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封淫記1-3

『封淫記』
第一章 三話「雪の町にて」
〜皇 鈴香(クォウ・リッカ)『ミルストーン』〜

 ロックは初めてポートキーを使ったが好きになれそうにない。高い場所
からいきなり落ちていくようなそんな感覚だった。これからも何度か使わ
なければいけないと思うと気が重い。北へ着いて、ポートキーから出ると
東大陸を出た時と全く内装が同じ部屋だったので一瞬転送に失敗したのか
と思ったが、ナル達がいないところを見るとどうやらここは北大陸に間違
いなさそうだ。
次に目指すのは北大陸の管理局がある町『ピオン』だ。ポートキーを出て
半日北へと歩いたところにあるらしい。ロックはコンパスを握り締め、防
寒具の紐を結びなおし、勇んで外に出た。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?」
思わず自問してしまうほど激しく、外は吹雪いていた。最早ブリザードと
言ってもいいくらいの吹雪だ。洒落にならない。油断したらピオンに着く
前に死んでしまうかもしれない。しかし、ここでじっとしているわけにも
行かないので、半ば諦めた様子でロックは外へ足を踏み出した。

 どれくらい歩いただろう。既に半日経過したのは間違いない。だが、ピ
オンはおろか山小屋さえ見当たらない。何だか手足が悴んで痛みを感じな
くなってきたし異様に眠くもなってきた。
『まずい』
ロックは未だかつて無い恐怖を味わっていた。淫魔に襲われてるときより
も数段ヤバイ気がする。こんな所で倒れたら誰も見つけてくれるわけがな
い…ロックは虚ろな頭で考えながら何気なく前方を見て何かに気づいた。
こんもり積もった雪の間からリボンの切れ端のような物が見える。丁度、
雪の膨らみ具合も人一人分位だ・・・ロックはその場に駆け寄り、急いで
掘ってみた。
「見つけたーーー!!!!」
思わず叫んでしまう。『こんな所で倒れたら誰も見つけてくれ無そうな場
所』で見事に人を発見してしまった。女性だ。こんな雪の中なのに、異様
に露出度の高い見たことの無い服を着ている。踊り子の服に似ているな、
とロックは思った。脈を確認するとまだ生きている。ロックはありったけ
の力で女を抱えあげると全力で走り出した。
 奇跡的な、凄く凄い力(具体的には言えない)がロックを突き動かし、
何とか人一人を抱えたままピオンに到着することが出来た。そして、宿に
到達するとロックは力尽き倒れてしまった。

