性闘士 第六章 マイ
私は階段を上りながら初めての実戦に逸る心を落ち着ける。
この5ヶ月で私たち三人はかなり力をつけた。
今は三人の内では私が一番強いけど、二人とも潜在力は私を上回ってる。
きっと二人なら大丈夫、今は自分のことだけに集中しなくちゃ。
しばらく進み最後の階段を上りきると、大きな部屋に出る。
そこには皆一様に同じボンテージを身にまとった淫魔が待ち構えていた。
私は集中して淫気を探るけど知覚できなかった。
量産型じゃないですと伝えて、ここは皆に任せる。
数ではほんのちょっとこっちに利があるくらい、皆ならやってくれるはず。
私は部屋を出て先を進む。
あの場に私が残ったところで足手まといにしかならない。
量産型でない淫魔に性技で挑むことは絶対しないようにと、団長から強く念を押されている。
彼女たちには物理的ダメージが通るので、その為に彼らは日々武力を鍛えている。
逆に物理的ダメージを通さない量産型淫魔には、私たちのように魔力を持つ者が相手をする。
あの淫魔達が量産型だったらそれだけで勝負がついていた。
私は胸をほっとなで下ろす。
しばらく進むとさっきよりも小さい部屋に出る。
そこには下級程度の淫気を持った美しい淫魔が、堂々たる風格で私を待ち構えていた。
「私はヴェーラ、よろしくね。
貴方がマイちゃんね…うん、申し分ない魔力だわ。」
不可解な点が二つある。
このヴェーラという淫魔が私の名前を知っていること。
肌に触れていないし、ましてや魔力すら込めていないのにそれを見破ったこと。
そんなことができる淫魔がいるなんて聞いたこともない。
私は不穏な物を感じて、しかけることができなくなってしまった。
とにかく、ヴェーラが何者だろうと下級淫魔であることには違いないんだ。
私は自分を勇気づけて攻めに出ることを決心する。
行動を起こそうとした時、私は背後から多数の淫気が近づいてくるのを感じて動きを止めてしまう。
「やっと終わったのね、貴方たち時間かけすぎよ。」
ヴェーラは、マイの背後に向けて言葉を発する。
そこにはつい先ほど見た十数体の淫魔達が、漏れることなく集結していた。
私はこの絶体絶命の状況を嘆く前に、疑問が浮かぶ。
あの強者たちを相手に、こんなにも短時間で勝負が決まるなんてあり得ない。
それにヴェーラの口調は明らかに上に立つ者のそれで、下級淫魔には似つかわしくない。
「マイちゃん、まだ分からないの?
じゃあ解答時間にしましょうか。」
そう言って不敵に笑うと、淫魔たちは背中に貼っていたシールのようなものをぺりぺりと剥がした。
私の後ろに並ぶ淫魔たちからは、さっきまで感じられなかった淫気がどんどん上がっていき中級程度で落ち着いた。
逆にヴェーラから感じられた淫気が一気に上昇していき、とうとう私には知覚できなくなってしまった。
「理解できたかしら?
この魔具で放出する淫気を自在に操れるのよ。」
淫魔たちがこんな道具を持ってたなんて知らなかったとはいえ、私の判断ミスが皆を敗北へ導いてしまった。
私は強い自責の念に苛まれる。
非量産型の淫魔は淫気を抑えているのだが、それは自らの意思で行っているのではない。
淫魔が人を支配する以前は、ひっそりと息を潜めて襲うしかなかった。
そうしなければ熟練された兵士によって始末されてしまうのだ。
そういう背景から淫魔たちは、メアが作った魔具を使って淫気を抑えて人間に擬態したのだ。
完全に淫気を消す訳ではなく微量の淫気が体に流れているが、見極められる人間は皆無に等しかった。
一度淫気を抑えた淫魔は、淫気を解放する事ができなくなった。
これが今で言う非量産型の淫魔である。
ところがその後メアによって量産された淫魔は、人間を制圧することを目的としていた為淫気を抑えはしなかった。
現在の状況はヴェーラと私が対峙していて、背後には十数体の量産型が退路を塞いでいる。
この人数相手にまともにやって勝てる訳がない。
逃げるしかないけど、この人数差では無理だ。
他に手があるとすればーーー
一か八か、この手に掛けるしかない。
「ヴェーラさん、私と正々堂々1対1で勝負しましょう。」
この中で一番強い彼女を倒せば、後ろにいる量産型たちはおいそれと手を出せなくなるはず。
