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宮殿(レベル4)








「おぉ、お前達も無事か」

部屋に三人が入ると、ナカムラとカイがそこに居た。

「ああ。ただ残りの三人がどこかへ行ってしまった」

「負けてなかったらいいけどな」

その声がむなしくホールに響く。
「とにかく進むしかない」


「ああ」

その声に、ホールにいる全員がうなずいた
見まわすと、古い作りの屋敷になっていた。それぞれ右左の両方にドアがあり、正面には大きな階段。昇った先にはまたドアがあった。

「ドアが少なくないか……?」

「その通りだな」
少なくとも大きさに見合ったものになっていない。

一体これは……?
「これはね、大きすぎるからちょっと改造したの」

五人が一斉に上を向く。
階段の先、二階の正面にあるドアの前に、アイネが居た。


時計台の上に居た時に見た通りの、引き締まった身体つき。実際、何年生きているのかはわからないが、若い外見の淫魔だ。

肩の所でまとめた短い青い髪が揺れる。目は藍色だった。
「もうそこまで貴様らの仲間が居ない。という事だな」
ナカムラが言うと、アイネが笑った。

「まぁたしかにそうかもね。けど、たった五人しかいないおにいさん達に言える事なの?」

「まだ後ろにたくさんいる! お前は一人で勝つつもりか?」
俺がそう叫ぶと、高笑いを上げるアイネ。
「そうかしら? 今、庭には私よりずっと強い方が居るよ」
「何っ!?」

コウが後ろを見る。

アイネという淫魔もかなりの強さを持っているはずだ。
それよりも……?


「まぁ余計な心配はしなくてもいいよ。君達はここで終わりだからね」

そう言うと二階にあるドアが開き、そこから淫魔が数匹、入り込んできた。 「お姉ちゃん、こいつら?」

青い髪を持ち、アイネより若い淫魔、その後ろからは同じく青い髪だが、一番年長の外見をした淫魔。

「リリ、ファイのお返しならたっぷりしたじゃない?」

肉つきは豊かで、青いドレスは肉体の豊かな起伏を示していた。

三人は並び、階段の所からこちらを見降ろしてくる。

そのさらに後ろから大柄な金髪の淫魔と、黒いフードを深くかぶった淫魔が乗り込んできた。

「くそっ」

「さぁ、これで五対五だね?」
コウがにがにがしげに呟く。

「後ろからの増援を待つか?」

「いや、もし淫魔が来たらまずいことになる」



ナカムラとカイも喋るが、硬直が訪れた。

だがここで立ち止まっている暇も余裕もない…… 「いや、ここは四人とも先に行け」

「なっ、クラ!」

「さすがに無理だろ!」



皆が止めに入ってきた。

「いや、考えがある。後ろからいつ敵が来るかなんて状況で総力戦はまずい」

「でもよ」
「信じてくれ」

おそらく、一番まずいのはあの後ろの金髪の淫魔と隣のフードの奴だ。金髪の淫魔はドアの所に凭れかかっているだけだが、
そのむせかえるような香りがここまで漂ってくるような色気だった。はちきれそうな紫の服を撫でながら垂れ目を細め、薄く笑いながらこちらを見て来る。

そしてフードの奴は何を考えているのかもわからない。そもそも顔が見えなかった。

そしてまだ、姿が見えていない奴がいる。

この状況では、まずい。



「わかった」

「ムラ?」
「信じよう」
コウとヨシダもうなずき、
「……わかった。死ぬなよ」

カイも不承不承呟いた。

「あっ、逃げるんだ」

「逃げねぇよボケ! 後で殺してやっからな!」
楽しそうに言うアイネに大声でカイが返す。
四人とも、左のドアへと向かっていく。

「クラ」
「なんだ」



「これ以上死なれたらこまる。頼んだぞ」

「ああ」

まかせろ……!




