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性闘士 第十一章

性闘士 第十一章



青く澄み渡る空には太陽が燦々と輝いている。
どうにも眩しくて俯くと、水面に反射した陽光の追い打ちをくらった。


多く淫魔がはびこる街に、最近遊泳できる娯楽施設がつくられた。
人間で言うところのプールみたいなものだ。
俺は今、そこに来ている。
何故俺がこんな所に来ているかというと、話は三日前に遡る。





「コウよ、度々呼び出して悪いのう。
大体察しがついてるとは思うが、アオイの件について話があるのじゃ。」



俺とアオイがメアの研究所を襲撃してから、2日が経過した。
てっきりアオイは本部についているものと思っていたのだが、研究所を最後に行方をくらませたのだ。
俺は自責の念を抱きながら団長に質問をする。



「何か手がかりでも見つかりましたか?」



団長曰く、アオイはこの本部でずっと生活していて、外部に知り合いが居るという話を聞いたこともないのだそうだ。
アオイの居場所に心当たりがないかと人に尋ねることすら出来ず、何もできない俺は焦りと苛立ちを感じていた。



「うむ、淫魔からこんな手紙が届いての。
まあ自分で読んだ方が早いじゃろ。」



団長から渡された封筒を開けてみると、中には便箋とチケットが入っていた。
手紙の内容は実にシンプルで、アオイを捕らえた、返して欲しければ俺一人で指定地まで来いとのことだった。



「そういう訳なのじゃ。
真偽の程は分からんがの、他に手がかりはないしのう。」



団長は目を閉じ、深くため息をついた。
他に手がかりがない以上、リスク承知でこの誘いに乗るしかないだろう。



「団長、俺行きますよ。」


俺は間髪入れずに返答する。
団長は予想外だったのだろう、目を見開いて逡巡し、言葉を紡いだ。



「お主、分かっておるのか?
罠の可能性もあるのじゃから、もう少し慎重にじゃな…」



団長はトップに立つ者としては優しすぎる。
アオイのことが心配だろうに、優しすぎるが故に危険が伴う判断が出来ないのだろう。



「危険は承知の上です。
それよりもこれが罠だった場合、レジスタンスに内通者がいると見て間違いないですよね。」



アオイが失踪したなんて情報を得るには、こちらに内通者がいなければ成し得ないだろう。
もちろん、この手紙に書かれていることが偽りと仮定した上での話ではあるが。

とりあえずはアオイの居場所も分かるし、事態がこの手紙通りである方がよっぽど簡潔だ。



「その通りじゃな。
団員が少ない今の内に見つけてしまいたいのう。」



一分一秒でも時間が惜しい俺は団長に賛同の意を示し、話を切り上げた。
そのまま団長室を出ようとしたところで、引き止められた。



「コウよ、急く気持ちも分かるがもう少し付き合ってもらうぞ。」



団長はペンに似た魔具を片手に俺に近づき、脇腹に何か紋章のような物を書き込んだ。






考え事をしていた俺は肩を叩かれ、ふと我に返った。
振り向くと、三体の淫魔がいやらしい笑みを浮かべて立っていた。
またこの手の者かと、思わずため息が出る。



「お兄さんフリーでしょ?
私たちといいことしなぁい?」



ここは淫魔が幅を利かせる街だけあって、施設内にいる男はほぼ誰かしらの所有物だ。
一人でいる俺みたいなのを狙う淫魔たちが、僅か10分足らずでもう両手では数え切れない程にアプローチをかけてきていたのだ。



「ちょっと…あれ、あれ!」



一体の淫魔が俺の脇腹を指差し、焦った表情を浮かべている。
これももう見飽きた光景だ。



「あれって……まさか、メア様の!?」



ことの重大さに気づいた淫魔たちが、大急ぎで去っていった。



淫魔の食事の楽しみ方は個体によって様々だ。
獲物を搾り尽くしてとっかえひっかえする者もいれば、気が変わるまで特定の獲物を所有する者もいる。

淫魔たちも人間と同じように、他人の所有物を奪うことは許されないんだそうだ。
盗られたくない物には自分の紋章を刻みましょうという決まりがあるらしい。



ということを踏まえ、団長はメアという一番影響力がある淫魔の紋章を、偽物ではあるが刻み込んでくれたという訳だ。






「にしても、この淫魔はどこに居るんだ?」



再び独りになった俺は、誰に向けてでもない疑問を口にした。
この淫魔というのはもちろん手紙の差出人のことで、手紙にはこの施設に来いとしか書いていないのだ。



「どうしたもんかな。」



思索に耽ようとするも、鬱陶しいほどに注がれる周りの視線が気になってしょうがない。
原因は、俺が着用している水着にある。

優雅に泳ぎを嗜みに来た訳ではなかった俺は、水着など持ってきていなかったのだ。
そのままの格好で入ろうとした俺は受付の淫魔に止められ、水着を手渡された。

淫魔から渡されたのは競泳水着だった。
ぴっちりと肌に食い込み、体のラインが露わになる。
当然股間部分にも密着し、勃起していないにも関わらずもっこりとした膨らみを隠せない。