ヴェーラを倒した後どういう行動に出るか分からないけど、これしか手は残ってない。
私は多対一という最悪の状況を避けるために「正々堂々」という言葉を使った。
返ってきた反応は意外なもので一瞬の静寂の後、後ろに並ぶ淫魔たちがクスクスと笑いだす。
「もとよりそのつもりよ。
それじゃあ試合前の挨拶をしましょうか、私はここの領主のヴェーラよ、改めてよろしくね。」
やっぱりヴェーラは領主だったんだ。
皆の態度からなんとなく察しがついてはいたんだけど。
それでも私に残された選択肢はこれしかない。
皆の助けを待つにしても、時間を稼がないと。
マイが逡巡している間に、ヴェーラは行動を起こした。
ヴェーラは両手を私の頬に当てて顔を固定すると、貪るように唇を奪ってきた。
私より背が高い彼女が上から覆いかぶさる形になる。
淫魔との闘いにおいて堕落を避けるために大事なのは、極力粘膜接触を避けることだ。
淫魔が分泌する体液には催淫効果があり、それは対象の劣情を誘い堕落へ導く。
相手が格上ならば尚更避けなければならない。
惚けた頭と火照った体で勝てるほど易しい相手ではないのだ。
私は愚かなことに開始早々、粘膜接触を許してしまった。
流し込まれてくる唾液がもたらす毒を打ち消すことに全魔力を費やす。
それでも中和しきれない毒が、ジワジワと体を蝕むのを感じる。
甘い淫毒に犯されながら、ヴェーラが唇を離すのを感じた。
どちらのものともつかない唾液の橋が架かる。
それを指で切るとヴェーラは言葉を発した。
「やっぱり貴方は優秀ね、濃度を上げるわよ。」
ヴェーラは本気を出していなかったんだ。
私は彼女にとって敵ではなく餌で、これはおいしくするための下ごしらえのような物なんだろう。
ヴェーラはいやらしく微笑んで見せると、再び私の唇を奪った。
先程よりも一層濃くなった唾液が流し込まれる。
より強力な媚薬によって高められたマイの秘部は既に濡れ、粘度のある愛液が地べたを濡らす。
私は実力差を嫌という程思い知った。
ここまでで私がされたことと言えば、キスをされて唾液を飲まされただけだ。
それなのに私の体は疼き、人生で一番の高まりを見せている。
もう勝利を望んじゃいけない。
念話で助けを呼ぶ余裕もないから耐えることに集中しよう。
淫魔を倒して誰かが来てくれるかもしれない。
ヴェーラは十分にマイの口内を凌辱したところで開放した。
「焦らしてごめんね。
そろそろこっちもいじってあげる。」
そう言うと、ヴェーラの指が膣内に侵入する。
突然の挿入だが熱く濡れたマイの秘部は、ヴェーラの指を容易に受け入れてしまう。
感じるポイントを探るように丹念に愛撫が開始される。
「ひっ……ああぁぁぁっ」
散々高められた肉体に突然刺激が与えられ思わず漏れてしまった喘ぎ声に、マイは羞恥を覚えて口を手で押さえる。
ヴェーラはこの初々しい反応を見る為に、唾液に付加されている理性を蝕む効果を抑え、肉体のみを高ぶらせたのだ。
ヴェーラは満足気な笑みを浮かべ、マイの痴態を見つめる。
「すごい喘ぎ声ね。
そんなにここをいじって欲しかったの?」
そう言うとヴェーラは、マイの感じるポイントを執拗に攻める。
刺激に耐えられなくなったマイは両手をヴェーラの肩に置き、力を込めて距離を置こうとする。
しかし快感に打ち震えるマイには引き剥がすことは叶わなかった。
ヴェーラの空いている手が腰にまわされ逆に引き寄せられると、上から覆いかぶさる形でキスによる攻めが再開される。
「んぅっ…んっ、んっ……んんんんんーっ」
快感が跳ね上がり、マイの口からはくぐもった嬌声が漏れる。
とてつもない快感に襲われるがマイの意識ははっきりしており、自らの痴態に羞恥をおぼえる。
マイはとうとう自分の力で立っていることができなくなり、ヴェーラに身を任せてしまう。
ヴェーラは腰にまわした腕でマイを支えると、ゆっくりと床に横たわらせる。
口を離すと、紅潮した顔で睨みつけるマイを見つめ、言葉を続ける。
「十分ほぐれたわね。
それじゃ、そろそろはじましょうか。」
ヴェーラはそう言って不適に微笑んでみせた。
私はやっと開放された口で荒く息をつく。
快感に溺れてしまわないよう、ヴェーラに対する闘争心を燃やしてなんとかやり過ごせた。