四人は、ドアの向こうへと消えた。

「あらあら、勇敢だねぇ。で、どうするの?五人で一遍に気持ちよくしてもらいたいわけ?」

「あれ、五人でここにいるのは無理じゃないの?」

「リリ!」
「いや、どの道ばれるよ?」

「アタシは五人一遍でもよかったんだけど。こっちはアタシ一人で」

「ルアさん!!」

「なんだかまとまってなかったようで残念だな! 一人じゃ勝負する勇気も出ないってか!!」



これは好都合だ。

「なっ……」

「見え透いた挑発よアイネ。落ち着きなさい」

「……わかってるわ」


「どうした! こっちは一人だ! 正々堂々、一対一で来い!」

「……四人とも、持ち場に戻っていて」

「あら、いいの? 増援しなくて?」

それに答えることなく、ゆっくりと翼をはためかせ、アイネがこちらに向かってくる。

「…じゃあアタシは戻るわ」

「ちょっとルア!」
「事実、アタシがいないと困るわ。それに」

こちらに近づいてくるアイネの表情が淫らな陰を見せ始めた。

「結局皆興奮してるのよ……あなたもでしょ? アリア」

そう言いながらルアと呼ばれた金髪の淫魔は姿を消した。

「っ……」
「お姉ちゃん?」

アリアと呼ばれた淫魔は少し下を見ていたが、やがてにっこりと笑って。

「戻りましょう。アナタ、アイネの様子を見ていてくださるかしら?」

黒いフードの淫魔に言うと、後を追うようにドアの向こうへと消えた。

「案外簡単にバレてしまうものなのですね」

最後の声は俺には聞こえなかった。


「よくもまぁ言ってくれたねぇ」


俺の目の前に立つと、若い肉体を見せつけるように立つ。

青い服を脱ぎ捨てると、伸びた手足が視線に飛び込んでくる。 ほっそりとした肩に着いた筋肉に引っ張られハリのある乳房が揺れる。

重力に逆らって上向くピンク色の乳首。

尻は小さく丸みを帯びて、肌が白く光る。 無邪気さだけでなく、淫蕩な光を纏った目が、こちらを見上げて来る。

俺は無意識に生唾を呑み込んでいた。 「おにいさんの生意気なチンチンに」



アイネの視線の先には俺のペニスがあった。

すでに硬く張り詰め、天を仰いでいる。


それを見て唇をゆがめる。 「たっぷりと快感を教え込んであげるよ……」

「……来い!」

だが俺も負けるわけにはいかない!

正面から来るアイネを受け止める。

黒いフードの淫魔が、それを黙って見降ろしていた。




二人の唇が混ざり合う。

「はぁ……んっ」



アイネの悩ましい吐息が顔にかかり、ドクン、ドクンと鼓動が速くなるのを感じる。

背中をやさしく愛撫し、尻へと指を這わす。

アイネの指が俺の乳首をクリクリと弄び、ゆっくりとペニスまで降りて来る。

昂ぶるオレの身体と比べて、それはとても冷たい指だった。
「うっ!」

熱く昂ぶるペニスに触れられ、思わず声が漏れる。
「んっ……ふふ……」
それを確認すると、キスをしながら目を細めるアイネ。

ほほ笑むとそれは若く汚れのない乙女のようでもあり、俺の感覚を鈍らせる。

淫魔とやっているという事を忘れそうだ。
だが、

(ま、惑わされるな……)

そう、ここまできてこの程度の誘惑に負けるわけにはいかない。

ゆっくりと扱かれるペニスが涙を流し始めるのも時間の問題だ。

ジンジンとペニスが熱くなっていく感覚を我慢しながら、腹に手を這わせ、乳房を揉む。

柔らかい感触に指が犯される。

「……ぁん」

アイネが感じている……よし……

乳首をやさしく擦りながら、舌を深く差し入れ、アイネの口内を蹂躙する。

必死に侵入を防いでくるアイネの舌に絡みつき、かわし、歯ぐきを蹂躙する。

「ふぁんっ」


アイネが少し身体を反らした。よし……!

「へっ…」 俺は少し目を細め、責めをつよくする。



このまま押し倒せれば…… だが、

「んんっ?!」



俺は思わぬ反撃を食らった。 このまま押し切れると思った口内でアイネの舌が強引に俺を押し返してくる。

そりかえっていた肉体も、オレをはじき返すように押し戻してきた。

どうしてっ……

(普通っ……退いて体勢を整えるだろっ……!)


