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性闘士 第十二章 サキ

性闘士 第十二章 サキ



「そんじゃ、ウチらもいただくとするか。」



サキのその言葉が合図となり、淫魔たちが行動を開始した。

サキはガタイの良い男を押し倒し、乱暴に衣服を剥ぎ取った。
そして淫気に当てられて既に硬く張り詰めている男の屹立を、前戯もなく一気に挿入した。



「んんっ、はぁ……やっぱ犯すなら筋肉質な男だなぁ。
おいお前、10秒我慢できたら逃がしてやるよ。」



サキは自身に満ちた表情でニヤリと笑ってみせた。



「そ、それは本当か!?」



熱を持った膣肉がぬめりけを帯び、肉棒に絡みついた。
挿入しているだけだというのに、強烈な快感が男を蝕んでいく。

そんな中唐突に与えられた思いもよらない易しい提案に気が緩みそうになるのを耐え、男はなんとか口を開いた。



「もちろんさ。
淫液の類は抑えてやってんだ、10秒くらいなんてことないだろ?」



サキは意地悪い笑みを深め、男を見下した。
そして数瞬後、開始の合図もなく唐突にサキは攻めを開始する。

サキはいきなりトップスピードで抽送を開始した。
相手を思いやる気持ちは欠片も見られない、粗暴な腰つきで身勝手に快感を貪る。



「んんっ、ふあぁっ……結構いいモノ持ってんじゃねえか。
おっと、いけねっ……カウント忘れてた。」



サキは上気した顔で賞賛を送り、数を数え始めた。



「いーち、にーい……へえ、結構やるじゃん。
その意気で頑張ってくれよ?」



男はサキの問いかけに答える余裕はなく、今にも絶頂に達してしまいそうになっている。
絶望してしまいそうなこの状況の中、射精しなければ助かるという希望が彼の心を繋ぎ止め、下半身に力を込めて必死に耐え忍ぶ。



「さーん、よーん、ごーお……すごいすごい、ウチのナカに入れて5秒ももつとはな。
おら、もっとペース上げてくぜ。」



サキはそう宣言すると男の乳首をいじりながら、さらに腰を速く打ち付けていく。
パンパンと小気味のいい音が鳴り響き、男の口からは短い悲鳴が漏れ出ている。



「ろーく、しーち……すっげえダラシない顔になってるぞ。
んんっ……これならウチもイケそうだぁ。」



サキはうっとりとした表情で男を見下ろし、上体を倒して男の唇を奪った。

高速で腰を振り立て、両手は乳首をいじり、口づけを交わす。
許容量を超える快感が男を襲い、彼の視界でバチバチと火花が散る。



「はーち、きゅーう……ここまでやるとはな。
でも残念、本当に耐えられるとでも思ってたのか?」



サキの言葉は男には届いておらず、あと一秒だという思いのみが彼のアタマをぐるぐると忙しくまわっている。

サキはだらしなく弛緩しきっている男の顔を覗き込み、いやらしく笑った。



「おら、イケよっ!」



サキは宣言と共に膣をぎゅっと締め上げ、一際激しく腰を打ち付けた。

男が待ち望んでいたその時は訪れず、代わりに絶望と共に強烈な快感が思考を塗りつぶした。



「あっ、あぁぁっっ……ひあぁぁぁっ」



ガタイの良い体には似つかわしくない、甲高い嬌声と共に大量の精液が膣内に迸った。
男はビクビクと体を痙攣させ、快感に打ち震えている。



「その絶望に満ちた顔……最っ高だよ、お前。
ウチも久々にイッちゃいそうだ。」



イカなければ助かるという唯一の希望を心の支えにして臨界点を超えてなお耐え続けていた男の顔は、絶望の色で染まっている。
だがそんな表情も一瞬で、後には体を蝕む強烈な快感に、どうしようもなく表情筋が緩んでしまう。

