「夢魔かぁ……どんな…感じなんだろう……。」
僕の名前はイオ、最近夢魔ハンターになったばかりの新米だ。
僕は先日女性の夢魔が目撃されたという場所に向かっていた。
そこは田舎とも都会とも言えない、どこにでもあるような平穏な街だった。
現地についたら宿を借りて数日宿泊しながら探索をすることになる。
僕にとってはこれがハンターとして初めての任務だ……。
今回は一人で全てやらなきゃいけない……ハンターの人員が足りていないからだ……。
みんな「夢魔対策委員会」から援助してもらって仕事をしている。
女性好きのハンター仲間も多い……でも任務に行った人の半分は戻らなかった……。
夢魔とはそれほど危険な相手なのだ……いまだに実感がわかない。
もしかしたら…初めて戦闘をすることになるかもしれない……。
戦闘と言っても……セックスだけど……。
正直怖かった……前に夢魔にやられた被害者の姿は何度か見たことがある……。
身体は水分を失ったミイラのように干からびていた……。
干からびていたのに……顔は笑っていた…とても気持ちよさそうな顔をしていた……。
それがたまらなく怖かった……。
「ここ…か……はぁ……。」
だいたい昼下がりくらいに街についた、その後適当な宿を探して部屋を取った。
これから街での聞き込みをする、
暗くなる前になんとか有利な手掛かりが見つかればいいけど……。
「そうだ、その前に……。」
自分の取った部屋の窓辺に「飾り」を吊るす。
濃縮した男性フェロモンを染み込ませた飾りだ。
夢魔が現れる場所はまちまちで未だに特定されていない。
しかも大半の夢魔は夜中に寝床を襲ってくる……。
朝になったら手遅れというパターンがほとんどだ。
だからこうやってこちら側から餌を吊るして誘導する。
男の僕からしたら…サキュバスホイホイとでも言うのだろうか……。
でも虫取りのように罠を設置したところで、
性的接触以外では物理的干渉を受けないから無意味だ。
「また近くで犠牲者が出なきゃいいけど……。」
その後夜になるまで聞き込みをしたが収穫はほとんどなかった。
宿に戻って部屋で待機をする……ここから朝が来るまで待たなきゃいけない。
夢魔が今日来るとも限らないけど、夜中に寝るわけにはいかない。
それからしばらくして、丁度日付が変わろうとしていたその時だった。
「ん…?」
部屋の中にうっすらと甘い匂いが漂ってきた……。
性欲を刺激するような甘い女性のフェロモンを含んだ香りだ……。
「き…きた……!? ど…どうしよう……。」
どこだ? どこから漂ってくるんだ?
窓もドアも完全に締めてあるのに……。
怖くなった僕は焦ってドアのほうに向かう、
そしてそのままドアを背にしていつでも逃げられるように構える。
「うふふ……♪」
…………………!!
僕の背後から柔らかくしなやかな腕が伸びてきて僕の身体を包み込む……。
「え…!?」
後ろにはドアがあるはず……ドアをすり抜けて………まさか…そんな……。
物理的な干渉を受けないって……攻撃に対してのみじゃなかったのか……!?
僕の知らない情報だった……なんで……なんで……。
委員会は教えてくれなかった……いや……委員会も知らないことなのか……?
一瞬で僕はパニックになった……抱きしめている両手を掴んで無理やり引き離そうとする……。
「うっ……。」
夢魔の腕はとてもしなやかで柔らかかった……。
僕の両手にしっとりとした肌の感触が広がる……。
「うぅっ……くっ……。」
柔らかい感触に困惑しながらも、無理やり力を入れて腕を引きはがす。
「よ…よし……。」
なんとか逃れることが出来た僕は慌ててドアから離れ、後ろを振り向く……。
「うふふ……♪」
妖艶な声と共に女性の夢魔がドアをすり抜けて部屋に入ってくる……。
彼女は布を一切に身にまとっていなかった……そのあまりの美しさに思わず息を飲む……。
「ど…どうしよう……。」
正直怖かった……こんな…こんなに妖艶な相手と性的なやりとりをしなければいけないのか……。
んぅ〜ちゅっ…♪
………!
