タッタッタッタ……
今日は12月24日、だというのに午後から特別講義が入ったせいで大学に行かざるをえなかった俺。
そして今、それなりに早い速度で走っているのは……俺を追う者から逃れるためだ。
裏門から出れば、行けるっ!
「甘いですよ、先輩」
「ぐわぉぅぇ」
ぐいっと後ろから首元を締められる。
なんだこれはプロレスでいうチョークなんたらという奴か。
俺の背中に慎ましやかな膨らみが当たっているがいいのか舞城璃流香(まいじょうりるか)ちゃんよ。
「ギブギブ、放せ舞城」
「長年連れ添った妻のごとく璃流香とぞんざいに呼んだら解放しますよ」
「……コホン、こらやめんか璃流香。周囲から見られて恥ずかしいだろう」
「先輩、それ30点にもいきませんね」
自分でも寒かったのはわかっとるわい。
それでも解放してくれたのは彼女のわずかに残った優しさなのか俺が観念してるのを察知してるのか。
「さて先輩、お尋ねしましょう。この聖なる日に愛しい恋人たるあたしを放置して、どこに行こうとしていたかを」
「そんなの決まってる。今日は月末の金曜日だ。大人しかできない素晴らしいゲームの発売日である。
俺はそれを買い、家で充実したセカンダリーディメンジョンライフを」
「そんなっ! 蒼い欲望ならあたしの身体で満たせばいいじゃないですか。
たしかに胸はちょっと控えめですけどっ! 胸はわずかに可憐ですけどっ!
でも乳首は綺麗なピンク色してるって先輩にこの前みせたとき思ってくれたでしょう?」
「あれはお前が無理やり見せてきたんだろうが、この痴女子め」
「パンチラ派ではなくパンモロ派の先輩なら、胸だってチラ見せよりモロ派でしょう?
あのときちょっと股間が動いてましたよ、私、見ましたもんっ!」
「ピピー! そこあざとく『もんっ!』とかロリっ娘アピールしない」
どうしてこうなった……。今頃はゲームの内容に想いを馳せながらショップに行っていたはずなのに。
そりゃあ舞城璃流香はなぜか俺に好意を寄せてくれている貴重な後輩ではある。
「一部の声の大きいパイオツ星人が好むような胸ではなく、『まだ膨らみかけなんですっ!』
といっているような微笑ましい胸も魅力だ」
「先輩、心の声がダダ漏れですなんですがっ! 激オコしますよ」
褒め言葉なんだからいいだろう?
「そこの先輩、『褒め言葉だからいいだろう?』とか心の中で思わない、口に出していいとこです」
髪も前は毒々しい茶髪だったが、俺のエロゲセーブデータに黒髪ロングキャラが多いことを知るや、
黒く染め直して決して結ぶことなく俺の前で黒髪をひらひらとたなびかせる始末。
「女の子の黒髪から漂ってくる香りはマジアカンな……性フェロモンの分泌がパない」
「問題は先輩以外のオスの視線も集めてくることです。早くしないとあたしの処女が先輩以外の人に……NTRれちゃう。
あ、ごめんなさい。お○ごぅる氏ねでしたね」
「お前の処女は俺の童貞を無理やり奪うときに無くなったやん……どの口が言う。
あ、下の口とかベタなことは言わなくていいぞ」
それとおぅん○ぅる氏には敬意を表してます。面白い話を書くおばさんなので。
「よくよく考えてみたら……璃流香お前って、俺のドストライクだな」
外見(黒髪貧乳小柄垂れ目)も性格(活発系年下犬)も。
「これで生き別れた実妹だったらレッツ結婚一直線でしたね先輩」
「ああ……ところでお前、どこまでついて来る気なんだよ」
すでにエロゲショップの中なんだが。
クリスマスに女とエロゲショップってリアなんだか非リアなんだか。
いや明らかにリア側だなたぶん周りから見たら。
「ねーねー先輩、たまにはリンカーンしません?
