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阿久津vs藤本 第1R

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飛翔天学園BF部では週に1回、個別スパーリングを実施している。
男女の部員が無観衆で1対1のスパーリングを行うのだ。
カメラを通して様子を監視しているのは、顧問を勤める教諭(筆者)のみ。

『BF部 顧問』−役得と思われるかもしれないが、誰でもBF部の顧問になれるわけではない。
筆者もBF草創期にはプロのバトルファッカーだったのだが、膝に矢を受けてしまってな、
引退後は後進を指導する立場になった。
共学校なので顧問は筆者だけではなく、女子部員を担当する北川教諭(女性)と役割分担している。
筆者の立場から、女子部員に手取り足取り実技指導を行う機会等は全くないので御安心いただきたい。

本稿は、BF部の活動紹介の一部ということで、スパーリングの内容紹介をしてほしいと依頼を受けて執筆するものである。
「あまり堅くない内容で、読んだ人がBF部に入部したくなるように魅力的に書いてください!」と言われたのだが、
さて筆者にそのような文章力が備わっているかどうか。

…少々前置きをさせていただくと、筆者が引退してからの15年間で、バトルファックも急速に普及したものだ。
当BF部も、新入部員のうち19名が定着し、総勢47人という、創部以来最大の人数となっている。
昨年度は、2年(現3年)の女子部員、久恒詩織が県大会個人部門で優勝し、クラブに初の大きなトロフィーを持ち帰ってくれた。
団体部門でも男子、女子ともに入賞を果たし、県内強豪校の仲間入りを果たせたものと自負している。

さて、本稿では1年生の部員達によるスパーリングの様子をレポートしてみたい。
春に入部してから約8ヶ月。
ほぼ全員が、未経験者・初心者の状態で入部してくるが、今から登場する2人も例外ではない。
個人差はあるが、普通は4ヶ月〜6ヶ月で実戦形式のスパーリングを解禁する運びになる。
入部してから8ヶ月頃といえば、スパーリングを通して実戦的なBFに少しずつ慣れていく時期だ。
そして冬の2月に開催される県大会という大きな目標に向けて、練習を積み重ねていく。

県大会優勝の久恒も、入部当時はまったくの初心者だった。
読者諸兄には、「8ヶ月ほどで大体これくらいのことができるのか」と参考にして頂けたらと思う。

今回のスパーリングを行う部員は、故意に選んだのではなく、たまたま本稿を執筆する日に行われただけである。
男子は、阿久津悠真、男子バンタム級(〜60kg)。
学生BFでは、体重別に6つのクラスに分かれているが、バンタム級は軽い方から2番目だ。
女子は、藤本加奈、女子バンタム級(〜48kg)。
こちらも軽い方から2番目の、同じクラス……ということになっているのだが、
藤本の今の状態だとクラスを女子フェザー級(〜52kg)に上げた方がいいだろう。
フェザー級にエントリーするにも少々減量が必要そうに見受けられる。
成長期なのでクラスが徐々に上がっていくのは自然の成り行きなのだが、女子部員は階級アップに激しい抵抗感を示すことが多い。
後日、女性顧問に報告して直接説得してもらうことにする。


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男子1年の阿久津と女子1年の藤本によるスパーリング。
時間は20分2ラウンド。
1回イかせたら1ポイント獲得。3ポイントまたは試合続行不能でKO勝利。
暴力的行為は禁止。(詳しいことは割愛する)

なお、両者のスパーリングは2回目で、前回は阿久津が1−0の判定勝利をおさめている。
1年同士の対戦だと、なかなか3ポイントを取るまではいかず、泥試合化して1−0のようなロースコアになることが多い。
ただ、藤本は直近のスパーリングで2連勝中。
前戦では初めて3本取ってのKO勝利で勢いに乗っている。
ちょうどイかせ方がわかってきてぐんぐん力をつけている時期だ。
筆者の予想では、ほぼ互角かまたは藤本やや有利と見るが、果たしてどうなるか?

個室では、マットの上にすでに両者が向かいあっている。
部屋の4隅にカメラが設置されており、筆者は4つの画面を通して試合を観察している。
二人は、服を脱いで下着姿になった。

「じゃ、始めようか」
「うん。…前のリベンジ、できるといいなあ」
「…なんか自信ありそうじゃん」
「えー、ないけど」

阿久津は、会話中に視線を逸らしている。
下着姿の女子をジロジロ見て、興奮したり勃起したりするのを避けるためだろう。
試合開始前から勃起してしまっては、そのぶん不利になる。
藤本の方は相手を見ながら話している。

「ね、きょうも『正直条約』でいい?」
「いいよ」
「他にルールとかある?」
「……ん〜、特にないかな」

『正直条約』というのは部員たちで流行しているルールだ。
スパーリング中に、相手を欺くような言動をしない、という約束である。
たとえば、感じていないのに感じているふりをする。または、その反対。
口頭での駆け引きや、偽の情報を与えて判断を誤らせることはBFの状況に大きな影響を与える。
しかし、練習目的のスパーリングではあくまで真実を伝え、異性への理解につとめる方が重要である。
何が良くて何が悪かったか、正しく把握するほうが上達が早くなるからだ。


