●2002年2月号報告書●


今月の表紙は見返り台風氏。廃屋でお酒飲みながら呼ばれて振り向いたってな感じで。
内藤さんは廃屋がお好き?
以前、メリルとミリィと台風氏というスリーショットで「廃屋でお茶会」な表紙の時もありましたね。
ワンショット・グラスでキツメなお酒を飲むのが、砂漠に生きる男の心意気なんでしょうかね。
牧師もミッドバレイも台風氏も、皆さんことごとくこのタイプのグラスでお酒を嗜んでいらっしゃるようですが。
黒猫さまも出演してちょっとほのぼのムードな感じです。

しかし本編はほのぼのとは程遠い内容でして。
2年の年月を経て再び相まみえることとなった台風氏とナイブズ。
今までのGUNG-HO-GUNSの襲撃そのものは、台風氏を追い詰めてプラントとしての力を覚醒させることが 目的であったようです。
人間とプラントの違いを思い知らせ、相容れない存在であることを自覚させようとしていたと。
ナイブズは基本的に同種であり唯一の兄弟でもあるヴァッシュのことを憎んでいるわけではなく、 どちらかといえば唯一同盟者になれる相手として気にかけてる感が強いです。
でも当のヴァッシュはそんな気はさらさら無くて、それでお兄ちゃん苛立ってるみたいな。
・・・・なんとなく、巨大財閥の長男が放蕩者の次男をなんとかしようとして手を焼いてる 図式が頭の中を駆け巡りますが、それはおいといて。

「お前にもう力は使わせない」
黒髪化がプラントとしての疲弊度を表しているとヴァッシュに告げ、そう宣言したナイブズ。
確かに、前髪一房しか黒髪化が進んでいないナイブズに比べて襟足から後頭部半ばにかけて 全体的に髪の色が変わっているヴァッシュの方が黒髪化が進行してるのは一目瞭然。
融合したプラントの力を使って、ヴァッシュを捕縛しようとしますが、ヴァッシュとしても 素直に捕まるわけには行かず、兄弟同士での銃撃戦が始まります。
銃撃の合間を縫って交わされる兄弟の会話。
「いいか?これは戦争なんだ」
人間は自分たちのように桁外れの力をふるう存在を受け入れるはずがない、自分達の居場所 を脅かす存在として力ずくで排除しようとするはずだ。
そう言うナイブズにヴァッシュは言います。
「もしもそうなったら僕はいそいで逃げよう。そしてまたほとぼりがさめたら静かに寄りそうよ」
・・・いいですね、「寄りそう」って言葉好きです。但しお兄さんには通用しません。
「一世紀以上かかって、得たものがそんな答えか!!」

続く銃撃戦。そんな中、新発見。マキシマム編に入ってからリニューアルしていた台風氏の コートには脇腹の辺りに両側2本ずつ黒いパイプ状のものが取り付けられておりまして、それにつながる背中には室外機のコンパクト版のようなものも見受けられます。
これはきっとロストテクノロジーならではの装着式エアコンに違いない。
暑いときにはパイプの中を冷風が流れ、寒い時には温風が流れているんだ、きっと!
・・・という大方の予想を裏切り、黒パイプは銃のマガジンであったことが判明。
左が隠し銃である機関銃のマガジンで直接装着して使用。右がハンドガンの詰め替え用で六発の弾を一度に装填できる仕組み。そうか、彼の連射の秘密はそこにあったのか!!
というわけで台風氏の発砲カウントが装填可能限界を遥かに超えていたことの証明は成り立ちましたが、んじゃ牧師のパニッシャーは??とか意地悪なことも考えてみたりして。
弾の無尽蔵さについては台風氏の比じゃないくらい撃ってたこともありましたが・・・。
彼のはそもそも大きさが違うから、装填されてる弾の数も桁が違うんでしょうが・・・。
弾切れしたら、あのパニッシャー本体が武器になるに違いないという話もあり。
きっと、こうブンブンと振り回しながら敵をなぎ倒すんでしょうな・・・。
恐るべし「ミカエルの眼」(笑)

