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とあるハンターのおっぱい敗北記:第二十一章

 何だ今の絹を裂く様な声?僕の喉はあんな声出せたのか?
いや、今はそんな事はどうでもいい。問題なのは…

「うふふ…」

 にっこりと微笑むネピアさん。妖艶な雰囲気はそのままに、何処か
可愛くも見えてしまう程上機嫌な顔だ。さっきの悲壮感溢れる顔も
美しかったけど、反動で今はもう美しいなんて物じゃない。
溢れ出てくる嬉しさと慈しみと欲望がひしひしと伝わってきて…
蛇に睨まれた蛙の気分がなんとなく分かった気がする。

「あはっ♪」

 にこにこと笑うラクタちゃん。彼女は何時も無邪気で素直で
人懐っこいけど、今までのそれは演技でこれからが本心じゃないかと
思えてしまう程の変わり様だ。穢れなき子供の純粋な愛情が
そっくりそのままいやらしさに変換されていて、拒絶しようがない。
飼われたばかりの小動物は今の僕みたいに怯えるんだろうか?

 淫らで優しすぎる女神と欲望に素直な愛らしい天使の姉妹がここにいる。
そして僕は二人に捧げられた生贄…って現実逃避している場合じゃない!

 しっかりしろ、僕!いくらもうハンターじゃないからって、いくら相手が
僕を骨抜きにした淫魔だからって、男としてもう少ししっかり…!

「キミと出会えて本当に良かったわ。ふふ、うふ、うふふふ」

「大丈夫だよお兄ちゃん、嫌な事はしないから…じゅるり」

「は、は、は…」

 無理です。どうしようもありません。まな板の上の魚です。

 今日の教訓。淫魔に真心から告白して求愛すると大変な事になる。
ああ、僕はこの教訓を誰かに伝える事が出来るのかなあ…

「あ、あの、二人とも…優しくしてね…?」

 今の二人相手だと手加減して貰わなかったらどうなるか、考えたくもない。
ここはなんとかキツい責めを回避しておかないと。

「大丈夫よ坊や。決してイかせ過ぎたり焦らしたりしないわ」

「とろっとろのめろっめろにしてあげるからね〜♪」

 あ、二人とも少し落ち着いたな。多分。きっとそうだ。少なくとも
さっきの肉食獣みたいな雰囲気は減ったし…その代わり頭脳と理性で
追い詰めてきそうな気もするけど、それは考えない事にしよう。

「それじゃ、久しぶりだし私から…」

「えー!お姉ちゃんの後からじゃボクなんて見劣りするじゃないー!」

「ふふん、それは貴女が悪いのよ。ここは戦場帰りの姉を気遣いなさい」

「姉なんだから妹を優遇してよ!ね、お兄ちゃん?」

 あれ?いきなりケンカし始めた?って言うか僕に振らないで欲しい!

「あら、坊やに選んでもらう趣向?それはそれで良いかもね」

「お兄ちゃん、お願い!ボクに先にやらせて!」

「う、う〜ん…」

 ああ、あっと言う間に僕が選ばないといけない流れになった。
さっきまではあんなに仲が良かったのに、それでも姉妹喧嘩ってするんだ…
こうなったら仕方が無い。サクッと決めないと面倒な事になりそうだ。

 問題はどっちから?だけど…ううん、どっちも捨て難い。
だけどそんな事を言ったら二人同時に!なんて言われかねない。
それは怖すぎる。だったらここは純粋に安全面の意味で…

「じゃあ、ラクタちゃんに先に…」

「わーい!」

「ええ〜…」

 ネピアさんの方が底知れぬ怖さがあるのと、僕を恥ずかしがらせるのが
上手いから後回しにしておこう。怖いのを後にしたのか、それとも
楽しみを後に取っておいたのかは自分でも判断出来ないけど…
あ、ネピアさん、そんな可愛く口を尖らせないで…

「しょうがないわね、もう。私って良い姉だわ」

 何とか納得して貰えたみたいだ。って、あれ?

 ぽろん。

 なんでおっぱいを…ドレスをずらしておっぱい…ネピアさんのおっぱい…
うわ、思わず飛び込みそうになっていた!危ない危ない。

「ちょっとお姉ちゃん!お兄ちゃんはボクを選んだんだよ!」

「分かっているわよ。でもこれ位良いでしょ?」

 あ、僕の後ろに…?

 ふわり。
 むにゅうん。

「ああっ…」

「ふふふ。なんて抱き心地が良いのかしら」

 う、後ろから抱かれた…しかもおっぱいの中にずぶずぶ吸い込まれて…
耳どころか頬にまでおっぱいを感じる。な、なんて気持ち良いんだ…
やっぱりネピアさんのおっぱいは優しすぎる…

「む〜〜〜…」

 うわ、ラクタちゃんそんなに睨まないでよ。僕がネピアさんに逆らえる訳
無いでしょ?ああ、これからはこの二人がケンカしない様に上手く
立ち回らないといけなさそうだ…出来るのかな、僕。

「ほらほら、早くしないと坊やは私におっぱい枕されているだけで
イッちゃうかも知れないわよ〜?それならそれで良いけどね」

 さわさわ。

「ひゃう…ネピアさあん…」

 手袋つきの手でパジャマ越しに撫でられる。それだけでほんの少しだけ
くすぐったい性感を塗りつけられていく。しかも力が抜けていくとますます
おっぱい枕が気持ちよくて…気を抜くと本当にこれだけでイきそう…

「もう!お兄ちゃんったら、ボクのおっぱいも見てよ!」

 ぼろんっ。
 ぶるんっ。

「うあっ」

 お、おっぱい!ラクタちゃんの凄く良く弾むおっぱい!今まで何度も
見てきた筈なのに、こうやって堂々と見せ付けられるとそれだけで
初めて見た時みたいに心臓とチンポが跳ね上がる!

