「クラは大丈夫かよ……」
「信じるしかない」
四人は淫魔によって作りかえられた宮殿の中を走りぬけていた。
宮殿の中は恐ろしいほど静かで、途中の部屋も中はがらんどう、何人が居るのかもよくわからなかった。
「もう淫魔は全て外に出たのか」
「だといいんだけどな。中に戻ってこられちゃたまらない」
コウとナカムラの会話の不安は、四人全員が共通してもっているものだった。
あの五匹の淫魔、そしてストラはいなかったから足せば六匹。そして、もし本当にいるのならボスである主で七匹。
七回、淫魔と戦わなければならない。全員が死力を振り絞っても勝てるかどうかはわからなかった。
「ちっ、二手に分かれてやがる」
一番先頭のカイが止まった。四人の前には二つの扉。 「別れるか」
「危ないな。こういう時に別れるのは危険だ」
「そうだよな。なら、四人で一気に同じ方に行くぞ」
「じゃあどっちにするか」
ナカムラが考えようと顎に手を当てたが、 「いや、迷ってる暇はない。右にしよう」
悩む三人を制して、コウが右のドアへと近づく。
(急がなければ、クラが……)
その気持ちが、コウを動かしていた。
「なら、ついていくぜ」
カイがそのあとに続こうとする。
「そうだな……じゃあ、っ!!?」
その時、左の扉が急に開いた。
「本当にそちらでいいのかしら?」
そこには先ほどの淫魔、アリアとリリが居た。
アリアの豊かな起伏を示す肉体と、リリのまだ年端もいかない肉体のコントラスト。二人とも肌を光らせ、
美しい青い髪が肉体の動きに合わせて滑らかに流れる。
「っと、ってことはこっちは覗かれちゃまずいのか?」
「いいえ、そちらはストラの部屋に向かうけど、今はいない。だから行ってもしょうがないわ。あなたたち、淫魔のせん滅が目的なんでしょう?」
ほほ笑みながら、アリアは青いドレスの上から自身の淫らな肉体をまさぐる。
「なら、私達とやるべきじゃなくて?」
品定めをするように四人を上からしたまで舐めるようにみるアリア。
「まぁお前を倒さないといけないのは決まってるな」
カイが進もうとすると、 「こっちがストラの部屋……まさかタチバナ……」
「あ、おい!!」
突然、コウは右の扉を開け、進んで行く。ナカムラが叫ぶが、止まらない。
「冷静でないと、やられるぞ!」
だが、通路の奥まで進んで行くコウは軽く手を振ると、大丈夫、といい、進んで行く。
「しょうがない、俺もこちらへ行く。」
「ヨシダ……頼んだ」
ヨシダが後へと続き、ナカムラとカイが左の部屋に進む事になった。
カイとナカムラが進んだ部屋には絨毯が敷き詰められ、リリとアリアと向き合っていた。
「結局、二人ずつで別れちゃったけど、平気なのかしら?」
「信頼しているしな。それに、あの真ん中が居ない所を観ると、クラにやられたみたいだぜ?」
カイが挑発するように笑うと、リリが口をとがらせる。
「ハン。お姉ちゃんが負けるわけないよ」
「なんだと……」
「落ちつけ、カイ」
「わかってる。とっとと、やっちまおうぜ。俺はこっちをやる」
カイがアリアの前に、ナカムラがリリの前に立つ。
「いい男ね」
「おにいちゃん、なんだか弱そうだねー?」
アリアとリリが服を脱ぎ捨てる。
戦いがはじまった。
「さっさと終わらせてやるよ」
「それはすぐにはしたなくイっちゃうってことかしら? 見た目によらず早漏なのね」
「試してみるか?」
「ええ」
アリア笑いながらが指を自らの乳房に這わせ、沈み込ませる。
柔らかく、力に逆らわず美しく形をゆがませる乳房。
その淫らな様をみせつけられ、こらえ切れずカイのペニスが跳ねる。
「これは本当に早そうね……」
「ちっ……」
カイとアリアがお互いの肉体を絡ませ、愛撫し合う。
カイがアリアの肉つきの良い尻に手を這わせ、アリアがカイの勃起したペニスを撫であげる。
お互いの口は絡まり合い、唾液がグチュグチュと音を立てる。
横をみると、ナカムラの身体にしがみつくようにリリが絡まり、激しいキスの応酬になっていた。
「ぷはっ……リリの方なんて気にしないで」
「愉しいだ?」
「快感は悦び、悦びは愉しみよ。違う?」
アリアは笑うと、カイのペニスを撫であげる。
「うっ……」
アリアの肉体を前にして、カイのペニスは涙を流し始めていた。