不意に夢魔が投げキッスをしてきた……ペニスがぴくんと反応する……。
ダ…ダメだ……こんな相手とセックスしてしまったら……。
目の前の夢魔とのエッチな行為を想像するだけで……おかしくなりそうだ……。
ペニスが期待に震え、固く勃起していく……。
「うぅっ……。」
今の僕ではこの夢魔と戦うのは無理そうだ……。
部屋から脱出して周りの人達を避難させるしかない…。
僕は焦りを感じながらなんとかここから逃げられないかと考える……。
彼女はそれを感じ取ったのか、両手を広げて入り口を塞いでくる……。
もうこうなったら窓から出るしかない……。
窓のほうに向かおうとしたその瞬間……。
ぎゅぅぅぅぅっ……♪
…………!!
「ぅ……。」
僕は夢魔に正面から抱きしめられてしまった……柔らかい感触が体を包み込む……。
香水のような濃厚な女性の香りに頭がクラっとする……。
なんだ……何が起きたんだ…!?
「ふふ……♪」
夢魔が妖しく微笑みながら唇を近づけてくる……。
ま…まずい……力づくでも逃げなきゃ……!!
しかしあまりに魅惑的な表情にこのままキスしてみたいという衝動が込み上げてくる……。
【A 避けない】
【B 避ける】
【A 避けない】
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♪
柔らかい感触が唇全体を包み込む……濃厚な香りと感触に思考が停止する。
ちゅぅぅっ…ちゅぅぅぅっ…ちゅぅぅぅぅぅっ…♪
夢魔は僕の唇を咥えながら吸ってくる……甘く心地の良いくちづけを何度も何度も繰り返す。
僕は夢魔の唇の感触の虜になってしまった……。
あぁ……したい……この夢魔と…セックスしたい……。
一瞬で心と体が魅了状態になる…抑えられないほどの衝動が奥から込み上げてくる……。
ちゅぅぅっ…ちゅっ…ちゅぅぅぅぅっ…♪
夢魔は僕をキツく抱きしめて、キスしたままベッドのほうに向かう……。
僕はあまりの快楽にとろけきってしまっていた……。
うぅ……抵抗することが出来ない……夢魔はそのまま僕を下にしてベッドに倒れ込む……。
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ…♪
夢魔がさらに激しく唇を吸ってくる……。
「ひぃぃぃっ……。」
僕の体からどんどん力が抜けていく……。
ちゅぅぅぅっ……ちゅぽっ…♪
「ぁ……ぁ……。」
唇が離される……あまりに濃厚なキスの余韻に僕は放心していた……。
「ふふ……♪」
夢魔は不敵に笑うと僕の体に手をかざした……次の瞬間……。
ふっ…と僕の着ていた服が消えて無くなった……裸の僕を見て夢魔が妖しく微笑む……。
そして無防備な状態の僕にその妖艶な肉体が覆いかぶさってくる……。
「はぁぁっ……。」
キメの細かい肌が全身に吸いついてくる……なんて…なんて気持ち良いんだ……。
こ…これが…何人もの人々を吸い殺してきた…夢魔の肉体……。
彼女は僕の顔を両手で掴み、唇を近づけてくる……。
ちゅぅぅっ…♪
また柔らかい感触が唇全体を包み込む……。
…………!?
