Osteuropanische Musik Collection
Polen
Anna German Анна Герман |
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Bal u Posejdona / Złota kolekcja “Ball with Poseidon / Gold
Collection” |
ロシアでも人気のあったウズベキスタン出身のポーランドの女性ボーカリスト、アンナ・ゲルマンの、1999年にポーランドでリリースされたベスト盤、当時リリースされたほとんどのアルバムから曲がピックアップされている デビューした当時はミュージカルで当時のジャズソングを歌っていたという事で、レコードデビュー初期の録音はヒット曲の “Tańczsące Eurydyki
(踊るエウリディーチェたち)”も含めジャズ風、交通事故によるリハビリ後、復帰した70年代に入ってからロシアでも活動を始めてからは自作の曲やロシアン・ロマンスなどもしっとりと歌い上げている アンナ・ゲルマンはポーランド出身の歌手として知られているが、元々ドイツ系ロシア人(姓が「ゲルマン」なのは偶然だそう)、ナチスの台頭後ドイツ系だということを理由に強制移住を強いられたウズベキスタンで1936年に生まれ、父親の死後に母親がポーランド人と再婚した事もあり戦後はポーランドで生活、そのままワルシャワ大学で地質学を専門としていたが、学生劇場でのミュージカル出演をきっかけとして歌手としての活動を始め、その美貌と美しい歌声でポーランドの多くの音楽祭で入賞や優勝し、1967年イタリアのサンレモ音楽祭やナポリ音楽祭への出場後、ボローニャで交通事故に遭い瀕死の重症を負いながらも3年のリハビリ後に復帰、その後学生時代からの恋人と結婚し出産、ロシアのロマンス曲を歌ってロシアでも人気歌手となり1982年に46才でガンで亡くなるが、その後木星と火星の間にある小惑星に彼女の名がつけられるという波乱万丈な経歴の持ち主、生誕70周年という事でロシアでも多くのCDがリリースされている |
Platynowa kolekcja / Złote przeboje Platinum Collection / Golden Movers |
ポーランドで歌われた代表曲を集めた1999年のベスト盤 お馴染みの曲でも数曲アレンジが違う曲やライブ版が収録されている |
1965年ポーランドでのデビューアルバム、ロシアでもヒットしたアルバムタイトルの「Tańczące Eurydyki」や「Bal u Posejdona」などの他、イタリア歌曲の「帰れソレントへ」やアズナブールの「ラ・マンマ」なども歌われている 2003年にCD化された際、それ以前にリリースされたシングル盤からの4曲もボーナストラックとして収録 |
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Recital piosenek “Recital songs” |
ポーランドでリリースされたアルバムを2002年にリマスターしたCD全集より、1967年のアルバムが収録された第2集 |
Wiatr mieszka w dzikich topolach Wind Lives In The Wild Poplars |
1971年リリースの4thアルバムに、ボーナストラックとしてシングル盤を収録して2001年にリリースされたアルバム |
Domenico Scarlatti “Tetida in Sciro” Arie z opery |
17世紀ナポリの作曲家・チェンバロ奏者のドメニコ・スカルラッティが、ポーランドの王妃マリア・カジミーラに仕えローマにある王妃の小劇場のために毎年新しいオペラを発表していた時代の1712年初演の歌劇「シーロ(スキロ)のテティーデ」のアリアを歌った1971年の録音に、ボーナストラックとして1971年に自作の曲を歌ったシングル盤からの4曲を加えたCD全集の第5集 オペラアリアという事で普段とは違った清々しく可憐な歌い方で、後に続くボーナストラックのしっとりとした色気を感じさせられる声と比べるとナンともいえない趣きがある |
Самое Лучшее “The Best” |
旧ソ連の国営レーベルのメロディアから2000年にリリースされた、代表曲を集めた2枚組ベスト盤 |
Полное Собрание
Песен 1 Посидим,
Помолчим… “Full Assembly of Songs 1 Let's sit, we shall keep silent...” |
2003年のベスト盤等未収録曲集第1集 「踊るエウリデーィチェたち」「ポセイドンの舞踏会」「急がせないで」「アンダルシア・ロマンス」「タンゴ・ダモーレ」など、ポーランドでのデビュー頃の曲やファーストアルバムからの曲を中心に収録されているものの、曲間が短くメドレー状態になっている部分が多い |
Полное Собрание
Песен 2 Спасибо тебе,
мое сердце “Full Assembly of Songs 2 Thanks
you, my heart” |