「ぷはっ……おにいさんっ、私は……負けず嫌いなのっ……!」

「ふぁぁっ!?」


そう言うとペニスを激しく扱かれ、アナルの辺りにアイネの指が這っているのがわかる

まとわりつくような快感にペニスが泣き始めた。

腰の力が抜けて来る。

乳房への愛撫がハリのある肌に跳ね返され、快感に震える。
「くっ……んっ?!」

今度は俺の口内が犯される番だった

歯ぐきを舐め上げられると、アイネの唾液が舌づたいにオレの喉へと入り込んでくる。

「んっ……」


防ぐすべもなく飲み込んでしまう。

ドクドクと血液の流れが加速し、ペニスがガチガチに固まっていく。

徐々に身体が押され、腰が引け始めた。

目の前にはほほ笑みを浮かべるアイネの淫らな顔。

くそっ……!!




1、一旦体勢を




(なんて……しつこさだ。一旦、距離を……)

そう思い、ずり、ずりと脚を下げる


「んん!!」

そこにアイネの長い脚が絡んできた!!

(くそっ! ……いや、おちつけ!)


なんとか体勢を立て直そうと、腰で踏ん張る。

「ぷはっ……ふふ」

だが、それを見ていたアイネの動きは速かった。

「あひっ!!?」


アナルに強烈な刺激が走る。

「ほらっ、ほらっ!!」

「うぅん!? ああぁんっ!」

恥ずかしい声が俺の口から洩れて行く。

腰から力が抜け、ゆっくりとオレの身体がアイネの肉体に押し倒されていく。

絨毯の上へ、思い切り倒れ込んだ。

「もーらいっ」

オレの身体の上にまたがり、満面の笑みを浮かべるアイネ。

ペニスは、アイネの尻の下にあった。

奇をてらわないアイネの正面突破の戦法


一瞬でも退く事を考えたのがバカだった……!!

(っ!後悔するより!!)

なんとか体勢を立てなおなさないと!
「そんな事させるとでも?」


「カアアアアッ……!!」

俺の四肢に力が込められたのを敏感に察知したアイネが、ペニスの上で激しく尻をふる。

勃起したペニスの裏筋を、激しい勢いで引き締まった尻が動く。

身体をそらせ、快感に悶える。


宙をさまよった両手が握りあわされる。
「ふふっ、おにいさん。最初の勢いはどこへ行ったの?」

「くそぉ……」

屈辱的な言葉にも、反撃することができない。

アイネの尻が浮き、ガチガチのペニスが天を仰ぐ。

「ほらほらっ!!」

すばやくアイネが腰を下ろすと、オレのペニスは膣へと導かれていた。


暖かく、きつい締め付けが、ペニスを包み込む!

「うああっ!!」


スパァン!!

小気味よくすらある音を立て、肉と肉がぶつかり合う。

「はっ、はっ、はっ、」

「アッ、アン……」

なんとか反撃しようとアイネの動きを迎え撃つが、アイネはペニスと握り合う両手を支点にして、自在に俺を乗りこなしていく。

ギチギチと締まった膣と容赦のない激しい動きに、オレのペニスは悦んでしまっていた。

「クソッ……クソォ!! このっ!!」


「何っ?」


「アヒィ!!」

無意識に出る言葉すら、アイネの荒々しい動きに御されてしまう。

(だめだ……押し切られるっ……ああああ!!!)


「ほらっ、イッちゃいないよ!! おにいさん!!」


ひときわ激しくアイネが動く。

精液が駆け上がっていくのがわかる。

(ああっ、イクッ、イクゥゥゥ!!)


「ああああああ!!!」


身体が勝手にそり上がり、精液が激しくアイネの中へと迸った。

「あぁん……すごい精液じゃん……」

アイネが味わうように腰の動きを止めているのがわかる。

だがその最中も膣の律動はとまらず、ペニスは狂ったように精液をささげていた。

激しい快感と引き換えに、生命力をささげているのがわかる。

だがっ、一度止まレバ……指輪があれバッ……!