そんな男の様子を、サキは加虐性に富んだ表情でただ見つめている。

やっと快感の波が引いた頃、男は荒い息を抑えて口を開いた。



「はあ、はぁっ……無効だ、こんな勝負。
間に言葉を挟んでたじゃないか、あれがなければ10秒はとっくに経っていたはずだ…そうだろ?」



男は怒りを感じながらも、自分の命運を握っている淫魔に対して強い言葉を使うことはできず、なだめるような言葉をかける。
サキは面倒くさそうに頭をかき、顔をしかめて口を開いた。



「ったく、細かい男だなぁ。
それなら強引に負けを認めさせてやるよ。」



サキは上気した顔で淫らに唇を歪めると、更に強く膣を締めた。
絶頂後で敏感になっている肉棒がギチギチと締め上げられる。

媚肉が先程とは比べ物にならないほど淫らに蠢き、ねちっこくまとわりついてくる。
膣壁は痛みを感じる一歩手前の力加減で、強く締め上げる。
魔力も持たず、淫魔との性経験のないこの男が耐えられる訳がなく、いとも簡単に二回目の絶頂へと導かれた。



「がっ…ああぁぁぁっっ」



男は白目を向き、獣の咆哮の様な声を上げ、絶頂に達した。
短時間の内に二回目を迎えたとは思えない程に濃厚な精液が、たっぷりとサキの膣内に吐き出される。
どう考えても入りきる量ではないというのに、サキの秘裂から精液が溢れることはなかった。



「んんっ、ふう……やっぱ中出しが一番だぜ。
アンタの精液、質は悪いけど量の方は申し分ないな。」



サキはうっとりとした顔で自らのお腹を撫で、目を細める。
そして興奮冷めやらぬといった様子で男に口付けを交わすと、緩めていた膣圧を再度強めた。



「くっ、があっ……も、もうやめてくれ!イキたくないんだ!!」



男は快感からか苦痛からか顔をしかめ、必死に許しを請う。
もう彼のアタマには勝負のことなどなく、サキの心変わりを願うことしかできない。



「こんなにビンビンにおっ勃てながら言っても説得力ないぜ。
少なくともウチがイクまでは付き合ってもらからな。」



サキは悦に入った表情を浮かべ、男の顔を見下ろした。
そして再び痛みを感じないギリギリの膣圧をキープすると、貪るような腰使いを再開した。

精液を吸収して水気が不足していた膣内が、瞬時に愛液で満たされた。
長く悦しむ為に愛液に特別な効果は付与していないが、ぬめりけを帯びた膣肉が肉棒を攻め立てる。



「がっ…ああぁぁぁっ」



敏感になりすぎている男の亀頭が媚肉に揉みしだかれ、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
男の、言葉にならない獣じみた嬌声が上がった。



「おいおい、亀頭がもう膨らんで来たぞ。
今イッたばかりなのに、またイキそうなのか?」



サキは乱暴な腰使いを継続したまま、男を愉悦に満ちた表情で見下ろした。
あっという間に膨らんだ男の欲望を吐き出させる為、ピンと張り詰めている乳首に唾液を落として指で愛撫する。

先の射精から幾許も経っていないというのに、男は再び絶頂へと上りつめていく。



「いいぜ…ほら、イッちゃいなよ。」



サキの許しを得ると同時に、男の体は従順にも絶頂を迎えた。
三回目だというのに、濃さを保った精液が不自然なほどにたっぷりと迸る。

精液を膣内で受け止める悦びをじっくりと味わってから、サキは口を開いた。



「さて、と……それじゃ、第四回戦といこうか。」



度重なる疲労に精も根も尽き果て、意識が途切れかけていた男の陰嚢を掴み、潰れないよう加減をしつつも強く握りこんだ。
強い痛みと共に意識が一気に覚醒し、男は悶絶した。