2003年のベスト盤未収録曲集第2集 美しいメロディのレアな曲が多いが、第1集と同じく曲間が短くてメドレー状態になっている部分もやはり多く、LPから直接音源が使用されたものもあるらしく針音やキズ音などもそのまま再生されている曲もある カンツォーネの名曲「帰れソレントへ」は珍しく英語とイタリア語で歌われている |
Gland Collection |
ロシアで発表した代表曲を集めた2005年のベスト盤、総収録時間ほぼ80分と一枚のCDに一杯一杯に収録されているため、曲間も短くほとんどメドレー状態のアルバム 自分の作曲した曲やロシアの人気作曲家シャインスキーの曲などの他に、ロシアの愛唱歌「輝け、私の星」「ステンカ・ラージン」「われ一人旅路にでれば」や、アルメニアの現代ピアノ作曲家アルノ・ババジャニアンの、「いつも貴方のそばに」というタイトルでシャンソンとしても知られている「急がないで」に、ガーシュインの “The Man I Love” を英語で、バッハの「アヴェ・マリア」もイタリア語で、叙情感あふれる美しい声で歌っている |
Grand Collection Part2 |
グランド・コレクション第2集 アンナ・ゲルマンのベスト盤は多々リリースされているのにもかかわらず、まだCD未収録曲がたくさんあるのにびっくり! |
“Human Destiny” |
1970-78年ごろにロシアで発表した曲を集め、2006年に生誕70年を記念してリリースされたアルバム、ドイツ語の曲も1曲含まれている 特に表記はないのだけどひょっとしたら全24曲自作の曲かもしれないが、ロシアの70年代の歌というのは一曲の中で突然テンポや曲想や調子が変わることが多く歌いこなすのにはかなりの技が必要なような気がする、そんなアップテンポの曲や歌謡曲調の曲やクラシカルな曲をふくよかでしっとりとした声で聴かせてくれる |
Золотая
Коллекция Ретро “Golden Collection Retro” |
ゴールデンコレクション・レトロ・シリーズとして2006年にリリースされたアンナ・ゲルマンの2枚組みCD 1枚目はポーランド語やイタリア語、英語、ドイツ語で歌った活動初期を中心にした珍しい曲が集められ、2枚目はロシアでのヒット曲集 |
Золотая Коллекция Ретро -Романтика- “Golden Collection Retro -Romanticism-” |
2006年リリース「ゴールデン・コレクション・レトロシリーズ」2枚組第2集、第1集との曲のだぶりが少しあるけれど、こちらに収録されているのはライブ版と、代表曲の「愛の木霊」は珍しいデュエット・バージョン |
Золотые Неаполитанские Шлягеры “Golden Neapolitan hits” |
66-67年ごろイタリアで活動していた頃に収録したイタリア語で歌った歌を集め、2007年にロシアでリリースされたアルバム 「帰れソレントへ」「フニクリ・フニクラ」「この胸のときめきを」などのカンツォーネや、ポーランドやロシアで歌った歌をイタリア語で録音した歌も収録されている |
Anna Maria Jopek |
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日本でもライブコンサートを行っているポーランドのジャズ・シンガー、アンナ・マリア・ヨペックが、ポーランドのフォークソングやパルチザン・ソングなどを、ショパンのメロディを折り込んだりもしたジャズアレンジで、静かに歌った2011年のアルバム |
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Irena Santor |
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Embarras / Tych lat
nie odda nikt Golden Collection Embarras / |
1960年代から2000年代までポーランドで活躍した、明るくクリアな声の女性ポップシンガー、イレーナ・サントアの60 - 70年代の曲が中心のベスト盤と、2000年代に歌ったカバー曲やライブなど集めたベスト盤をまとめた2008年リリースの2枚組アルバム |
Władysław Szpilman |
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Piosenki - Nie ma
szczęścia bez miłości “Songs - There Is No Happiness Without Love” |
映画「戦場のピアニスト」のモデルになったポーランドのピアニストで作曲家のウワディスワフ・シュピルマンが、ポーランドで作曲したポップスなどの愛唱歌を集めた2000年のアルバム |
Zbigniew Preisner |
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(OST) |
