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とあるハンターのおっぱい敗北記:第十一章

「ぐっ…」

 鼻が熱くなる。喉に何かが詰まる。今僕は泣いている。ネピアさんに
嫌われ、憎まれる事を想像して。

「お兄さん…泣いているの…?」

 ああ、これだ!こうなるからラクタちゃんとの戦闘は避けたかったんだ!
僕の中に残ったちっぽけなハンター魂を満足させてから、心置きなく
ネピアさんの物になりたかったのに今となってはそれも叶わない。

「なんで泣いているの?何が辛いの?」

 なんで僕は今更ハンター魂なんかに拘っているんだろう?いや、答えは
分かりきっている。もう僕にとってネピアさんはとてつもなく大事な
存在になってしまったけど、王国の事も大事なままなんだ。

 だから…だから僕は二度も負ける訳にはいかない!
今からでも間に合う、ラクタちゃんに謝って無かった事にするんだ
なんて軟弱な声は頭の中から追い出すんだ!

 ぺちゃ。ぺろっ。

「ああん!な、なんで泣きながら…しているの、おっ?」

 ラクタちゃんの言葉を無視しながら再開したクンニは嫌になる程
下手糞だった。イメージ通りの技量の半分も出せていないから
相手に与える快感も中途半端だし、愛液と媚肉の感触で必要以上に
自分も興奮してしまっている。

 そのせいか、息はますます荒くなっている。このままだとこのつたない
責めすら長引かせる事は出来ないだろう。ましてや反撃なんかされたら
どうなるか考えたくもない。相手に何もさせないで勝つんだ。

 もみっ。

「ひゃあん!」

 おっぱいに似た感触のお尻もやや強めに握る。おっぱいに似て非なる
肉の塊は、幸いな事に僕の情欲をそそらない。ただし尻肉をもみ続けても
イかせるのなんて無理だからすぐに次に移らないと。

 さわさわ。

「あうう…そんな所、汚いよぉ」

 続いてアナルも優しく愛撫する。しかしアナルは調教済の相手でない場合
いきなり感じさせるには熟練の技術がいる。当然今の僕にそんな事が
出来る訳がないのでこれもまた数秒しかやらない。

 全てはこの本命、挿入の為だ!

 ぐっ
 ぬぷっ!

「ひゃ…ひゃぁあああああああっ♪」

「くううっ…!」

 うう…くっ、ある程度は覚悟していたけど、それ以上に気持ち良い…!
ラクタちゃんの膣はおっぱい同様弾けそうな張りがあって、思わず目を
閉じずにはいられなかった。淫魔である以上処女な訳はないけど、
それでも処女の様な穢れ無き空間に入り込んだ気がしてならない。

 ぞくっ。

 それなのにしっかりと甘い締め付けと癖になりそうな温もりがじわじわと
染み込んでくるのが凄い。やはりネピアさんの妹なんだと思い知らされる。
ネピアさんに飲まされた母乳の同化の力は彼女に対してもある程度
発揮されているのか?彼女も僕にとって親しい者になっているのかも?

 ぞくぞくっ。

「はああ、はああ…」

 そういえば、さっきから興奮で荒い息が止まらない。しかも背筋が
何か背徳感みたいな物で震えていて…まさか、自分の妹を犯している様な
気分になっているんだろうか?そう考えるとますます興奮して…
いや、そんな事は考えるな。ただ単に発情しているだけだ、きっとそうだ。

 とにかく、まともに戦っていたらきっと負けていただろう。
そう思える位に僕は今興奮している。ああ、なんて情けない。だけど
今の僕が生き残り、勝って帰る為には気にしていられない。

 ずちゅっ!ずちゅっ!

「あうん!あんっ、お兄さん、もうちょっと優しくぅ!」

「ううっ、あうっ、うっ…」

 うっ…な、なんて下手な腰使いだ。テクニックの使い方は分かるのに、
自分が何を間違えているかは理解できるのに、それを実践できない。
歯痒さで頭をかきむしりたくなる。ただ、これでもラクタちゃんは
感じてくれているみたいだ。僕も感じているが、相手も感じている。
しかしラクタちゃんもマグロでいる筈はなく、自分から腰を振って
対抗してきている。ううっ、これで本当に新米なのか…?