「じゃ、1R20分、スタート!」

スパーリングが始まり、時間が動き出した。

阿久津はやや細身でトランクスをはいている。
藤本は柔道経験者で姿勢がよく、一目みるだけでも足腰が安定している。

両者が手を前に伸ばし、まずは組み手争い。
藤本の手が阿久津をかいくぐり、股間に接近する。
阿久津は触れられる前に、手で組みとめた。
そのまま力比べのような体勢になったが、藤本は手を振りほどく。
立ったままでは膠着しそうだったが、お互いに腰を下ろしてしゃがみ姿勢になった。

しゃがみ姿勢だと、敏捷性が下がってかわしにくくなる。
阿久津の右手が藤本の胸に触れ、藤本の右手が阿久津の股間に触れた。
BFの序盤にもっとも起きやすい接触だ。
お互いの身体の凸な部分なので、触れやすいのである。
トランクス越しに触れた阿久津のペニスは、まだ勃起していない。
女子は試合前に色仕掛けを施して勃起させるべきなのだが、まだ導入できるレベルではないようだ。

藤本の身のこなしはいかにも「スポーツ少女」である。
運動能力が高く、きびきびしているが色気や妖艶さは欠けている。
阿久津は真剣な表情で、両者とも淫らな雰囲気はまだ薄い。

二人の身体が接近する。
藤本の左手は主に防御の役割を果たしている。
そして、右手で阿久津の股間をトランクス越しにまさぐる。
阿久津は左手で藤本の股間を狙ったが、邪魔されて目的を果たせない。
女性の股間は凹の形状をしているので、愛撫するためにはもっと前へ踏み込む必要がある。
しかし前に踏み込めば、密着状態への移行は避けられない。
一般的に、正対しての密着状態は男性にやや不利と言われている。

阿久津は股間への攻撃をフェイントに、藤本の背中に手を伸ばしてホックを外し、一瞬でブラを取り去った。
ぷるん、と胸がこぼれ落ちる。

「あっ!!」

藤本は、慌てて後ろに飛びのいて、両手で胸を隠した。
恥かしげで初々しい表情は、たいへんそそるものがある。
熟練した女バトルファッカーにはまずありえない反応、まさに初心。
胸を隠すポーズもたいへんよいものだ。
期せずして谷間が強調されているが、手で隠す前に乳房をしっかり目に焼きつけたのは筆者だけではあるまい。

「お前、胸……大きくなってない?」
「…もう!急になによ!」

…やはり。
阿久津は、自らが剥ぎ取ったブラの表示を確認する。

「70のD……嘘だろ〜!もっとあったって!」
「それは入学した時に、買ったものだから」

…ふむ。もちろんDカップということはない。Fカップが適当であろう。
Fカップといえば通称『巨乳の壁』と言われる分水嶺。
Fの壁を越えれば、バトルファックでも乳技が俄然有効になり戦略の幅が広がる。
従って成長期には、体重増加などに拘らずどんどん発育した方が良い。
体型の調整や減量は、後からでも出来るのだ。

「じゃあ今は、どうなの?」
「えっと〜…この前お店で、え、Fだって」
「F!!!!」

Fという言葉だけで、阿久津の股間がムクムクと盛り上がった。
手でしばらく触られても勃起しないように耐えていたのに男という生き物はこのざまである。
いや、「言葉だけで」というのは正しくない。
阿久津にとっては言葉だけでなく、それが目の前に実在しているのだから。
スパーリング中、対戦相手に急に「巨乳」属性が付けば興奮してしまうのもやむを得まい。

「あ〜〜、おっきくなった。クスクス」
「うっ…」
「…ね、阿久津って、おっぱい星人なんだ?」
「違うよ!!」
「え〜〜……ほら、正直にだよ、正直条約!」
「正直に言っても違うし!普通だし!!」
「ふーん……でも、胸……おっぱい、好きなんでしょ?」
「……」
「正直、正直に♪」
「そりゃ……好き…だけど、普通にだからな!」
「そっか。…ね、見て〜。谷間とか、こんなにできるようになったんだよ」
「…………!!」

言葉責めと呼ぶにはあまりにも微笑ましすぎる会話を経て、
藤本は手で乳首を隠したままポーズを取って胸の谷間を強調する。
おっぱいを利用して男を誘惑するのはBFの基本。
阿久津の目は完全に胸の谷間に釘付けになり、トランクスの中の逸物は完全勃起しているだろう。

「どぉ?やわらかそうでしょ?ぷるん、ぷるるん♪」
「うぉぉ…!」

普段は体育会系で色気に欠けるタイプの藤本が、一生懸命になって男を誘惑している。
意外性があり、眼福ではあるが、疑問はある。
藤本は、誘惑行為によって阿久津をどこへ誘導しようとしてるのだろうか。
このままでは、

「い、行くぞ…! うぉぉ!」
「きゃっ!?」

…やはりこうして押し倒されるだけであった。
誘惑は試合前に行うのが基本であり、試合中ならば有利な体勢の時にうまく仕掛けなければならない。
誘惑中に無防備になっているのは、誘惑される側だけではなく誘惑する側もなのだ。
藤本は両手で胸を隠して谷間を作るのに専念していたため、阿久津の胴タックルへの防御が一切できなかった。