俺は舐めまわすような視線を浴びながら、アテもなく歩みを進めた。



「うふふ、みーつけたっ」



プールサイドを適当に歩き回っていると、突然後ろから抱きつかれた。
背中に柔らかい双丘を押し付けられる。



「お前が手紙の差出人か?」



俺の胸部で結ばれている淫魔の手を解いて向き合い、言葉を発した。



「そうだよ。
お姉さんと遊んでくれたらアオイくんは返してあげる。」



淫魔は競泳水着の肩紐をずらして谷間を見せつけ、挑発してきた。

体にフィットした競泳水着のせいで、淫靡な肢体が強調されている。
豊満すぎる淫魔の胸は、水着を着用しているというのにちょっとした動きに反応してたぷんと揺れる。

魅力的な体ではあるが、中級淫魔の中でも位置づけは下の方だろう。
ここ最近戦い続きで疲れが溜まってはいるが、まず負けることはない。
問題は周りの淫魔たちが便乗して襲ってこないかということだ。

ショータイムに気づいた淫魔たちが好奇の眼差しを向けてはくるが、混ざってこようという気概は感じられない。
淫魔の中で暗黙の掟のようなものでもあるのかもしれない。



周りを見渡し、安心して前を向こうとした時だった。
両の脇腹の辺りから腕が伸びてきた。



「もう、よそ見するなんて心外だな。
すぐにお姉さんの虜にしてあげるね。」



抜けているにも程がある。
幾度も実戦で勝利を収め、この淫魔が格下であるからと油断していたのだろう、容易く後ろをとられてしまった。

淫魔は背後から両手を伸ばし、海パンの上から揉み込むように愛撫してくる。
俺が履いている海パンには陰茎を保護するためのクロッチが備わっておらず、ゴム質の水着特有の感触が快感を増長させる。



「うぁっ……くうぅっ」



淫魔は俺の反応に気を良くし、ニヤリと笑ってから大量の唾液を水着の股間部分に垂らした。
水着がぬめりを含み、快感がどんどん膨らんでいく。
ひと通り唾液を馴染ませると、淫魔は亀頭を集中的に愛撫してきた。
水着の上からとは言え強すぎる快感から逃れようと、無意識に腰が引けてしまう。



「水着もいいもんでしょー?
でもまだまだこんなもんじゃないよ。」



淫魔は後ろから俺の耳朶に舌を這わせ、耳元で囁いてきた。
何をするつもりだと問う暇も無く、強烈な快感が俺の体を襲った。

淫魔は尻尾を俺の水着の中に侵入させてきたのだ。
尻尾は先端部分を開き媚薬を吐き出しながらめちゃくちゃに、しかし的確にツボを押さえた動きを見せる。
陰嚢や蟻の門渡り、菊門にまで尻尾が絡みつき、にゅるにゅると這いずりまわる。
まるで温かいウナギが動きまわっているかのような未知の快感に、口から漏れ出る喘ぎが止まらない。



「あはは、すっごく気持ち良さそう。
んんっ……お姉さんも興奮してきちゃった。」



淫魔は熱っぽく吐息を吐き、背中に胸をぐいぐいと押し付けてくる。
柔らかく、すべすべした双丘を背中に押し付けられ、興奮が加速していく。



「コウくんの情けない姿、みんなに見られちゃってるよ。」



奇妙で強烈な快感に心酔していた俺は、淫魔の言葉で我に返った。
そこかしこにいる淫魔が俺を視姦し、自慰を始めているものまでいる。
淫魔たちのむせ返るほど甘く、淫らな愛液の匂いが漂ってくる。

羞恥に耐え兼ねて視線を下へ向けた時、淫魔は両手で乳首への愛撫を開始した。



「うぁっ、あぁぁぁっ……くそっ!」



唾液を塗り込んであるのだろう、ぬめり気を帯びた指先が俺の乳首を弄ぶ。
巧みな指使いに、不覚にも乳首がピンと張り詰めていく。



「んっ、くうぅぅっ……くそっ、いい気になるなよ。」



格下の相手に感じさせられているという事実に苛立ちを覚え、俺は精一杯の虚勢を張った。
この体勢からではロクな反撃も叶わず、水着の上から淫魔の秘裂をなぞるくらいしかできない。