だが、その希望はアイネによって摘み取られた。 「いいよおにいさん……もっとちょうだい!!」


アイネが目を光らせる。 快感の中で、ぞくりと背筋が震えた。

スパァン!!


「アアッ!? アヒッ!!!」


射精の最中だが、先ほどと同じ、いやそれ以上の強さでペニスを責め始めた!!

「シヌっ!! ジヌッ!」

「指輪着けてるんでしょっ?? だったらこれくらいがちょうどいいよっ!!」

まったく容赦のない腰の動きが、さらに搾精のスピードを早める。

信じられない量の精液が迸り、弱りかけてもすぐに昂ぶらされる。

地獄のような快楽の中、ゆっくりと意識が消えて行く。

消えゆく視界の隅に、入ってきたドアが開いたのが見えた。

「あらあら、アイネちゃんも中々じゃない……」


全てをアイネに捧げ、俺は意識を失った。





2、踏ん張れ!!


いや! もう一度、もう一度だけ押し返すんだ!

「む……ぐ……!」

「っ?」

抜け切りそうな腰の力を入れなおし、渾身の力で押し戻す。

「ぷはっ……アァッ」


痺れかけている舌をもう一度絡ませ、舐め上げて行く。

「んんっ……うそっ……」

アイネも相当昂ぶっていたのだろう、徐々にだが先ほどのように俺が覆いかぶさる体勢になっていく。

「ぷはっ……ふっ」

「はぁっ……はぁっ……」

唇を離すと、息が上がっているのはアイネだった。

「どうだっ……自分より強い奴と戦うのは?」

「なっ、なにをっ、ヒャッ!!」

会話に意識が向いた隙をねらい、乳房を思い切り揉みしだく。

「アッ、アアンッ!」

乳首を舐め、吸い上げると、顔を思い切りそらせ、ついにアイネの脚が後ろに下がった。


逃さず、脚を絡め、押し倒す。

「行くぞっ!」


「イッ! アアァ!!」

のぼせた顔のアイネの股を開き、ペニスを突きこんだ。


素早く両脚を掴み、身体を折りたたむようにより強く開かせる。

見た目にたがわず、アイネの身体は柔らかく曲がった。

「若い身体ってのもっ、不利な時もあるんだな!!」

「クゥゥゥ?! あっ、アタシッ、ガァ!!」

激しく膣がしまり、快感にペニスが包まれるが、かまわずに激しく突きこんでいく。

押し切れるはずだ……!!


「ほらっ、イっちまぇ!」


「アッ……ダメ……ダメェ!!」


甲高くアイネが叫び、身体が震え始める。


もらった……!!!

だがその時、後ろから重い音が響いた。

「あらあら、アイネちゃん、だめねぇ」


背中越しでもわかる艶のある声が耳に入ってくる。

(これは……)

その声を受け、背中が震えた。

パチン、と指がなった。


「オウッ?!」
突如、強い力で押し飛ばされる。

結合がとかれ、絨毯に四肢が放り出された。

「ハッ……ハッ、ハ」

絶え絶えに息をつぐアイネの前に、あの黒いフードで全身を覆った淫魔が立っていた。

いや、淫魔と言うにはあまりにも力強い……?


