------Tatsuya's View---------------------------------------------------
BF部員3年、川越達也(かわごえ・たつや)は、部活の帰り、急に後輩の「佐倉萌(さくら・めぐみ)」に話しかけられた。
「あ、川越先輩!」
「……ん?何?」
「知ってます?……団体戦メンバー選考試合、組み合わせが決まったんですよ」
「いや、知らない。……それで?」
「えっと、選考試合の組み合わせが、川越先輩と私の対戦になったんで、ちょっとご挨拶しておかなきゃって」
「…えっ?嘘だろ?」
「それが……私も見た時はびっくりしたんですけど、本当らしいんです」
「だって俺も佐倉も前の大会のスタメンじゃん。…おかしいだろ、それ、間違いじゃね?」
「いえ、私もよくわからないんですけど、団体戦の成績不振が…とかいう話だと聞いたような…」
「…………???」
「あ、私もよくわからないんで。……とにかく対戦することになったから、お手柔らかによろしくです。……それじゃ、また!」
「……あ、ああ?」
佐倉萌は言いたいことだけ言って、足早に去っていった。
ひとり残された川越達也は、釈然としないままだった。
学生BFの団体戦メンバーは、男女3人ずつが選ばれる。
前回の団体戦では、達也は男子の3番手、萌は女子の2番手としてメンバーに選出された。
選考方法について達也の言い分は、こうである。
――選考試合はスタメン同士ではなく、前回のスタメンと選考外部員との「入れ替え戦」形式で行われるべきだ。
スタメン部員が勝てば、入れ替えは無し。スタメン部員が負ければ、入れ替えが行われる。それが基本。
……実際に入部以来、入れ替え戦形式で選考するのが通例だったのだが。
(じゃあ一体、どんな組み合わせになっているのか?)
達也は、帰宅しようとしていた道を引き返し、部室へと戻った。
「……部長!」
「…………?…………ああ、タツ、どうした?」
部室には、梅田部長(3年男子)が居た。
梅田部長も、もちろん団体戦の常連レギュラーメンバーである。
「レギュラー選考試合の組み合わせ、決まったってマジ?」
「…………ぁぁ…………これだけど」
梅田部長はけだるそうな仕草で、一枚の紙を指差した。
「川越達也(3年)vs 佐倉萌(2年)」。
紙には、確かにそう記されていた。
大きな違和感を感じながら、達也は自分以外の対戦表にも目を通した。
そのうち、一つの組み合わせがとりわけ目を引いた。
「石井光洋(2年)vs 睦木帆香(3年)」。
「なんで石井と睦木?……二人ともレギュラーじゃないのに」
「……あぁ…………それなぁ…………」
「組み合わせが不公平じゃね?俺と睦木が対戦して、石井と佐倉が対戦した方が公平だろ?」
「…………ぁぁ〜〜…………」
梅田部長は苦虫と梅干を一気に噛み潰したような顔をしていた。
部長の要領を得ない態度に、達也は噛み付いた。
「いや、どういう事?」
「……じつはな……最初はタツがいうとおりの組み合わせだったんだ。
でも、一部から強い反対があってな……この相手とはどうしても対戦したくないってな……」
「はぁ?そんなワガママは許されないしょ?」
「いやしかし、団体戦で対戦相手との相性を考慮して組み合わせを考えるのは重要だしな……」
「それとは話が違うしょ?これは選考試合なんだから、全員に対してできるだけ平等にすべきじゃ?これだと不平等すぎじゃ?」
「……あぁ……言いたいことはわかる、わかるけど……すまん!……今回はこの組み合わせにさせてくれ!…すまん!!」
梅田部長は、深々と頭を下げた。
まるで弱みでも握られているかのような、挙動不審。
一体なにがあったのか。
達也は、思慮深い部類の人物ではなかったが、それでも思う事があった。
…達也が組み合わせ表をまだ見ていない時、既にもう組み合わせにケチをつけている奴がいるのは何だ?
不平等が、達也のあずかり知らない所でもう始まっていたのだ。
まだある。達也より先に組み合わせを知っていた奴が一人いた。
……それは、達也と対戦することになった、「佐倉萌」。
2年なので、女子の2番手として位置付けられているが、もう女子ナンバーワンと言ってもよい実力者。
達也も部長も、BFで対戦しても「勝てる」とは言い切れない、難敵だ。
(いちばん怪しいのは佐倉だな……何を企んでやがるんだ?)