「まだおねむには早いぜ?
ウチがイケるまで付き合ってもらうって言ったよな。」



サキは淫らに唇を歪め、再び膣を締めあげた。
射精のしすぎで男の陰茎に痛みが走るが、悲しいかな淫魔の蜜壺から与えられる強烈な快感で萎えることが出来ない。



「あーそうそう、そういえば大事なこと言い忘れてた。
ウチら淫魔との交わりって連続で三回くらいが限度みたいで、常人はそこで体力とか精力が尽きて意識が途切れちまうんだよな。」



サキは芝居がかった口調で前置きをしてから長々と説明をした。
何故こんな時に、という思いが男のアタマを過ったが、大事な内容なので彼女の言葉をしっかりと反芻する。



「おもしろいのはここからなんだけどさ……精力が尽きた状態で絶頂を迎えると、精力の代わりに命を燃やして射精するって話なんだよ。
さて、アンタはもう何回射精したっけ?」



男の霞がかっていた意識が一気に覚醒した。
もう3回射精しているのだ、これ以上はまずいと、男は必死に快感に抗おうとする。



「この話すると、皆アンタと同じような反応するんだよな。
早く諦めてウチの養分になっちゃいなよ。」



「ざっけんなよ、このアマぁ!」



恍惚とした表情で男を諭すように語りかけていたサキに、彼は怒りを露わにして殴りかかる。
純粋な力比べならば自分の圧勝なのだ、どさくさ紛れにサキから距離を置こうという打算が含まれた行動だった。



「お、これは初めての反応だなぁ。」



サキは満面の笑みを浮かべると、膣を思い切り締めた。
膣内が激しく収縮し、熱くぬめる膣肉が男の肉棒をギチギチと締め上げる。。

凄まじい膣圧に男の陰茎が見舞われ、彼は堪らず悲鳴を上げた。



「へへ、いい悲鳴上げるじゃんか。
痛そうにしてる割にはアンタのこれ、どんどん大きくなってくぜ?」



許容量を超えた刺激を繰り返し受容したせいで男の脳はイカれてしまったのか、元々素養があったのか……イチモツに加えられた痛みは、徐々に快感に塗り替えられていく。



「くっ……ああぁぁぅ」



やがて痛みは完全に快感へと切り替わり、男の意に反して思わず嬌声が上がった。
自らを情けなく思う気持ちや気恥ずかしさ、その他様々な感情がない交ぜになり、男はもうサキと目を合わせることができなくなってしまった。

サキはそんな男の様子を愛おしそうにしばらく眺めてから口を開いた。



「それじゃ、そろそろ始めるぜ。
精々みっともなく足掻いてくれよ?」



サキは淫らに舌なめずりをすると、腰の動きを再開した。
亀頭が抜け落ちてしまいそうになるところまで腰を上げ、一呼吸おいてからゆっくりと腰を下ろしていく。

強い膣圧によってぴっちりと締まっている肉壁が、敏感になりすぎている亀頭を揉みくちゃにする。



「ふっ、んんっっ……ああぁぁぁっ!」



休憩を挟まずに三回もの射精をした男の亀頭の感度は下がることはなく、思わず腰が引けるほどの強い快感が送られてくる。
組み伏せられている男には快感から逃れることは出来ず、嬌声を上げることしかできない。



「亀頭だけじゃイケないからな、竿も刺激してやるよ。
アンタも早くウチのナカに精液出したいんだろ?」



サキはみっともなく喘ぐ男を嘲り笑うと、腰を深く、ゆっくりと落としていく。
ぬめりを持ったヒダの一枚一枚が肉棒に淫らに絡みつき、絶頂へと誘う。



「くそっ…ぐぅっ、んあぁっ」



男の屹立は愛液をたっぷりとまとった柔肉に嬲られているが、サキが意図的に効果を打ち消しているせいで彼の意識レベルが低下することはない。
射精をすると死に近づくということを理解している彼は、強い意志を持って快感から逃れようともがく。