ズブグニエフ・プレイスネルによるクシシュトフ・キェシロフスキ監督の1991年の作品 „La double vie de Véronique(ふたりのベロニカ)“ オリジナルサウンドトラック盤 静かな繊細で美しい映画なので、リコーダー、リュート、ピアノなどで演奏された音楽も静かで儚く美しく、まるで古楽のよう 映画の中で「オランダの作曲家によるコンチェルト」として演奏される曲もプレイスネルの曲 |
Das
Tschechien
Marta Kubišová |
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Songy a Balady “Song and Ballade” |
60年代後半「プラハの春」の時代に「チェコのブリジッド・バルドー」と呼ばれていたチェコスロバキアのアイドル、マルタ・クビシュヴァがビートルズの「ヘイ・ジュード」や「グリーン・スリーブス」などをチェコ語で歌った1969年のアルバムの1996年CD再発盤 このアルバムにも収録されている300年前の故事を元にして作詞された「マルタの祈り」が、1968年の「ソ連のチェコ軍事介入」以降「愛国的な内容」が「反体制的」、つまりは「反ソ連的」だということでアルバムは発売されたもの1年後には発禁となり、歌手としての活動を禁じられたクビシュヴァが再び脚光を浴びたのは1989年の「ビロード革命」の際、この歌を忘れていなかった国民の声に答えて20年ぶりに歌ったその姿が全世界のメディアによって配信されたからだそう、ボーナストラックとして軍事介入寸前に収録された別バージョンの「マルタの祈り」も収録されている 「プラハの春」が舞台の映画「存在の耐えられない軽さ」にクビシュヴァの歌う「ヘイ・ジュード」が挿入歌として使われたり、このアルバムが発表された時期や歌手活動禁止後のクビシュヴァの人生などを考えると反骨精神にあふれた革命的な内容が想像されるが、そういう時代背景がなければ単に60年後半当時の若者特有のポップスを歌ったアルバムとして扱われていたのでは・・と思うと、反対に「時代」というものの重さを考えさせられてしまう |
“Pray” |
マルタ・クビシュヴァの63-68年発表のシングル盤を集めた1999年のCDコレクション第4集 シングル盤のコレクションという事で、ハスキーな声で「テネシーワルツ」「ブルームーン」などのカバー曲やジャズ、ソウル、バラードなどバラエティに飛んだジャンルの曲が歌われている 代表曲の「マルタの祈り」はソ連軍事介入後に収録された弦楽器のアレンジでしっとりと歌われるバージョンが収録されている |
Přiběh “Tumble” |
マルタ・クビシュヴァの再活動後の曲も含む2004年発売のベストアルバム、「マルタの祈り」のオーケストレーションバージョンや、60年代後半にチェコで人気があり一時は “Golden Kids”というユニットを組んでいたHelena VondráčkavaやVáclav Neckářとの共演曲もある 最盛期の69年から再活動後の収録である93年まで24年も活動停止期間がありその間ほとんど歌っていなかったということなのに、多少声が丸くなったとはいえ元々ハスキーな声の人なのでそんなにブランクやギャップは感じられない ボーナストラックとして60年代に歌っていた曲を93年にセルフカバーした “Cesta”が収録されている |
代表曲やシングル盤からの曲を集めた2009年リリースのベスト盤 |
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Zuzana Lapčíková |
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Moravian Love Songs |
チェコ出身のボーカリストでありダルシマー奏者のズザナ・ラプチコーヴァが、モラビアのトラッドをジャズ風のアレンジで歌った1999年のアルバム |
Ungarn
Balázsovits Edit |
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“New Republic Songs” |
ハンガリーの有名監督・俳優を両親に持ち、舞台やテレビで活動している女優バラツォビッツ・エディットが、ベテランロックバンドRepublicをバックに迎え製作した2009年のアルバム Republicは民族音楽をペースにしたエスノロックを歌うグループのようだけど、このアルバムは一時フランスの女優が挙ってリリースしていたアルバムの様な歌唱力よりも雰囲気重視の趣きがあり、可憐で華奢なエディットのイメージで作られた80年代フレンチポップステイストの曲が歌われている |
Muzsikás és Sebestyén Márta |
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ハンガリーのトラッド音楽復興運動の中心的存在の一人で、80年代にハンガリーのアコースティック・ミュージックを世界に紹介し、その歌が映画「イングリッシュ・ペイシェント」や「おもいでぽろぽろ」などに使用され、日本でもコンサートを行っているマルタ・シュベスチェンが、ハンガリーやブルガリア、ギリシャやインド、アイリッシュなどの国を越えて広がったトラッドを、自ら集めて歌った1996年のアルバム ハンガリーの祖先は東洋から来た遊牧の民と言われ、言語的にも日本語と親戚関係にあると言われているらしく、バシキリアのトラッドの一曲は、バックにモンゴルの民族音楽に使われるホーメイ(喉歌)が使われメロディやアレンジも中央アジア風で印象的 |