阿久津は尻もちをついた藤本の上から覆いかぶさり、藤本の手を押しのけてさっそく乳房を揉みしだく。

「ハァ、ハァ!!」
「痛っ……!」
「あっ…」
「あ、ごめん……やっぱり痛くない」
「??」

乳房を荒々しく鷲づかみにされ、藤本は痛みを口にするが、すぐに撤回した。
『正直条約』のため、痛がるふりをして男を怯ませるのは反則だ。
藤本に騙す意志はなく、単に反射的に言ってしまっただけなのだろう。
どっちにせよ傍観者的には、少々間抜けた問答である。

阿久津はそれでも夢中になって両手で両乳を揉みまくっている。
下にいる藤本は、両脚を阿久津の腰に絡ませてガードポジションを取った。
ガードを取らせてしまったのは阿久津の大きな失策である。
まず有利なポジションを奪ってから、愛撫を開始するべきだった。
藤本の誘惑にまんまと引っかかってしまっている。
あのような拙い誘惑術でも成り立ってしまうのが興味深い。
もっとも藤本も、誘惑には成功しておきながらなぜか下でガードを強いられているのだが。

「チュウウウ!!」
「あっ、あん!!」

阿久津は夢中のままで乳首を口で吸い始めた。
たまらず藤本は嬌声をあげる。
阿久津は冷静さを失ったままだ。
それだけおっぱいの触感が魅惑的なのだろう。
男子が上に乗って、女子が下でガードポジションというのはどちらが有利とも言いがたい。
ガードを取っている限り女性器は防御されており、かといって胸愛撫だけでイかせるのは困難である。
女も下から男を愛撫するのは難しい。

「はっ……はっ……」

乳首をチュウチュウ吸われて、藤本の息が乱れてきた。
かなり感じ始めたようだ。
藤本の方は有効な愛撫ができていないので、このまま続くと不利になっていく。
阿久津はひたすら乳揉みと乳吸いを続けている。
…いつになったら正気になるのかと指摘せざるを得ない。
藤本としては、阿久津が隙だらけの間に何らかの行動を成功させるべきだ。

「やぁっ!」

藤本は下から強引にヒップスローを仕掛けて上下を入れ替えようとする。
成功すれば一気に形成逆転だが、上の阿久津をひっくり返すことはできなかった。
柔道経験者の藤本とはいえ、男子に対して下からパワー技を仕掛けるのはやはり無理があるようだ。

「はっ…はぁぁ!!」

ならばと、藤本は両脚を阿久津の上半身へ昇らせ、三角絞めに入ろうとする。

「ぐっ……!!」

藤本は阿久津の右腕をうまく引きこみ、両脚が阿久津の首に絡まった。
これは入るのだろうか…??
三角絞めが入れば女子でも男子を簡単に絞め落とせるし、BFルールならそこまでしなくても上下を入れ替え、
マウント三角から弱らせて顔面騎乗手コキなどに移行して仕留めることもできる。

「ぐおっ!!」
「んーー!!」

阿久津は身体を起こし、絡み付いてくる脚から首を抜こうとする。
これは正しい防御方法だ。
藤本が腕も使ってがっちり固定してしまうと完全に技が入ってもう逃げられなくなる。
そうなる前に抜けられるかどうかが大きな分岐点だ。

「ぐっ……!!!」
「ん〜〜〜〜!!」

スルッ……

抜けた。
阿久津の首から藤本の脚がほどけ、藤本は再び下でガードポジションをとるしかなくなった。
紙一重であったが、三角の仕掛けは失敗である。
三角絞めのような大技の攻撃、防御については時間をかけて指導してきたが、両者ともしっかり実践できていたのは満足できる。
特に、阿久津がおっぱい被魅了状態かと思われた時に正しい防御を行えたのは意外であった。
藤本も技自体の切れは良かったが、乳首を感じさせられる前にもっと早く仕掛けておけば成功率は高かっただろう。

「ハァ…ハァ……」
「ふぅ…ふぅ……」

阿久津が上、藤本が下のガードポジションのまましばらく膠着している。
阿久津はさすがに冷静になったようで、身体を起こして遠目から藤本の乳房を手でまさぐっている。
藤本の下からの寝技の威力を実感して、無造作に責めに行けなくなってしまったようだ。
一方で、藤本も何度か起き上がろうとするものの、男子の体重と圧力を跳ね返せずにいる。
下からではペニスを効果的に愛撫できないし、阿久津の上半身を指でなぞっても余裕で耐えられてしまう。
時間ばかりが過ぎていく不毛な状態になりつつある。
実力差が小さいため、ガードポジションからではお互いを攻め落とすことができないのである。