男はサキの腰を掴み、これ以上奥に挿入されないようにと下から力を込めて押し返した。



「そうこなくっちゃなぁ……やっぱ男はムリヤリ犯すに限るぜ。」



サキは唇を三日月のようにいやらしく歪め、弱々しく抵抗を続ける男の手を掴んだ。
そのまま力を込めて押し返し、男の両手を顔の横あたりで軽くバンザイをさせるようにして床に押さえつける。

強烈な快感に苛まれている男は普段の力が出せず、女相手に腕力で敵わない程に弱体化していた。
鍛え上げられた肉体が何よりも自慢だった男は初めて無力感を味わい、彼の頬を一筋の涙が伝った。



「んっ、はぁ……ウチに力で負けて悔しいのか?
情けないやつだな。」



とめどなく溢れてくる涙を見て、男を力づくで屈服させる悦びを強く感じたサキの加虐心が刺激される。
サキは先ほどよりも興奮した様子で頬を赤らめ、荒い息をつきながら男を見下ろした。

男は人前で涙を流したことなどなく、自分が泣いていることに驚き、初めての経験に戸惑っていた。
動揺を抑えて涙を拭おうとするが、両手をしっかり押さえつけられていて自由がきかない。



「くそっ……痛っ」



男が悪態の一つもついてやろうと口を開いた時、サキに掴まれている手首に痛みが走った。
高揚しているせいで力加減が上手く出来ないのか、彼女の爪が食い込んでいたのだ。

突然の痛みに、男は思わず苦悶の表情で短い悲鳴を上げた。
サキは嬉々とした様子で更に力を加えていく。
最初こそ驚いたが本来痛がる程の刺激ではないため、サキの目論見に気づいた男は逆に涼しい顔をして見せた。



「いいね…最高だよ。
我慢強いアンタには、こっちの刺激で素直になってもらうぜ。」



サキは前のめりになり、男の鼻先で甘い吐息を漏らすと、腰の動きを再開した。
男の反応を見逃すまいと、サキは彼をじっと見つめながら再びゆっくりと深く、陰茎を飲み込んでいく。



「くぅっ……うあぁぁっ」



しばらくの休息があった為、これだけの刺激で果てるという失態は避けられたが、どうしても喘ぎ声を抑えることができない。
男の口から嬌声が漏れ出る度に、サキは唇を歪め、嘲るような笑みを浮かべて男の顔を覗きこむ。

そんなやり取りが幾度か交わされ、ゆっくり時間をかけてようやくサキは男の屹立を全て飲み込んだ。
ぬめりと熱を持った媚肉が、男の陰茎を余すところなく愛撫する。



「へぇ、アンタ思ったより耐えるじゃん。
これで精がもう少し上質だったらウチのペットにしてやったんだけどな。」



歯を食いしばり快感に耐える男を見下ろし、サキは挑戦的な笑みを浮かべた。
少しでも気を抜けばイッてしまいそうな男は、一言も口をきくことができない。



「後がつかえてるからな、そろそろ本気で相手してやるよ。
その無駄な我慢がいつまで続くか、じっくり観察してやるぜ。」



サキの宣言と同時に、彼女の膣内が一層淫らに変化した。
濃厚で甘美な蜜がどろりと分泌され、ぬめりけを増した肉ヒダの一枚一枚が意識を持っているかのように肉棒を愛撫する。

男が必死の思いで耐えていたというのに、サキにとっては本気ではなかったのだ。
本能が全身に向けて逃げろと命令を下すが、強烈な快感のせいで彼の体は指一本動かない。



「ああっ…うあぁぁぁっ」



突然跳ね上がった快感に、男は為す術もなく嬌声を漏らした。
どれだけ快感に塗れようと意識を手放すことができない男は、早く絶頂を迎えたいという思いと死にたくはないという相反する強い思いに葛藤する。