達也は考えた。
(佐倉は、俺だったら勝てると踏んでるのか?舐められてる?
……いや、それはおかしい。俺より石田の方がBFの相手としては格下のはずだ。
なんで石田との対戦を避けて、俺との対戦を選ぶ?
石田の事を嫌ってて、対戦したくないのか?……部長の言う通りなら、そういう事なんだが。
だが、石田は女子に嫌われるタイプじゃないし、むしろルックスとか女子部員達に人気があるはずだ。
佐倉が石田を避ける意味がわからないし、俺と対戦したがる意味もわからない)
「………………」
「……お、おい、タツ。そんな怖い顔で黙りこむなって。
なあ、何とか引き受けてくれないか?
勝敗だけじゃなく、試合内容はちゃんと考慮するから。
相手のレベルも含めて、選考試合で高い実力を見せた男女3人ずつを選考するわけだからさ、そこのところ……」
「わかったよ」
「……おお?」
「俺が佐倉とやればいいんだろ?……なら、やるよ。俺は逃げないから」
「…お、おお、すまんな。…頼むわ!」
「じゃ」
達也は部室を出て、帰路についた。
急に決まった対戦について、思い巡らしながら。
(誰が相手だって、勝てばいいだけだ)
(影で何かを企んでたって俺には関係ねぇ。)
(だが、もし、負けてレギュラー落ちしたら……)
BF部の上下関係は厳しい。
上下関係といっても学年ではなく、実力による上下関係だ。
後輩に負けてスタメンから外れたとなっては、達也の部内での立場は一気に悲惨な物になるだろう。
相手をイかせるという、血の気の多い異端のスポーツ。
だからこそ勝ち負けは重要なのだ。
(……不安もあるが、佐倉との真剣勝負は楽しみでもある)
達也は、佐倉とBFで手合わせしたことがなかった。
一度やってみたいと思ってたのは事実だ。
2年の後輩でありながら、すごい勢いで実力をつけている。
恵まれた肢体に、BF適性の高い勝気な性格。
スパーリングでも2年男子達を一方的にKOしまくっているらしい。
だが達也は、2年男子達と同じようにあえなくKOされるつもりはない。
特に、耐久力や持久力や回復力には自信がある。
テクニックに改善の余地があるのは認めざるをえないが。
(……まぁ試合前にあれこれ考えても仕方ない)
(試合の時は、全力を尽くしてバトルファックするだけだ)
それから達也は試合の時が来るまで、平凡だが充実した日々を過ごした。
特に練習量を増やしたりはしない。
普段から自己鍛錬をおろそかにした事などないからだ。
マイペースな達也だが、それでも試合が近づくにつれ、不安と期待が高まっていく・・・。
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------Megumi's View---------------------------------------------------
ラブホテルの一室。
全裸の男女がセックスに励んでいた。
女が男の上に跨り、腰を振ると、男の身体が震え、喘ぎ声が漏れた。
女は、BF部2年、佐倉萌(さくら・めぐみ)。
男は、BF部2年、石井光洋(いしい・みつひろ)。
ホテルのベッドの上で行われているセックスは、もちろんBFの部活などではない。
ただの、女性上位の性交だった。
……2人は、恋人として交際していた。…ただし、2人の間でだけ。
BF部員の恋愛・異性交遊は厳禁。