目を覚ましたロックが目にしたのは宿屋の天井だった。どうやら助かった
らしい。体中が筋肉痛だが何とか動けそうだ。
「おっ!目が覚めたか!?お前がここまで背負ってくれたんだって?
いやー、ほんっとに助かったよ!」
部屋の奥からドタドタと女が走ってくる。一瞬誰か分からなかったが直ぐ
に思い出した。
「あなたは…じゃあ、無事にピヨンに着けたんだ」
ロックは胸をなでおろした。正直、この旅始まって以来最大の危機だった
気がする。この女の人を助けようと頑張ったお陰で自分も助かったのかも
しれない。
「俺は皇 鈴香。あんたは?」
「ロックです。あの、コ…?」
聞きなれない発音だったのでロックは良く聞き取れず聞き返す。
「あぁ、分かりにくい…えっと、『コウ・リッカ』これならわかる?」
「リッカさんですか。よろしく」
ロックとリッカは握手を交わす。男勝りと言った感じだが、気持のいい女
性だなとロックは感じた。見たところ、ロックより2〜3歳年上だろうか。
「リッカさんは何であんな所にそんな格好で倒れてたんですか?下手すれ
ば死んでましたよ?」
話題作りも兼ねて、ロックは心の底からの疑問をぶつけた。
「あぁ、そうだよな〜。マジで危なかったよ。まさか出口があんな雪山だ
と思わなくてさー」
「出口?」
「うーんと、仙人ってわかる?」
聞いたことがあった。能力者とは別口で、魔術的な技術を高めることによ
り、数々の術を操る人達だ。念話やポートキーなどを発明したのも彼らで
ある。淫魔には効かない術のほうが多いが、中には封淫術など淫魔に効果
があるものもあると聞く。
「で、術で空間転移して来た訳。そしたら雪山のど真ん中でさー、さらに
術使うと激しく眠くなるのね?それで眠いわ寒いわでほんと危なかったの
よ。だからロック…ロックって呼んでいいよね?」
ロックは黙って頷く。
「俺のことはリッカって呼んでね。で、…ほんとロックには感謝してる。」
「…でもなんで仙人のリッカさん…リッカがこんな雪の町に?」
「あたしはね、その仙人の中でも淫魔との戦闘を専門にこなす『戦女』っ
て言う仙人なんだ。能力者でもあるけどね」
仙人でありながら、能力者でもある・・・リッカはどうやらかなりの腕の
持ち主のようだ。
「じゃあ、淫魔を追ってるんですか?」
ロックの問いにリッカは少し黙ってから真剣な目で言った。
「半分正解だな。俺が追ってる連中はね、元戦女で、力の欲しさに淫魔に
成り下がった『堕戦女』…蛇と蜘蛛って呼ばれてる二人なんだ」
淫魔に成り下がる、ロックは驚きを隠せなかった。敢えて淫魔になる人間
なんているのだろうか?
「何で・・・淫魔になっていい事あるんですか!?」
「淫魔になって、能力者の精を吸うことが出来れば自分の力を著しく高め
ることが出来るらしいよ。だから俺は奴らを追いながら能力者に片っ端か
ら注意して回ってるのさ。この町には管理局があるだろ?だからここに来
たのさ」
「え・・・あの・・・」
「ん?何だ?」
「僕も能力者なんです…」
「えっ!?マジで!!嘘、見えない!って、ごめん…それなら詳しく話さ
なきゃな。下で一緒に飯でもどうだ?」

遅めの夕食を取りながら、リッカの敵について詳しく聞いた。能力者では
ないが性技に優れ仙人独特の術を使えるらしい。ロックは心底出会いたく
ないと思った。(いずれ出会うけどね)
「ま、気をつけてくれよ。あ〜食ったな!あ、宿代出してもらったし、
金は俺出してやるよ」
リッカはロックを制して立ち上がりバーテンのところに行くと、胸の谷間
から何かお札の様な物を取り出し、バーテンの目の前にかざす。すると、
バーテンはボーっとした表情になり奥へと下がっていった。
「さ、ロック行こうぜ」
「リッカ…今のは?」
「えと…金代わり、かな。まぁ、気にするな!」

ロックとリッカは部屋に戻る。ロックは少し考え、今のうちに管理局に行
って来る事にした。少し遅いが、逆に目立たなくていいだろう。リッカに
その旨を伝えると、リッカも一緒に行くことになった。