あたしB輪姦なら許容できそうなんですよ」
「俺はそんなことを大声でのたまうお前が許容できんよ……」
「ですね、輪姦やNTRに出くわしたときの先輩のちんちんってピクリともしませんよね」
俺の股間の反応がなんでそこまでわかるの君は。
「かといって俺は別に処女チュ―でもないからな、絶対!」
「あーそれもそうですね。処女破瓜シーンのときもスキップ率高いですよね先輩。
あれどうしてです?」
「秘密。自分で考えなさい」
大体いつも同じネタ(クンニでヒロインがそこ汚いわ、挿入痛がる)で食傷気味なのである。
クロシェ角砂糖どみる、あたりは鉄板で抑えてある。
残りの軍資金でなに買おうかなと考えていたら、璃流香がとあるパケをもってきた。
「先輩! 今夜これしません!?」
王道RPGっぽい主人公にサキュバスが寄り添っている絵。
これまた懐かしいものを。そういえばRhapsodiaってもう発売したのかな?
調べてみたらまだしてないようだ、残念。
「サキュクエなあ……。これ結構長いよ。一戦あたりとか総プレイ時間とか」
「違いますちがいます。ゲームじゃなくて、ですね。これをあたしたちでしましょう、ってことです」
「……? どういうことだ?」
「つまり、あたしと先輩でバトルファックしましょうってことですよっ!」
璃流香のこの一言をいわせるために2000字も費やした前置きなのである。
ショップでエロゲ数本を購入後、俺の住むアパートに戻ってくる。
「お邪魔します。やってきました、あたしの処女を散らしたセイントスイートルームっ!」
ああ散らされたよ俺の童貞が。あのとき酒を飲みすぎた俺の馬鹿馬鹿。
「ちょっとンコしてくるから、あんまり俺の物をさわるなよ」
「どうぞごゆっくり〜。賛辞のオカズがあったら処分しておきますね」
いやそれは許してよ。虹オタとはいえたまには賛辞だって欲しくなるんだから。
十数分後、トイレから出ると、そこにはあざとくお尻を突き出してスカートからパンツをあらわにしている璃流香の姿が!
光沢のあるシルク生地っぽいピンクのパンツ……どこかで見た記憶が。
ああ、カスタ○○イド3Dで俺がいつもヒロインに着せてるパンツだ。
そんなことまでチェックしてんのかこいつ。
「ふむふむ……ソードアート盾僧侶必勝ダンジョン運営神眼勇者ネトゲ嫁。最近は異世界召喚物ばかりですね?」
「ああ、ハマってるなあ。でも今日買ったのはちょっと固め?の虚構推理」
「あ、それ漫画であったやつですね。あとで読ませてください」
「うん、ところでさあ。そろそろさっき言ったバトファのことについて聞いておきたいんだが」
あんまり下手なラノベみたいな文章を続けても読者の皆さんに呆れられるだろうし。
璃流香はパタンッとラノベ冊子を閉じると、目を細めて俺を見る。
「そうですね……では始めましょう、先輩。聖夜の性戦、バトルファックをっ! きらんっ☆」
「……うん。で、俺はなんでお前とセックスしないといけないわけ?」
これまでの説明で勘違いしている人も多々いるだろうが、俺と璃流香は断じて付き合ってるわけではない。
「だってだって〜、早く先輩をあたしだけのモノにしたいんですよ。
せっかくあたしから初セックスしたのに、超草食の先輩はあれから私にキスのひとつもしてくれないじゃないですかっ!」
「いや、俺リアルの女は別に……」
「虹専門の先輩のままでも別にいいんですけどっ、リアルの女性もいいですよっ!
揉める弾力のある胸っ! すべすべのお尻っ! そして未知の秘蜜の領域であるおまんこっ!
