KRの2009年 CDアルバムBest10+おまけ
2009年に購入・試聴したアルバムより、新譜・旧譜かかわりなく
勢いで「おまけ」も紹介させていただきました
キーワードは
「そんなことされたら聴きたなるやろ〜っっ 出典 Wエンジン」です
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2008年 CDアルバムBest10
美ジャケ万国博覧会
1
Квітка Цісик "Два кольори" (1989) [Ukraine]
故あって、あるウクライナ民謡を検索していた時にひっかかったのが
Kvitka Cisyk - クヴィツカ・シシュクのこのアルバム "Two Colors"
このクヴィツカ・シシュクというウクライナ系アメリカ人のアーティストについて調べてみたところ
Kvitkaというのはウクライナ語で「花」という意味があり
アメリカでは Kacey Cisyk という名でスタジオミュージシャンとしてナベサダのアルバムに参加したり
フォードやコカコーラのCMソングをずっと歌ってたり
主人公の吹き替えとして歌った1977年のアメリカ映画 "You Light Up My Life(マイ・ソング)" が
アカデミー主題歌賞を受賞したりと裏方として活躍していたものの
1998年に肺ガンで若くして死去
オリジナルアルバムとしては、ご主人のプロデュースと音楽家だった家族で制作した
ウクライナのフォークソングや愛唱歌を歌った2枚のみ・・てなプロフィールを知ると
「聴きたなるやろ〜〜っっ」
これがまたよろしうございました〜〜
透明感のあるクリアな歌声に、ウクライナのメロディの切なさや哀しさが相まって
しみじみと胸にしみる名盤でございます
英語による簡単な曲紹介や解説があるのがありがたや〜
おまけ
Квітка Цісик "Пісні З України" (1980) [Ukraine]
ウクライナのフォークなどを歌ったもう一枚のアルバム "Songs of Ukraine"
こちらのアルバムは短めの曲や明るい曲がたくさん詰まっております
Kacey Cisyk "You Light Up My Life O.S.T," (1977) [USA]
Kacey Cisyk という名で、主人公の吹き替えとして歌い
アカデミー主題歌賞を受賞した1977年のアメリカ映画
"You Light Up My Life(マイ・ソング)" のオリジナル・サウンドトラック
のちにデビー・ブーンが歌ってヒットさせたバージョンも収録
11曲中6曲はクヴィツカ・シシュクのボーカルで
明るくクリアな歌声で70年代ポップスが軽やかに歌われています
2
Νάνσυ Αλεξιάδη "Αυτά που είχα ονειρευτεί" (2007) [Greece]
このナンシー・アレクシアディのセカンドアルバムを
一昨年いろんな方々があちらこちらでお薦めしていたのですが
ゴージャスながらシックなジャケットデザインを見るだけでも
「これは聴きたなるやろ〜〜」と速攻・・といきたかったものの
評判が良いのか国内外のお店どこでも品切で
やっとこ見つけて注文した後、待ちに待ってやっとこ到着
いざ聴いて納得
ジャケットのセクスィな印象とは違った渋いギリシャ歌謡を
全編に亘ってたっぷり堪能させていただきました
おまけ
Νάνσυ Αλεξιάδη "ξέρω ποιά είμαι" (2006) [Greece]
セカンドアルバムがあるってことはファーストアルバムもございましょう
こちらはポップなダンスミュージックから始まってますが、ギリシャ歌謡もばっちり歌ってます
3
Nati Pastorutti "Me Dejo Ander" (2007) [Argentina]
現代アルゼンチン・フォルクローレ界の若き第一人者ソレダの妹にして
10年間ソレダのアルバムやコンサートに参加していたナタリア・パストルッティが
満を持してついにデビュー!!となると
これはやっぱり「聴きたなるやろ〜〜」
内容はラテンの香りのする爽やかなアルゼンチンポップスで
お姉さんのソレダも参加しています
声はやはりお姉さんに似ていますが、お姉さんよりちょっと濃いめの美人です
オフィシャルサイト(スペイン語)
おまけ
Soledad "Folklore" (2008) [Argentina]
ソレダは結婚のため活動休止していたのですね
だからナタリアがデビューしたのかも・・
ナタリアも参加しているらしい活動再開の復活作になるこのアルバムは