北大陸の管理局は、全ての管理局の本部に当たる場所だ。それ故、ここの
警備は四大陸一厳しく、淫魔が入り込む隙も無い。それを治めるのが、聖
人の末裔であるピヨン・ブリックである。町の名前になるほどに、彼の一
族は町民に慕われ、権力を持っているのだ。
 リッカと別れ、ロックが受付に自分の名を告げると、ブリックの部屋に
行くように指示された。ロックが来ることは全ての管理局に告げられてい
るのだ。当然、受付の者程度では旅の目的は知ってはいない。だが、それ
でもここの人間はロックを温かく迎えた。
「失礼します。ブロック・ザ・ロックです。」
ロックが自分の名を言い終わるか言い終わらないかの内に、部屋の扉が開
かれ中から美しい男が出て来てロックを迎えた。
「待ちかねたよ。ロック君。私がブリックだ。さぁ、入って話をしようじ
ゃないか」
ロックを部屋に通し、豪華な椅子に座らせるとブリックは自分の仕事場で
あろう机に寄りかかって話を始めた。
「君の父上の事・・・残念だったね。本当に惜しい男を失ったよ」
ブリックの言葉から、彼が本当に父の死を悼んでいることが良く分かった。
ロックは沈黙することで、己の意を伝えた。
「ここに来るまでに淫魔に襲われたりしなかったかね?」
「あ、実は・・・」
ロックは今までのことをブリックに伝えた。
「ふむ・・・危なかったが、君が能力者に目覚めたことを考えると帰って
幸運だったと言えるかも知れないな・・・だが、安心した。どうやら、淫
魔側には君の事は悟られていないらしいな・・・」
ブリックはそこまで言うと言葉に詰まった。何か思い悩んでいるようだ。
「あの・・・?」
「あ、すまない。君の能力の事は嬉しいのだが…まだ使い慣れていない様
子なのでね。それでここの『証』を継承できるか不安になってね」
「え?継承の儀って、パァッと終わるものじゃないんですか?」
「他の大陸のものはそうなのだが…ここ北大陸だけは別でね。継承の儀を
行う場所は山中にあるのだが、そこにはずっと昔からある淫魔が封淫され
ているのだよ」
「じゃ、じゃあそいつと戦わなければならないと?」
「いや、そうとも限らない。何せそいつは封淫されているからね。普段は
おとなしく眠っているだけさ。だが、最近どうもその眠りが解けている時
があるようなんだ。恐らくは…君の父上が殺された為だろう。実は封淫さ
れている淫魔と言うのは、『ヨミ』の一部なんだ」
『ヨミ』…全ての淫魔の力の源であり、過去の大戦の原因になったと言わ
れる存在だ。その力は他の淫魔と一線を隔していて、その産まれも普通の
淫魔とは異なると言われている。いや、淫魔であるのかどうかも定かでは
ないのだ。さらに、淫魔よりも上の…未知の存在であるのかもしれない。
ヨミはその体から自分の分身を(力は酷く劣るが)生み出すような事もし
たと言われている。継承の儀を行う場所に封淫されている淫魔もその一人
なのだろう。
「『ヨミの欠片』が一つ淫魔の手に渡ったが為に、今まで眠り続けていた
奴の力も戻ってきているのだろう。だが、昼間に行けばまだ大丈夫なはず
だ。奴が目覚めるのは夜だけだから…本来なら護衛をつけて、と言いたい
ところだが継承の場は聖人の一族と限られた者しか入れないからね…私は
激務で着いていけないし、君一人で行ってもらうしかないのだよ」
「大丈夫ですよ。この旅は、一人でやらなきゃいけないものだから…継承
自体はすぐに終わるわけだし、明日の昼間に行ってきますよ」
「そう言ってくれると助かるな。この大陸のポートキーの使用許可は既に
出しているから、継承が終わったらすぐに南の大陸に行くといい…とは言
っても三月は歩かなければポートキーまでは着かないが…君に会えて良か
ったよ、ロック君。無事に継承を終える事を祈っている」
ロックはブリックと握手を交わし、立ち上がる。そこで、部屋の片隅に飾
られた一枚の絵が目に入った。男四人が天に手を掲げているのを、一人の
美しい女が見つめている。
「あぁ、その絵は過去の大戦の折に描かれた物だといわれている貴重なも
のだ。四人の男が我々の先祖である聖人で、横の女が淫魔でありながら只
一人人間の側についた『リリス・フォウ・ハート』だそうだ…全ての淫魔
が彼女のような心を持っていれば、お互い共存できるだろうに…」
ロックはそのリリスと言う名前が酷く懐かしい言葉に聞こえた。ブリック
と分かれてからもその不思議な感覚は暫くの間消えなかった。

