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王座での決戦

ここ最近のあまりの女尊男卑の政治に対抗すべく、数万もの同志と共に女王の城に乗り込んだが、
他の仲間はみな途中でやられてしまい、王座の間までたどり着くころにはとうとう1人だけとなってしまっていた。

目前にいる、女王・マリアはこの世界の最高権力者。そして、最強の女である。
「んふふ。よくここまでたどり着いたね」
マリアは私の体を嘗め回すように視姦すると、最後に私の顔を見つめニヤ〜と含みのある笑みを見せた。
その表情から読み取れるのは、絶対の自信であった。
弱い獲物を追い詰める猛獣のような圧倒的な余裕。
彼女に会って1分も経たないうちに、私は既に逃げ場のない檻の隅に追い込まれてしまったのだと悟った。

マリアは玉座から腰を上げると、その艶めかしい体を見せつけるかのように一歩ずつじわりと近づいてきた。
ゆっくりとローブを剥ぎ、現れた彼女の生身からは視線を逸らすことすら許されないほどの色気が溢れ出ていた。

近づいてくる美しい裸体に釘付けになっている間、私は一歩も動けなかった。
気付くと、彼女は私と触れるか触れないかギリギリ寸前まで迫っていた。

「身体だけじゃなくてこっちも見てよ」
彼女は両手で私の頬をつかむと、目前数センチのところまでグイッと私の顔を引き寄せた。
新しいおもちゃを目の前に喜ぶ子供のように無邪気なその表情。
必死に逃げなければならないはずなのに、その余裕の笑みすらも私を虜にしていた。

私は押し倒され、気づいたら口の中はマリアの舌と唾液でぐちゃぐちゃになっていた。
マリアの口からは唾液が絶え間なく流し込まれ、私の舌と口の中は上も下も表も裏もくまなく隅々まで蹂躙されていった。
必死で反撃しようとしてもまったくもって手応えなく、いとも簡単に押し返された。
逃れようともしたが、私の両頬は彼女の手のひらでぎっちり押さえ込まれ、その隙は無かった。
マリアのディープキスは野性的で圧倒的であった。
食物連鎖の頂点。百獣の王。
捕食者に捕らわれた獲物はなすすべなく、マリアのエサとなるしかなかった。
私はなにも出来ぬまま興奮だけが高められていった。

「まだキスだけなのにどうしたの?」
しばらく何もできないままに口責めだけを受け続け、無様に体をびくつかせている私に対し、マリアは相変わらず余裕の表情。
マリアは自分の圧倒的な強さをわかっている。
そして、わざと馬鹿にしたような言い方をして楽しんでいるのだ。
そこまでわかっていながら、馬乗りに見下ろす彼女の言い草に私は何も言い返せなかった。
「もしかして、もうシたいの?」
私は目線を外すことしかできなかった。

「ふ〜ん、そういう態度なんだ。だったら、体に聞いてみようかな」
屹立した性器の先をマリアの指の腹がやさしく、ちょんと撫でた。
次の瞬間、自分の体全体に電撃が走ったような快感に襲われた。
思わず「うっ」と声が漏れ、全身がビクッと震える。
「やっぱりね。すぐわかるんだから」

言い切る前に私は彼女の中に入っていた。
一瞬の衝撃に声も出すことができなかった。
「アハハ、入れただけなのになかでビクビクしてるね! 今にもイっちゃいそうなんでしょ。
…でも、もっと私にも楽しませてよ」
ギチギチと締め付ける肉壁は巧みに上下に扇動し、今までに味わったことのないほどの快楽を与え続けた。
かと思いきや、いく寸前になると扇動はピタッと止まり、締め付けも緩くなった。
その瞬間の私の困惑した顔を見て、マリアはニヤ〜と笑った。

快楽の波が過ぎ去るとマリアは再び腰をふり、猛烈な勢いで私を絶頂まで導こうとした。
しかし、限界のギリギリ手前で動きはピタリと止まり、私の顔を見てはマリアはいやらしい笑みを浮かべた。