2人は禁を犯し、誰にも気づかれないように密会していたのである。
萌は騎乗位で光洋に跨ったまま、淫らに腰を動かした。
豊かな乳房が揺れ、巧みな腰の動きと相まって、視覚効果だけでも男を高めていく。
反り返った光洋の屹立は、萌の蜜壺に咥えこまれ、ねっとりと扱きあげられた。
「ぁぁぁ………ぁぁぁっっ!!」
「どーぉ?みっくん、気持ちいい?」
「気持ち……いいぃぃ!!」
「良かったぁ……みっくんが気持ち良くなってくれると、私も気持ちいいよ♪」
萌は幸せそうに微笑むと、さらに光洋の上で舞う。
幼ささえ感じさせる純粋な笑顔と裏腹の、成熟した肉体と、男を圧倒する性技。
バトルファック部の女子エース、佐倉萌にセックスで完全に主導権を取られてしまうのは、光洋が不甲斐ないせいではない。
萌が性的に強すぎることが、愛し合う男女の交わりを、やや歪なものに見せていた。
次第に、萌の肌が紅潮し、騎乗位の腰つきがさらに淫らになっていく。
「はぁ……んっ……みっくん……」
「めぐっ……ぁぁ……もう出る……」
「えっ?ダメだよぅ。まだ挿れたばっかだから、もうちょっと、頑張って?」
「でも、めぐの中、すごく締まるから、気持ち良すぎる」
「んふ……嬉しいっ……けど、もう少し、頑張ってね?……これはBFの特訓も兼ねてるんだから♪」
光洋の細い身体はだらしなく弛緩し、時折不規則にぴくぴくしていた。
上に乗った萌を突き上げて反撃することなどできそうにもない。
萌は光洋を上から見下ろし、欲情した目をぎらつかせ、荒い息をついた。
「はぁ……んっ……みっくんの好きなこと、やってあげるからね♪」
「あ、ぁ、ぁぁぁ??」
「どうなってるか、わかる?…んっ……萌のおまんこでキュッ、キュッって締めて、クイクイッって扱いてるの」
「ぁ、ぁぁぁ、それやばい、凄すぎてやばい!」
「……ふふっ、前もみっくん、これでピュッピュッって中出ししちゃったもんね〜。ほら、キュッキュッ♪」
「出る、出ちゃう!!」
「ダーメ、もう少し頑張ってね?…じゃないと、みっくんのチンポ、萌のおまんこにまた負けちゃうんだよ?」
「こんなの勝てるわけないって!!」
「えーっ、それってもう降参ってこと?」
「降参、降参!!」
「ほんとにー?降参したら、みっくんは萌の物になってもらうよ?」
「もうなってるから!僕は萌の物だから!!」
BFごっこのたびに、お気に入りのセリフを光洋の口から引き出す。
ますます上機嫌になった萌は、光洋に「中出し」というご褒美をあげることにした。
年の割にBF経験が豊富な萌だが、今のところは光洋以外の誰にも許していないご褒美だ。
萌の腰が驚くほど器用に上下左右し、ペニスを締め上げ、精液を吐き出させにかかる。
「じゃあ、いいよ♪…中にピュッピュさせてあげる!」
「ぁぁぁ、それいいっ!イクっ!!」
「いいよっ!みっくんの負けチンポから精液ピュッピュしなさい!」
「あああイグぅ!!!」
ピュッ、ピュッ……
光洋のザーメンが萌の膣内へ打ち付けられていく。
「あっ♪……熱いのが中にいっぱい注いでる……」
「ぐっ、がっ、ぁぁぁ!」
「みっくんのチンポ、だーい好きぃ……」
「がぁっ……もうイったから!イってるからそんなに締めないで!」
「無理ぃ……勝手に締まっちゃうんだもん、ぎゅーっって」
「ひぃっ!!も、ごっ、もう抜いて!」
「え〜……」
ズポッ!!
