられた幾枚もの巨大な羽。
「間違ってないぜ、ウルフウッド!!」
台風氏ジャストタイミングで復活!!しかも見開き1ページ!!
くぅ〜〜〜かっこ〜い〜い〜〜〜狽o(>_<)
疲れてるけど、ヤツれてるけど、赤いコートも着てないけど、でもよいです〜。
もうこの一言に今回のお話のほとんどが集約されてるっていっても過言じゃないです。
誰かに言ってもらいたかった一言を、今この時この場面でこの男の口から言ってもらえるなんて、牧師いままでの片想い分帳消しにしてもお釣りが来ますよ。
この果報モノめ…。
「おまえ…目ェ覚ましてるなら・・・はよせいよアホ・・・」
相変わらずな憎まれ口も、羽の中に抱えられたまんまの姿勢では照れ隠しにしか聞こえません。
その顔に浮かんでいる表情はまぎれもなく安堵でしょう。
張り詰めていたものが緩んだのか(緩んだだけだよな?そうだよね?)
「後は頼むで。ワイは少し休む」
と言い残して意識を手離した牧師。
(本人が心配げな台風氏に向かって「大丈夫や、まだ死なん」って言ってるからその言葉を信じましょう)
もうこれって、牧師が台風氏を全面的に信じたって解釈してOKですか?OKですね?
(今回の行動そのものがまずそこを前提にしてるってのはあるんだけど)
気を失った牧師の体を静かに床に降ろすと、台風氏エンジェルアームの再発動を試みます。
それを妨げるようにフイに襲いかかる巨大な硬質の羽。
いまや幾多のプラントと融合を繰り返したナイブズは次元の違う存在になったのだと、その場に現れたエレンディラ姐さんが口にします。
「諦めなさい」
と促すその言葉に対して、しばしの沈黙の後、台風氏は足元に血まみれで横たわる牧師を見遣りながら答えます。
「あのな、この男は僕に命をかけた。人一倍死に怯え…生きることに執着した この男が。勝ち目のあるなしなど関係あるか。理由としちゃこれで十分だ」
牧師ーーー!!あんた寝てる場合じゃないよっ起きなさいっ(ドンドンパンパン)
血なんかあとで足したげるからっっ(無茶言う)
台風氏、見ないふりしてキチンと牧師のこと見てたんじゃないですか。
しかし、人類の未来左右する最終決戦に望む理由がそれで十分って言い切ったのには驚き。
台風氏も思いきったもんです。
もちろん、背景には今まで出会ってきた人々に対する思いっていうのもキッチリあるんだと思うんだよね。
でも、今ここで体を張る理由としては目の前の一人の人間が自分にかけた命の重みで十分ってことですか。
男前や・・・男前やで・・・・・・・・・・・(惚れ直し中)。
その後、発動されたエンジェルアームの出力を通常の前面から背面へ転換させて方舟の床に穴をあけ、牧師と台風氏緊急脱出。
(体力限界な台風氏が自律防衛で自分に跳ね返ってきた力を下に逸らしたってのが正しいようですが)
なんか穴落ちながらアチコチ引っかかってたようですが(妙な呻きが聞こえたし…)
あれって台風氏と牧師のどっちの呻きなんだろう?
なんにせよ、これでもう一度仕切りなおしってことですね。
それは無理だろうって思ってたから嬉しいかぎり。
(牧師の再参戦はあるのかどうか、おぼつかない感じもしますが・・・。)
誰もがもう「動けないよね?」と思ってる状態なのに参戦してハラハラさせるのも牧師の常套手段だから・・・・
安心はできないかも。
でもパニッシャーも方舟に置き忘れていったぽいからな・・・・
今回はいつも以上に重傷だし、ひとまず緊急避難はできたけど、すぐに保険屋さんたちとかにキャッチアップしてもらえなかったら、せっかく存えた命も風前のともし火状態だし・・・・・・(ブツブツ)
これで再参戦してきたら、本格的に「牧師、SHIPで手術中にサイボーグに大改造」説が有力視されてきますな…。
次号冒頭は、SHIPのオペ室に運ばれる意識を失ったままの牧師の姿かな・・・・
それとも砂漠に投げ出された台風氏と牧師による、「SHIP死闘編〜その後」のような会話劇が展開するのかな・・・。
SHIPに行けば、台風氏はメリルとも再会することになるのでそれも見たいんだよね。
まだまだ楽しみは続きそうです。
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