「おいおい、もう少し楽しませてくれよ……やっぱりアンタもウチの本気には耐えられないのか…
とりあえず一回イッてもらうぜ?」



あっさりと崩れ去った男の抵抗に、サキは心なしか悲しげな表情を浮かべる。
そのまま残酷な宣言をするとキュッと軽く膣を締め、抽送を開始した。




ーーーーにちゃっ……ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ



愛液と媚肉がひしめく蜜壺がサキの乱暴な腰使いで激しく上下し、男の陰茎がもみくちゃにされる。
規則的な、淫らな水音と肉と肉がぶつかり合う音が室内に鳴り響く。



「あっっ、がああぁぁぁっ」



快感に抗おうと力んでいた男の口から、雄叫びのような嬌声が上がった。
断続的に与えられる快感に力を奪われサキから逃れることが出来ず、かといって快感を甘受することは彼のプライドが許さない。

男はどうすることも出来ず、周囲に助けを求めて視線をさまよわせたが、他人を気にする余裕を持っている者はいなかった。



「いい加減諦めろって……大丈夫、痛みは感じないからよ。
それどころか生命力を燃やした射精ってのは比にならないくらい気持ちいいらしいぜ?」



サキは男の耳元で堕落を誘う言葉を囁いた。

今でも信じられないほど気持ちいいのにこれ以上の快感があるのか―――という、体が震える程の恐怖にも似た期待が生まれ、男の心に僅かな隙が生じる。
サキはそれを目ざとく見抜き、激しく腰を上下させていく。

男の気が緩んで防御がおざなりになっていたところに、更に強烈な快感が与えられる。
凄まじい快感に男の口から、彼の容姿にそぐわないみっともない嬌声が上がった。



「随分かわいい声出すじゃねぇか。
もうイッちゃいそうだな……一思いに楽にしてやるよ。」



サキは淫らに唇を歪めると、膣を強く締めながらスパートをかけていく。
自らが快感を貪る為ではなく、男を絶頂へ導くことを目的としたねちっこい腰使いで、彼をジワジワと追い詰めていく。



「くそ、くそっ……あっ、うああぁぁぁぁっっ」



男は不甲斐ない自分に活を入れようとしたが何の意味も持たず、喘ぎ声は止まらない。
サキは、未だ抵抗の意志を捨てない男を恍惚とした表情で眺め、攻め手を強めていく。



「おら、イケっ!イッちまえ!」



サキはそう言い放つと強く腰を打ち付け、男の陰嚢を尻尾でペチンと叩いた。
陰嚢から下腹部へ鈍い痛みが広がっていくはずが、誤作動を起こしている男の脳は、この耐え難い痛みすら快感へと変換する。
この刺激が後押しとなり、堰を切ったように男の鈴口から精液が迸った。



ーーーーどぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ……びゅるるるっ、びゅっ



幾度も男の陰茎が脈打ち、永遠にすら思えた射精が終わった。
たっぷりと吐き出された精液の量も、長く続いた意識が飛ぶほどの絶頂感も、普段のそれとは桁違いのものだった。
男は長い長い射精を終え、激しい喪失感と疲労感に襲われた。



「すっげえよかったろ?…って訊くまでもないか。
お疲れのところ悪いけどよ…後がつかえてるんでこのまま第五回戦といかせてもらうぜ?」



普段のそれとは比にならない、とてつもない絶頂と引き換えに、男は指一本動かせない程の疲労感に苛まれていた。
彼が対価として払ったのはそれだけではなく、生命力を吸い取られたのだ。