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“Morning
Star” |
マルタ・シュベスチェンとトラッドバンド、ムジカーシュが、トランシルヴァニア地方の村々に伝えられた音楽を、低くて渋い歌声と軽快な演奏でフィールド・ライヴ感覚を活かしながら再現した1997年のアルバム |
映画「イングリッシュ・ペイシェント」の挿入歌を含む1997年リリースのベスト盤 |
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Szalóki Ági |
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「ラメント」 |
ハンガリーを代表するトラッドバンド「マカーム」のボーカリスト、サローキ・アーギのハンガリーのトラッドをジャズ風のアレンジで歌った2005年のアルバム サローキの声はかわいらしく、ジャズアレンジされているハンガリーのトラッドとはいえ、中国奥地の少数民族の伝承音楽と言われても分からんのでは?と思わせるメロディや言葉の発音やこぶしなどの歌いまわし方にびっくり、ジャズアレンジではなくオリジナルで聴きたかった気もちょっといたします |
“From
Mouth To Mouth” |
ハンガリーの女性ボーカリスト、サローキ・アーギが、Bognár Szilvia(ボグナール・シルヴィア)、Herczku Ágnes(ヘルツク・アーグネシュ)とハンガリーのトラッドを歌った2007年のアルバム 3人の超絶技巧ボーカルをからみ合わせ、編み上げるように高みに昇って行く東欧風メロディとハーモニー満載で、じっくりとした聴きごたえ充分のアルバム |
Bulgarien
Voix Bulgares |
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On TV CM 「ブルガリアン・ヴォイス イン・TVコマーシャル」 |
ブルガリアの伝承音楽を歌う女声合唱団、ブルガリアンヴォイスのTVCMに使われた曲を集めた1988年のシングルCD 日立テレビのCMに使われていた「トラキアの平原から」を、それとはまた別にNHKのドキュメンタリー番組の中で聴き、その哀しい歌声に惹かれて初めは中近東・アラビアあたりのCDを片っ端からチェックしていったけど見つからず しかしまさか東欧の音楽とは、侮りがたしヨーロッパ |
Yanka Rupkina |
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The Voice
of Bulgaria |
一時、日本のCMソングに使われたりしていたブルガリアの女声コーラスで、ケイト・ブッシュのアルバムにも参加した「トリオ・ブルガルカ」のリーダー、ユンカ・ルプキーナの2005年のソロアルバム ブルガリアのトラッドはもちろんのこと、ルプキーナ作曲によるオリジナル曲の他、リタ・クーリッジ共演のポップスやロバート・イェルマーとのブルース、ラッパーとの共演などバラエティに富んだ内容を、超絶技巧のブルガリアン・ヴォイスで締めたアルバム |
Мариана Попова Mariana Popova |
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2006年のユーロビジョン・ソング・コンテストにブルガリア代表として出場した女性ボーカリスト、マリアーナ・ポポヴァの2008年のアルバム ユーロビジョン出場曲の “Let Me Cry” や数曲が英語とブルガリア語で歌われ、その他ブルガリアの人気男性ボーカリストMiroとデュエットした疾走感あふれる曲や、他のアーティストと共演したスペイン語、ポルトガル語などの曲をソウルフルに歌い上げ、東欧というよりもオリエンタル色の方が濃いアルバム |
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Невена Цонева Nevena Tsoneva |
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“Without
Fear” |
2007年、8千人の新人アーティストたちの中から1人が選ばれるブルガリアのタレント・オーディション番組「Music Idol」の第1回の優勝者となったネヴェナ・ツォネヴァのファーストアルバム オーディションでもセリーヌ・ディオンやウェザー・ガールズ、クリスティナ・アギレラなどの曲やビゼーの「ハバネラ」などを歌いあげて勝ち抜いていったらしく、歌唱力は抜群でポップスやR&Bやダンスミュージックを表現力豊かに歌っているけど、こちらも東欧色は薄い |
Софи Маринова Sofi Marinova |
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“Time
Stop” |