何かが下半身に集まってくるような感覚を覚える……。
まさか…これは……夢魔のくちづけ…人間の命を精液に変えてしまう魔法だ……。
しまった…で…でももう……。
ちゅぅぅっ……ちゅぅぅっ……ちゅぽっ…♪
「んっふふふふ…♪」
甘いくちづけが終わる……あぁ……ダメだ…もう体に力が入らない……。
夢魔が僕のペニスに狙いを定めて腰を近づけてくる……。
もはや僕に逃げ道は残されていなかった……。
じゅっ…………じゅぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ…♪
「あひぃぃっ……。」
夢魔の膣内にペニスが根元まで飲み込まれてしまった……。
柔らかくとろけるような感触がペニスを包み込む……。
もがこうにも夢魔が上から覆いかぶさっているせいで腰を引くことが出来ない……。
「ふふ……♪」
じゅっぷ…じゅっぷ…じゅっぷ…じゅっぷ…♪
夢魔が腰を振り始める……待ち望んでいた感触にペニスが震える……。
「うぐぅっ……。」
逃げようにももう何もかもが手遅れだった……。
夢魔が腰を振るたびにとろけるような快楽が下半身に広がる……。
僕の理性がどんどん崩壊していく……。
じゅっぷ…じゅぷ…じゅぷ…じゅぷ……じゅぷぅ…♪
「はぁ……ハァ……ハァ……。」
僕は興奮しながら夢魔の動きに合わせて腰を動かし始める……。
夢魔がまた唇を近づけてくる……僕はためらいなくそれを受け入れる……。
ちゅぅぅぅぅぅっ…ちゅぅぅぅぅぅっ…♪
一緒に腰を振り…甘いくちづけをしながら夢魔とのセックスを堪能する……。
僕のたま袋は異様なほどに大きくなっていた……。
夢魔の魔法によって命が精液になって溜まっていってるんだ…。
じゅっ…じゅっ…じゅっ…じゅっ…♪
夢魔は一層激しく腰を振りながら唇を吸ってくる……僕はもう限界だった……。
「んぅぅっ……!!」
びゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ……!!
僕の命が溶けた精液が夢魔の子宮に大量に流れ込んでいく……。
頭が真っ白になる……大事なものが全て夢魔の子宮に吸い取られていく……。
ちゅぅぅぅぅぅぅぅっ…♪
夢魔は貪るようにキスをしながらひたすら腰を振ってくる……。
あぁ……出したい……もっと…もっと射精したい……。
完全に虜にされてしまった僕は、キスしながら腰を突き出す……。
僕はただただ夢魔の中に命を射精し続けていた……。
びゅぅぅぅぅぅぅっ…びゅっ…びゅぅぅぅぅぅぅっ…♪
射精が止まらない……僕は夢魔に抱きしめられ…キスされたままゆっくりと干からびていく……。
ちゅぅっ…ちゅぅぅぅ…ちゅぅぅぅぅっ…♪
激しくくちづけを交わしながら何度も何度も夢魔の中に射精をする……。
あぁ…ぁ……気持ぢ良いぃぃぃ……。
びゅぅぅぅっ……びゅぅぅぅっ……びゅぅっ…びゅっ…びゅっ…♪
やがて長い長い射精が終わる……僕は夢魔に命を全て吸い尽くされてしまった……。
全ての行為が終わった夢魔は、微笑みながら部屋を後にする……。
残された僕の遺体は他の犠牲者と同様に快楽に歪み…微笑んでいた……。
《《−バッドエンド−》》
【B 避ける】
「う…うわぁ……!!」
あまりの妖艶さに危険を感じた僕は、
両手に渾身の力を込めて彼女の体を無理やり引き離す……!!
「くっ…!?」
驚いている夢魔をよそに、僕はドアのほうに駆けより部屋から逃げようとする……。
後ろから妖しく微笑む夢魔が近づいてくる……!!
次回へ
【ハンター用語】
「夢魔のくちづけ」
人間の生命力を精液に変えてしまう魔法。
キスをすることによって体液と共に体に魔法を送り込む。
夢魔は魔法によって変換した精と命をセックスによって吸い取る。
「飾り」
男性のフェロモンを濃縮させた特殊な飾り。
匂いによってサキュバスを誘い込むための道具。
ハンターのみが持ち歩くことを許されている。
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