男の期待を遥かに上回る快感ではあったが、失ったものが大きすぎる。
彼はサキの問いかけに答える気すら起きず、陰茎は気持ちを代弁するようにシオシオと萎えていった。

サキは男の変化に気付き、膣から陰茎を引き抜いた。



「この消耗具合からすると、あと一回が限度ってとこだな。
こんな萎れてちゃ搾り出せねえけど……」



サキは喋りながら、手のひらをかざして転移魔術を発動した。
男は手が自由になったが射精後の疲労から、身を捩ることすらできない。

数瞬後、床に大きなミミズのような生物が現れた。
ぬめった体躯に小さな口を持ったそれは力なく蠢いている。



「こいつを使えば即効元気になるらしいぜ?
ウチは細かい作業は苦手だからな。こいつの出番って訳だ。」



サキは悪戯を思いついた子供のような、幼さと残酷さが入り混じった表情で男に生物を見せつける。
この虫の形とサキの言動から、察しの良い男はこれを何に使うのか想像がついてしまった。



「そ、それ、何に使うんだ?」



自分の見当違いであってくれという願いを込め、男は問いかけた。
動揺している男の反応を悦しみながら、サキは口を開いた。



「こいつ、正式には名前が決まってないらしんだけどな、ウチらはアナルワームって呼んでるぜ。
返答としてはこれで十分だろ?」



サキはそう返し、アナルワームを男の菊門へと近づけていく。
男の視界から不気味な生物が消え、彼の不安が急激に膨らんでいく。



「ひっ……バカ、やめろ!やめてくれ!」



何に使うのか分かってしまった男は、身動き一つできないことにもどかしさを覚えながら必死に許しを請う。
そんな彼の必死の行動はサキの加虐心をくすぐる結果に終わり、逆効果となった。
男がみっともなく懇願する様をひとしきり悦しみ、サキは口を開いた。



「大丈夫だって……こんなナリしてるけど養殖だから汚くねえし、すっごい気持ち良いらしいからさ。
それじゃ、いくぜ?」



サキはそう宣言すると、アナルワームの先端を男の菊門にねじこんでいく。
相変わらず嫌悪感は払拭できないが、そんな男の意思に反して体に快感が走った。

このワームは、研究所の淫魔が品種改良を加えて作り出した物なのだ。
対象に快感を与えることのみを追求して、改良を重ねたそれが生み出す快感は絶大だ。

ワームの皮膚から分泌される液体は、魔界の生物の様々な淫液を掛けあわせたもので、強烈な劣情を催す効果が付与されている。



「ああぁぁっっ………頼む、やめてくれっ」



ワームから分泌される液体が男の粘膜になじんでいき、時間の経過に伴って快感がどんどん膨らんでいく。
不気味な生物に対する強い嫌悪感は健在だが、男の意志に反してどうしても嬌声が漏れ出てしまう。

そんな男の葛藤をあざ笑うかのように、アナルワームは菊門を割ってスムーズにナカを進んでいく。



「おいおい、ガバガバじゃねえか。
そんな顔してこっちは開通済みだったとはなあ。」



サキは男の顔を覗き見て嘲笑した。

男は以前、一度だけ淫魔に襲われたことがあったのだ。
運良く逃げ出すことはできたものの、その時に尻尾をアナルに挿入されていたのだった。

一度きりの甘美な快感。男らしさには程遠い、恥辱に塗れた快感。
行為から長いスパンをおいたというのに、一度淫魔の淫液に侵され開発されてしまった男のアナルは、どうしようもなく快感に疼く。

甘美な疼きは全身に広がっていき、男の陰茎は徐々に硬さを取り戻していく。



「お?…なんだ、まだ前立腺まで届いてねえってのにもう大きくしちまったのか?
このままイケそうだけど、人生最後の射精がアナルの刺激だけってのもイヤだろう?
ウチもまだイケてないしな、もう少し頑張ってもらうぜ。」



サキは唇を三日月のように淫らに歪め、わざと焦らすようにゆっくりとした所作で男の陰茎を飲み込んでいく。
亀頭に、カリ首に、竿に、ぬめりを持った媚肉がまとわりつき、射精を促す。
それと同時に、男の菊門を突破して奥へ奥へと進んでいくアナルワームも、とうとう目的地へとたどり着いた。
アナルワームは口で前立腺を完全に覆い、離れてしまわないように目標の外周にそって吸着した。