今なら触り放題、精液ぶっかけ放題ですよっ!」
「はいアウトーっ! 俺ぶっかけ嫌いなの知らなかったなお前」
「ええーーっ!? タンマです先輩。え〜と、とにかくあたしになら虹でやってることをそのまましてもいいんですよっ!」
「そのまま、ねえ……」
「上半身裸、縞パン、ニーソでM字開脚とかっ!」
ぴくん。
「カチューシャ付けてゴシックエプロン着て、お目覚めからご就寝まで身体のすみずみをご奉仕しますご主人様とかっ!」
ぴくんぴくん。
「髪をツインテールにしてお兄ちゃん大好きって1日100回言ってあげるとかっ!」
ぴくんぴくんぴくん。
「どうですかっ!? もしも先輩がバトルファックで勝ったなら今のをやってあげましょうっ!!」
「ちょっと待った。ついでに、『胸元の開いたドレスで着飾り、
俺を異世界召喚した勇者様として丁重に扱うお姫様』というのもつけてもらおうか」
「……わかりました。それもセットで一週間、あらゆるシチュとコスプレに対応します。
でもそれも、先輩があたしにバトファで勝てたら、ですけれども」
「くっくっく、いいだろう。毎日のオナホですっかり遅漏になった成果をみせてやるぞ」
「……その発言は色々と台無しです、先輩。
こほん、とにかくバトファ対決了承ということで、駅前のラブホ、『アクアガーデン』でお待ちしてます」
「う゛う゛、さみぃーー」
午後七時をまわった頃、野暮ったい男が一人でラブホの前で立つ姿ってのは客観的にみると心まで冷え切ってきそうだ。
本当なら今頃、予約して買った『クリヴァレ! Christmas&Valentine』をプレイしてたはずなのに。
久々の遠野そ○ぎヒロインを楽しみにしてたのに。
くいっ、ぎゅっ、ふにゃ、ぺとん。
「お待たせしました、先輩。あなたのオンリアル嫁、璃流香ですよっ。あ、オンリー&リアルってことです」
あ、その説明は別に求めてません。それより薄手のワンピースの上にコートだけはお寒いでしょう。
「あったかいですよ? 先輩の体温は高いですから、こうしてれば。本当に先輩の手はいつもあったかいですよね」
それより早く中に入ろうか。いい加減に寒いし、ラブホの前にいるのをあんまり他人に見られたくない。
「そうですね、ではいざ、聖戦の地へ参りましょうか」
どうしよう。目線だけで会話できてるこの人、こあいおそろしー。
ラブホ、『アクアガーデン』の一室(休憩4k、いや4000円)に入る。
よくいわれる回転するベッドというのではなく、なんだかトランポリンのようなベッドだった。
「はふぅ、こんなベッドで先輩と裸で抱きしめあったら、それだけで璃流香いっちゃ」
「それはさすがにあざといと思うよ興冷めだよ」
「……くっ、イカせ。あ、先輩は女騎士とか女剣士は好きじゃありませんでしたね」
「ああ、ああいうのはサドな男が好きなんだろうな。とりあえずシャワー浴びてこいよ」
「きゃっ、なにさらっとイケメン台詞してるんですか先輩。
でもシャワーはいいですよ、しない方が好みでしょう?」
「……くっ、その通りだ」
所々で勘違いをしているが、基本的に璃流香は俺の性癖を熟知しているのが恐ろしい。
「ふんふふ〜ん。今夜はまさに勝負な衣装を用意してきましたので」
璃流香がコートとワンピースを脱ぐと、その下に着ていたのは……ベビードールであった。
もちろんノーブラ。透け透けなピンクの生地からツンと尖った乳首が見えるのがたまらなくフェチ心をくすぐる。
膝上ニーソに切れ込みの激しいパンツもまた俺の好みに合致しすぎているのがくやしい。
「せ〜んぱいっ♪ い〜っぱい見てくださいね。璃流香の乳首も割れ目も先輩のものですよっ」
手をチョキにして乳首と股間のスジにあて、浮き上がらせて見せつけてくる。
璃流香は自分の身体をどう見せたら効果的なのかを熟知している。
けしからん、けしからん痴女子ビッチ予備軍がここにいますよ!