 宿に帰ると、リッカは既に先に戻っていた。(お金も払ったことだし、
今日は同じ部屋に泊まることにした)
「ただいま。早かったですね?」
「まあね。注意の張り紙出してもらうだけだし…それより、ロック!お前
何者?」
「は?」
「とぼけるなよ。あの歓迎っぷり、実は腕利きの能力者だったりするの?」
「いえ、そんな!能力に目覚めたのだってついこないだだし・・・!」
ロックは必死に言うが、リッカは信じた様子は無い。疑惑の視線をロック
に向ける。その目で見られていると、ロックは何か背筋に嫌な気配を感じ
た。
「よし、じゃあいいや。今からBFしようぜ?で、お前が勝ったら信じて
やるよ。で、負けたら真実を話すってことで」
「そ、そんな!嘘なんて!!」
「問答無用!」
リッカはロックに抱きつくと引き裂くように服を脱がした。そしてそのま
まロックをベッドの方に押し倒した。
(私に勝つ様なら文句なしで実力者だし…負けるなら無理矢理ホントのこ
と聞き出せるし…どっちでもオッケーだね)
リッカは服を素早く脱ぐと、ベッドの上でもたもたしているロックの顔に
自らの秘所を押し付けて、体の自由を奪った。所謂、顔面騎乗である。
だが、リッカのそれはただの顔面騎乗ではなかった。
「どうロック?俺の匂い…イイだろ?淫魔と戦う為に体の中から鍛えてる
から…並みの男なら嗅いだだけでイッちゃうかもね。ロックは…あはっ、
もうビン勃ちでヌルヌルだ。並ではないけど能力者としてはどうかねぇ?」
リッカは面白そうにロックのペニスを視姦しながらゆっくりと腰を振る。
リッカの特別製の愛液がロックの顔に塗りつけられていく。
「この勝負は…そうだね、ロックが二回行くまでに俺をイカせられたら勝
ちってことにしようか。男と女のイキやすさを考えればそれで対等ってと
こでしょ。いい?いいね、よし」
リッカは自らの秘所に押さえつけられて、ロックが返事の出来ないのを
いいことに勝手に話を進めた。
「ま、一発目はこうなったらもう免れないから…二回にしないと勝負にな
らないしね」
リッカはさらに腰を顔に擦り付けながら、素早くペニスを扱き出した。乱
暴に見えたその手つきからは考えられない繊細な手コキにロックは悲鳴を
上げた。
「んむーっ!!うぶっ!!!」
しかし、口に絶え間なく入ってくる愛液と擦りつけられる秘所に言葉には
ならない。ロックはこのままではいけないと、リッカを押しのけるため尻
に手を当てて力を入れた。だが・・・
「!?」
持ち上がらない。まるで何十キロもある岩を押しているかのようだ。
「どうした、ロック?女一人も持ち上げられないのか?それでも男かよ。
情けないなぁ…ふふ」
リッカはロックをからかいながらさらに腰をふる。すると、ロックの手に
かかる重みが更に増した。
「もうこうなったら持ち上がらないよ…これが俺の能力だから。相手に腰
をこすりつける度に相手が体感する重さが変わって行くのさ」
リッカはロックの顔から尻をどけると体を反転させロックの体にうつ伏せ
にのしかかった。
「どうだい?潰れちまいそうか?安心しな。実際の重さは変わってないか
ら…絶対に潰れたりしないよ」
リッカはロックの体に自分の体を合わせるようにして四肢を塞ぐと唇を奪
った。
「んっ…ちゅぱっ…へえ、キスはなかなか上手いじゃないか」
ロックはルドルフから貰った本の内容を思い出して実践していた。この体
勢でもキスでなら勝てる。だが、キスだけでイカせることが出来るのかは
疑問だった。しかし、それ以外に動きようが無いロックはそれに頼るしか
ない。だが、リッカはそんなロックの考えを見越していた。
「キスでは分が悪いから…こんなのはどうだい?」
リッカはロックにキスされないように首を傾けると、足を開きそそり立っ
たロックのペニスを太股に挟み込んでしまった。鍛え上げられた太股の筋
肉が驚くべき柔軟さを持ってロックを締め上げる。
「ううんっ!あうぁっ!!!」
「俺の素股はどうだ?挟まれただけでイッちまう男もいるんだぜ?ロック
のチンチンもイカせて下さいって叫んでるぞ?」
「ううっ、うるさいっ!こんなことじゃっ!!」
「こんなことじゃイカない?ふん、扱かれてもまだそんな口がきけるかな!」
リッカは男が女を突くような動きで腰を動かす。まるで太股にしゃぶられ
ているかのような感触がロックを襲った。自分の垂れ流す我慢汁によって
その威力は底なしに上がっていく。
「あぁっ!だ、だめっ!!動かないっ…でっ!!!」
「そうそう、人間素直が一番…やめないけどなっ!!」
リッカはロックをギリギリまで追い詰めたのを確信し、さらに腰のスピー
ドを上げた。ヌチュヌチャと言う卑猥な音と二人の荒々しい息遣いが、部
屋中に響き渡る。
「うぅぅぅぅぅぅっ!!!!もうっ!!!!」
「はい、お・し・ま・い!!」
ロックのペニスが太股の中でビクビクと震えるのを感じたリッカは再び体
を反転させ、ロックの顔に跨るとそのままストンと尻を顔に落とした。
「うぶぅぅぅぅっっ!!」
ロックのペニスから天井にまで届きそうな勢いで精液が吹き上がる。リッ
カはそれを勝ち誇って見下していた。
「ふふ、どうやらそれほどの実力の持ち主じゃなかったみたいだね」
リッカは腰を浮かして立ち上がる。その瞬間、ロックはありったけの力を
振り絞り行動を起こした。イカせた瞬間ならリッカにも隙が出来るはず、
ロックはずっとそれを狙っていた。目論見はまんまと成功し、リッカを転
ばせ体を上にすることが出来た。そして、そのまま『グッドフィンガー』
をリッカの秘所に挿入した。
「えっ!!ああっ・・・・・・んっ!!?」
油断しきっていたところに不意打ちに急激な快感が襲う。リッカは思わず
嬌声をあげてしまった。ロックはここぞとばかりに責める。両乳首にも、
右手と舌で攻撃を加える。三点責め、これもルドルフから貰った本で覚え
た技だ。まだ、軽く読み流しただけだがロックのレベルは確実に上がって
いた。ルドルフへの感謝と共にロックは更に深く本を読んでいこうと心に
誓った。
「や…るじゃ…ないかっ!」
リッカはロックの強襲を何とか耐え抜くと、負けじと膝を立ててロックの
ペニスを責める。膝でペニスを固定し自分のほうに向かせると、亀頭を掌
で包み込み撫で回すように責める。