「……なあ、いったんブレイクしない?」
「うん、そうしようか」
「じゃ、ブレイク!」

二人は自発的に仕切りなおすことにしたようだ。好判断である。
立ち上がり、少し距離を取り直す。
試合開始時との違いは、藤本がノーブラで上半身裸になっていることだ。
藤本はもう恥ずかしがらずに、おっぱい丸出しで堂々と構えを取った。
ブラが脱げていることをすっかり忘れている可能性がある。
凛々しい立ち姿に、阿久津はごくりと喉を鳴らして目を見開く。

「始め!」
「やあ!!」

再開し、二人はお互いの周りをすり足で回った。
阿久津は、手をのばして藤本の乳首をぴん!と弾く。

「きゃっ!」

藤本は思わず声をあげた。
その隙に、阿久津は一気に距離を詰めて藤本の腰に抱きつく。
ずっと攻めあぐねても仕方がないので覚悟を決めて行ったようだ。
藤本もすぐに反応して、相撲のような組み合いになった。

普通だったら相撲の体勢なら男子が有利なのだが、柔道娘の藤本は例外的存在である。
阿久津が強引に投げ飛ばそうとしても重心を低く保ち、倒れない。
逆に、藤本が払い腰を仕掛けると、阿久津の腰が浮いて足がふらつく。
しかし、何とか大きく崩されることなく無事に着地して事なきを得た。
組み合いでは藤本に一日の長がありそうだ。

「ふぅっ!」

阿久津は大きく息を吸うと、半身になって右手で藤本の股間を襲撃した。
柔道娘に柔道で勝負する愚を悟り、エロ攻撃で勝負することにしたのだろう。

「んっ!!」

パンツ越しに秘処をまさぐられ、藤本は硬い声を出した。
藤本の動きが止まり、阿久津は気をよくしたのか、ねっとりと触手のように指を這わせた。

「はっ……はぁっ!!」

突然、藤本がジャンプして阿久津に体当たりするように抱きついた。
斜めになっていた阿久津に対して、自分から正面に移動したのである。
慌てて位置関係を調整しようとした阿久津だが、藤本が先に動き始めていたぶん早かった。

むにゅっ……

「おっ……」

二人が胸を合わせ、密着して抱き合う体勢になった。
阿久津の胸板に、双丘の甘い感触がもたらされた。
思わず、藤本の股間をまさぐる手が止まる。
ほとんどの男子にとって大歓迎すべき、やわらかな感触、−但し、バトルファックの最中以外ならば。
ファーストインパクトの瞬間こそが、効果的。
それを知ってか知らずか、藤本は抱きついたまますぐに外掛けで足を刈りにきた。
阿久津の腰が砕けるように落ち、崩れる。

ドスン…!

背中から落ちた阿久津は、何が起きたかすぐにはわかっていなかった様子だ。
あまりにも綺麗に投げられたり倒されたりしたとき、人はそんな反応になる。
ガードを取る暇もなく、藤本にサイドポジションを取られてしまう。
サイドポジション−柔道で言えば横四方固めである。

がっちりと押さえこまれてしまった阿久津は、悔しさと焦りの表情を浮かべる。
だが、藤本はその表情を見ていなかった。
これは、重大な見逃しである。
ちゃんと見ておけば、こんな有利な体勢の時こそ、効果的な言葉責めを繰り出せるチャンスなのだが。

代わりに藤本が見ていたのは、阿久津の股間の膨らみだ。
体勢的に相手を制圧しているので、易々とパンツの中からペニスを取り出す。
反り返った勃起ペニスは、標準より少し大きめだ。

「おっきくなってるー」
「うっ……」

藤本は横四方固めで捕えたまま、ペニスを手で扱き始めた。
阿久津はもがこうとしたが、横四方固めは最も脱出が難しい押さえ方である。
さらに手コキまでされてしまっては力が抜けて余計に脱出は難しい。

シコシコシコシコ……
擦れる音に、早くも水音が混じり始める。

「ね、気持ちいい??」
「…う、うん」
「こんな感じでいいかな?」
「…いいけど、…でも、耐えるから!」
「えー、耐えなくてもいいよ」

ぐぬぬ…
観戦者は、歯軋りした。
BFの試合中にあるまじき、もどかしい会話が行われている。
本来なら、女子に押さえ込まれる恥ずかしさと非力さを男子に悟らせた上で、
屈辱に塗れた禁断の快楽を刷り込んでいくべきところなのだが……
北川教諭には、あとで重点的な言葉責めの指導を強く要望しておかなければ。

…しばらく、藤本の一方的な手コキが続く。
だが、男子部員たちはみな普段から手コキの耐性をかなり鍛えている。
男女の指の感触の違いはあるものの、基本的には自力で鍛錬できるからである。
阿久津の言うとおり、このままでは耐え切る可能性が高いだろう。
横四方固めからの手コキはほぼ脱出不可能な安定した技だが、攻撃力には難がある。

…すると、藤本も察したのか、するりと動いた。
阿久津に馬乗りになると、体を密着させて相手に口づけし、そのまま手コキをする。
「押さえ込みキス手コキ」とでも言えそうな技だ。

