心の駅 外房七福神 縁起
 
 そとぼうの海は,日本で最も夜明けが早い。
 
 太陽と黒潮のめぐみ豊かで,古くから住みよい土地柄であった。
日本書紀にも安閑天皇の御代、「使を遣して珠を伊甚に求めしむ」という一節がある。
まだ仏教も伝来以前の時代に大和政権の国造(くにのみやつこ)が居り
屯倉(みやけ)があったということは、日本の歴史の一端を担ってきたと言ってもよい。
この地で20世紀を終わり,21世紀を迎えた私たちは,何か日本人の心に失われたもの
を取り戻すことを考えた。人間は損得だけで生きるものではない。
心のルネッサンスとして「心の駅」を発想した。
 2000年10月8日、夷隅の行元寺で始発行事が行われた。
広く各方面に参加を呼びかけたが,結局七つの寺が中心になって「心の駅」は出発した。
2001年1月1日、心の駅出発宣言を発した。
 21世紀夜明けは房総の海から始まる。
20世紀の科学文明の発展は多くのひとたちの生活を豊かにした。
交通や情報の発達は地球を一体化した。それなのに争いは絶えない。
60億の人類は依然国家宗教人種などの相違から権力にからんで戦争を起こす。
家庭内暴力や学校内暴力も後を絶たない。
私たちが豊かさと引替えに失った「心の平和」それを取り戻すには何が必要だろうか。
「愛と共生」「慈悲の心」私たちは出来る処からそんな世界を広めてゆきたい。
心の駅はそんな活動の出発点として,夷隅長生の心の夜明けを産み出してゆきたい。
 
 ニューヨークのテロはこの年9月10日に起こった。
私たちは更に「心の駅」の必要性を痛感した。
私たちにできる事は何か。多くの人達が話し合うことだ。
一期一会。お寺に人が来ることが大切ではないか。
生きている人達はまず幸せを求める。
昔から七福神の民衆信仰は強い。
丁度お寺は7軒ある。こうして21世紀の幸せを求めて七福神を建立した。
七福神はインド,中国、日本の仏教,神話,伝説に登場する神々である。
12月18日に行元寺境内において開眼供養が盛大に行われた。
そのあと各寺で7人の住職によって開眼供養がおこなわれた。
 
 外房七福神は21世紀の心の駅として,共生と平和,慈悲の心を世界に発信する。
 

平成14年9月10日