萌がしぶしぶペニスを解放すると、精液の残滓が噴水のように吹き上げた。
ピュ……ピュ……
脈動が小さくなって、ようやく止まる。
並みのセックスならばこれで一段落。
しかし、光洋の射精がおさまっても、萌の旺盛な性欲はまだおさまらない。
「じゃぁ行くよ、フォール!」
「!??」
熱く火照った身体を押し付けながら、また光洋に覆いかぶさっていった。
「萌選手、フォールです! 1〜(い〜ち)、2〜(に〜ぃ)……」
自分で実況中継しながら、萌は熱い裸体を押し付け、熱い吐息を光洋の顔に吹きかける。
10カウントのフォール。
「見世物」としての地下BFで好まれる、アングラルールだ。
射精直後の男を、女が押さえ込んで10カウントを数えればノックアウト。
イったばかりで力が出ないので、男は大抵ひっくり返すことができずに、むなしく10カウントを聞かされることになる。
カウントを異常にゆっくり数え上げたり、カウント中に言葉責めや体術でいたぶったりして、男の屈辱感を更に高めていく。
マニアックなM男の中には、フォールを専ら「おかず」に使用する者もいるらしい。
スポーツBFにはない非公式ルールを勝手に導入して彼氏をいたぶる萌は、明らかに興奮しすぎていた。
「3〜(さぁーん)、4〜(よーん)……」
「ぐっ……」
光洋は身体をバタバタさせようとしたが、全く無駄だった。
体が痺れて、ほとんどまともに動かない上に、しっかりと萌に乗られてしまっている。
萌の体はエロい意味で「凶器」なので、密着してるだけで快感がすさまじい。
一言でいうと、「逃げられるわけない」。
「5〜(ごー)、6〜(ろーく)……」
「ぅぅぅ……」
「どうしたのー? 逃げないと負けになっちゃうよ〜?」
「逃げ方がわからない……」
「ブリッジとか、肩を上げたりとかするんだよー」
「ぅぅ……」
そんな事言われても、ブリッジなんかするパワーが残っているはずがない。
光洋にできることは、わずかにもがく程度の事だった。
だが、もがけばもがくほどムチムチした萌の肢体に押さえ込まれ、支配されていく。
ムクムクムク……
再び、光洋のイったばかりのペニスが休む暇もなく勃起した。
フォールされながら、ふたたび勃起してしまう光洋。
それを見てさらに欲情する萌。
「7〜〜(なーーーーな)」
「ぁぁ…………」
「ふふ♪……みっくん、どうしたのかなー?なんか、またおっきくなってきてるんだけど」
「ぁぁ……逃げれない……逃げれない……」
「可愛い〜!ますます苛めたくなっちゃう」
萌は光洋の勃起ペニスを責めまくる衝動に駆られた。
加虐心が抑えきれないぐらい大きくなっている。
光洋をBFごっこで屈服させたり降参させたりするのが、Sっ気が強い萌のフェイバリットなのだ。
…だが、フォール中にペニスを責めてしまうのは自制心がなさすぎる。
フォールとはあくまで屈辱の時間であって、直接的な快楽を与えてはいけない(と、本で読んだ)。
「8〜〜〜〜(はぁーーーーーーーーち)」
「…………」
「あーっ、諦めちゃだめでしょ。」
「…だって逃げられるわけないし……」
「そんな事いうみっくんは、もっと苛めちゃうよ?ほらほら」
萌は熱く火照った体をギュウギュウ押し付けていく。
硬くしこった乳首を光洋の白い胸板に押し付け、スーっとずらす。
それだけで光洋は面白いように全身で反応する。
射精直後で全身性感帯になっており、くすぐったい快感にも極度に弱くなっているのだ。
「9〜〜〜〜〜〜〜(きゅーーーーーーーーーう)」
「ひっ……あひっ……やめてぇぇ!!」
「くすっ♪…どうしたのー?乳首がくすぐったいの?」
「はやく!早く10数えて!!」
「えー?10数えたら、みっくんの負けになっちゃうよ?」
「もう負けでいいから!」
「負けたら、みっくんは……」
「もう僕は萌の物だから!!!!」
「ふふっ♪…じゃあ……」
「10〜〜〜〜〜(じゅーーう)!!」
「ああああ!!!」
萌がとどめのフォールをすると、光洋は全身をビクンビクンと痙攣させた。
いくら萌が優れたバトルファッカーの肉体を持っているといっても、フォールに対する異常なまでの反応。
光洋の精神は、萌との度重なるBFごっこによって完全に犯されていた。
いわゆる「堕ちている」状態である。
「はぁ、はぁ、ぁぁぁ…………」
「みっくん、いま10数えたとき、ちょっとイっちゃった?」
「わかんない……けど。」
「けど?」
光洋の瞳孔が濁り、さらに正気を失う。
「もう一回……イかせてぇ……このままじゃ……」
「♪……いいよぉ……萌が何回でもイかせてあげるから♪」