「ちゅっ……ちゅっ……」
「うっ……」
「ちゅっ……れろれろ……ちゅぅぅ〜」

キスしながら手コキすると、阿久津の身体が露骨に反応し、うっとりと蕩けた表情になっている。
なんとも甘ったるい責め方だ。
これが恋人風いちゃらぶせっくちゅ、とかいう物であろうか。
…とはいえ、キス手コキはBF初心者をイかせるには極めて効果的な方法だ。
おまけにしっかりと胸と胸を密着させて押さえ込んでいるので、この技を掛けられたBF初心者は
身体全体が幸せな快楽に満たされ、脱出しようという意欲も失ったまま容易に精液を吐き出してしまうことだろう。
つまり、このまま藤本が一本目を先取するのが濃厚な状況だといえる。

「ちゅ〜っ……ね、さっきより気持ちいい?」
「胸が当たって……ヤバい」
「もー、やっぱりおっぱい星人だね!」
「違うし」
「でもこーやって、むにゅむにゅされるといいんでしょ?」

むにゅむにゅむにゅ

「うおおお」
「気持ちいいんだ?」
「ヤバい…!」
「手もどんどん激しくするよ?ほらほら」

シコシコシコシコシコ!!

「あ、あああ!!ヤバい、ヤバい!!!」
「ヤバい?…もうイっちゃいそう??」
「あ、イきそう!」
「だめ〜、まだイかせてあげない♪」
「くっ……」

藤本は焦らしにかかったようだ。
周知の通り、たっぷり焦らされた後に射精すると、射精量も快感も劇的に向上し、
そのぶん多大なダメージを負うことになり、以後の戦いが著しく不利になる。
ゆえに、焦らした上でイかせるのはバトルファックで有効ではあるのだが……
問題は「たっぷり焦らした上でイかせる」のは初心者にとって、簡単に遂行できるプランでは決してないということだ。

「ほら、スピード落としちゃう」
「くうぅ……」
「まさかキスでイったりしないよね?…ちゅっ、ちゅぅぅ……」
「ちゅぅぅ……ハァ、ハァ」
「ピクピクしてる♪……ねー、もっかい激しくしちゃうよ」

シコシコシコシコシコ!!

「あ、あああ!!」
「またイきそう??…むにゅむにゅもしちゃうね」

むにゅむにゅむにゅ

「あ、イく!イく!!」
「だめー、ストップ。」
「…くそおおおおお!!!」
「ふふっ……ね、もうギブアップしちゃう?」
「…しない!!」
「わ、我慢強いなぁ……」

藤本は口を尖らせて不満そうだが、これではギブアップしないのも当然である。
阿久津の心はまだ折られていないからだ。
甘ったるい雰囲気で気持ちいいことを施すだけでは戦意豊富な相手を屈服させられない。
藤本は阿久津を物理的に制圧しているのに、その圧倒的優位な立場を十分に利用できていない。
実にもったいない……

「ハァハァ……1R、あと何分?」
「教えてあげなーい」
「くそっ……でもあと10分ぐらいなら耐えてみせるぞ」
「えー、じゃあギブアップしないし次でイかせちゃうから」
「ああ、早くイかせてくれよ さっきから超ヤバいんだよ」
「正直だねー」
「じゃあ最高に情熱的なキスをくれ!」
「ん…がんばる!」

次でイかせる流れらしい。
2回も焦らせば効果は十分にあるし、ちょうどよい頃合だろう。
延々と寸止めしすぎて手詰まりになるよりずっといい。


「ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……れろれろ……ちゅぅぅぅ」
「おおっ……」

藤本は言われたとおり情熱的にキスしながら手でペニスを扱きあげる。

チュクチュクチュク……

我慢汁まみれになったペニスが水音をたてる。

阿久津も組み敷かれながら、積極的に舌を絡め始めた。
目はまだ死んでいない。

「んぷっ……はぁぁ」

藤本は目を閉じてキスに熱中している。
手コキは一定のペースで着実に続いている。
だが、阿久津が若干刺激に慣れてきたか?

「ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ……」

目を閉じてキス手コキを続ける藤本。
阿久津の目は開いており、右手が下半身の方へ伸びていく。
長く伸ばした右手は藤本のパンツの中にするりと入り込み…

つぷっ!

「きゃっ!!!!」

阿久津の人差し指が菊門を超え、不浄の穴に進入した!!
そして、下から左腕を回して藤本の身体を抱きしめる!
この期に及んでのまさかの反撃に筆者も驚いたが、藤本はその何倍も驚いているだろう。

「なに??…そこ、違う!おしり!!」
「知ってる」
「やだ!!反則だよ!!」
「反則じゃないよ」

アナルへの指挿入は「もう」反則ではない。
2週間前に、1年生の中でも技術習得がよく進んでいる者約半数には、アナルへの指挿入を解禁している。
阿久津、藤本は両者とも「1年生の中でも技術習得がよく進んでいる者半数」に該当している。

「ちょっと前、OKになったじゃん」
「っ……」
「だから藤本のアナルバージン、俺がもらいっと」
「やだぁ…」

阿久津の指は藤本の乾いたアナルの入り口に引っかかり第一関節ほどしか挿入できていない。
しかし、我慢汁や唾液など、周囲に活用できそうな液体は豊富にあった。
阿久津は指に液をたっぷり浸すと、藤本の尻穴を再度探索し始めた。