「ビッチじゃありませんっ。先輩に一途な女の子です。裸を見たのも、おまんこに挿れさせたのも先輩だけですよ?」
パンツをずらして割れ目をみせつけてくる璃流香。
日本人だというのに欧米人のたしなみのごとく綺麗に剃毛している股間だ。
ああこれは俺のPCの賛辞フォルダにMet-○rtがあるのもバレているな。
「ほら見てください。璃流香の割れ目、開いてあげますね。
おしっこする穴も先輩のおちんちんを入れる穴も、じーっくり見ていいんですよ」
両足を大胆に開き、パンツをずらして両手を股間にあて、まさにくぱくぱと陰唇を左右に開いたり閉じたりしている。
……ああ、もうすでにバトルファックとやらは始まっていたんだな。
璃流香の割れ目が淫らに開閉するその光景だけで俺のペニスはぎんぎんになり、すでに我慢汁も漏らしている。
「ねえ先輩? あたしのおまんこを見ながらオナニーしてもいいですよ。
射精しちゃってもまだ勝負が始まる前ですからノーカウントにしてあげます。
あたしの裸を見ながら必死におちんちんをこする先輩の姿を見せてくれませんか?」
……わかっている。この誘いは罠だ。
俺がオナニーを始めたら最後、イキそうになったところで璃流香は俺のペニスを触ったり膣に挿入して射精させるに違いない。
だが俺の股間と理性は我慢できそうにないと訴えている。
仕方ない。そう、仕方ないんだ。
せめて負けないように、俺が堕ちたと思わせながら行動しないと。
ロングシャツとズボンを0.5秒で同時に脱ぐ。そしてダイブ。
「きゃっ、もう先輩ったら。やっと狼さんになってくれましたね」
トランクス一丁で璃流香に抱きつき、ベビードールの上から乳首をあむあむ。
ああ、いいなやっぱり乳首は。Bカップぐらいのおっぱいを吸うのがちょうどいい。
「ふふ、いい子いい子ってされたいんですね先輩。
頭とおちんちんをなでなでしてあげますから、そのままおっぱいを味わっててくださいね」
普段は年下子犬属性のくせに、いつになく母性を前面にだしてくる璃流香。
頭を撫でながらトランクスの上からペニスも撫で撫でしてきている。……気持ちいい。
このままだと為す術もなく射精までイカされる気がする。
もっと狼に、野性的にならねば! と直感が告げてきた。
乳首を吸っていた口を離し、顔を上げて璃流香の唇へと吸いつく。
「んっ!? せんぱぁい……ちゅっ、んむっ、んっ……ちゅぅ」
先制のディープキス。璃流香は目を閉じて俺の舌が侵入していくのを受け入れている。
俺はキスのときに決して目を閉じないで、相手の顔を見つめる。
そのことを知っている璃流香はやがて瞳をあけると、俺と至近距離でみつめあっていることに喜んでいるようだった。
「んっ、ちゅむっ……好きぃ、せんぱい。もっと、もっとぉ、先輩のツバ、のませてください。
はぁむ、ちゅる……んむっ、おいしぃ」
キスをしながら璃流香の胸を揉み、尻を撫で、股間の割れ目にペニスを擦りつける。
まだ互いに下着をはいているのに、股間部分はビチョビチョだ。
俺の我慢汁と璃流香の愛液の両方だろう。
たまらず俺はトランクスを脱ぎ、生のペニスのまま璃流香のパンツに擦りつけて快感を得る。
「あぁ、先輩のおちんちん、すっごく熱いぃ。
熱くて固くて、あたしもっとおちんちんで気持ちよくして欲しいって思ってます。
先輩もあたしのおまんこで、おちんちんもっと良くなりたいですよね?」