ブルガリアのロマ人(ジプシー)のポップ・フォーク歌手、ソフィ・マリノヴァが少し粘りがある歌声で、アラブとスラブの旋律にツィゴイネルな味付けがされたポップスをノリもよく、曲によっては情感たっぷりに歌い上げて、聴きごたえがある2008年のアルバム |
Rümanien
Adriana |
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ルーマニアの美少女ボーカリスト、アドリアーナの2001年のデビューアルバム 録音当時16才ということだけど、少しロリータっぽい声質にファルセットを駆使したエキセントリックな歌声で、10曲目以外は全部自作という民族音楽っぽい旋律を歌いこなしている |
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2002年のセカンドアルバム 解説等すべてルーマニア語なので詳細はわからないけれど、大聖堂合唱団をバックにルーマニアのトラッドや宗教曲をしっとりと歌っている様子 このアルバムを発表後、現在活動休憩中の模様 |
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Alexandra
Stan |
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モデルも勤めているというコケティッシュで小悪魔的な美貌のシンガーソングライター、アレクサンドラ・スタンの、サックスアレンジが印象的なダンスポップスの2ndシングル “Mr. Saxobeat”
が、ヨーロッパでスマッシュ大ヒットとなった2011年の1stアルバム |
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Elena
Gheorghe |
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Lilicea Vreariei si Gică Coadă “Flower
of Love” |
バルカン半島南部一帯に住む民族であるアルーマニア人とルーマニア人とのハーフで、2009年ユーロビジョンソングコンテストのルーマニア代表に選出されるなど現代ルーマニアポップスを代表する若手実力派アーティストのエレナ・ゲオルゲが、同じアルーマニア人アーティスト、ギシャ・コーダとアルーマニア民謡を歌い2008年にリリースしたアルバム バンドのボーカリストを経て現在はソロ・ポップスシンガーとして活躍しているエレナは、3歳にして民謡歌手である母親の Marioara Man
Gheorghe(マリオアラ・マン・ゲオルゲ)との活動でキャリアをスタートさせただけあって、アコーディオンと打楽器とエレキギターの伴奏による軽快なフォークを、コブシ回しも巧みに快活に、また哀愁のあるメロディも切々と歌い上げ、上手いだけでなく若々しく溌剌としていて、中国の少数民族のトラッドを思わせる淡々とした渋い歌声のコーダのデュエットも絶妙 |
“I Love
You” |
エレナ・ゲオルゲの2008年にリリースされたアルバム “Te ador” に、2009年ユーロビジョン・ソングコンテストのルーマニア代表としてのエントリー曲 “The Balkan Girl” と、そのリミックス曲などを加えて再編集した2009年のアルバム 抜群の歌唱力でラテンアレンジされたリズミカルなポップスを力強く、バラードもしっとりと歌っている キャッチーなメロディを英語で歌った“The Balkan Girl” と数曲以外はルーマニア語で歌われているのだけど、不思議とマイアミ・サウンド・マシーン風のブラスアレンジと合っていて違和感なくばっちり決まっている |
Moldau
Cleopatra Stratan |
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“At The
Age Of 3 Years” |
モルドバの音楽プロデューサーの父を持ったことがきっかけで、OZONの「恋のマイアヒ」をヒットさせたプロデューサーの下、ルーマニアで2006年に3才でリリースしたシングル "Ghiţă" が大ヒットし、赤いトランクを引きずって歩く姿のPVが世界的に評判になり、日本でも「恋のギツァ」としてリリースされたクレオパトラ・ストラタンの1stアルバム 3歳にしては音程等々しっかりとしている割には大人びたイヤ〜な感じがほとんどなく、舌っ足らずの甘い歌声とルーマニア語の発音がマッチして、特に一生懸命に歌った英語版の「恋のギツァ」はイタイケさとひたむきさ満々で、ひたすら「かわいいっっ」に尽きるのだけど、各曲のアレンジがちょっとワンパターン、大人っぽいリズムの曲もばっちり歌いこなしてるのは、ひょっとしたら音声合成で作られてるのかも?? |
“At The Age Of 5 Years” |
5歳になったクレオパトラちゃんの2008年リリースの2ndアルバム 単なる可愛いだけの一発屋かどうか、その出来に真価が問われるところだけど、ポップスありラップ風あり表現力たっぷりの童話の語りありで、曲やアレンジだけではなく歌い方にもバリエーションがついたりと、かなり達者になっててびっくり このアルバムの翌年にクリスマスソング集をリリースした後の活動を耳にしないけれど、将来の活動に向けて充電期に入っているのかも |