 ずちゅっ!ずちゅっ!

「はあん、ふうん…ああ、何だかボーッとしてきちゃう〜…」

「ううう…はあ、はあ…」

 ああ、苦しい。気持ち良い。くそっ、もうイッてしまいたい。
こんなに早く余裕がなくなるなんて…後どれ位でラクタちゃんはイくんだ?
ある程度感じているみたいだけど、声だけじゃいまいち分からない。
目を開けて表情を見て確かめよう。

 ぱちっ。

 ぶるん!ぶるん!
 ずちゅっ。ちゅぷっ!

 おっぱい。

 ぶるるん!

 大きなおっぱいが揺れている。上に下に、右に左に、僕たちのセックスに
合わせていやらし過ぎるダンスを激しく踊っている。その迫力ある揺れ方の
前では薄手のブラウスなんかまるで無力で、今にもボタンが弾け飛びそう。

「ああう…あれ?お兄さん?」

 ずちゅっ。ちゅぷぷっ!
 ぶるんぶるん!

「あ、あううう…」

 いけない。何をしているんだ僕は。おっぱいを見てしまった。
目を開ければセックスの振動で暴れるおっぱいを見てしまう事になんで
気づかなかったんだ。まさか見たくて忘れたつもりになっていたのか?

「お兄さん…」

 ああ、腰の振りがおろそかになっている。それなのにおっぱいは
今までの反応か中々揺れるのをやめない。いけない、早く目を離せ。
目を閉じるんだ。あれを見ていたら集中できない。

「まだ泣いているの?お兄さん」

「え…?」

 ふとラクタちゃんが僕の顔をじーっと見つめている事に気づいた。
まだ泣いている?そう言えば、頬が熱くて目が痛いままだ…
だけどそんな事はどうでもいいんだ。早く目を閉じてピストン運動を
再開しないと。このまま入れているだけじゃ僕だけが不利なんだから。

「お兄さん…辛いんだね」

 にこっ。

「うっ!?」

 な、なんて微笑み方だ…あれは、ネピアさんと同じなのに違う笑顔!
優しさと労わりが伝わってきて、飲み込まれて、逆らえなくなりそうな…

「ねえ、教えて?何がそんなに辛いのか」

「くっ…」

 ダメだ。ここで心の内を明かしたりしたら…きっと凄く楽になって、
凄く幸せになって、ラクタちゃんの事を好きになってしまう!
そうなったらバトルファックなんか出来やしない!
ただでさえ負けそうなのに、これ以上不利になってたまるか!

 ずちゅっ。ずちっ。

「あんっ。言いたくないの?それとも言えないの?」

 無視しろ!耳に入れるな!それと、いい加減に目を閉じろ!
ええいくそっ、なんて下手なピストンだ!もっと上手くやれ!

「かわいそう…甘えたいのに甘えられないんだ。そう言う男の人って、
とってもかわいそうで、とっても愛しくて…」

 ぶちっ!

 あれ?何かが跳んだ?ラクタちゃんの胸元から跳んだ今のは…ボタン!?

「とっても可愛がりたくなっちゃうよ♪」

 ぶちぶちぶちっ!

「わっ…」

 え、何これ。ラクタちゃんって、自分の胸元のボタンを自分の意思で
弾き飛ばせるの…?なんだか間抜けだけど、凄く色っぽい光景…

 って呆けている場合じゃない!ラクタちゃんが自分のブラウスに
指をかけて…少しずつ、開いていっている…谷間が、とんでもなく
柔らかそうで吸い込まれてしまいそうな谷間が露に…

「お兄さん、お願い」

「え…な、何?」

「ボクのおっぱいに手を置いて?」

「えっ!?」

 つまり、ラクタちゃんのおっぱいを支えにしてピストンを続けろって
事だろうか…そんないやらしくてとても気持ちよさそうな…

「そうすれば、きっとお兄さんが泣いている理由が分かると思うの」

「な、なんだって…」

 それってつまり、胸を介して僕の心が読めるのか?これも同化の力?
そう言えばネピアさんもやたらと僕の心を見透かしていた様な…

「ボク、お兄さんの悲しみを無くしてあげたいの」

 がばっ!
 ぼろんっ!