「口が悪い子には仕置き、しなくっちゃね。」



淫魔は艶のある声で囁き、耳に息を吹きかけてきた。
身悶えする俺をよそ目に、淫魔は尻尾の先端で亀頭を咥え、強く吸い上げてきた。

尻尾は吸い付きながらも激しく上下し、陰嚢から菊門にかけてを嬲るのも忘れない。



「尻尾バキュームも気持ち良いでしょ?
ふふ、それにこっちは息継ぎがいらないからね。」



淫魔の言ったとおり、尻尾は攻め手を緩めることなく延々と吸い上げてくる。
強烈な快感に四肢から力が抜けていく一方、陰茎だけが硬く張り詰めていく。



「あっ、すごーい…おちんちんビクビク震えてる。
もうイッちゃいそうでしょ?」



淫魔はお見通しだというように意地の悪い笑みを浮かべ、囁いてくる。
彼女の言葉どおり、初めての快感に抗う術を知らない俺は、着実に絶頂へと導かれていく。



「いいよ、皆に見られながらイッちゃお?
ほら、イッて。」



淫魔は宣言と同時に乳首を強く摘み、尻尾の締め付けと吸引も一層強めてきた。
その刺激に、俺は呆気なく絶頂を迎えた。



ーーーーどぴゅっ、ぴゅっ……びゅるるるるっ…びゅーっ、びゅっ



射精している最中にも吸引は続けられ、普段の倍近い精液を吐き出した。
途方もない絶頂の波がやっと終わり、疲労感と倦怠感がどっと押し寄せる。
もう俺は自分で立っていられず、淫魔に寄りかかりながら床に腰を下ろした。



「あぁ、なんて上質な精……これは大事に扱わないとね。」



俺の精液を搾り取り、しばらくうっとりとしてから、俺を見下す淫魔の表情が変わった。

丁重な扱いをしてもらえるようだが、お断りだ。
こいつは格上の相手だと思って本気で当たる。
本来淫魔との戦いはそうするべきだった、不幸中の幸いにも初心に返ることが出来た。



「次はどうしようかな。
おクチも良いけど、おまんこも捨てがたいしー。」



淫魔が決め兼ねている内に、俺は魔力を行き渡らせ全身を活性化させた。



「次はお姉さんのおクチでイカせてあげるね?
それじゃあいただきまー……きゃあっ」



淫魔が俺の陰茎にしゃぶりつこうとしたところで、俺は彼女の肩を掴み、押し返した。



「いったあーっ!
もう、乱暴な子にもお仕置きだよ!」



前傾姿勢だった淫魔は勢い良く尻餅をつき、涙目で尻をさすっている。
もたついている淫魔を尻目に、俺は水着を脱ぎ捨てた。
あれだけの醜態を晒した後だ、今更全裸くらいどうってことはない。

俺は、この危機察知能力の低い淫魔が身につけている水着の股間部分をずらし、一気に挿入した。
少しの抵抗もなく、淫魔の膣は俺のペニスをズルズルと飲み込んで行く。



「あっ……んんっ
ふふ、お姉さんと挿入戦するつもりなの?」



俺の異常に速い回復力に疑問を抱かず、淫魔は不敵な笑みを浮かべる。

余りに自信に満ちた表情をしているから、エマのように化け物膣なのかと思ったが、そんなこともない。
この分なら万が一にも俺が負けることはないだろう。


俺は淫魔の肩を掴んで押し倒し、正常位の体勢に持ち込む。
一気に決めてやろうと、魔力を込めようとした時だった。
不敵な笑みを浮かべ、俺のなすがままになっていた淫魔が口を開いた。



「そんな難しい顔してないで、もっと楽しもうよ。
ほら、お姉さんのおっぱい触ってみて?」



淫魔は、あれこれ思案していた俺の両手を掴み、大きな双丘へと導いていく。


多分こいつは俺が魔力を持っていることを知らないのだ。
只の人間を相手にしているとしか思っていないから、こんなにも余裕があり、自ら弱点を晒すなんていう愚行を働けるのだろう。


敢えてこの誘いに乗り、この淫魔の自信に満ちた表情を快感で歪めてやる。
俺の加虐心に火が付き、彼女の誘導に従って手を伸ばしていく。



「はーい、おっぱいだよー。」



淫魔の大きな乳房に手が触れる。
柔らかくもハリがある乳房に触れ、なんとも心地良い感触が手のひらに広がる。

魔力を込めて乳首を攻めなくてはという思いと、もっとこの感触を堪能したいという相反する気持ちが湧き上がる。



「もっとちゃんと揉まないと感じさせられないよ?
ふふ、手伝ってあげるね。」



淫魔は手を重ね、逡巡していた俺を後押しするようにゆっくりと手を動かしてきた。
最初の数秒は強制され、後は心ただ心地良い感覚に身を任せ、本能の赴くままに揉みしだいた。

