夢魔ハンター
「夢魔」と呼ばれる存在に対抗するために生まれた職業。
夢魔は人と良く似た姿の悪魔、人間の命と精を餌としている。
夢魔の存在が確認されてからもう何十年も経つ。
初めは怪死事件が何件も続いたことから始まった。
夢魔による犠牲者の大半は男性。
布団やベッドの上での発見が多く、ミイラのように干からびた状態で死んでいた。
原因は不明、密室状態での発見も多く事件性が無いと判断されることも多かった。
初めは新種のウィルスや、病原菌が原因だと考えられていた。
しかしある日をきっかけに人々は、恐ろしく妖艶な悪魔の存在を知ることになった。
ある日の昼下がりのことだった。
空から大量の何かが、地上に向かって羽ばたいてくるのを多くの人々が目撃した。
その容姿は完全に人間の女だった、しかしその背中には黒い翼が生えていた。
その日多くの男性が連れ去られ、行方不明となった。
数日が経ってから生存者が数名発見されたが、半数近くは発狂してしまっていた。
彼らの情報から連れ去った者達が「夢魔」と呼ばれる存在だということが判明した。
それからしばらくして、各地で夢魔による事件が次々と発生。
多数の犠牲者を出す中で、彼女らに対抗する方法がいくつか発見された。
1.夢魔の大半は女性である、男性も確認されている。
2.人間の男性の精や命を餌としていて、性交渉によって人の生命を吸い取る。
3.性交渉と判断された行為以外では、物理的な干渉を与えることが出来ない。
4.現実世界で襲ってくることが多いが、時折夢の中に侵入してくることもある。
5.性交渉によって絶頂させることで、彼女らを一時的に無力化させられる。
6.一度無力化させてから、再度活動可能になるまでの期間は約半年間。
未だに彼女らを完全に無効化、消滅、破壊する方法は見つかっていない……。
人々は彼女らに対抗するために夢魔対策委員会という組織を結成し、
その中で彼女らを狩る存在である夢魔ハンターが生まれた。
【ハンター用語】
「夢魔のランク」
ロークラス:下位の夢魔…完全な魔物ではなく、夢魔と人間の中間の存在。
別名「ハーキュバス」
稀に遭遇報告があるくらいで、それほど数は多くないと思われる。
人間にかなり近い体の構造を持っている。
どういう経緯で彼女らが生まれたのかは未だに不明。
接触する程度なら、普通の人間とさほど変わらない。
ある程度の経験者なら、比較的容易に無力化することが出来る。
匂いで人を探知することが出来るが、範囲が非常に狭い。
ミドルクラス:中位の夢魔…完全に純粋な存在の夢魔。
現在最も遭遇報告が多く、かなりの数がいると思われる。
人間とは比べ物にならない程の能力を持ってる。
肉体の構造は人間とは明らかに違う。
ハンター以外の人間が接触するのは危険。
経験と実力がなければ、無力化することは出来ない。
遠くからでも、匂いで人間の存在を探知することが出来る。
ハイクラス:上位の夢魔…純粋な夢魔の中でも特に強い存在。
遭遇報告が一番少なく、かなり希少な存在。
夢魔達を束ね、従えているとされている。
圧倒的な魅了と吸精能力の持ち主。
接触はおろかその姿を認識するだけでも危険。
現在対処が出来る人間はわずか数名しかいない。
匂いに関係なく人間を探知することが出来る。
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