「はぁ、はぁ……はじめるってなによ。」
私は荒い息を抑え、できるだけ無愛想に言い放った。
このままだと私はこの淫魔に堕とされてしまう。
防御が疎かになるけどイチかバチか、念話でコウとアオイに助けを求めよう。
私は火照った体と荒い息を鎮めるために一回深く深呼吸して、魔力を練る。
「とっても気持ちよくて貴方の大好きなことよ。」
そう言ってヴェーラは私の眼前に腰を突き出した。
彼女の股間にはあるはずないものが生えていた。
さっきまでは変哲もなかったそこには確かに張り詰めた肉棒が備わってる。
魔力が尽きるか自らの意思で解除するまでというリミット付きではあるが、高位の淫魔は多量の魔力と引き換えに自分の望んだ通り姿を変えることができるのである。
ヴェーラの股間についている肉棒は、美しい容姿の彼女にはおよそ似つかわしくなく、グロテスクなまでに立派であった。
20センチを超える男根が、ピクピクと震え出番を待ち望んでいる。
快感で脱力しきったマイの体は逃げることができず、ヴェーラの気が変わるのを祈ることしかできない。
「ああ、その怯えた表情とってもそそるわ。
すごく立派でしょ?
これでガンガン突かれちゃうのよ。」
ヴェーラは加虐性が強い。
それ故マイの怯える様をもっと見ていたいという思いと、早く挿入してよがり狂わせてやりたいという思いで揺れていた。
やがて挿入したいという欲が勝っていき、ヴェーラは熱くたぎる肉棒をマイの割れ目にこすりつける。
マイはこの刺激に力なく喘ぎを漏らす。
時折クリトリスが刺激され、体が弓なりになり愛液を撒き散らした。
「このままじゃイっちゃいそうだしね、そろそろ本当に挿れてあげるわ。」
そう言って悦に入った表情を浮かべると、既に準備が整っているマイの秘部に陰茎を突き立てる。
今までと違う刺激に、私は惚けていた意識を取り戻す。
亀頭が私の入り口に当てられている。
その行為に明確な挿入の意思を感じて私は取り乱した。
「そんなの入んないよ……ひぃっ…ああぁっ……お願い、やめっ…てっ……」
マイは瞳に涙を浮かべ、拒否の意思を示して懇願する。
その行為は逆効果で、ヴェーラの加虐心に火を付け肉棒が更に硬く張りつめる。
ーーーーぶちっ…ズブブブブブ
ヴェーラは当てがっていた陰茎を、一気に最深部まで挿入した。
マイの秘部からは破瓜の証である鮮血がつーっと流れる。
私は処女だった。
幼稚と笑われるかもしれないけど、初めては本当に大切な人にと思い今まで純潔を守ってきた。
私の初めては男じゃなくって女で、人ですらなく淫魔で、極めつけはレイプみたいな無理矢理な行為。
私の瞳から痛みとも悲しみともつかない涙が溢れてきた。
「くうっ…きっつぅ……あなたヴァージンだったのね。
この締め付け…やっぱり初物は最高ね。」
処女と知ってなおヴェーラは力を加減することはなく、ミチミチと音を立ててマイの膣を押し広げていく。
強引にヴェーラのカタチを馴染ませる。
「いったあっ…いたいっ……腰っ、止めっ、てぇ」
激痛に耐え息も絶え絶えに懇願するも聞き入れてもらえず、本格的な抽送が開始される。
ゆっくりと抜け落ちる直前まで腰を引くと、一気に最深部まで貫く。
一見乱暴なこのピストン運動によって、ヴェーラの肉棒からダラダラと溢れる我慢汁が満遍なく塗りたくられ、徐々に快感の波が押し寄せる。
私は大きすぎるペニスで乱暴に腰を打ち付けられている。
処女を失って間もないのに、力任せな腰使いでヴェーラに貫かれる度に快感が信じられないほど膨らんでいくのを感じた。
「いったあっ……あぁっ、あっ、あっ……ぬいっ、てぇ……いたいっ…からっ…あんっ」
マイは嬌声が出そうになるのを必死に堪え、未だ懇願を続けていた。
その声は明らかに悦びの色が含まれており、ヴェーラは更に強く、深くストロークを続ける。
「下手なウソね、さっきとは比べものにならないくらい濡れてるわよ。
はじめてをこんなに乱暴にされて感じるなんて、エッチな娘ね。」
ヴェーラはマイの痴態に興奮し、鈴口から分泌されるカウパーの量が増える。
それがマイの肉ひだに塗りたくられて更に快感が膨れ上がるというループが出来上がる。
嫌悪感と屈辱、そしてそれを上回る膨大になった快感に襲われ、私の脳はショート寸前だった。
(マイ!