・・・・話はかなりどうでもいい方に逸れてしまいましたが、間断ない銃弾の雨の前に流石のナイブズも多少おされ気味です。

そのころ階下には、何かを感じ取ってレガートが駆けつけておりました。
牧師とエレンディラ姐さんもいるんですが完璧に無視。
気になるのは階上のナイブズさまの安否のみといったご様子。
しかし蓑虫型の装具のままで無理に歩いてこんでも・・・。
しかもその杖、めっちゃ歩きにくそうです。
制するエレンディラを狂気の潜む眼で一にらみして黙らせ階段を上っていくレガート。
なんや結局いかすんか、と不服そうな牧師とだって仕方ないでしょといった感じのエレンディラ姐さんの投げやりっぽい掛け合いがちょっとツボでした。

舞台戻って階上のお二人。
「昨日のことは忘れたいんだ」
そう言って少し哀しそうに笑う台風氏。
「でもね、無理だ」
一度忘れてしまい、取り戻した記憶。
それがどんなに辛いことでも、再び忘れてしまうことの方が苦しいとやっぱり彼は思ってたんですね。
それは辛い記憶を封じることで、残しておきたい暖かな記憶まで葬らなければいけなくなってしまうからっていうのもあるんだと思います。
「誰かの悲しみを消せた時だけ、少し楽になれる」
楽になれる、ここがポイントだと思います。
「情けは人の為ならず」じゃないですが、人の行動原理って基本的には、自分に何らかのプラスが発生することを期待しているような気がします。
別に金銭とか労力とか傍目にも見える見返りばかりではなく、自分の努力が認められたり自分のしたことが誰かのためになったりした時、 そこから生まれる満足感や達成感や喜びを無意識のうちに求めているところって誰にでもあるんじゃないでしょうか。
ヴァッシュが求めているものも、根は同じなんだなと。
それが分かってなんだかホッとしたというか。
あまりに達観しすぎて「他人が幸せならそれだけで」と謳われても、そこまで悟りきれない凡人の身としては逆にリアリティが薄くなってしまう部分もあるのです。
自分が救われる為に、誰かの哀しみを癒そうとすることは決して利己主義とそしられるようなものではないと、むしろ人としてあるべき姿かなとも思うわけで。
そして、ナイブズを止めるためプラントとしての力を行使しようとする台風氏。
重慶ビル戦以降、自分の持っているプラントとしての能力の制御が出来始めている様子が伺えます。
但しその力は発動寸前でナイブズによって阻止されます。
どこまで行っても2人の意見は平行線を辿るばかり。
先に説得を断念したのはお兄さんの方でした。
「終わりにしよう、仕方がない、融合してやる」
そういって、他のプラントを取り込んだ時と同じように台風氏を取り込もうとするのですが、逆に台風氏側に取り込まれそうになり、間一髪のところで階段を上ってきたレガートによって引き剥がされます。
以前、今はなきコンラッド氏が言っていたようにプラントとしての能力・・・
流れ込むエネルギーの大きさとか許容範囲とかになるのかなって思いますが、そういう潜在的な能力では台風氏の方が上ということが証明された形になりました。
しかし台風氏の反撃もここまで。
レガートの特殊能力により拘束された台風氏はなす術もなく囚われの身となってしまいます。

そしていよいよ、ナイブズの計画が始動し始めるわけです。
巨大な塔から白亜の巨大船「方舟」が切り離され、残りのGUNG-HO-GUNSとともに乗り込むナイブズ。
「雨なきこの地に、創世記に匹敵する無慈悲の闇を降ろしてやろう」
人類絶滅へのカウントダウンの始まり。果たしてこの星に生きる人々の運命はいかに?
以下次号へと続くのであります。



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