O-ZONE |
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DiscO-ZONE |
「Dragostea Din Tei (恋のマイアヒ)」が世界中で大ヒットした、モルドバ共和国出身のグループO-ZONEがルーマニアで2003年にリリースしたアルバム うれしなつかし80年代ユーロビート調のディスコミュージックだけではなく、ラテン的な曲やバラードなどもしっかり聴かせてくれる 「恋のマイアヒ」はいくつかリミックスされていたけれど、原曲はそれに比べると少しのんびりした風情が漂っている(もともとは「菩提樹の下の恋」というタイトルの失恋の曲らしいし) この大ヒットで日本でもモルドバ共和国の存在が知れ渡ったけれど、その前後にこの曲はオリジナルや英語版の権利争いなどに巻き込まれ、結局O-ZONEは解散してしまったようで現在メンバーは個々の活動をしているよう |
Albanien
Viola |
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“If You Didn’t Find” |
スウェーデン出身のコソボ系アルバニア人で、現在スウェーデンとコソボで活動しているヴィオラの2006年の1stアルバム バルカンのビートに乗せたオリエンタルなメロディのダンスポップスを、絶妙なコブシを心地良く効かせながらワイルドに歌っている |
Bosnien
und Herzegowina
Amira |
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オスマン・トルコ治世下のボスニアに起源を持つと言われる、オスマンの旋律とボスニア古来の土着的民謡が結びついた音楽形式であるセヴダを歌う、ボスニア・ヘルツェゴビナの女性ボーカリスト、アミラの2004年のデビューアルバム ボスニアのベテラントラッドグループのモスタル・セヴダ・リユニオンのメンバーらが参加したアコースティック主体のアンサンブルをバックに、アラブやジプシーソングに通じるメロディーをトラッドな唱法をベースにして、じっくり歌い上げていくナンバーやバルカンならではの快速調のメロディを歌っている |
Slowenien
Manca Izmajlova |
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“Slavic
Soul” |
スロヴェニアのメゾ・ソプラノ歌手、マンツァ・イズマイローヴァの、ロシアやスロヴェニアやチェコ、クロアチアなどのスラブの愛唱歌や伝承歌を、ロシア・シンフォニーシネマオーケストラをバックに歌ったアルバム 「長い道」のようなロシアのロマンス曲やショパンのピアノ曲、セルビアの兵士の愛唱歌「Tamo Deleko」などの心に沁みるメランコリックなスラブのメロディを、ちょっともったり気味で派手ではないけれど、優しく心包み込むように歌っている |
“Slovene Heart” |
スロベニアのトラッドなどを壮麗なオーケストレーションでドラマチックに歌った2008年のアルバム |
Kroatien
Jelena Rozga |
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“Forgive Petite” |
クロアチアの老舗人気バンド「マカーム」で18歳から10年間ボーカリストとして活動していたイェレーナ・ロツガの2006年ソロ転向後のファーストアルバム ジャケットデザインを見るとロリータ系ガールズポップと思いきや、ギリシャ風とスラブ風が混ざったようなフォーク調のオリエンタルなバルカン歌謡を、こぶしを効かせながらしっとりと歌っている |
Lidija Bajuk |
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クロアチアのトラッドシンガー、リディヤ・バユクの、クロアチア、アイルランド、アフリカ、ボリビアの伝統音楽の影響を受けたラブソングを、透明感のある歌声で静かに歌った2005年のアルバム |
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Severina |
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The Best
of Severina |
地方都市で活動したのち1989年にアルバムデビューしたクロアチアの女優でありボーカリストのセヴェリナの、1991年から2004年までのアルバムからの曲が収録された2006年リリースのベスト盤 サッカー、クロアチア代表の愛唱歌として話題になった “Djevojko
sa sela(田舎から来た娘たち)”も収録されている デビュー後は敬虔で誠実なイメージだったが、2004年にスキャンダラスなプライベートビデオがネット上に流出して図らずも世界的な話題になって以来、セクシーで大胆にイメージをチェンジしたとのことで、このベストアルバムには両方の時代の曲が収録 クロアチアの伝統音楽風のリズムに乗ったポップ音楽やスローなシャンソン風な曲も歌いこなして聴きごたえあり |
