性闘士 第六章 コウ
俺たちは淫魔の城の目前というところで、最終確認の意を込めブリーフィングを行っていた。
これから俺たちが攻め入る城には、一階から二階へ登る階段が3つある。
一階はつながっているものの二階はそれぞれ別れているらしいのだ。
そして三階は再びつながり、そこは領主の間となっている。
道中も気は抜けないが、やはりこの領主が曲者との事だった。
どんな方法で挑む事になっても、必ず多対一で挑むようにと団長に強く念を押された。
戦闘が長引くほど敗北は色濃くなる。
俺たちはこれでフルメンバーだが、相手には援軍が来る可能性があるのだ。
以上の事を踏まえて短期決戦の為、俺たちは3つの隊に分かれ同時に攻めることになった。
問題は、城にどれくらいの淫魔がいるのかという事だったが、淫魔としてかなりの地位である団長が事前に調査した所、勝機ありと判断したので問題はなさそうだった。
前線には団長が居ない為仕切る者がいない。
そのため、事前に俺とマイとアオイそれに団長の四人は、互いに念話を使えるようにしておいたのだ。
(ブリーフィングは終わったかの?
そろそろ班に別れて突入の準備をするのじゃ。)
団長からの念話を受け、俺たちは事前に団長が決めた班にわかれ、準備をする。
団長は極力同じ戦闘スタイルの者を固めてくれたようだ。
不殺の信念を抱く者が多いA班には俺が、血の気の多い輩が多いB班にはアオイが、マイが率いるC班にはとりわけ頭のいい連中が固まっている。
俺たちA班には、隷従の首輪という魔具が支給された。
これは団長が俺たちの為に造ってくれたのだ。
対象を従えることのできる、俺たちにぴったりの魔具だ。
対象の精神が強い時などには効果がない為、一度力づくで屈服させる必要があるのだが。
俺たちは準備を整えると隊をなし、淫魔の城に向け、出発した。
ーーーー1階には人っ子一人居ない、不気味だ。
俺たちは警戒を解く事なく、辺りを調べる。
特に気になるものも淫魔が現れる事もなく、俺たちは階段を見つけた。
それぞれ距離が離れており、隊数が三分の一になる事も相まって、不安感が強まる。
始まる前から弱気でどうすると、頭を振り決心する。
俺はアオイとマイに、三階で会おうと念話を送り、階段に足をかけた。
俺は二階へ近づくにつれ、鼓動が速まっていくのを感じる。
初めて淫魔への反逆を試みるのだ、口には出さないが皆不安を感じているだろう。
俺はこの5ヶ月間もの修練により格段に力をつけた。
ルミとナナとの模擬試合の効果で更に多量の魔力を使えるようになった。
マイとの魔術の修練で魔力の扱いが上達し、効果的な魔術も覚えた。
絶対に大丈夫だと自分に喝を入れると、俺は最後の階段をのぼった。
階段を登りきると、かなりおおきな部屋に出た。
そこにはこちらの頭数と同数ぐらいの淫魔が待ち構えていた。
どの淫魔からも、実力を見分ける事ができない。
という事は、これが量産型ではない淫魔であり俺の出る幕ではない。
皆が決死の思いでサキュバスに向かっていく。
端から俺を相手にする気はなかったのか、俺は妨害にあう事もなく部屋抜けれた。
しばらく進むと先程よりもかなり小さい部屋に出る。
そこでは淫魔が待ち構えていた。
淫気から中級程度ではあるものの、ルミやナナ以上の実力である事が見てとれた。
淫魔の奥に三階への階段が見える。
運良くこのルートの量産型サキュバスは彼女だけだったようだ。
流石にこれは出来過ぎではないのか?