「ひ、卑怯なっ……」


「あら、クラくんは淫魔に正々堂々とか求めるのぉ?」


頭上から聞き覚えのある声が響く。

横に転がり、先ほどまでギリギリの戦いをしていた下半身に鞭打ち、膝を立て、前を向いた。

視界に淫魔が入り込んできた。



「おまえ……」


西洋の顔立ち、腰のくびれ、尻の丸み、大きい白い乳房。

豊満な肉体からは、むせかえるような香りが漂う。


きらめく艶のある紅い髪は、あの時より伸びていた。

「久しぶりぃ、クラくん?」


「ストラ……! 皆のっ、タチバナのっ……」


かつて俺達の国を侵略し、東の村を一人で全滅させた、あの城の戦いでの淫魔のボス。

城での戦いで俺達は責めあがり、数々の犠牲を出しながらも、友のタチバナと共に淫魔を追い詰めた。


「久しぶりなのに、つれないねぇ」



だが最後の戦いで、東の村のかたき討ちにきたタチバナはストラと戦い、敗れた。

それどころか、憎しみを快感で溶かしつくされ、狂わされ、
俺達が駆け付けた時……タチバナは、ストラが与える快楽の虜になっていた。


先ほどまで戦っていたのだろう、一糸まとわぬ姿で、目の前に居た。

……まずい。



「あれ、クラくんも相当やばかったんだねぇ」

ストラから目がそらせない。ゆっくりとストラが近づいてくる。


限界まで昂ぶっていたペニスは涙を流し続け、肉体が動くたびに、目が追ってしまう。

「ふぁっ……」

ストラに抱きしめられた。胸板がストラの胸に押しつぶされたかのような錯覚を覚える。

艶めかしい肌がこすりあわされるたびに、ペニスからカウパーが溢れた。

力が抜けきり、抵抗ができない。


「ふふっ、今回はしょうがないよ。アタシと合う前にあんなに昂ぶっちゃてたもの。気にせずに、思いっきりイッちゃっていいんだよぉ?」

ペニスがみっちりとした太ももに挟まれ、激しくこすりあわされる。

「ああっ……」


あっという間に、オレのペニスは白旗を上げた。


「ふふっ、出ちゃったねぇ……」

愉しそうにつぶやくと、 ストラがしゃがみこむ。


射精が止まらないペニスが、口内に飲み込まれていくのが見える。

再び、快感が俺を包み込んでいく。


喘ぎ声が漏れているのがわかる。


意識が遠くなっていく。


(く……そ……みん……な……タ……チ)


俺の意識は、そこで途切れた。














「運が良かったねぇアイネちゃん。クラくんは、多分アイネちゃんより強いよ」


「っ……」
玄関ホール。アイネは呼吸を整えながら、唇をかみしめていた。

「持ち場に戻ってくれるかなぁ?」

「……はい」




懲りたのだろう、ストラの指示におとなしく従うアイネ。


黒フードの淫魔はじっと隣に立っていた。 「ストラさん、そのおにいさん、殺さないんですか?」

アイネはストラの横で倒れこむ、クラを見た。


あまりにも一方的な搾精は、すぐに終わった。ストラが切りあげたからだ。

まだクラには生命力が大量に残っている。


「ああ、さっきはなんか不意打ちみたいなものだったしねぇ」


「でも、淫魔に正々堂々なんて求めるなって……んっ」


不思議そうに言うアイネの唇をストラがふさぐ。

「ぷはっ、まぁそうだけどさ、クラくんをここで倒しちゃうのは……つまらないかなってさ」

淫蕩に笑うストラの顔に、アイネは背筋が震えるのを憶えた。


「こんな時でも、遊びですか?」

「まぁねぇ」

「……やっぱり、主様以外にストラさんに匹敵するのって」

「ルアぐらいかなぁ。後ノアとか?」

その答えを聞いて、アイネは差を思い知った。


「おーこわ。……では失礼します」

ゆっくりと、二階へ戻っていく。


「がんばって」

「そう言えばストラさんはどこに?」

「秘密」

心底愉しんでいるストラの顔を見、アイネはホールを去った。


「さて……行こうかな。悪いけど、クラくんを運んでくれる? アタシの部屋によろしくね」


ストラが、慣れた調子で黒フードの淫魔に命令を下した。


「……承知しました」

淫魔が近づき、クラの顔を見ると、しばしとまった。


「どうしたのぉ」

「いえ」


しゃがみ、淫魔としてはありえない力でもってクラを持ち上げる。


「もしかして、感概でもあるかな?」

「……ありません」


持ち上げた拍子に、フードが顔から落ちた。


淫魔ではない。人間の、男。


「よしよし。確認しておくよ? 君は?」

「…………ストラ様の、ペットです」



目は、黒く濁っていた。



一カ月くらいたってしまいました……が、4をアップすることができました。

結構書くのが楽と言うか、楽しい感じになってきてます。
また感想等ありましたらぜひお願いします!!

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