セヴェリナの2004年のアルバム パワフルなボーカルでエスニックなジプシーソング風の曲のみならず、パラードやシャンソン風の曲も表現力と情感たっぷりと歌っていて、2006年にリリースされたベスト盤にもこのアルバムからの曲が4曲も含まれているように堂々とした自信作といった感じのアルバム |
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„My
High-Heel, My Falcon“ |
セヴェリナの2006年の6曲収録のマキシシングル 2006年のユーロピジョンコンテストにクロアチア代表として、タイトル曲の„Moja štikla“で参加したものの、この曲がセルビア的であると指摘され、プロデューサのBoris Novkovićやセヴェリナ自身も、この曲はダルマチア内陸部の音楽GangaやRereの歌唱にLijericaの演奏を取り入れたクロアチアの民俗音楽に基づくものだと反論して論争をよんだそう 他にも既発表曲のリミックス版などが収録されているが、タイトル曲に並べられた „Moj sokole“はターボ・フォークと呼ばれるセルビアの伝統音楽やギリシャの音楽、ロマ音楽、トルコ音楽などの要素をポップ・ミュージックに取り入れたバルカン半島発祥の流行音楽の第一人者であるMile Kitićの94年の作品 |
Mazedonien
Каролина Гочева Karolina Gočeva |
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Makedonsko
Devojče “Macedonian
Girl” |
マケドニア旧ユーゴスラビア共和国出身のカロリーナ・ゴチェバの、マケドニアのトラッドをベースに作成された5枚目の2008年のアルバム 10歳の時にマケドニアのチャイルド・フェスティバル出演をきっかけにデビューして以来、ユーロピジョンコンテストにも数回出場する人気ポップ歌手として活動していたけれど、トラッド風の哀愁のあるメロディをハスキーがかった声でしっとりと歌ったこのアルバムは評判になり、セルビアをはじめ旧ユーゴスラビア諸国でもリリースされたそう |
“Macedonian Girl 2” |
マケドニアのトラッドをベースに作られた哀愁のあるメロディを歌った前作のアルバムの評判を受けて、第2段として製作された2014年リリースのアルバム |
Serbien
Aleksandra Radović |
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ラジオのDJとして活躍しながら歌手活動を始め、2003年音楽祭で準グランプリを受賞したことによりプロデビューしたセルビアの実力派シンガーソングライター、アレクサンドラ・ラドヴィッチの2003年のデビューアルバム 29歳と遅めのデビューとはいえ、ちょっと大人し目なビジュアルとは違って、ドスの効いたパワフルな歌声でジャズやR&Bをベースとしたソウル系のポップスを迫力たっぷりに、かと思えばパラードは渋く堂々と歌い、セルビアのパトリシア・カースといった感じでかっこいい |
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アコースティックアレンジのパラードを中心に、フォーキーなノリながらもより洗練された渋い歌声でドラマチックに歌い、もはや余裕のベテランの風格が漂っている2006年のセカンドアルバム |
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Biljana Mitrović |
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“The Most
Beautiful Dream” |
セルビアの女性アーティスト、ピリャナ・ミトロヴィッチの2006年のアルバム 特に東欧色はなく、ラテンアレンジのポップスやアーバンでソウルっぽいパラードをシックに歌っている |
Emina Jahović |
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“Count” |
セルビアの女性ポップシンガー、エミナ・ヤホヴィッチの2002年のファーストアルバム 2002年ユーロピジョンソングコンテスト国内予選参加曲の ”U la,
la” などのヒット曲を収録、子供の頃から地元の合唱団や民謡グループで歌っていたらしいけれど、このアルバムには特に民謡色はない 身長178cmと「セビリアのペネロペ・クルス」と呼ばれるモデル並みの美貌、スタイルで、プロバスケットボール選手の兄はトルコに帰化、エミナ自身もトルコの人気歌手と結婚し、トルコではEmina Türkcan (エミナ・テュルクジャン) の名で知られているらしい |
Jelena Tomašević |