応答してくれ、マイ!!)
私はコウからの念話に気づき、飛びかけていた意識が覚醒したところで助けを求めた。
「ふーん……貴方随分余裕あるじゃない。
こんな屈辱は初めてよ。」
ヴェーラは魔力の流れから、マイが念話をしていることに気づき、美しい容姿に不機嫌な表情を浮かべる。
ヴェーラは腰使いをそれまでの短く深いストロークから、長く深いストロークへ切り替えた。
一番奥へ押し込むと同時に、恥骨をクリトリスにぐりぐりと当てて刺激する。
突然訪れた変化とクリトリスへの刺激によって、マイは念話を続けることができなくなった。
マイはもう絶頂を迎える寸前だった。
先ほどまで拒否を示していた口からは、劣情を煽る嬌声と唾液が漏れ出ている。
「もうイきそうじゃない、とても可愛いわよ。
ふふ…そろそろ出すわよ、孕ませてあげるわ。」
孕ませる、確かに彼女はそう言った。
私はとろけた思考が一気に醒めて、絶望感で満たされた。
本当にそんなことが出来るのかという思考よりも、焦りが先にやってくる。
一度冷静になろうとしたところで、ヴェーラがスパートをかけ速く、強く腰を打ち付ける動きに変えた為、快感で塗りつぶされた。
どんどん絶頂へ導かれていく。
絶頂前の戻れないところまでのぼりつめた感覚がした。
「ああぁぁぁっ……やだっ…くるっ…きちゃうぅぅ」
絶頂に備え、マイの子宮口が下りてくる。
それは妊娠する確率を高めるための整理現象で、そこにマイの意思は介入できない。
体を強張らせ足がピンと張り詰めると、絶頂を迎えた。
ーーーーどぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ……ぴゅっ
醜悪な肉棒が震え、大量の精液がマイの子宮に直接流し込まれる。
マイは快感に打ち震え、ぐったりと力が抜ける。
「はじめてのセックスで種付けされるのはどんな気分かしら?
まあまだまだ止めないけどね。」
ヴェーラは精液を吐き出しながらも、腰の動きを止めることはしなかった。
硬さを保った肉棒で、絶頂に達し激しく収縮するマイの膣を無理矢理押し広げる。
「ひっ…やめっ……いまっ、イってるっ、からぁっ…」
マイは必死の思いで抗議するも、その行為はヴェーラの情欲を掻き立てるだけだった。
ヴェーラは無慈悲に腰を速め、行き場がない精液がたっぷりと溜まっている膣を、デタラメにかき混ぜる。
「ふふ…逃げなくていいの?
本当に淫魔を孕んじゃうかもしれないわよ?」
ヴェーラは、淫魔には珍しい女色狂いである。
自分の子を宿らせたいが故に今まで襲ってきた女性は数知れない。
普通の人間では魔力のこもった精液を体が受け付けず、射精された時点で絶命してしまうのだ。
吐精されてなお快感に悶える姿に、ヴェーラはかつてない高揚感を覚えた。
「あっ、あっ、あっ…イったばっか、なのにぃっ……またっ…イっちゃううっ」
先ほどのヴェーラの声は混濁した意識には届いておらず、息も絶え絶えに喘ぎ声を上げる。
マイが体を強張らせ再び絶頂に達する瞬間に合わせ、二度目の射精をする。
ーーーーどぷっ、どぷっ…ぴゅっ、ぴゅっ
注ぎ込まれた精液はマイの膣内には留まりきらず、入りきらなかったそれが僅かに空いている隙間から流れ出す。
「いやあぁっ…腰動かさないでっ……イくの止まんなくっ、なるからぁ」
ヴェーラは加虐性を含んだ笑みを浮かべると、ひたすらに腰を強く打ち付け続けた。
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