クチュ……

あまり音はしないのだが、どこかからわずかに音が聞こえる。
藤本の責めの手はぴたりと止まってしまった。

「うっ……」
「……?」
「……うっ……ひっく……ひっく……ぐすん……」

泣いちゃったー!?
この年代の女子はよく泣くものとはいえ、これまた予想外の展開だ。
修羅場にも発展しかねないこの状況、阿久津はどう動くだろうか。
筆者が自ら調停に赴かねばならないような事態にはなって欲しくないのだが。

「…泣いてる?」
「……ひっく……」
「…泣いちゃった??」
「………泣いてない……」

目から涙がボロボロ零れ落ちているし、『正直条約』にも違反している。
突っ込みどころしかない。

「そっか。…泣いてないな!」
「……うん……」
「じゃあ、続行!」

歴史は捏造され、スパーリングはそのまま続くようだ。

阿久津は藤本のアナルに人差し指を抜き差しする。
大胆さが増していく。意外に強メンタルである。
だが藤本は苦しそうに耐えているだけだ。

「はぁっ……んっ!!」

藤本は大きく息を吸い込むと、尻穴から指を抜いて立ち上がろうとした。
せっかく圧倒的に有利な体勢なのを放棄することになるが、異物感に耐えられなかったのだろう。
頬を伝って涙が滴っているが、もう泣き止んでいるようだ。
大事には至りそうもなく、胸をなでおろす。

だが、藤本の立ち上がろうという動きはロボットのようにぎこちない。
しかも、阿久津の目の前をパンツ姿で通過しようとしている。
この好機を見逃すようならばバトルファック部をすぐに辞めて帰宅部にでも入ればよい。
…幸い、阿久津はバトルファック部に残る資格があるようだ。

ガバッ!!

「あっ…!」

阿久津が片足タックルを仕掛けると、藤本の身体が宙を舞う。

ドスン…!

藤本は落ちる際に綺麗に受身を取っているが、大きな音で背中から倒されたことに変わりはない。
ちなみに、床の硬さはアマレスのリング相当である。
阿久津はそのまま、藤本の太ももに両腕を差し入れ、まんぐり返しの状態に持ち込もうとする。
抵抗した藤本は、完全にまんぐり返しされる事態は逃れたが、太股を開かれたまま尻餅をついている。
阿久津はチャンスとばかりに藤本のパンツをずり下ろした。
すぐに顔を近づけ、クンニリングスを開始する。

「あーーっ!!」

阿久津の舌が触れると、大きな喘ぎ声がもれた。
ファーストインパクトの瞬間こそが、最大威力。
それまでの試合展開の中で、特にキスのしすぎで藤本の感度はかなり高まっているようだ。
阿久津もあと3擦りでイく程に追い詰められていたはずだが、ギリギリのところで踏みとどまった。
この頑張りは将来性を感じさせる。

チュパ…ピチャ……!!

阿久津の舌が陰唇を這いまわる。

「はっ、はっ、あああっ!!!」

藤本は身体をのけぞらせて感じまくっていた。
阿久津は藤本を寝かせたまま腕で抱えて開脚をさせ、身体ごと押し込んでいく。
一転して大ピンチに陥った藤本、まさかの逆転展開である。

「くっ…んんっ!!」

藤本は髪を振り乱して後方に脱出しようとする。
ずるずると後ろへ尻を床に擦りつけながら少しずつ後退している。
だが、阿久津も同じペースで前進しているので離れることはできない。
やがて、部屋の隅に頭がぶつかって、退路は絶たれてしまった。

「よっし!」

藤本を壁際へ追い込んだ阿久津は、指2本を膣内へ挿入した。
そして陰核に舌を這わせる。
膣内は明らかに潤っており、阿久津はすぐ挿入する指を3本に増やした。

チュクチュクチュクチュク!!

「あっあっあっあっああっ!!」

高速指マンが開始される。
藤本は大きく喘ぎもがいている。
もがきすぎて、左足で阿久津の腰のあたりに蹴りを見舞ってしまう。

「うぐっ」

大した衝撃ではなかったが、阿久津の身体はぐらりとよろめいた。
故意ではなさそうだが、殴る・蹴るの打撃行為はBFでは禁止事項だ。
公式戦ならば阿久津のアドバンテージを見て流しつつ、後で藤本に口頭注意を与えることになる。

「ご、ごめん!」
「いいって」

阿久津は蹴りを見舞ってきた左脚の裏にキスをしてみせた。
なかなか気障な対応である。
それで、藤本は急に大人しくなってしまった。
開脚させられて固められては挽回するのは難しいとはいえ、もう観念してしまったのだろうか。
このままでは、あと一歩のところまで来ておきながら大逆転されてしまうというのに。

チュクチュクチュクチュク!!