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8歳の頃、セルビアのクラグイェヴァツで開かれた子供の音楽コンテストŠarenijada に参加、その後民謡グループKUD Abraševićに加わりメイン・ヴォーカリストの一人して活動し、2005年プロの歌手としての活動を始めたセルビアの女性ボーカリスト、イェレーナ・トマシェビッチの2008年のアルバム ユーロビジョン・ソング・コンテストの国内選考のセルビア側予選であるベオヴィジヤ2005に参加した時の楽曲 “Jutro” や、セルビアのベオグラードで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテスト2008のセルビア代表に選ばれた曲 “Oro” 、映画『Ivkova slava』(2006年)に客演して歌った “Nema koga”や 、ボーナストラックとして “Oro” のポルトガル、ギリシャ、スペイン語バージョンも収録されている “Oro”はケルティックなアレンジでリフレインが印象的なドラマチックな曲で、他の収録曲もアレンジや歌い方にエスニック風味が施されたしっとりした曲で聴きごたえがある |
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Madame
Piano |
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“Landscapes” |
自らも曲作りに参加している女性アーティスト、マダム・ピアノの1997年のアルバム ジャジーでアーバンな雰囲気の中にも、力強いリズムを前面に出した民族音楽調の曲や中世マドリガル風の曲、インドのトラッドなどを歌い独自の世界を表現している |
Sanja Maletić |
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“Night In
My Room” |
セルビアの民謡系ポップスを歌う女性シンガー、サーニャ・マレティッチの2006年のアルバム オリエンタルな雰囲気を残したメロディをポップにアレンジしながらも、コブシを入れて勢いよく歌っている |
Zorana Pavić |
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“We Don’t Forget The Name” |
1991年のデビュー、歌唱力や表現力に定評があるセビリアの女性ポップボーカリスト、ゾラーナのアルバム未収録曲やアルバムとは別バージョンの曲を含む21曲収録の2008年のベスト盤 アルバムの前半はアーバンに歌ったジャズテイストな曲や民俗楽器でアレンジしたオリエンタルミュージックを中心に、後半はユーロビート調のポップスを集めてまとめられている このゾラーナ、2003年にはセルビアの国民議会選挙に自由党から立候補したらしい(たぶん落選?) |
“Sun in Eyes” |
ギタリストのGale Kerberと共演しブライアン・アダムスの “It’s Only Love” のカバーなどをパワフルに歌った1995年のロックアルバム 時代を反映して曲やアレンジはかなり古めだけど、パラードなどはじっくり聴かせて貫禄充分 |
“Only” |
1996年のユーロビートノンストップ調のポップスアルバム ボーナストラックとしてリミックスとインストバージョン、前アルバムからの2曲が収録されている 第一次世界大戦中にセルビアの兵士たちの間で歌われたトラッド”Tamo Daleko (Far Away)”にインスパイアされて作られたと思える同名の曲は、東欧風コーラスをバックに堂々の迫力 |
“Love Has No Power” |
1997年の時代を反映したバブルの香りのするユーロヒートアレンジの、古めとはいえポップス中心のかっこいい曲満載のアルバム モンテネグロのヘルツェグ・ノヴィで毎年夏に開催されるポップ・ミュージックの祭典である:Sunčane Skaleで、97年のグランプリを受賞した“Hocu da umrem dok me voliš (I Want to Die While You Love Me) ”も収録されている |
“Gently & Dangerous” |
1999年にリリースした6thアルバム アルバムタイトルにあるように、パワフルな歌声で軽快に歌うポップスや、ラテンのリズムに乗ったしっとりとしたパラードなどタイプの違う曲を、じっくりと歌いあげて聴かせてくれるアルバム |
“For The Love Created” |
ゾラーナが2000年にリリースした、セルビアのトラッドをパワフルにポップスアレンジした新曲6曲に、今までのアルバムからの代表曲を12曲収録したデビュー10周年記念アルバム |
“When a Woman Loves” |
ゾラーナの2005年のアルバム おそらく同年制作されたゾラーナの同タイトルのモノドラマDVDに使われた曲が収録され、疾走感あふれる力強いポップスや南国風のコミカルな曲や、しっとりと歌い上げる曲などをじっくりと聴かせてくれる気合いの入ったポップスアルバム |
“Made in Serbia” |
セルビアの伝承曲を歌った2006年のアルバム ユーロビート調のアレンジで歌っているのでトラッド感はちょっと薄めだけど、東欧風のメロディやバックコーラスで押しきって表現力と迫力で聴かせてくれる |