一瞬嫌な予感がするが、俺はすぐに臨戦態勢にはいる。
今はこいつを倒す事に集中しよう。
「この城の給仕を請け負っているエマです。」
白と黒を基調とした、丈の短いエプロンドレスを身にまとったメイドが、美しい所作で会釈をする。
その服にはシワ一つ見当たらず、彼女が形だけのメイドではない事が見て取れる。
「ご主人様より丁重におもてなしするよう申しつけられてます。」
そう言うと、エマは俺にゆっくりと近付く。
彼女の主人であるこの城の領主は、情報通りかなりの実力者のようだ。
そうでなければ俺たちの魔力を察知し、事前にエマに指示を出すなんて事はできないだろう。
そんなに差はないものの、エマは俺より強い。
ルールのない実戦は初めてで緊張するが、やるしかない。
敗北は全てを失う事になるのだかは。
俺は意を決すると、足に魔力を集中させ一気に彼女の後ろをとる。
少しでも危険を減らすため、背後から攻める事にしたのだ。
後ろをとった俺は、左腕を彼女の胴にまわして逃げられなくしてから、右手をスカートの中へと潜り込ませる。
魔力を込めた右手でエマの秘部をほぐしていくと、艶のある声をあげる。
「あっ…んんっ……ふふっ、お上手ですね。」
とりあえずは俺のお手並み拝見といったところなのか、反撃してくる気配がない。
これはチャンスと、俺は一気に攻め立てる。
エマの膣が濡れだしてきた頃、俺は彼女の胴を抑えていた左手をメイド服の中に滑りこませ、乳首に触れぬよう乳房を刺激する。
十分に焦らしたところで、俺は指先に冷気をまとわせる。
これは魔術修練で得た技術の一つだ。
俺は逆の手にも冷気をまとうと、触れずに焦らしておいた乳首とクリトリスを同時につまみ、擦りあげる。
「やっ…あぁぁぁっ」
エマは慣れない快感に体を震わせ、潮を吹く。
まさかここまで効果的とは思わなかったので驚いた。
俺は想像以上の反応に驚き、思わず攻め手を緩めてしまう。
「はぁ…はぁ……まさかここまでとは思いませんでした。
これは油断できないですね。」
舌なめずりすると、エマは肉棒を後ろ手に掴み、愛液が滴る秘部へ導こうとする。
俺は危険を感じ、咄嗟に距離をとる。
エマは潮を吹く程高まっているのに比べ、俺はまだ無傷に等しい。
そんな状態から挿入戦での我慢比べなど、どちらが勝つかなんて火を見るよりも明らかだ。
淫魔の蜜壺は例外なく名器だが、その中でも特に危険なのではないだろうか。
「貴方が、頭が切れる方でよかったです。
仕切り直しといきましょうか。」
エマは不適な笑みを浮かべる。
俺の行動を予測してのハッタリだったのか?
どちらにしろ現時点で、俺の優位に変わりはない。
一気に攻めたてよう。
とはいえ相手が本気になった以上、さっきのような不意打ちは大した効果がないだろう。
俺はエマの熱が冷めないうちに、正面から組み付き、エマの唇を奪う
。
次いで右手でヴァギナを愛撫する。
空いている左手で彼女の利き手である右手を掴み、封じる。
「んっ…くちゅ……ふふっ、まさか人間ごときに張り合える方が居るとは思わなかったので嬉しいです。」
俺はアオイとマイを頭に浮かべ、少なくとももう二人はいると思うぞと返し、ニヤリと笑う。
彼女は不便そうに左手で俺のペニスを扱くが、大したダメージにならない。
やはり利き手は右だったか。
「くちゅっ…んっ、ぷぁ……はぁ、はぁ。
アオイ様とマイ様の事なら存じ上げてますよ、コウ様。」
ちょっと待て、俺はエマに自分の名前は言っていない。
アオイやマイの事など尚更だ。
では何故知っている?
まさかこちら側に内通者でもいるのか?
俺はネガティブな思考が頭をめぐり、彼女を押さえつけるのがおろそかになる。
エマはその隙を見逃してくれる程甘くはなかった。
エマは拘束をほどくと、右手で激しく陰茎を扱きあげ、左手で亀頭を刺激する。
口内をねぶるのも忘れない。
「くちゅっ…ちゅっ…ぷはっ……ふふ、違いますよ。
心を読ませてもらっただけです。」
またエマの思い通りになってしまった。
まさか心を読む事ができる淫魔がいるとは。
俺は突然訪れた強烈すぎる刺激に四肢から力が抜け、なすがままになる。
断続的に与えられる快感のせいで俺はエマを振り払う事ができないでいる。
「我慢汁ですごい事になってます。
ほらほら、早く抜け出さないとイかせちゃいますよ?」
実に楽しそうな表情を浮かべ、徐々に攻め手を激しくする。
ああ、悔しいがめちゃくちゃ気持ちいい。
俺のペニスからはだらしなくカウパーが流れ出ている。
それを潤滑に攻めは益々激しくなり、俺はとうとう腰が砕け尻もちをつく。
「もう立ってられないんですか、だらしないですね。
ではそろそろ一回イってもらいますね。」
エマは俺にのしかかってくると先程の攻めに加え、胸を押し付けちくびを舐めしゃぶる。
「あぁっ……くっ…んんんっ」
俺は理性を総動員し、これ以上良い気にさせてたまるかと歯を食いしばる。