「ああっ、あっ、あっ、ああっ!」

指マンとクンニの二点責めは、藤本が抵抗を止めたことで乳首責めもプラスされて三点責めになった。
もう藤本は気持ち良さそうに喘いでいるだけだ。

…そして、数分後。

「イく、イくっ!!」
「ほらイけっ!!」
「んんんんーーーっ!!!!」

試合時間1ラウンド14分12秒、藤本の絶頂により阿久津が1点を先取した。

「はぁっはぁっ、はぁっ」
「ふーーっ」

両者とも荒い息をついているが、イったばかりの藤本の方が消耗は大きい。
しばらくインターバルを取ることになる。
1ラウンドは20分なので、残り時間が少なくなっていく。

「はぁっはぁっはぁっ」

藤本は寝転がったまま起き上がれず、絶頂の余韻に浸っているようだ。
公式戦ならインターバルは1分なのだが、1分で復活するのは常に困難である。
阿久津の方は、射精寸前のところからどこまで持ちなおせるか。
スパーリングでは1分休憩と決めておらず、お互いの合意で試合再開すればいい。
ただし、時計のタイマーは動いたままだ。

しばらくして起き上がった藤本の髪は、暴れすぎて乱れていた。
阿久津は苦笑すると、自分の櫛で髪を整えてあげ、置いてあった飲み物も手渡しした。
所作のスマートな男である。美容師でも目指しているんだろうか。

「どう?1R、続ける?休んどく?」
「ん〜、もうちょっと休む」
「おう」
「……って、時間は……」
「いま15分37秒だな」
「…大変!1Rのあいだに追いつかなきゃ!」
「おいおい…」
「だって阿久津、いまイく寸前のはずだよ!」
「いや、もう持ち直したって」
「そんなはずなーいー!…はい!すぐに再開したいです!」
「マジか……」
「いくよー、スタート!」

急に元気になった藤本は再会を宣言した。
スイッチが素早く切り替わるのは、BFの試合をこなす上で長所となる。
時間はあと4分程しかないが、阿久津も手負いの状態なのだ。
射精感の波は一度引けばある程度回復できるが、すぐに完全には回復できないのだから。
逆に、一度イったばかりの藤本を4分以内に再びイかせるのは難しい。
藤本は休んでいてはいけない状況なのである。
なお、二人はもうパンツも脱いで素っ裸だ。
恥ずかしいという感覚なんてもうどこかに吹き飛んでいる。

「くっ……」

阿久津はやや及び腰になっている。
距離を十分にとって、守備的に残り4分を凌ぐつもりのようだ。
1ラウンドはこのまま1−0のリードを守って終わりたいのだろう。
しかし、そう上手くいくものだろうか。

「やっ!!」

逆に時間のない藤本は積極的に前に出る。
阿久津はサークリングして逃げる。
少しでも時間を稼ぐ算段だろうが、体力はむしろ余分に消耗するぐらいだ。
それに、部屋の広さは逃げ切るためには狭すぎる。

「えいっ!」
「うぐ」

壁際に追い込まれた阿久津は、藤本を避け切れずにしがみつかれてしまった。
2人とも、もう肩で息をしている。
藤本はすぐに外掛けで阿久津を倒しにかかる。
先ほどは成功した外掛けだが、同じ技を2回連続では読まれてしまう。
阿久津に踏ん張られると、今度は藤本の払い腰。
体勢が崩れたところでさらに一本背負いを仕掛けると、綺麗な一本ではなかったがたまらず阿久津は崩れて地面に手をついてしまった。
だが、投げた方の藤本も踏ん張りがきかず、よろけて前に突っ込んでしまったため、その間に阿久津は立ち上がる。
すっかり泥試合の様相を呈している。

「ハァハァハァ……」

阿久津の消耗が特に激しい。
柔道娘の柔道ごっこに付き合っていてはいけないのである。
しかも、「ごっこ」というには技の切れが本格的すぎる。ますます付き合っちゃ駄目絶対。

「やーっ!!」

藤本も脚はよろけているくせに積極的に前に出てくる。
阿久津が組み止めると、今度は相撲ごっこだ。
藤本が投げをうとうとするが、阿久津も男の意地だけで踏ん張っている。
単純なパワーの差はほとんどなさそうだ。
水準の高さを度外視すると、まさに好勝負。

「ちゅっ…」

阿久津を投げ飛ばすことができない藤本は、抱きついて首筋にキスをする。
さらに阿久津の乳首を舐めしゃぶり、ペニスを手で握る。
藤本の方からエロ攻撃に来てくれるのは、阿久津にとって感無量だろう、
…とか言ってられる状況では全くない。
阿久津も藤本の乳房を少し揉んでみるが、すぐに手を引っ込めてしまう。
藤本が身体を屈め、フェラチオの体勢に入ろうとしたからだ。
逃げようとする阿久津だが、動きが重い。
腰に抱きつかれ、藤本の口とペニスがすぐ近くに来る。

残り時間はあと2分半。
藤本の過去2戦を見ると、どちらもフェラチオで相手を仕留めている。
一番の得意技だろうから、阿久津としてはペニスをしゃぶらせる展開はいけない。
だが腰にしがみつかれ、倒れないように壁を押して身体を支えているのがやっとだ。

ずぷっ…!