四回も射精して、もう感度もかなり鈍くなっているのが唯一の救いか、男はすんでのところで踏みとどまっている。



「ああぁぁっ、くぅっ……お願いだっ、もう本当にイキたくないんだ!」



「意地を張るなよ。お前のこれ、どんどん大きくなってくぜ?
このアナルワームは前立腺を攻める以外の行動は制限してあるからな。
心配しなくても食いちぎられたりはしねえよ。」



そう言ってサキは、指をパチンと鳴らした。
彼女の合図に合わせ、アナルワームは口からタコの足のような触手を伸ばし、愛撫を開始した。
粘液にまみれた触手は前立腺を突くように、撫でまわすように、人外の身を活用して様々な方法で愛撫した。

この強烈な攻めに、男は体の奥底から官能が燃え上がっていくのを感じていた。



「へへ、気持ち良さそうに喘ぎやがって。
おら、こっちがメインだってことを忘れんなよ!」



サキはだらしなく快感に喘ぐ男に活を入れるように、強く腰を打ち付けた。

男は虫が苦手だった為、この奇妙な生物に愛撫された上感じさせられていることに耐えられない。
その結果、無駄だと分かっていても逃避を求めた体は、腰を強く突き上げるという選択をとった。
そこに、サキの追い打ちを食らった。男の陰茎は淫魔の危険な肉壷に深く身を沈めてしまい、快感が走る。



「ははっ…もうアンタの亀頭、膨らんできたけど大丈夫か?
多分これが最後になるけどもう十分堪能したか?」



サキは激しく腰を打ち付けながら、男に言葉をかけた。

アナルワームへの嫌悪感でアタマが一杯だった男は、サキの言葉で思い出した。
これが人生最後の射精に…いや、人生を終わらせる射精になるであろうことを。
彼は歯を必死に食いしばり、なんとか延命を図る。



「おいおい、欲張りな奴だな。
まあ耐えれば耐えた分だけ気持ち良くなるご褒美付きだからな、せめてウチがイケるまでは頑張ってくれよ?」



未だ抵抗をやめない男を心底嬉しそうに見つめ、攻めを続ける。

このまま性欲に溺れて死ぬことを良しとしない男に残された選択肢は、一つしかなかった。
男は悦に入った表情を浮かべるサキの秘部に、腰を突き上げた。



「あっ、んあぁぁっ…はあ、はぁっ……いいね、この段階で反撃してきたのはアンタが初めてだぜ。
ま、それでも絶対にウチはイケないんだけどな。」



男はサキの言葉には耳を貸さず、必死の思いで腰を突き上げていく。
一突き毎に、身を焼くかのような強烈な快感に焦がれる。
少しでも気を抜けば絶頂に達する。そんな限界ギリギリの状態で必死に歯を食いしばり、腰を打ち付ける。



「あっ、んんっ……へへ、いいぜ。
おら、もっと腰を振らねえとイカせらんねえぜ!」



ところがいくら突けども、サキの様子が一向に変わらない。
男の一突き一突きが文字通り命懸けであるのに対し、サキはそれを物ともしていない。

男は絶対にイカせられないということを理解し、腰の動きを止めた。
はじめから分かっていたはずなのに、圧倒的な力量差をまざまざと見せつけられ、男の意志が砕け散った。



「お、なんだ?もう終わりかよ……ま、かなり頑張った方だけどな。
抵抗をやめたってことはもう覚悟も出来てるってことだよな?」



サキはそう言い、紅い舌でペロリと唇を舐め上げる。
そして荒く息をつく男を見下ろし、言葉を続けた。



「それじゃ、始めるぜ?
死んでもいいって思えるくらいの快感を与えてやるよ。」



サキは強く膣を締めあげ、トップスピードで腰を振り立てていった。
もう既に臨界点を優に超えていた男は、早くも音を上げた。



「イヤだ、イヤだっ!……んっ、ああぁぁぁぁっっ」



どんな極上の快感だろうと、命と引き換えなんてバカらしい。
そんな風に考えていた男の思考を、強烈な快感が塗り替えていく。
周りに仲間がいること、自分は頼りがいのある男らしい人で通っていたこと、射精は死を意味すること。
男の心の支えになっていた余計な考えが、全てピンク色の思考で書き換えられていく。