数十分にわたり、幾度も寸止めを繰り返され私の意識は朦朧としていた。
なにもできぬまま、早々と私は彼女の玩具に成り下がってしまっていた。

ふと気付くと、マリアは体を密着させ、頭を手で押さえ私が自由に身動きできないようにしていた。
そして、ときどき自分の生暖かい吐息をはぁ〜と私の顔に吐いた。
ただの吐息のはずなのに、なぜか私はその吐息にあてられてしまった。
もっと、彼女の息を感じたい。
薄れる意識の中で、私はさらなる快楽を求め口と鼻を彼女の口元に近づけわずかに漏れる彼女の息を吸った。

「どうしたの?わたしの息すーすー吸って。もしかして、きもちよくなっちゃった? じゃあ、もっとプレゼントしてあげるね」
マリアがハアーっと私の顔に息を吐く。
それを私は欲望のままに口と鼻から思いっきり吸い込む。
そうして、彼女の息を肺まで入れた瞬間、あまりの快楽に全身がビクッビクッと震えた。
不思議なことに絶頂を迎えることはなかった。

きっと、こうやって私の精神をじわじわと破壊し、有無を言わせず隷属させるつもりなのであろう。
そして、同じようにして彼女は女王までのし上がったのだろう。

すでに私には逃げようとも耐えようとも、ましてや反撃してやろうという意思はなくなっていた。
身も心もマリアに奪われ、己の欲望のままに腰を動かしているだけであった。
「キャハハハ! ねえ、どうしたの? 反撃してこないの? 私をたおすんじゃなかったの? せっかくここまで来たのに? もう耐えられない?
…いいよ、自分の欲望のままに腰を振りなさい!」
マリアに言われて、最後の1本、緊張の糸が切れ、一気に肩の荷が下りた気がした。
そうか、自分が気持ちのいいように、やりたいようにやってもいいのか。

唐突に、マリアの膣内をおもいっきり奥まで突いた。
「ああっ!」
嬌声とともに彼女のなかはぎゅっと締まった。
イキそうになるが、運よくなんとか踏みとどまった。
もっと気持ちよくなりたい!このとき私はそう思った。
「な〜に、突然? もしかして、もう我慢できな…」
一瞬、驚いた様子のマリアだったが、すぐに余裕の笑みを浮かべた。
その後、マリアは何か喋っていたが、お構いなしに私はマリアの後頭部に手を回すと、今度は私の口でマリアの口をふさいだ。
「んっぅ!」
マリアの唇からまた嬌声が漏れた。今度は私の舌か彼女の口内を暴れる。

マリアは驚き、ムッとしつつも反撃してきた。相変わらず圧倒的な舌技であった。
簡単に私は押し返され、どんなにマリアの口を嘗め回そうと努力しても、マリアは意に介さず私の口を一方的に犯した。
それでも私は口づけをやめようとはしなかった。

最高に気持ちがいい。達しようと思えばどのタイミングでもできる気がする。
だけど、まだまだ足りない。世界最高の女とセックスをしているのだ。まだまだ快楽を貪れる。
私はこの女を気持ちよくするつもりはない、自分が最高に気持ちよくなる、そのためにセックスすることに決めたのだ。
勝ち負けなんて、どうでもいい。己の欲望、それが最優先。
それが、精神の破綻間際の境界線で導き出した私の結論である。
より高い絶頂を得るため、私はキスをし続ける。

欲望のままにマリアの舌を貪るうちに徐々に彼女のクセが読めてきた。
すると、それに合わせうまく、いなせるようにもなってきた。
もちろん、それでも圧倒的な実力差に歯が立たなかったが、プライドの高いマリアにはそれで充分であった。

マリアは私の顔をつかんで無理やり、互いの唇を引き離すと、私の顔をにらみつけながらつぶやいた。
「ムカつく」
次の瞬間、マリアはギュギュっと膣内を締め上げてきた。
「アナタはだまってわたしのオモチャになってればいいのに。でも、もう、怒ったから。アナタのを全部、私の中にぶちまけさせてやるんだから」

