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とあるハンターのおっぱい敗北記:第十八章

 ネピアさんに捕まり、ラクタちゃんに囚われてからの日々は毎日が
新鮮な驚きに満ちた物であり、それ以上に淫蕩な幸せが延々と続いた。
ラクタちゃん曰く、「永遠のハネムーンにしてみせるよ♪」らしい。

 最初に驚かされたのはあの記憶に鮮明に残る入浴から上がった後だった。
夕食の授乳をされている最中、何気なくラクタちゃんが食後のお散歩に
行こうと言い出したのだ。まさかこんなに早い段階で家の外に
出して貰えるとは思っていなかったので、てっきりラクタちゃんは
野外プレイがしたいのかと思って身構えてしまった位だった。

 だがお散歩は本当にお散歩に終わった。ラクタちゃんは僕を引き連れる際
当然の如く僕の腕をおっぱいに抱え、最初はそれにドキドキしていたけど、
すぐに帝国内の様子に目を奪われてあまり気にならなくなってしまった。

 帝国を見るのが初めてだったからじゃない。いや、もうここは帝国と
言うよりは元帝国だった淫魔の国と言った方が良いのかも知れない。
国家レベルの大人数の淫魔に侵略されて乗っ取られた国がどうなるのかを
見せ付けられ、僕は怖がる暇も無い程毎日驚き続けた。

 僕がなんとなく想像していたのは男は良質の精を出せる者だけ
高級家畜として優遇され、そうでない男は様々な面で冷遇されるか
もしくは始末されていると言う運命。女の場合は淫魔化、レズ趣味の
淫魔の所有物、繁殖用の道具、もしくはやはり始末。そんな社会の様相だった。

 僕の想像は完全に的外れではなかった。大多数の男は思っていたより
良い扱いを受けていたが、それは淫魔の支配を少なくとも表面上は
受け入れた者に限られており、長期間に渡って反抗的な男はやはり
隔離されたり始末されたりしているとの事だ。

 だがその扱いの差はただ単に精の質だけではなく、精が上質でない者でも
何かの価値があればそれに応じて優遇されていた。僕はてっきり
ラクタちゃんの母乳の様に人間を養う手段は沢山あるのだと思っていたが
それは大きな間違いだった。むしろそんな事が出来るのは乳魔以外には
殆ど居なくて、一国の人口を養うなんてとても無理らしい。そもそも乳魔の
母乳を栄養源にした人間は半ばその乳魔専用になってしまうので、
非常時以外は許可なく人間に乳魔の母乳を飲ませてはいけないそうだ。

 そうなると、乳魔に所有されていない大多数の人間を養う為に
やはり人間用の食事が必要となる。そうなると元から居た人間が築いた
インフラ、産業、通貨等をそのまま流用するのが一番確実かつ合理的だ。
よって特殊な技術を持っていたり社会の維持に必要不可欠な産業に
関わる者は性奴隷にされない事も珍しくないそうだ。

 勿論それでもやはり労働力の絶対数は目に見えて減ってしまうから、
淫魔達、特にバトルファックの戦力評価が低い者達がそう言った労働に
つかされるとの事だ。流石に人間に比べると効率が悪いが、人間と違って
精以外は生きていく為に必要としないので数の力でなんとかなるみたいだ。

 ある日田園地帯を通りすがった時に見かけた不平たらたらな表情で
農作業をしていた淫魔が僕を連れたラクタちゃんをとても羨ましそうに
見た時は思わず吹き出しそうになった。ちなみにラクタちゃんは自慢げに
ふふんと笑っていた。以前因縁があった知り合いだと言っていた。

 男の扱い以上に驚いたのは女の扱いだった。僕が想像していた淫魔化、
レズ趣味の淫魔の所有物、繁殖用の道具、始末の4択は間違ってなかったが、
なんと女は淫魔化を希望するかしないかの選択権が与えられていたのである。

 その場合元々の彼氏や夫は事前に他の淫魔に奪われていなければそのまま
所有権が自動的に与えられるので、自分の愛する男を奪われない為に
淫魔化を希望する女はかなり多い。恋人が居ない女でも数少ない
フリーの男の争奪レースを淫魔達相手に挑むのは分が悪すぎるので、
大抵の女は自ら淫魔化を希望する。そのせいで人間の女は滅多に見かけない。