「あっ、ふああぁぁぁぁっっ……はあ、はぁっ。
気持ちいい、気持ちいいっ!」



普段の男らしい彼の風貌は見る影もなく、だらしなく開ききった口から唾液が垂れ、頬を伝って床にシミをつくっている。
意志を完全に打ち砕かれた彼には余計な雑念はなく、ただ快感を味わうことしか考えられない。



「はは、いい顔になってきたじゃねえか。
そろそろ頃合いだな…おら、イッていいぞ!」



サキはそう宣言すると、男の菊門から体を覗かせるアナルワームを掴み、力いっぱい引っ張った。
しっかりと吸着していたアナルワームは、周りの腸壁ごと前立腺を引っ張っていく。

未知の快感に、男の視界でバチバチと火花が散った。
そして数瞬後、勢い良く精液が吐出された。



ーーーーびゅるるるるるるるるるっ、びゅーーーっ……どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ……



散々溜め込んだ男の生命力が溶け込んだ精液が、堰を切ったように迸った。
常識の範囲を遥かに超えた量の精液が、後から後から溢れ出してくる。
男は疲労を感じる暇すらなく、ひたすら廃人になるほど強烈な絶頂感が続く。



「へへ、すっげえみっともないイキ顔してるぜ?
せっかくだ、最期まで気持ちよく逝かせてやるよ。」



サキはそう言い放ち、男が絶頂に達している最中だというのに、腰の動きを再開した。
サキの行為に伴い、噴き出す男の精液の量が更に増え、絶頂感も増していく。



「ああっ、があぁぁぁっ……フーッ、フーッ……うああぁぁぁぁぁっ」



男が十分に息を整える前に、次の絶頂の波が押し寄せる。
酸欠状態に陥るが、声を上げずにはいられない。



「そろそろ最期だな。
ほら、最後までちゃんと出せ……ウチがアンタの全てを貰ってやるよ。」



サキはそう言い、最後の一滴まで搾り出そうと男の陰嚢を優しくマッサージする。
淫魔の力によって急ピッチで生成された精子が、サキの誘導で陰嚢から送り出された。
ジワジワと、最後の射精の時が近づく。



「イケっ…ほら、イッちまえ!」



サキは宣言と同時に、口付けを交わした。
口付けを交わしながらも、腰使いが疎かになることはなく、むしろスパートをかけるようにますます速さが増していく。
男はサキの甘い唾液と吐息、それから淫らにぬめる紅い舌の感触を堪能しながら最後の一滴を吐き出した。

長かった射精が終わると、反動としての激しい疲労感は来ず、多幸感に満ちたまま男は意識が途切れた。



「ちゅるっ、ちゅっ…んはぁっ、はあっ
へへ、ごちそーさんっ……存外悪くなかったぜ?」



サキはペロリと紅い舌で唇を舐め上げ、既に物言わぬ抜け殻となっている男に向けて淫らに笑ってみせた。
とりあえず三女のサキさんからです。
あまり見通したてないで書いてたら膨大な量になってしまったので、急遽分割しました。
見辛いようでしたらすみません。

言葉遣い荒い子とかボーイッシュな子の物では抜けないのですが、同じ様な子ばかりというのも何だなと思ったのでバリエーションの為に。
個人的に実用性がないことには変わりないのですが、書いてる分には楽しかったので好評なようだったらこんな感じの子をまた出すかもです。

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