「あ…うっ…」

「だから、ね?お願い、おっぱい揉んで♪」

 心臓が止まったかと思った。

 最初はもったいぶってチラチラ脱いでいたのに、いきなりおっぱいを
全部丸出しにして、ブラウスをぽいって投げ捨てて…惜しげも無く
さらけ出されたラクタちゃんのおっぱいの全体像を見せられて。
僕はもう、どうして良いか分からない…

 やっぱり大きい。服の上からだとネピアさんのよりは小さいかと
思ったけど、実物を見てみるとどっちが大きいか自信が無くなる。
そして服の上から想像していた以上に完璧な丸みで、ラクタちゃんの
性格を現すかの様に元気一杯に突き出ている。

 乳首と乳輪はおっぱいのサイズからすると小さめで、ピンクと言うより
白桃色だ。かわいらしさといやらしさが異常な程上手く溶け合っていて、
愛でた途端に達してしまうんじゃないかと思えてくる。

 これが、ラクタちゃんのおっぱい…!

 ぐっ。

「あ」

 て、手が!手が勝手に伸びている!もうすぐそこまで迫っている!
ダ、ダメだ!触ったら、触ったりしたら…その途端にイく!

「ねえ、お兄さん」

「な、何?」

 何を受け答えしているんだ無視しろよ僕!ああ、手が、手が勝手に!

「もう一度お願いするね」

「うう…」

「ボクに甘えて?」

 ぐぐぐっ。

 ああ、もう、指を伸ばしただけでおっぱいに触っちゃう…!

「ボクにお兄さんをちょうだい?」

 ぴと。

 あ。柔らかくてすべすべ。

「ボクとボクのおっぱいでイチャイチャしようよ。ねえ♪」

 むにっ。

「あ…あああ………」

 むにょ。ぷにん。むにゅるっ。

 びくっ!

「あ…伝わってくるよ…」

 びゅるるるるっ!びゅううううっ!

「ひゃっ。もう、こんなになるまで我慢していたんだ?」

「あう…ああ、あひ…」

 気持ち良い…僕の全てがラクタちゃんに流れ込んでいく…なんだろうこれ。

 開放感?絶望?屈辱?幸福?愛情?恐怖?性欲?自己嫌悪?

 ありとあらゆる物が僕の心から流れ出てくる…

「うわあ…お兄さん凄いよ。お姉ちゃんの事、とんでもなく大好きなんだね。
お姉ちゃんは別に失敗していた訳じゃなかったんだ。ただ魅了されきっても
尚ハンターとして最後の務めを果たそうとしていたんだ…」

 びゅう。びゅう。

 もみ。もみ。

「それってすっごく辛かったんだね。ほんの短い間だけでもお姉ちゃんから
離れるだけでイヤな気分になるのに、お姉ちゃんに憎まれる覚悟まで決めて
ボクと戦って…あ、ボクを倒すのもイヤだったんだ?これは嬉しいな♪」

 びゅう…びゅう…

 むにゅ…むに…

「こんなに複雑な思いをして苦しんでいたなんて…ごめんね。寝ている間に
ボクの母乳を飲ませておけば良かったね。そうしておけば初めから
ボクに甘えずにはいられなくなって、すぐに苦しみなんか無くなったのに」

「は…うう…」

「もう良いんだよ、お兄さん。もう頑張らなくて良いの。お兄さんは
辛くて苦しくて報われないハンターなんか辞めちゃって良いの。
きっとお姉ちゃんの愛だけじゃ辞めさせられなかったんだね。
それならボクもお姉ちゃんに負けない位お兄さんを愛してあげるもん」

 ラクタちゃんが何か言っている…意味は分かるけど考える気にならない…
これが放心状態って奴なのかな…ああ、でもなんだか凄く楽になった…

「だからお兄さん、もう泣き止んで?お兄さんが悲しいとボクも悲しいの。
だからボクと一緒に幸せになろ?イチャイチャしてラヴラヴになろう?」

「ラクタ…ちゃん…」

 ああ、僕は…僕は、また、ダメだった…
敗北確定の場合でも、全くなす術無しか、ある程度通じるか、惜しい所まで行くか。
どれもが違った快感を感じさせてくれます。

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