俺がこくりと頷くと、璃流香は器用に太股の間にペニスを挟み、割れ目に擦りつける。
肌の柔らかさとシルクのパンツのすべすべが混ざり合って、蕩ける快感をペニスに与えてくる。
気を抜いたらそのまま射精してしまうような快感が脳に伝わってくる。
つい、浅ましい猿のように腰を動かした俺を璃流香が見て、
「先輩、射精するならあたしの中でしてくださいね。その方が絶対ぜったい気持ちいいですから」
そう言うと、布地面積の少ないパンツをずらし、ぐっしょりと濡れた割れ目を開く。
「先輩のおちんちん、あたしのおまんこで、いただいちゃいますね」
こういう台詞が好きなんでしょう? というようなドヤ顔をしているのが気になったが、好きなので何も言えない。
そのまま俺のペニスは璃流香の膣内に導かれていく。
熱くぬめった女の膣内の感触を、ペニス全体で味わう。
「ふふ、いつでも璃流香の中でイッてくださいね。先輩の精液、ぜんぶ子宮で受け止めてあげますから」
ややテンプレな表現であるが、俺の性癖に対する傾向と対策はバッチリだなこの女は……。
ピクピクと反応するペニスが情けない。
このままでは璃流香をイカせる前に俺が射精してしまうのは必定。
……どうするべきか。
現在の体位は正面から抱き合う座位。
とりあえず、キスをしよう。ディープなやつを。
「んむっ……またキスですかぁ。せんぱい、キス好きですもんね。
ちゅぱちゅぱしたまま、あたしの中にどぴゅどぴゅしたいんですね、いいですよ。
ちゅぅ、はぁむ……んんっ、れるっ……んふっ」
嬉々としてキスを受け入れる璃流香。あんまり効いてないのだろうか。
それともやせ我慢であろうか。だが俺の方はキスをしながらの結合で、どんどん高まっていくのがわかる。
このままでは3分と経たずに射精してしまいそうだ。
気持ちいい……璃流香の膣でペニスを擦られるのは最高に気持ちが良い。
そう……だからこそ、気持ちが良いからこそ、より長く味わいたくなってくる。
「なあ、璃流香。お前の中、すごくいいよ」
「あはっ、嬉しいです先輩。このまま最後まで璃流香の中で気持ちよくなってくださいねっ」
「ああ……でもごめん、だからこそお前には負担をかけるかもしれないが、俺の本気の射精につきあってくれ」
「……はい?」
「俺がオナホでオナニーしていることは言ったろ? で、俺いつも大体、1回のオナニーに2時間はかけるんだ」
「……2、じ、か、ん?」
「ああ、俺エロゲの主人公みたいに1日に何度も射精できずに、1回射精すると2日は射精できないんだよ。
でもそれで時間が短いと満足できず、射精までの時間が徐々に長くなったんだよな。
それで今は平均して2時間、最高3時間半。勃ちっぱなしでこすり続けていたことがある」
「……3じかん、はん?」
「璃流香のおまんこは最高だよ。だからより長く味わいたいんだ。
……もしも、璃流香が限界を超えて壊れたりしたらちゃんと責任とるから」
「え、ちょっと先輩、まっ」
返事を待たずに、俺は璃流香の膣の奥へとペニスをずんずん突き入れる。
やや未発達に思える狭い膣道を突き広げ、膣奥の柔らかい肉が亀頭をぎゅうっと包み込む。
ああ、この感触がたまらない。精液を欲しがる膣肉の本能的な収縮。
だがそれを我慢してこそより高い快感の波を得られるのだ。
「あっ、あっ、あんっ! せ、せんぱい。まってください、ぃんっ!」
「ダメだよ璃流香。俺が女性の喘ぎ声に萎えるマゾ気味な性癖なのは知ってるだろう?