 ただし淫魔化を希望した女の全てがその望みを叶えられる訳ではない。
年寄りすぎたり幼すぎたりしたら淫魔化が不可能だったり危険だったり
するが、もっと大きな理由は人間と淫魔の組み合わせではほぼ必ず淫魔しか
生まれてこない事だ。そうなれば当然人間の数がどんどん減っていき、
すぐに淫魔に行き渡る食料問題ならぬ精問題が発生してしまう。

 そうならない様に人間の数を増やし続ける必要がある為、希望しても
淫魔化させて貰えない女が出てくると言う訳だ。ちなみに人間の時は
ブスでも淫魔化すれば例外なく美人になる為、元々美人な女程繁殖用に
残されてしまう確率が高いと言う皮肉な状況になっていた。

 こう言った完璧ではないにしろ合理的な社会形式によりこの国は
淫魔も人間も増え続ける強国と化していた。当初は激しく混乱し散発的に
抵抗していた人間達も、今は大多数が諦めたり慣れたりしていた。
淫魔がいなかった時代より暮らしやすくなったと言う人間も決して
少なくない辺り、人間社会の不完全さや難しさを痛感させられる。

 僕の知っている淫魔はこんな組織だった恐るべき集団じゃなかった。
彼女たちは海の向こう側にある大陸から来たと言う。その大陸の存在は
ホラやデマが多い船乗り、旅人、冒険者などがソースの不確かな噂でしか
聞いた事がないが、既に淫魔が支配する大陸となっているんだろうか?

 無論全てが分かった訳ではない。人間が立ち入り禁止な場所も
少なくないし、人間達が大勢で集まるには許可と監視が必要だったから
僕の見た範囲で分かった事はたかが知れている。

 ラクタちゃんに質問しても「ごめん、それは説明しちゃいけないの」と
断られる事もあったし、説明が禁じられていない話題でも彼女と僕の
どちらかの知識や語彙が不足している為理解できなかった事も多かった。

 こうしてラクタちゃんと一緒に淫魔の国で暮らすのも早一ヶ月。
知識欲を満たすかたわら、ラクタちゃんに精を毎日提供していたのは
言うまでもない。むしろそっちの方が多くの時間を費やしていた。

 僕の体が毎日の逆レイプに慣れていくに連れセックスの回数も
増えていったが、そのプレイ内容は呆れる程多彩だった。
それは僕を飽きさせない為じゃなくラクタちゃんが飽きない為なのは
火を見るよりも明らかだった。なにせどんな内容でも彼女の趣味、
即ち純愛路線なのは一度として変わる事がなかったのだから。

 ある日はわざわざお互いに水着を着て、水風呂の中でのエッチ。
ひんやりとした体温のままイかされるのは未知の体験だった。
しかも挿入したまま僕の方が持ち上げられると言ういわゆる
逆駅弁までされ、なんだか何時も以上に無力感が凄かった。

 ある日はラクタちゃんの母乳まみれの手料理を振舞われた。
母乳が含まれていれば今の僕も母乳以外の物を摂取する事は可能だと
知ったのは嬉しかったが、問題はラクタちゃんが裸エプロンであーんを
してきた事。それなのにラクタちゃんは何も仕掛けて来ず、エプロンの
横からはみ出るおっぱいと到底隠しきれない谷間をしこたま見せられた。
我慢できなくなって襲い掛かった所を返り討ちにされるプレイだと
気付いたのは次の日の朝になってからだった。

 ある時はナース姿になったラクタちゃんが病人と言う設定の僕に
治療と言う名の性感マッサージをしてきた。ただ僕は恥ずかしさのせいで
上手く合わせられずぎこちなくなってしまい、業を煮やした彼女が
反抗的な患者さんにお仕置きをするプレイに切り替えてしまった。
あの時は恥ずかしいやら申し訳ないやらで、あまり思い出したくない。

 ある日はあえておっぱいを使わず、他の方法でイかされ続けた。
それはそれで気持ちよかったのだけど、最後までおっぱいを
使われなかったせいで帰って欲求不満になってしまい次の日は
何度も何度もおっぱいでイかせてとねだってしまった。
多分、僕をよりおっぱい星人にする為にやったんだろう。