「私に一直線に来たということは、やっぱり大きいお尻? それともお乳が好みなの?」
そう言って、両手でカイのペニスを扱きながら、腕を使って胸を寄せ挙げる。
「ぁ……」
カイの目が胸に吸い寄せられる。
「私、このおっきいお乳が弱点なの……責めてみて?」
アリアの腕によって目の前で姿を変える乳房。
カイは生唾を飲み込んだ。尻を愛撫していた手がゆっくりと胸に伸びて行く。
「あぁっ!!……んっ……イイ……」
カイの手が巨乳を揉みこみ、乳首を強くしゃぶる。 アリアが嬌声を上げながらのけぞり、紅潮した首筋に汗が流れる。
「ふふっ、お、大口をたたいといて、誘惑には弱いのね……」
両手で扱きあげられるカイのペニスは涙を流し続け、発作のように身体を震わせ、アリアの胸に顔をうずめたまま、カイは喘ぎ声を上げる。
アリアの口からも喘ぎが漏れて行くが、表情には明らかに愉しんでいる余裕があった。
壁に背中を預け、カイを胸におぼれさせ、ペニスを扱く。
「いい子ね……」
隣を見ると、69の姿勢になったナカムラとリリ。
二人とも防御を忘れたように一心腐乱に責めあげている。
「あの子ったら、また防御を忘れて……こらえが効かないっていうのに……」
アリアのペニスを責める手の動きが激しくなり、イカせる動きへと変わった。
「さ、イッっちゃいましょうか、誘惑に弱いエッチな戦士さん?」
激しくなった手の動きに合わせ、カイの身体の震えがまして、喘ぎ声が大きくなる。
「さぁ…………あんっ」
アリアも激しく胸を責められながらも、汗を滴らせる顔からは余裕が消えない。
そして射精を耐えるようなカイの下半身の震えが止まる。 「さぁっ……!! 出しちゃいなさい!!」
カイの息が谷間の中で止まった。そして……
「いいかげんにしろ!! カイ!!」
ナカムラの声が響いた。69で責めあいながらも、大きく叫ぶ。
「……ふざけてはねぇ! 俺だってギリギリだよ!!」
途端に、魅了されていたはずのカイが谷間から顔を上げる。イク寸前だったはずのペニスは、まだ達してはいなかった。
「なっ!!」
思わずアリアの手が止まる。
「別に悪くねぇがっ、俺は身体が控えめな女の方が好きなんでね!」
カイは息が乱れながらも、笑みを浮かべる。
「そんあふざけたっ、アァッ!!?」
アリアの身体の震えが大きくなる。喘ぎ声が大きくなった。
(よし……!!)
みたところ、アリアもかなり快感が受け、力が抜けているのがわかる。
「こうするといいみたいだな!!」
「なにをですっ、ンッ、ンァァ!!?」
カイは両手で下からつよく乳房を揉みあげ、両の乳首を合わせて吸う。
アリアの肉体が伸びあがり、電流が流れたように震えるのがわかった。
「さすがに、これだけ責めさせてもらえばわかるっつうの……!」
(こういうのは、ムラの方が得意だけどなっ……)
所詮好みどうこうははったりで、ギリギリのギリギリまで追い詰められたのは事実だった。だが、
「ここで負けるわけにはいかねぇっ……」
使命感、プライドがカイを支えていた。 アリアの手がペニスからカイの手を邪魔するように動くが、力ない。
(こ、このままっ……)
アリアをイカせ、ナカムラの援護に行く。そう決意してピッチをあげていくカイ。
「イカせてやる……!」
「ハァッ、、ッァッ、ンンッ!!」
「おねえちゃん!! リリ!! 大丈夫?」
「「なっ!?」」
だが、突如として響いた声に、二人が止まる。
「アイネッ……!」
入ってきた方の扉から、アイネゆっくりと迫ってきていた。
ナカムラはリリの絡みつくような動き、激しいキス、豊満ではないが、柔らかい肉体に悩まされながらも、なんとか責め続けていた。
見かけによらない的確な動きに、自らより小さい肉体に組み伏せられる屈辱を味わいながらも、防御を怠るリリを下から責めあげ、勝機が見えたと思った瞬間、もう一匹の淫魔の登場に、叫んでしまう。
「お、お前、クラを……」
ナカムラが怒りを覚えながら言うと、
「あんな奴にアタシが負けるわけないじゃん。次は、君をイカせてあげるよ……」
「おねえちゃん!!」
妖艶な笑みを浮かべながらアイネがゆっくりとこちらに来る。
「くっ、ムラ!!」
アリアをイカせる直前だったはずのカイがこちらをみながら叫ぶ。
(くそっ、考えろ……考えろ……二対一、出来るか……?)