ひたすらに柔らかい乳房はどこまでも指が沈み、俺の愛撫に合わせて淫らにカタチを変える。
先端部分の淡い桜色をした乳首はピンと先を尖らせ、存在を主張している。
加えて寝転んでなお横流れしない美乳っぷりに、否応無しに官能が燃え上がる。



「ふふ……コウくん、挿入直前の童貞さんみたいだよ?
目が血走ってるし、鼻息も荒くてみっともなーい。」



もう俺には淫魔の言葉も周囲の喧騒も届いていなかった。
自分の立場も目的も忘れ、只々淫魔の胸に夢中になっていた。

甘い匂いのする谷間に顔をうずめると更に意識が混濁していき、全てがどうでもよくなっていく。



「ふふ、とっても幸せそうな顔……もっと夢見心地にしてあげるね。」



淫魔は悦に入った笑みを浮かべ、自らの乳房へ手を伸ばした。
そのまま乳房を寄せ、谷間に顔を埋めていたコウの顔を挟んだ。

汗ばんでいる淫魔の乳房がコウの顔を優しく包み込む。
濃厚で淫靡な香りがコウの鼻腔を満たし、混濁していた意識がどんどん深いところへと誘われていく。



「さてさて、後は手早くイカせちゃおうかな。」



十分に惚けさせたところで、淫魔は独りごちた。
彼女はコウの腰に脚を、背中に腕をまわし、がっちりとホールドした。
そのままゆっくりグルンと反転し、騎乗位に持ち込んだ。

コウの頭を支えるものはなく、重力に従い床に叩きつけられた。
幸か不幸か、この施設の床にはコンクリートを用いていた為、強い痛みがコウの頭に走る。
惚けたアタマには良い刺激となり、コウはなんとか我に返った。