「情けなく喘ぎ声をあげるともっと気持ち良くなれますよ、出させてあげますね。」
エマはくすくすと笑うと、乳首を吸引しながら舌をれろれろと左右に動かす。
同時に陰茎を扱く右手の動きを止め、左手で磨き上げるように激しく亀頭を愛撫する。
突然の変化に耐えられず、俺の口からみっともなく声が漏れる。
エマは意地悪く笑うと左手の動きを抑え、再び右手の陰茎を扱く動きを再開する。
「ふふ、もう限界が近いようですね。
中途半端に抵抗するからついイジメたくなっちゃったじゃないですか。」
心と裏腹に出してしまった喘ぎ声は一度出すと止まらず、エマの言うとおり快感がどんどんと膨らんでいく。
俺を見下ろす意地悪気な微笑みすらも快感に変換され、あっという間にのぼりつめていく。
「本当はもっと焦らしたいんですけど貴方はちょっと危険ですからね、手早くイかせちゃいます。」
そんなエマの言葉は既にコウには届いていない。
強すぎる快感で意識が混濁し、だらしなく開き切った口からは歓喜の悲鳴を上げ、瞳は虚空を見つめている。
そんなコウを満足気に見下ろすと、エマは手を早め、宣言通りトドメをさす。
ーーーーどぴゅっ…びゅるるるるるーっ
視界が明滅すると、俺は半ば夢心地のまま絶頂を迎える。
ここで俺は意識が覚醒する。
エマは次は足コキで攻めるつもりでいたのだろう。
彼女は俺から離れ立ち上がると、靴を脱ぎ始める。
人間は淫魔にイかされると、普通の射精とは比にならない量の精液を一度に放出する為、一定時間身動きがとれなくなる。
この瞬間に隙ができると踏んでいたが、大当たりだ。
俺は大急ぎで魔力を体内に巡らせ、活性化を図る。
今心を読まれたら失敗に終わるだろうが、俺のとれる策はこれしかない。
ーーーーよし、なんとかエマが準備を終える前に体が動くようになった。
彼女は俺が既に動ける事などつゆ知らず、背を向けて未だ靴を脱いでいる。
このまま突っ込んでいけば、容易く後背位に持ち込めるだろう。
後背位は反撃を受ける機会が格段に減る有利な体位だが、危険も伴う。
挿入を避け堅実に攻めていくか、一気にイかせるか、どっちを選ぶべきだろうか。
1.挿入を避けて堅実に
2.後背位で短期決戦
<1.挿入を避けて堅実に>
ここは挿入を避けるべきだろう。
挿入は大きなダメージを与えられるが、危険と隣り合わせだ。
直感ではあるが、序盤のエマの行動がただのハッタリとは思えなかった。
一秒でも時間が惜しい状況ではあるが、負けてしまっては元も子もない。
堅実に攻めていこう。
俺はエマの準備が整うまで、体が動かないフリを続ける。
準備を終えた彼女が歩み寄る。
あと数歩という距離まで来たところで、俺は瞬時に立ち上がりエマを組み敷く事に成功した。
エマは一瞬呆気にとられるが、すぐに抵抗を試みる。
純粋な腕力で俺に敵うはずもなく、即座に抑え込む。
抵抗が弱々しくなったところで俺はメイド服をたくし上げ、魔力をこめた舌でクンニを始める。
「ふあぁぁっ……このっ!」
人間の愛撫で嬌声を上げてしまった事でエマのプライドに傷がついたのか、恨みがましくコウを睨む。
だがすぐにその表情も崩れ、快感に酔いしれる。
俺は既に濡れそぼっている膣口を、魔力を込めた舌で丹念に愛撫してやる。
しばらくするとエマの膣口から、どろっと粘性の高い愛液が溢れ出す。
「どうだ、人間のクンニも悪くないだろ?」
俺は分泌された濃度が高い愛液を恐れ、クンニを中断した。
代わりにエマのヴァギナに二本の指を咥えさせる。
挿入した二本の指が、ずぶずぶと奥へ引き込まれていく。
膣壁はミミズ千本なんてレベルで形容できるものではない。
やはり俺の直感は正しかった。
序盤の行動はハッタリなんかじゃなく、挿入していたらその時点で俺の負けは確定していただろう。
俺はこの淫魔に空恐ろしいものを感じ、更に激しく攻めたてる。
本当は領主との戦いに備えて温存しておきたかったのだが、そんな事を言ってられる相手ではない。
俺は冷静に魔力を練る。
挿入した指に冷気をまとい、体内から攻める。
同時に口に電気をまとい、クリトリスを甘噛みして電流を流す。
「やあぁぁぁあっ……あっ、あっ……」
凄まじい快感に、エマは再び潮を吹く。
当然、膣口の目の前にあったコウの顔には多量の水滴が飛び散る。
目を閉じるよりも早く飛来した水滴がコウの目に入った。
まさかまた潮を吹くとは思わなかった。
マイから学んだこの術は確かにてき面だが、ちょっと効きすぎではないだろうか。
思いがけない攻撃に、俺は攻め手を緩めるどころか挿入していた指を引き抜くと距離をとり、目を拭う。
やっと目が開くようになった頃には、エマは乱れる息を抑え立ち上がっていた。
「はぁっ…はぁ……ふふ、私たちも大詰めですが、マイ様の方も勝負がつきそうですね。」
そう言い放つと、彼女は不適に微笑んだ。
ハッタリかもしくは時間稼ぎだ。
口車に乗せられてはいけないと自分に言い聞かせるが、抑えられなかった。
「どういう意味だ?