アイネがもうすぐそこまで迫ってきている。
1、助けを求める。
(無理だっ!俺はカイより劣る……二対一は……)
リリの与える快楽と、目の前に迫るアイネの責めが合わさった時に感じるであろう快感を予想し、ナカムラの身体は震えた。
「くそっ!! 助けてくれ!!」
思わずそう叫んでしまう。
「ま、待ってろ!! ウッ?! アゥ?、アアッっ!!」
それに応えてくれたはずのカイの喘ぎが響く。
「ふふっ、よそ見して勝てると思われるなんて、心外ですわ……」
みると、カイが逆に壁際に押し付けられていた。下半身にまとわりつくアリアの拘束は、解けそうにない。
胸を責めていたはずのカイの隙をついて、アリアが体勢を組み替えていた。
「本当に控えめな身体がいいのか、こっちに尋ねてみましょうか……」
「ァッ、オゥッ、アヒッ……」
カイのペニスがアリアの胸に閉じ込められ、見えなくなる。
カイの顔がこらえ切れずゆるんでいく。悦んでいるのは明白だった。
「く、くそ……」
「さぁさぁ、他人の心配なんてしてる場合じゃないんじゃなーい?」
みると、顔の真上にアイネがたっていた。
「うっ……」
リリの下半身を固定していた両手をゆっくりと外される。
「おねえちゃん!」
「さぁリリ、おにいさんをいっぱい気持ちよくしてあげようね?」
「うん!!」
拘束がとれたリリは無邪気な声をあげ、69からナカムラの股の間に位置をすばやくずらす。
「……じゃあおにいさんは、アタシを責めてよ?」
「何をっ、ンッ?!!」
そう言って顔を淫らにゆがませると、ゆっくりとナカムラの顔の上に腰をおろしていく。
滴る愛液が顔をぬらし、秘所の匂いをかがされる。
「ほらほら!!」
舌を反射的に出して責めようとするが、主導権を完全に奪われ、思うように責めることができない。
リリの冷たい手がいまさら、たどたどしさを出すような動きでペニスを扱く。
みることが出来ず、耐えるタイミングもわからないまま、快感が積もっていく。
「うわっ、おにいさんロリコン? あっ、またビクッってなった!! 顔にのっかられて悦ぶ、おまけにロリコンの、ど変態じゃん!!」
己の真上で、愉しそうにアイネが笑う。その屈辱も、しかし身体を震わせた。
(だめだっ、だめだぁっ アァ……)
「戦士のくせに!! 変態!!」
「おにいちゃんの変態!!」
(く、くそぉっへ、ヘンタイ……ぼくがぁ……) 拘束は溶けず、絶望的な状況に、だんだん身をまかせていってしまう。
ペニスが先端から暖かいものに包まれていく。リリの口内だろう。それを意識した時、腰が跳ね上がった。
「さぁほら、変態らしくイッてよ!!」
(あひ、アヒッ、アヒィィィィィ!!!!) アイネが強く両の乳首をひねった時、ナカムラの我慢は限界に達した。
アイネの腰を掴んでいた手が力なく倒れ、ペニスは激しい勢いで敗北の証を見せつけていた。
「ぷはっ……すっごーい!」
リリの声に、また腰が震え、扱きに合わせリリの口内では到底受け止めきれない精液が吹きあがる。
「あ! あっちのおにいさんも、お姉ちゃんのオッパイの中でイッっちゃったみたいだよ、おにいさん達の負けだねぇ!!」
「ウォッ!! ウウゥゥゥウ!!!?」
「さぁ、もっともっと出してくださいな」
激しい快楽に流されるナカムラの耳に、カイの喘ぎとアリアの誘うような声が微かに聞こえる。
「さぁ指輪指輪……♪」
絶望的な快感の中、ナカムラは指輪が抜き取られるのを感じた。
2、待て!!
(ま、待て!! ひょっとして……)
助けを叫びそうになったすんでの所でナカムラは思いとどまる。 「あれ、助けをよばなくてもいいの?」
「お前ら二人くらい、俺一人で十分だ」
「なっ、へぇ……」
アイネが顔をゆがませ、こちらに近づいてくる。
「カイ!! お前はその淫魔を確実に倒すんだ! 頼んだぞ!」
「お、おう!!」
カイの返事を聞いて、覚悟を決める。
次の瞬間、一気にアイネがナカムラの顔に覆いかぶさってきた。
「ンッ?!!!」
顔にまたがれ、リリの身体が股の間に滑り込んできたのを感じる。
もう濡れに濡れていて、考え通り、クラとの戦いのダメージが抜けきっていない。
視界を封じて、混乱させるのが狙いだろう。だが、
(あいつが勝つまで……耐え抜く!!)