「あっ……ご、ごめんねっ!
痛かった…よね?」


とろけていた意識が一気に覚醒した俺が一番に見た光景は、淫魔が上目遣いで謝っているところだった。
何が起こったのか知らないが、俺にとっては僥倖だ。

危ないところだった。
とにかく、あの胸には触れない方がいいな。



「ね、怒ってる?
お姉さんもわざとやった訳じゃないんだよ?」



考え事をしている俺の顔は不機嫌そうにでも見えるのだろうか。
淫魔は先ほどよりも不安な表情で俺を見つめている。



「いや、怒ってはいない。
そんなことよりも、アオイが何処にいるか教えてくれないか?」



淫魔はきょとんとした顔で俺をただ見つめていた。
言葉足らずだったようなので、俺は補足説明することにした。



「淫魔ってイッた後かなり消耗するだろ?
そうなってからだと聞き出すのも骨折りだと思ってな。」



本当は隷従の首輪があればよかったんだが、受付で没収されてしまったのだ。

挑発などではなく心からの言葉だったのだが、そうは受け取ってもらえないみたいだ。
いや、淫魔にとってそんなことはどっちでも良かったのだろう。



「これからイキ狂うコウくんがそんなこと知っても意味ないよ。
淫魔の膣の恐ろしさ、お姉さんが教えてあげる。」



俺の言葉はこの淫魔の尊厳を踏みにじってしまったようだ。
冷静に見える彼女の瞳の奥には怒りの炎が燃え、刺々しい言葉を投げかけてくる。

淫魔の膣の怖さを俺ほど知っている人間はいないぞと言い返しそうになったが、すんでのところで口を噤んだ。
知られていないままの方が何かと都合がいい。



「覚悟はいいかな?
ここまで言われて手を抜くほどお姉さんは優しくないよ。」



淫魔は加虐性に富んだ笑みを浮かべ、ピストン運動を開始した。
俺も負けじと魔力をまとわせた陰茎を突き上げ、応戦する。

これだけの啖呵を切っておいて逃げるようなことはないと思うが、万が一に備えて淫魔の太ももを固定しておく。



「んっ、んんっ……や、あぁぁっ」



堪らず嬌声を上げたのは、当然だが淫魔の方だった。
予想外の快感に怯んだところを見逃さず、俺は彼女の脚を引き寄せ更に強く突き上げていく。



「あっ、ああぁぁっ……うそ、なんでっ…魔力が……」



淫魔の問いかけに、俺は更に多量の魔力を込めた陰茎で答えた。
今度は俺が問いかける。



「もう一度訊くぞ、アオイは何処にいる?」



俺は腰の動きを緩め、淫魔に問いかけた。
どうにももどかしいが、淫魔の荒い息が整うのを待つ。



「はあ、はぁっ……忘れちゃった。」



淫魔は息も絶え絶えにそう吐き捨て、俺の乳首をつまみ上げてきた。

淫魔ってやつはみんなこうだ。
自分が感じさせられると、感情を露わに反抗してくる。



「アオイは何処にいる?」



俺は腰の動きを再開して、再度問う。
俺がここまで執拗に質問するのは、意地になっているわけではなくちゃんと効率を考えてのことだ。

俺たちを見守る大勢の淫魔は、混ぜてほしいとは言うものの実力行使に出るものはいない。
淫魔たちには掟があって、先に食事をしている淫魔の許可なしに混ざることはできないのだと団長が言っていた。

つまり、俺がこいつをイカせた時点で新手の淫魔が挑んでくる可能性が非常に高い。
その証拠に、俺たちを取り囲む大勢の淫魔でつくられた円の半径が縮まってきている。
ここから効率よく離脱するためにも、先に情報が欲しいのだ。



「あっ、ふあぁぁっ……こん、なのっ」



更に勢いを増した攻めに、淫魔の瞳にはうっすらと涙が浮かびはじめる。
挿入前からは予想もできなかった、快感に酔いしれた淫魔の表情が俺の加虐心を煽る。

思い切り突き上げてやりたくなったが自制し、俺は腰の動きを止めた。
このままでは話どころではない。



「最後のチャンスだ、アオイは何処にいる?」



俺は淫魔の顔をじっと見つめながら、ハッタリの最終通告をした。

淫魔は荒く息をつきながら、ぷいとそっぽを向いた。
実に分かりやすい拒絶の態度だ。

俺はありったけの魔力をこめ、それを冷気に変換して抽送を再開した。



「ひうぅぅぅっっ……分かった、ちゃんと言う、からっ…止めてぇ」



淫魔はあまりの快感に体勢を保てず、上体を倒してしなだれかかってきた。
柔らかい乳房が俺の胸板でつぶれ、理性が吹っ飛びそうになる。



「質問に答えたら止めてやるよ。」



俺は冷たくそう言い放ち、腰を一際強く打ち付けた。



「知らない、知らないのっ。
言うとおりにすればっ、コウ君をくれるって手紙がっ、きてぇっ」



淫魔は嬌声を混じえながらも必死に答えた。
振る舞いや声の具合から、直感ではあるが嘘ではないと思う。

俺を疎ましく思う者が内部にいると見て間違いないだろう。
誰かから恨みを買うようなことはしてないはずだが、とにかくここに長居する理由はなくなった。
こいつをイカせて、さっさと本部に帰ろう。



「んあぁぁっ…腰止めてよ、嘘つきっ!」



俺もこのままでは収まりがつかない。
それにわざわざ危険を冒してこんなところまで出向いたのだ、少しくらいいい目を見てもいいだろう。



「んっ、んんーっ…はあ、はぁっ……これっ、すごいっ」



淫魔は嬌声を上げまいと唇をきつく閉じていたが、そう長くは続かなかった。
すぐにとろけ切った表情になり、開ききった口から甘い吐息が漏れ出ている。

俺は興奮を抑えきれず、欲望のままに突き上げる。
淫魔は動きに合わせて艶やかな嬌声を上げ、体をしならせる。



「やだ、なんかきちゃうっ……お願い、止めてぇっ」



淫魔は涙目になり、なりふり構わず俺に懇願している。
この行動は俺の加虐心を刺激し、堪らず淫魔の唇を奪った。

はち切れんばかりに膨張したペニスで、欲望のままに膣肉をかきまぜる。
今にも暴発してしまいそうだが、意地が支えとなりなんとか持ちこたえる。



「やだ、やだやだっ……あ、あぁぁっ…イッちゃうぅぅっ」



淫魔は体を強張らせ、一際大きな嬌声と共に絶頂に達した。
膣壁が万力のような強さでペニスを締め上げ、俺も射精した。

ペニスを引き抜くと、入りきらなかった精液がごぽっと音を立てて溢れかえった。



俺は荒く息をつく淫魔をどかし、他の淫魔が押し寄せる前に転移魔術で離脱した。
待ってくださっていた方、遅れてすみません。
十一章です。

水着物のリクエストを頂いたので、書いてみました。
どっちつかずで需要あるのか分かりませんが。


要望等ありましたら是非にお願いします!

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