「めぐ……めぐぅ……」
光洋は赤子のように萌の乳房に吸い付いた。
そのままチュウチュウと幸せそうに吸い上げる。
萌は光洋を受け止めながら、手をペニスへと伸ばした。
そのまま、シコシコと手コキで扱きあげる。
ピュッ……ピュッ……
ものの10往復ほどで、光洋のペニスから二度目の精液が吹き出した。
「出た出た♪……みっくん、気持ちよさそうだねー?」
「ふぁ………ぁ………」
「…ね、覚えてる?みっくんと私が部活で初めてスパーリングしたとき、この授乳手こきで……」
「すぅ……すぅ……」
「……あら。寝ちゃった」
「zzz……」
「もう!彼女を放ったらかして寝ちゃうなんて。……でもまあいっか、寝顔見放題だもんねー」
他人にはぜったい言えないような関係だが、それでも萌は幸せだった―
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------Mitsuhiro's View------------------------------------------------
(うん、覚えてる……めぐ、強すぎ……)
光洋は返事をしようとしたが、呂律が回らず、意識がぼんやりしていった……
夢の中で、過去の記憶が蘇る。
僕の過去の記憶……
……僕は、なぜか女性にもてた。
小学4年生ぐらいからかな。
下駄箱にラブレターが入ってたり、知らない子とすれ違いざまに「好き!」って急に告白されたり。
でも、そんなに人から羨ましがられるような物じゃなかったかな。
僕に好意を寄せてくれる女性は、何故かみんな「肉食系」だった。
中学1年の時、家庭教師の大学生のお姉さんに、いきなり襲われた。
「どうしても我慢できない」とか言って押し倒され、童貞喪失。
気持ち良かったという記憶は、あんまりない。
でも、お姉さんの太ももに射精したことは覚えてる。
射精したってことは、やっぱり気持ち良かったのかな?
BF部に入ったのは、Hに強くなるためだ。
だって、僕を襲いにくる女性達は、なぜかみんなサキュバスか淫獣みたいに強いのだ。
でも、逆効果だったというか、部活でクイーンサキュバスみたいな女の子に狙われてしまい……
それが僕の内緒の彼女、萌だったわけなんだけど。
(起きて!)
ん?
「もう!みっくん!Hの途中で寝ちゃうなんてマナー違反だから!」
「むにゃ?……あ、ごめん……」
「それに、変な夢見てたでしょう!私が出てくる変な夢!」
「……え?……覚えてないや」
「ほんとにー?」
「うん」
「……じゃ、仕方ないか」
「ごめんね……でも寝ちゃったというか、KO負けだから。めぐ、ますます強くなったでしょ?」
「あっ……その……やりすぎだった?」
「いや、僕が弱すぎるんだよ。BF部員なのにね」
「ごめん……次から気をつけるから。……どうしてもみっくんを見てたら歯止めがきかなくなっちゃって……」
(……肉食系だなぁ……またはクイーンサキュバス系。)
「あ、それでね、例の件、うまくいったよー!」
「例の件??……あ、対戦組み合わせのこと?」
「うん!変えてもらったんだ。私と、川越先輩。みっくんと、3年の睦木先輩になったよ♪」
「あ……良かったぁ。……これで、僕たちの事、ばれなくて済むね」
「うんうん♪……でも、変えてもらうのけっこう苦労したんだー」
「どうやって変えてもらったの?」
「……内緒♪」
(これ以上、聞かないほうが良さそうだ……)
「ごめんね、僕のわがままで無理させて。……でも、僕、萌とはBFの試合にならないから、絶対ばれちゃうし……」
「ううん、私だってみっくんと試合したら絶対普通にはできないよー」
「でも、大丈夫?川越先輩ってすごく強いよね。萌も強いけど……強い同士だから、どうなるのか想像できないよ」
「うーん、どうかな?……でも学生BFは女子の方が勝率が高いからね。なんとかなるんじゃないかな♪」
「そっかぁ」
「それより、みっくんの事が心配だよぉ。睦木先輩って、すごくねちっこいBFスタイルなんだってどうしよう!」
「僕は……レギュラー取れなくても仕方ない実力だから……」
「ダメー!志は高く!私以外の女子に、負けないで絶対っ!」
「が、頑張るよ……」
「じゃあ、いまから早速特訓しよう!」
「えっ、また?」
「いくよー!」
「わああああ」
ピュッ、ピュッ……
…………
………
……
…
……こうして、とある部活のレギュラー争奪戦の、小さな舞台が整ったのでした……
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