この時の気持ちよさと言ったら尋常なものではなかった。
エロティックに動く腰使い、奥で突くたびに反応してキュッと締まる膣、その内側にあるヌルヌルのひだ。
そして、私の顔にかかる彼女の息遣い。
その全部が一瞬で私を限界に誘おうとしていた。
もう、イってしまってもいいと思った。

しかし、マリアにはまだいくらかの余裕が見える。
もし、彼女が本気になったら、どれほどの快楽を味合わせてくれるのか。
それを考えると、まだイクわけにはいかなかった。

彼女の動きに合わせることもせず、お構いなしに奥を突く。
「っはあ!」
彼女から声が漏れる。そして、その1回1回が彼女の高い自尊心を逆なでする。
その度にマリアはさらに強く締め上げ、さらに激しく動く。
私の快楽はどんどん高められ、さらにより高い快楽を求めさらに大きく腰を振る。
「あっ、ああっ、ああああっ!!」
あまりにしぶとく耐える私にマリアの余裕は少しずつ削られていき、本気で責めるようになってきた。
「ムカつく。なんなの、アンタ、さっさと、イけよ!」
私は腰を動かすこともままならないくらいに強くきつく締め上げられた。

最強の女の本気。こんな快感、普通は経験できもしない。
選ばれたもののみが甘受できる最高の高揚。
私はもっと、もっと、もっと、もっと、強くこの快楽を享受したいと思った。

再び私はマリアの口に舌を突っ込んだ。
先ほどまでと違ってマリアの舌遣いは驚くほど柔和に、やさしくなっていた。
一方的ではなく、お互いに。舌を絡めあい、唾液を交換し、そして、お互いに吐息を吸いあった。
「なんで、わたし、ありえない」
2人の下半身は私とマリアの体液でぐちゃぐちゃになっていた。

「いかせてやる。いかせてやる。いかせてやる」
マリアはさらに暴力的に腰を振った。
怒り、涙、恍惚、そして、それらを必死に押さえ込み歯を食いしばるマリアの顔は、先ほどまで浮かべていた余裕の笑みからは考えられないほど獰猛に見えた。

世界最強の女のプライドを懸けた全力のセックスは、テクニックも駆け引きも関係のない、お互いの感情をぶつかり合わせた、とても野性的で原始的なものであった。
この後、どうすればいいか誰にもわからない。

再び口づけをし、お互いがお互いの舌を貪りあった。
「んん!ん、んんんっ!」

そして、とうとう、その時はきた。

「くふっ、っはあ、ああぅ、う、んん!ん!ああああああああ!、
ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
声をあげたのはマリアだった。
世界最強の限界を超えた絶頂に、マリアは全身をのけ反り、目を見開き、全身を大きく痙攣させると、潮を吹いた。
しばらくその体勢で固まると、数秒後「ああ、あ」と声ともため息ともつかない音を上げうつ伏せに倒れこんだ。
お互いの涙と涎と体液でぐちゃぐちゃになったマリアのその姿に、初めに感じた妖艶さは微塵も感じられない。
しかし、その姿の方が美しいと私は思った。

…………

激しい戦いであったが私は勝利した。
しかし、歓喜に浸っている場合ではない。
これからはこの世界の立て直しをしなくてはならないのだ。
私は帰りを待つ仲間たちのもとへ帰ろうと踵を返した。

「どこへ行くつもり?」
不意に背後から女性の声がした。
驚いて振り返ると、そこには見知らぬ全裸の女性が立っていた。
「ねえ、女王が1人しかいないなんて、誰が言ったのかしら?」
つづきがあるっぽい終わり方だけど、たぶんつづかない。
なぜ後を引く最後なのかというと、ただの個人的趣味。
前回の続きを待っているとコメントしてくれた方には申し訳ない。
気が向いたらもしかしたら…
ものを書くってのはほぼ2回目だから、下手なのはご容赦。
改めて読むと、話の流れは前回と大して変わらない気がする。
イメージでは前回が長い1つの物語の序章、今回がそのクライマックス(の1話手前)みたいな感じ。
役に立たなかったらごめんなさい。

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