原点回帰といった感じで、アコースティックで軽やかな
フォルクローレアルバムでございます
4
Hulkar Abdullaeva "Armon Yig'lar" (2006) [Uzbekisan]
ちょっと中央アジアのポップスに興味を持っていたところ
いつもいろいろと情報を提供し、好奇心を刺激してくれる ショップ に
ウズベク・ポップスのCDがどど〜んと入荷され
こんな事でもないとウズベキスタンのCDなど手に入らんかもっっという興味も手伝ったら
これはやっぱり「聴きたなるやろ〜〜」
このフルカール・アブドゥラーエヴァは若くて美形の実力派という評判なので
このベストアルバムをチョイス
アラブとアジアとインドとスラブが混ざったようなリズムとメロディに
時折幼さが感じられるカン高め声で、い〜感じにコブシを回し
しっとりした曲にも哀愁があって、これはもう好きっっ
これが噂に聞いたウズベク・ポップスですか〜
おそらく多くの方のベストテン・アルバムに挙げられることでしょう
(・・と思ってたけど、そ〜でもなかったです)
とはいえ、曲によっては勢いのありすぎるテンポと伴奏は
演奏者、酸欠か過呼吸で倒れそうですっっ
ちゅ〜かアルバム一枚一気に聴くと息が切れちゃうので、半分ずつ聴いてます
Hulkarというのはウズベク語で「空の星」という意味だそうですが
このフルカールさんをはじめとして、旧共産圏のアーティストたちは
国立音楽学校などで、子供の頃からしっかりとした民族音楽教育を受けているみたいなので
チャラっぽく見えてもしっかりと地に足がついてる感じがよろすぃです
オフィシャルサイト(ウズベク語・ロシア語・英語)
5
Ishtar "The Alabina Years" (2006) [France]
スパニッシュとアラピックの融合ユニット「アラビーナ」の女性ボーカリストで
現在はソロとして活動しているイシュタール・アラビーナの
アラビーナ時代の曲中心に収録されたベストアルバム
フラメンコ調のラテンな曲だけではなく
韓流ドラマの挿入歌にも使われたしっとりしたパラードも収録されてます
アラビーナやイシュタールのアルバムはリリースされる国によって
何故か収録曲やバージョンが違うのだけど
このアルバムにはそういった取りこぼし曲がほとんど収録されているので
やっぱ聴き逃した曲は「聴きたいやろ〜〜」
イシュタールのファンには「アラビーナ派」と「ソロ派」に分れると思いますが
ワタシは断然「アラビーナ派」
「ソロ派」の方々は「おっさんのボーカルが邪魔っ」と思われているようですが
その無骨なおっさんたちのジプシー・キングス風のボーカルとスパニッシュ・ギターのリズム
それに黄金に輝く美女イシュタールのコブシの効いたアラビア語のボーカルが
何ともい〜感じに絡まりあって
ちょっとクラシックながらも淫靡な方向に想像力が刺激されたりもいたします
(アカンて、こんなこと言っとるからおっさんやと思われとるんやし)
オフィシャルサイト(英語)
6
Nora Rahal "Dounyeti... Ahla" (2007) [Syria]
他のアルバムを検索していたら偶然引っかかってきたのが
ノーラ・ラハルというレバノン系シリア人のこのアルバムで
アラブっぽくないジャケットのきれぃなお姉さんの姿に魅かれて調べてみたところ
デビュー以来いまいちぱっとしなかったのが
病気療養後、一球入魂で力入れて制作したこのアルバムは
2007年にシリアで一番売れたCDになったそうな
おおっ、これはもう「いっぺん聴きたなるやろ〜〜っっっ」
ノーラさんはこのジャケットではかなり作り込んだメイクですが
本当はえ〜とこの若奥さん風のノーブルな美人で
(ギリシャの大富豪と結婚したというウワサもあり)
声や歌い方もそんな感じで、アクやらクセがちょいと少なめなので
「物足りない」と思う人もいるかもしれないけど
そんなあっさりした中にも、アラブ特有のリズムや楽器での伴奏に
アラビア語特有の発声や発音が醸し出すアラピックな香りがい〜い感じに漂っていて
軽いテンポもちょっとノリノリの、とても聴きやすいポップスアルバムでした
7
Zorana "Stara sokolova" (2007) [Serbia]
元々、まんまトラッドといったアルバムよりも
トラッドの香りを残したポップスアルバムの方が好みなのですが
そんな中見つけたのが、歌唱力と表現力に定評のあるセルビアポップス界の姉御(・・と勝手に呼んでいる)
ゾラーナ・パヴィッチがセルビアのトラッドを歌ったこのアルバム
これは絶対「聴かなあかんやろ〜〜っっっ」