 勝負は持久戦に持ち込まれた。一度イッている分、ロックが有利なのは
明らかだった。しかし、経験の乏しいロックにはそれがわからない。二人
の経験の差が勝負の明暗を分けることになった。
「ふんっ、どうしたんだい。もう息が上がってきたじゃないか?」
二回戦の序盤こそロックに責め立てられたリッカだったが、今では完全に
冷静さを取り戻していた。実際はリッカは気を抜けばすぐにイッてしまう
ほどに感じている。なにせ、グッドフィンガーで性感帯を責められている
のだ。並の人間や淫魔なら一瞬で果ててしまってもおかしくは無い。だが、
勝負の最中にそんな状況を悟られるような表情をするのは未熟者…即ち、
ロックのようなヒヨっ子だけだ。
「はぁっ…あぁっ…」
リッカの手の中でロックはダラダラと我慢汁を垂れ流し、その表情は射精
感に追い詰められ必死の形相だ。対して、リッカはまるで涼しい表情をし
ている。実際には、状況はほぼ互角である。だが、傍からそしてロックか
ら見るとロックが圧倒的に不利に見えた。
 そのまま責め続ければロックの勝利も有り得た。だがリッカが見せる余
裕に、焦ったロックは自らそのチャンスを手放してしまった。違う場所を
責めようと、体を動かしたその時だ。ロックが体を浮かした瞬間、リッカ
は腰に手を巻きつけるようにしながらロックのバックを取った。そして、
何やら呪文のような言葉を唱えると自分の秘所に手を当てた。すると、リ
ッカのクリトリス付近からまるでペニスのような光る棒状の物が生えてく
る。数少ない対淫魔ようの仙術である。女性が淫魔を責める為に作り出す、
擬似ペニスだ。本物と違って、自らはダメージも受けない便利な代物であ
る。
リッカは手についた大量の我慢汁を擬似ペニスに絡め滑りを良くすると、
ロックの腰を抑え一気にアナルに挿入した。ロックは突如訪れた痛みを伴
う快感に腰を仰け反らせる。
「可愛いね、まるで処女奪われた女の子みたいじゃないか!ふふ、男の初
めての前に後ろの初めてを奪われるなんて…」
「!」
ロックは後ろを貫かれた痛みでしかめていた顔を驚愕に歪ませる。何故、
リッカは自分が童貞であることを知っているのだろう。
「さ、動かすよ。痛いのは最初だけさ、すぐに気持ちよくなってくるよ」
リッカは最初はゆっくり、そして徐々にはやく腰を振る。リズミカルに突
き上げられると、痛みが段々と快感に変わっていくのがロックにもはっき
りと分かった。
「あっ、あっ、あっ、あんっ!!!」
女のような声が意図せず自分の口から漏れるのを、ロックは止められない。
「いい声だよ、ロック。女にアナルを犯されて感じるなんて…変態だねぇ?」
リッカが体を密着させ、耳元で呟く。背中に当たる乳首の感触がロックを
更に追い込んでいく。
「かなりMっ気あるみたいだね、ロックは…俺みたいな女にはたまらない
相手だよ…さ、男の子も責めてあげようかね?」
「あぁっ!やめてっ!!」
「ヤバ…ほんと可愛い…夢中になっちゃいそう…」
リッカは体が震えるほどの高揚感を感じていた。ロックが喘ぐたびにのめ
り込み、もっと責めたくなってくる。
「ほ〜ら、突かれるたびにビクンビクンッて喜んでるお前のマゾチンポ…
扱いてやるよ…」
リッカは両手をペニスに移動させると左手で亀頭を、右手で竿を扱きだす。
途端に、バックを責められる痛みが吹き飛んでペニスとシンクロし耐え難
い快感となってロックを襲った。
「あぁぁっ!!!やめっ、やめてぇぇっ!おかしくなっちゃうぅ!!!」
恥も外聞も無くロックは叫ぶ。だが、その言葉はリッカを喜ばせるだけだ
った。
「ほらほらっ!ほらほらほらぁっ!!男がお尻犯されてイクの!?女の子
みたいに喘ぎながらイちゃうのか!?この変態!マゾ変態っ!!!イケよ…
さっさっと負け認めてイッちゃえよ!このマゾ童貞がっ!!!!」
リッカはとどめとばかりに一段と腰を深く付き、さらにつぶすほどの力で
ペニスを握り締めた。
「うぎっ!!あっ…あ゛あ゛あぁぁぁっ〜〜!!!!!!!」
ぶびゅっ、ぶびゅるびゅっ!!!!!!!!!!
リッカの握り締めた指の間から、無様に搾り出された精液が零れ落ちる。
「あぁっ…ダメッ…俺も…」
リッカはロックにもたれかかる様にクタリと倒れる。ロックを責めるのに
興奮したあまり自分もイッてしまったのだ。ロックは快感のあまり失神し、
リッカは術による疲れと肉体疲労とで眠りに落ちていった・・・