「ほらほら!昨日だってあんなにイかせてあげたでしょ!」

 ぶるんぶるん!

「うわああ…」

 おっぱいが、すごく、上下に。目が離せない。おっぱいしか見えない。
頭の中が、おっぱい、ばっかりに。おっぱいが揺れる。

「ラクタ?そのままだと坊や、それだけでイっちゃうわよ?」

「あ…」

 と、止まった。ラクタちゃんがおっぱいをぶるんぶるんさせるのを
止めてくれた。なんだかあのままイッてみたかった気もするけど…
いやいやいや、それは流石に。うっ、チンポがギンギンだ。

「ほら、落ち着きなさい。そのままだと坊やが辛いわよ?」

「う、うん。お兄ちゃん、ごめんね?」

「いや…大丈夫だよ、なんとか…」

 まだ激しく上下するおっぱいの残像が目の前にちらついているけど、
きっと大丈夫だ。きっとすぐに消える…よな?多分。

「それじゃ、今度こそ…いっぱい気持ち良くなってね、お兄ちゃん」

 ふにゅうっ。

「あ…ふぅ」

 うん、消えた。母乳まみれのおっぱいでチンポを包まれた途端、
おっぱいの残像は陽炎の様に消えていった。見せられるだけより
包まれる方がイイのは当たり前だけど、それでもホッとする。

「お兄ちゃん…大好きだよ…」

 ふわあ。
 むにょん。

「ラクタちゃん…僕も…」

 うう、ぬるぬるの母乳がひんやりして、だけどおっぱいはじんわりと
暖かくて。弾力溢れるおっぱいがラクタちゃんの心そのものみたいで…

「あらあら、上手くなったわねえ。坊やとの練習の成果?」

「そうだよ。お兄ちゃんったら凄く反応が良いし喜んでいる時とっても
可愛いんだもん。もっと上手くなってもっと喜ばせたくなるんだよ」

 むにい。
 にゅるん。

 ああ、マズい。この上ないくらい優しくされているのに、じっくりと
快感を味わえる様に手加減してもらっているのに、逆にそのせいで
ガマンが出来ない。しかも後ろからネピアさんに抱きしめられていて、
意志力なんか全部おっぱい枕に霧散させられちゃう。

「お兄ちゃん、ガマンしないでね?何回でもイかせてあげるから、
遠慮なく好きな時にイッていいんだよ」

「ふふふ、それは無理な注文と言うのよラクタ。坊やはどうしても無駄な
抵抗をしたがるみたいだから、愛情を強制してあげないとダメなの」

 いやこれはもっと長く楽しみたいからであって…でも何回もイかせて
貰うのも嬉しいけど…ああもう蕩けてどうしていいか分からない。
目先の快感もその後の快感も両方欲しくなっちゃっている。

 イきたいのにイきたくない。イきたくないのにイきたい。このジレンマは
今まで何度も味わっている筈なのに、今までとはまるで違う。なんでだ!?

「も、もうダメ…!」

 ぴゅしゅっ!びゅるる、びゅうっ。

「わぁい♪んん〜、美味しい!今までよりもっと味が良くなっている!」

「まあ凄い!心の底から愛し合った人間の精って、こんなに美味しいのね」

「あう、はぁああ…」

「ようし、ここで新技!パイズリ直後の対面座位!」

 えっ!?

「ちょ、ちょっとラクタ!」

「えいっ♪」

 むちっ。
 ぬぷぷぷっ。

「ふああっ!ら、ラクタちゃん、ダメえ!」

「大丈夫、大丈夫、一番柔らか〜い状態にしておくからさ」

 た、確かに…あっと言う間に跨られたけど、膣内は何時も以上に緩やかな
締め付けしかしてこない。これならイッた直後のチンポでも辛くない。
辛くないけど…イッている瞬間が長引かされるみたいで…!

「あああ、ラクタちゃん、これ、良いけど、良いけどっ!」

「大丈夫、もっと良くなるよ〜。んちゅっ♪」

「んんっ!」

 あうあう。こんな状態でキスなんかされたら、おかしくなる…!
まただ、またイきたいのにイきたくなくなっている!チンポが…いや、
僕の全てが絶頂前の喜びと絶頂中の快感と絶頂後の幸せを全部同時に
欲しがっている!だけど全然ガマンできないから結局…

「んんん〜っ!!」

 びゅるびゅる!びゅううっ!

 ああ…そうか。今までは死の恐怖や罪悪感でガマンしていたからか…
今は幸せを引き伸ばしたいだけだから、こんなにガマンし辛いんだ…
とうとう物語も終盤へ。ハッピーエンドの途中のラヴエロは王道…
え?男が一方的にヤられて女が全然感じていない時点で王道じゃない?ごもっとも。

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