トラッドをピコパコと打ち込み調でアレンジしてるのは
一見、もとへ一聴「やっちまったなぁ」感無きにしも非ずですが
「そんな文句は言わせんで〜、わての力見せたる〜〜っ」とばかりの自信に満ちた歌唱力と
東欧風のバックコーラスで押さえこまれて
「へへ〜参りました〜〜」ってな感じにさせられ、正直お気に入りです
おまけ
Zorana "Da mi ime ne zaboraviš" (2008) [Serbia]
そんなゾラーナのベストアルバムは
疾走感あふれたポップスだけではなく
シャンソン風や南欧風のおしゃれな曲もあって、いい感じに聴かせていただけます
8
Каролина Гочева "Македонско девојче" (2008) [Macedonia]
ナニか新しいアーティストが聴きたいなあ〜と思った時は
ユーロビジョン・ソングコンテストの出場歌手あたりをチェックするのですが
そんな時「マケドニアのポップシンガー、カロリーナ・ゴチェバのマケドニアのトラッドを歌ったアルバムが
マケドニアだけでなく、セルビアでもリリースされて大ヒット」などという記事を見つけて
これは「いっぺん聴いてみなあかんやろ〜〜っっっ」
カロリーナ・ゴチェバは普段はおヘソ出したような艶っぽいファッションで
イケイケな(死語)ポップスを歌っているそうですが
このアルバムではマケドニアの哀愁あるメロディのトラッドを
軽いリズムのアレンジに乗りながら、しっとりゆっくりじっくり歌い
芯の強さというか深さが感じられ、とっても美しいです
9
Severina "Moja štikla, Moj sokole" (2006) [Croatia]
同じくユーロビジョンの記事に
「クロアチア代表のセヴェリナの歌った "Moja štikla(My Highheel)"が
評論家達から "セルビア的" だということで指摘、批判を受けたが
セヴェリナサイドは、これはダルマチアの伝承音楽を取り入れたクロアチアの民族音楽を基にした曲だと反論し
論争を巻き起こした」ってのを見つけて
ゆ〜ても地続きやねんからダブってたってしゃ〜ないやん・・と能天気に思いつつも
これはやっぱり「いっぺん聴いてみなあかんやろ〜〜っっっ」
その曲が収録されたこの6曲入りマキシアルバム聴いてみたところ
勢いがあってテンポのいい「お祭りわっしょ〜〜っい」てな感じの曲でした
セルビア的な曲ってのが分らんのは片手落ちってとこだったのですが
アルバムタイトルに並べられラストに収録されている曲 "Moj sokole (My Falcon)" は
"Moja štikla" と似た感じのリズムの曲なのですが
どうやらセルビアの民族音楽から派生したターボ・フォークと呼ばれる
セルビアの流行音楽の中の一曲のようでちょっとびっくり
これは「文句のあるヤツぁかかってこんか〜い」という
自信にあふれたセヴェリナの挑発かも・・と思うとドキドキしちゃいます
このあたり考え違いかもしれんので、詳しくご存じの方教えてくださいまっせ
10
Zbigniew Preisner "La double vie de Véronique (OST)" (1991) [Poland]
友人との会話の中でふとプレイスネルの話題が出てきたもんで
ズブグニエフ・プレイスネルによるクシシュトフ・キェシロフスキ監督の1991年の作品
「ふたりのベロニカ」のサントラ盤が
「今頃になって突然聴きたなってきたやろ〜〜っっっ」
コンチェルトの合唱曲以外、ボーカル曲は特にないのですが
静かで繊細で美しい映画なので、リコーダー、リュート、ピアノなどで演奏された音楽も
静かで儚く美しくまるで古楽のよう
映画の中で「オランダの作曲家によるコンチェルト」として演奏される曲もプレイスネルの曲で
映画はもう長い間見ていないのですが
マリオネットのシーン、2人のベロニカが出会うシーン、コンサートのシーンなどの
胸が苦しくなるような(単にベロニカが心臓を患っていたからかも)切ない美しさや
ポーランドの湿って冴え冴えと冷えた空気が
音楽とともに思い出されます
おまけついでに
★ジャケ聴き上等!2009年Best10★
ジャケットを見ただけでついつい衝動的に試聴してしまったけど
大当たりだったアルバムも
もったいないのでジャケだけでも順不同で御紹介
(いろんな事情で一部手に入れそびれたアルバムもありです御勘弁)
画像の上にカーソールを乗せると簡単な紹介が表示されます
(IEでのみ表示されるようです)
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