頭を誰かが優しく撫でる感触に、ロックは目を覚ました。リッカが優しく
微笑んでいる。
「最高だったよ、ロック」
まるで、男が女に言うような台詞にロックは恥ずかしくなりリッカに背を
向ける。動いた拍子に後ろに鈍い痛みが走り、敗北を教えた。
「・・・なんで、僕が童貞だってわかったの?」
ロックの耳に、とどめを刺さした時のリッカの声が木霊のように残ってい
る。
「お前さぁ、責めるときに何かと自信無さそうにやるからさ。そう言う奴
って回数こなしてないこと多いからね。言ってみたら案の定ってね」
ロックは思い当たる節がありすぎで、嫌になった。自分がいかに未熟か思
い知らされた感じだ。
「ま、これから淫魔と戦って行こうってんならさっさと童貞捨てたほうが
いいぜ?何なら今から俺とするか?ん?」
「勘弁してください…」
これ以上やったら死んでしまいそうだ。ロックは心底思った。
「また今度勝負抜きでやろうぜ?俺、お前には惚れちゃったかも知れない
から」
冗談なのか、本気なのか良く分からない表情でリッカは笑う。
「僕の負けってことは…話さなきゃいけないんですか…」
「んー、何かもうどうでもいいや。それより朝まで隣にいて・・・」
リッカは再び目を閉じ、寝息を立て始める。ロックはそのままリッカの胸
の中で朝まで眠った。


次の日、宿を出た二人は再会を約束し別れた。ロックは儀式を行う為、雪
山へと向かう。そこに待ち受ける危機に気づくはずも無く・・・

                     封淫記 第一章 三話完




























エロSSも結構こなれてきた感じ。
いつも感想くれてる方dクス。励みにして頑張ります。

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