 そして今日、僕は何時もの様にふかふかなベッドで目を覚ましたが
ベッドから出ようとせず、隣で寝ていなかったラクタちゃんが
今日は何を仕掛けてくるのかを考えてボーッとしていた。。
そんな事を考えているのは怯えているから?楽しみだから?分からない。
もう恐怖と喜びが混ざり合って分けれないのが当たり前になってしまった。

 昨日はいきなりメイド服姿でおはようを言いに来た。最初はこれ位なら
ラクタちゃんにしては大人しい方だな、と思っていたが口調も態度も
まるで変わっていないのに何時もとは違った雰囲気を作り出す
ラクタちゃんにどんどんメロメロにされていったんだ。

 そして何時の間にか僕はラクタちゃんのメイド服のボタンを外して
おっぱいを鷲掴みにしながらバックから挿入していた。そんな体位でも
レイプされているのは僕の方だったのがまた興奮をかき立てて…
ああ、思い出すだけで朝起ちがきゅって締まる。

「おはよう、お兄ちゃん♪」

「おはよう、ラクタちゃん」

 来た!今日はお兄ちゃんって呼んでくるのか…元々妹みたいに懐いてくる
ラクタちゃんだけど、今日は本当に妹になり切ろうと言う趣向かな?
出来ればあまり背徳感を煽らないで欲しいけれど…あれ?

「ん?どうしたの?お兄ちゃん」

「いや…何でもないよ。可愛い服だな、と思っただけで」

「えへへ♪」

 ラクタちゃんにお兄ちゃんと呼ばれた瞬間、僕は脳内に爆弾級の
おっぱいには不釣合いなロリっぽい衣装で“妹”を強調してくる
ラクタちゃんのイメージを思い浮かべていた。だけど実際には
ヘアバンドの代わりにリボンとめくれ易そうな生地のワンピースと言う
何時もよりは可愛い系と言った程度の格好だった。これもロリと言えば
ロリな服装だけど、特に犯罪的な印象を与える程じゃない。

「ところで、お兄ちゃんって?今日はそういうプレイ?」

「ううん、ただの親愛の証だよ♪最初は遠慮してお兄さんって呼んでたけど、
そろそろお兄ちゃんでも良いよね?そっちの方が親しい感じがするし」

 そうだったのか…妹プレイをしようと言うつもりは無かったんだ。
ただ単に呼び方を変えたかっただけだ。なんだかくすぐったいな。

「それにね、今日のサプライズはボクじゃないよ」

「えっ?」

「お姉ちゃん、どうぞっ!」

 どきぃっ。

「久しぶり、坊や。会いたかったわよ」

「ネ、ネピアさん…」

 え?ね、ネピアさんが?戻ってきたのか?うわ、なんだ、心臓が跳ねて。
心の準備が出来ていなかったから?うわわ、なんでこんなに慌てているんだ。

「あら?どうしたの?まさか、坊やの方は会いたくなかったの?」

「とんでもないです!大好きなネピアさんとまた会えて嬉しいです!」

「まあ…嬉しい。そこまで情熱的に即答してくれるなんて、可愛いわ」

「うっ…」

 反射的に愛を叫んでしまった…いや、ネピアさんの事だから多分僕がそう
する様に仕向けたんだろうな。ラクタちゃんはなるほど、勉強になる!
って書かれた顔でネピアさんと僕を交互に見ているし。

 ああ、この感覚だ。ラクタちゃんの様に猪突猛進な愛し方じゃなく、
手の平の上で慈しみを持って転がされる愛し方。これがネピアさんなんだ…
消えかけていた感覚が急速に蘇り、背筋がぞくぞくする。

 ネピアさんが帰ってきてくれたんだ…ん?あれ?何か忘れていないか?
ネピアさんがここにいるって言う事は、何かを意味する様な…

「ねえねえお姉ちゃん見てよ。お兄ちゃんはちゃんと健康に
しておいたし、ボクにすっごくメロメロなんだよ」

「そうみたいね。ちょっと不安だったけれど、貴女も随分上手くなったのね。
凱旋してきたら愛する男の子が待っていたなんて、最高の褒賞だわ」

 そうだ。ネピアさんはラクタちゃんと違って力のある乳魔で、前線で
戦っていた身分で…そして今凱旋してきた。勝ってきた…

 と、言う事…は…お、王国は…!僕の生まれ育った王国が!?
主人公に出来るだけ感情移入してもらうのもこのシリーズの目標の一つです。

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