そこはもっと余裕な態度で、『ほらもっとあたしの中を味わいなさい』とか言わないと」
「んっ、あんっ、むっ、むりですぅー。先輩のおちんちんがあたしの奥で暴れて」
「減点3。射精させたければ、ほらもっと俺に愛をささやいてごらん」
「んあっ、あんっ、はっ、せ、せんぱい、あい、して、ますっ、ああんっ!!」
……どうしよう。どうしてこうなった。
璃流香の膣はどんどん収縮してきて気持ちいいんだけど、精神的に俺の性癖から反対側になっていく。
俺は本来、もっとマゾな性癖のはずなのに責める側になってるのはなぜだ。
ああ、もういいや。ややロリロリしい璃流香の裸を抱くことを楽しもう。
せめて彼女に今までにない快感を与えて、俺が気持ちよく射精できますように。
……気がついたら汗びっしょりだ。シーツもぐっちょりと湿っている。
「あ……んぁ……ふぁ……んぐっ!?」
ベッドの上で璃流香が焦点を失った眼で力なく喘いでいる。
やばい……これは、レイプ眼!?
ジト眼で見られるのはご褒美だけど、レイプ眼をされるのは嫌だ。
こう、NTRとか輪姦を彷彿とさせるだけに。
「あぅ……んむ、ちゅっ、んっ……ぷはっ!? あ、あれ……せ、せんぱい……?」
息を吹き込むように深くキスをしたら、まるで人工呼吸のように璃流香は正気を取り戻した。
「あ、あぅ。あ、あたし、もう、何回も、10回以上もイッてしまったのに、せんぱいは、まだ?」
璃流香が絶頂に達するたび、射精を促す膣はきつく締まって最高に気持ち良かった。
だけどオナホで鍛えられた俺のペニスは射精することは無かったのだ。
俺は絶頂をまた催促するかのように、つながったペニスに力を入れて璃流香の膣奥をずんっと押す。
「あんっ!? せ、せんぱい。もうこれ以上はあたし、ダメです。
あたしの負けですから。もう先輩もイッてください」
やめてください、ではなくイッてくださいと言えるのがいじらしくて愛しい。
俺は股間に入れていた力を一部分だけ抜いて、頭も射精していいと切り替える。
男はペニスへの刺激だけで射精するにあらず、脳の命令で射精しているのだ。
「んっ、あっ、先輩。あたしのおまんこの中、十分に堪能してくれましたか?
もうすぐにでも射精していいんですよ。
先輩のおちんちんで何度もイカされた先輩専用のおまんこ、最後は先輩の精液を浴びてからイキたがってますから」
もうヘトヘトだろうに、俺を興奮させる口上を述べてくれる璃流香。
ういやつ、ういやつ、いま中に出してやろうぞ、とか下衆な言葉が浮かぶ。
「はやくはやく。そのままおちんちんをあたしの奥、子宮口に入れたまま射精、んぷっ!?」
下手に責め台詞を言わせるよりもキスをした方がいいこともある。
「んむっ……くちゅ、ちゅぅ……ちゅる、んむっ……れろっ、えぁ……やっ!? あっ! でて……ます、んっ、ちゅっ……」
キスをしたままドロっと璃流香の中に射精をしていると、ベッドの上の時計が目についた。
ラブホに入って4時間以上経過、つまり1回の射精までの勃起時間新記録樹立の瞬間であった。
「……璃流香」
「はぁい、先輩?」
「とりあえず明日はお姫様の格好をして、俺は勇者様だからな?」
「……ふふっ、しょうがないです変態の先輩。1週間だけですからね」
ああ、長いクリスマスの夜だった。それに疲れた。
早く帰って『クリヴァレ! Christmas&Valentine』をインストールしないと。
「先輩、エッチなゲームは1日1時間までですよ? 残りは、ね?」
ああ、とりあえず、メリークリスマス!
(終)
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