「い、いいのかしらっ、お友達が、このままじゃやられちゃいますわ? っ、ァァッ!!?」
「それより、さっさとイキやがれ!!」
カイは必死に快感を耐えながら、的確にアリアを悦ばせていく。
「そんなっ!! アアァッ……ウソ……ウソ……」 (負けられるか……)
アリアは快感を逃がすように大きく息を吸い、吐きだす。最後の抵抗と言わんばかりに、脚でペニスを責めて来る。
カイはそれに耐えながら、強く胸を揉み、喘ぎそらした首を愛撫し、耳をしゃぶる。
アリアの震えが止まった。
「イケ……!!」
激しく喘ぐアリアの唇をふさぎ、乳首をつねり、強く揉んだ時だった。
「アァンッ!!! ンッ!!!……あ……アアアア!!!!!」
ひときわ甲高い声をあげるアリア。カイと壁の間で激しく身体を震わせのけぞる。
(か、勝った……)
限界まではれ上がったペニスに当たっていた脚の感覚がゆっくりなくなっていく。
「あ、アナタ……すっごく、強いのね……」
アリアが放心したような表情で呟く。薄くなっていくアリア
「でも、ア、アナタやっぱり、おっきなお乳が好きになる素質……ありますわ」
「ハァ……ハァッ……なんじゃそりゃ。んなもんねぇよ」
「それは……私が……教え込みたかったですわね」
アリアはそう言い残すと、消えた。
「ムラッ……!!」
急いでナカムラに駆け寄っていき、顔に覆いかぶさっていたアイネに向かう。
「うそ……お、お姉ちゃんがっ」
慌てて立ちあがり、体勢を立て直そうとするアイネ。
だが、顔は明らかに上気し、喘いでいる。相当ナカムラが激しく責めたのだろうか。
「ぷはっ……カイ! そいつはクラの時のダメージが残ってる。あとひと押しだ!」
「そういうことかっ……」
「なっ、一度イッたのに、まだ喋れたなんて……」
(なっ、ムラ……)
ムラの顔をよく見ると、涎や涙の後が見えるが、まだ闘志は失っていない。
「大丈夫だ、そいつを頼む!」
「わかった……」
アイネと向かい合い、すかさず距離を詰め、愛撫する。
「アアッ……」
こらえ切れず声を漏らす。
「限界みたいだな……さっきの借り、返させてもらうぜ……!」
「ハハ……大した……戦士っぷりじゃん……」
観念したかのように呟くアイネ。
時間は、かからなかった。
「なんとか……勝てたな……」
「ああ……指輪は、もう使えなくなったけどな」
少し後、その部屋にはなんとか辛勝を収めた二人が立っていた。
「あの二人はどうなったんだろうか」
「それを確かめねぇと、一度戻るぞ」
二人ともギリギリまで追い詰められていた。その意味でも、一度四人で集まらなければ。
「なかなかやるじゃない」
その二人に、後ろから声がかかる。
「誰だ!」
二人は見回す。
「あの子たちを倒すなんて期待大ね」
部屋の向こう側、おそらく奥にすすむ道の方に、あの時の背の高い金髪の淫魔が立っていた。長い金髪の間からこちらを見つめる垂れた目から、淫らな視線が飛んでくる。
身長はカイより少し小さく、ナカムラより大きい。
首元から下を覆う紫の布の下では、曲線美を描く豊満な肉体が強く存在を主張し、
抑えきれない淫媚な香りを放つ。
布の下からでも、尻と胸が、引き締まった身体から強くコントラストを主張していた。
「てめぇは何だ!」
「さぁ? またアタシが居る所にまで来れたら教えてあげるわ。」
そう言ってほほ笑む。
(な、なんだこいつは……)
ナカムラはぞくりと身体が震えるのを感じた。あのストラのような力を感じる。もしこいつと戦う事になったら……
「じゃあね。アタシは自分の部屋で待ってるわ」
「逃げるのか?」
「まさか……万全の状態のあなた達とやりたいのよ……愉しませてちょうだい」
そう言うと姿を消した。
「待て!……ちっ」
「とりあえず戻ろう」
「ああ」
淫魔の存在を後ろに感じつつ、二人は部屋を後にした。
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