「うっ」

藤本が唐突に右手の中指を阿久津のアナルに挿入した。
といっても、第一関節も埋まっていない程度だが。

「阿久津のアナルバージン、私がもらいー!」
「くそっ!!」

少し前には泣いていたのに、早速の報復行為である。
女の涙になんて、何の配慮も必要ないという結論に達してしまいそうだ。

そのまま狙いを定めた藤本は、いよいよ阿久津のペニスにしゃぶりつく。

じゅぽっ……じゅぽっ……

「くぅっ……」

切なげな表情を浮かべた阿久津はもう足に力が入らず、崩れ落ちていく。
女子に体力負けしている感じが悲しみを誘うが、こういう事はBFではよくあるものだ。
しかし、藤本の中指は阿久津のアナルの入り口に挿入されたままなので、そのまま尻餅をつくと大変なことになる。
肝を冷やしたが、藤本は阿久津が崩れ落ちるより先にちゃんとアナルから指を抜いてあげていた。
やはり、最低でもこの2人ぐらいの水準に達していないと、アナルへの指挿入は危険すぎる。

じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ…!!

藤本は四つんばいのような体勢で、阿久津にディープ・フェラをする。
阿久津に再び立ち上がる余力はなさそうだ。
残り時間はあと2分。
あと2分を耐えられるかどうかの勝負。
こうした状況では、たったの2分が非常に長く感じられるものだ…
しかも、2人とも今の位置からでは残り時間が見えていないだろう。

藤本は亀頭をべろべろと円を描くように舐めまわすと、
鈴口から滲み出るカウパー氏腺液をチュウチュウと吸い上げていく。
そうしながらも舌先を裏筋に押し当て、高速で左右に舐めしゃぶっていく。
なかなか多彩な舌の動きであるが、何より効果的なのは本人がおいしそうにペニスを頬張っているところだ。
自分の舌でペニスに喜びをもたらせる事が楽しくて仕方ない時期なのだろう。

だが残り時間は1分半。
ずいぶん落ち着いた様子で亀頭舐めに精を出したりしているが、そろそろフィニッシュに持ち込んだ方がいい。
残り時間のことを忘れているだけかもしれない。

…そう思って見ていると、ちょうどいいタイミングで藤本はまたディープ・フェラを再開した。
首を大きく縦に振り、完全にイかせにかかっている。

じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ…!!

「くううう!!」

阿久津の腰が震え、さらにびくびくと大きく痙攣する。
右手で顔を隠し、歯を食いしばっているが誰の目にも限界は明らかだった。
藤本は阿久津の顔も見ずに無心でペニスをしゃぶっている。

じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ…!!

「ア……もうイくっ!!!」
「んーっ!」

どぷっ、どぷっ、どぷっ……

「あ、あああ……」

どぷっ……どぷっ……

阿久津は緊張の糸が切れたように、呆然とした表情で藤本の口内にザーメンを放出した。

「んーっ」

藤本は阿久津の射精が止まるとすぐに手の中にザーメンを吐き出した。
イったとかイってないとか揉めたときのために、証拠になる精液は飲み下してはいけないと指導している。

「はぁ……」
「んふ♪」
「あ、そうだ、時間は??」
「ん!!……えっと〜、19分38秒!」
「あークッソ!!あとほんの少し耐えておけば良かったのに!!」
「やったー!!」

藤本はぴょんぴょん飛び跳ねて喜び、そのたびに胸がぽよんぽよん弾んでいる。
しかし阿久津は悔しさに打ちひしがれてそんな光景を見る余裕もない。
実際は19分22秒の時点でイき始めていた。
阿久津が残り時間を知っていたとしても、耐え切るのは難しかっただろう。

「あークッソ……」
「ごめんねー、でもまだ1対1だし?2ラウンドもあるし?」
「精神的ショックがでかい……」
「…そんなに落ち込まないでよー、でも、気持ちよかったんでしょ?」
「……あー、本気で耐えられなかったわ。お前、フェラうまいなぁ……」
「へへ♪…まだまだ北川先生とか久恒先輩に比べたら全然だけどねー」
「いやあのへんは化け物だから。俺らザコは、練習相手にもなれないし」

………
……


その後も仲睦まじく会話が弾んでいたが、話が脱線していたので省略する。
1ラウンドを終え、スコアは1−1。
両者ともに長所と短所を発揮しつつ、よく噛み合った好スパーリングになっている。
1−1という途中経過も、内容をよく反映した順当なものだと言えるだろう。
10分の休憩を挟んで行う2ラウンドは、どのような展開を見ることができるだろうか?


【つづく?つづかない?】
最近投稿が多くて素晴らしい!最高!…ってことで自分もまた過去の没作をサルベージ……
といってもこれは割と最近の没作だったりしますが。
『まだ未熟だけど実力伯仲の男女が一生懸命BFするところを元プロのおっさんが薀蓄解説するBF』というテーマで書いたものです。
実力伯仲BFは書いてて楽しいのですが抜き所は何処なの?という疑問が解決できません
第2Rはまだ全然できてませんが、少しずつ書き始めています。
名前しか出てこない久恒ちゃんも脳内ではキャラが出来上がっていて妄想の中でさんざんボコボコにしてくれるんですけどいつかここに登場させられたらいいなぁ…

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