またハッタリだろ。」
俺はそうであってほしいと願いながら言う。
この笑みが意味するところはひとつだろう。
「ふふ、そう思うのなら確かめてみてはどうですか?
マイ様の魔力がどんどん下がっていくのを感じないんですか?」
俺にそんな事はできない。
どうせ俺の圧倒的有利に違いはないのだ、口車に乗せられてやる。
俺がマイの戦況を知る手だては一つしかない、念話だ。
念話を繋ぐには集中して特殊な魔力を練らなくてはならない為、戦闘中なんかには不向きなのだ。
最も、念話を受ける方は少量の魔力消費で済む為、よっぽどのピンチでない以上応答できるはずだ。
俺は目をつぶり、集中して魔力を練る。
当然、その隙にエマは俺に組みついてくる。
俺は上体を押し倒されない為、両手をつっかえ棒のように後ろにつけ、座っている。
エマは挿入戦に持ち込もうと、俺の上に乗り騎乗位を試みるが、俺も魔力を練るのを中断して抵抗した。
エマは挿入を諦め、勢いよく俺のペニスを口で飲み込むと激しくディープスロートで攻めたてる。
「じゅっぷ、じゅっぷ……ずるるるっ…ぷはっ。
ふふっ…よっぽど大切なんですね、少し妬けちゃいます。」
少し不機嫌そうな表情を浮かべると、更に攻め手を強める。
俺は快感に耐え、マイへ念話を繋ぐ。
無事であってくれと願い、何度も呼びかける。
しばらく呼びかけ、焦りを感じはじめた頃にマイに念話が通じる。
(あぁっ……コウ、助けて!
こんなの絶対敵わない。)
マイの実力はそんなに差はないものの、現時点では俺以上だ。
いつも気丈に振る舞い、弱音を吐く事をしなかった彼女の心が完全に折れている。
よっぽどの強敵と交わっているのだろう。
とにかく早く助けにいかなくてはマイが危ない。
その後もなんども呼びかけたが、マイが応じる事はなかった。
「ずるるるるっ…ちゅっ……マイ様はどうでしたか?
適当な事を言ってみましたが、あながち間違いじゃなかったようですね。」
俺はまたエマに騙されたが、今回ばかりは悔しさよりも焦りが募る。
気づけば俺のペニスは既にかなり高められている、このままでは俺も危ないのでエマとの勝負に集中する。
エマはもう余裕がないだろう。
淫魔といえど、あんなにも高まった官能を短時間で鎮める事などできないはずだ。
俺は攻めにくい態勢ながらもエマの秘部へ手を伸ばすと、一気に三本の指を挿入する。
指には再び冷気をまとわせる。
しとどに濡れた媚肉が指に絡みつき、奥へ飲み込んで行く。
「あっ…ふぁっ……はぁっ、はぁっ……心配はもうしなくて良いんですか?
マイ様が誰を相手してるか教えて差し上げましょうか?」
エマは懲りずに俺の油断を誘うべく言葉を発した。
この必死さからすると、恐らくもう絶頂が近いに違いない。
「そんな情報要らねえよ。
お前をイかせて自分で確かめに行く。」
俺は冷気をまとった指を激しく動かし、膣内をかき回す。
より一層エマの喘ぎ声が大きくなり、彼女のヴァギナから放たれる淫らな臭いが鼻腔を刺激する。
「あっ…あっ……ふあぁぁぁっ……イっ、くうぅぅっ」
エマは体を弓なりにして痙攣する。
コウは指を引き抜くと、支給された隷従の首輪を意識がはっきりしないエマに装着する。
次いで、魔術でエマをレジスタンス本部へ転送する。
俺は勝利の余韻に浸る事すらせず、三階へ続く階段を上った。
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