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BF体育祭(4)

ルリに膝上パイズリでホールドされてから、数分が経過した。
彼女の隙のない動きに、俺は未だ彼女を振り払えずにいた。

「ど…どう…ですか、センパイ? 気持ち…良いですか?」

ずちゃり、にゅるりと、彼女の胸は卑猥な音を立てて俺のペニスを責め立て続けている。
既に彼女の胸は、俺の精液にまみれてどろどろだった。
それがいやらしく踊りながら俺のモノを嬲り、太ももを這い回るのだから、我慢なんて出来るはずがない。

――とくん。

「…射精確認」

幾度と無く繰り返された、微量で緩やかな射精。
膝上パイズリの体勢から逃れることができないまま、時間は刻々と過ぎていく。
しかし、俺はまだ諦めていなかった。完璧に見える彼女の攻撃にも、隙が存在することは既にわかっている。
彼女の唯一の弱点。それは、体力だ。

「よい、しょ…! よい――あ」

チャンスがやってきた。
息を荒らげながらもしっかりと両胸を掴み、ペニスを閉じ込めていたはずの両手。
そのうち片方の手が、ぬるりと滑った。ルリは体勢を崩し、俺の下半身を押さえ込んでいた肘が少しだけ浮いた。
休みなく胸を動かし続けていた事による疲労と、乳房が俺の精液に塗れていたことによるミス。

「う…おぉ!!」
「きゃっ…!?」

俺は力を振り絞って、勢い良く腰を突き出した。
甘い快感が全身を突き抜けるが、不意をついたおかげで彼女の拘束が一瞬だけ完全に外れた。
すかさず、身を引く。奇跡的に――膝上パイズリから脱することに成功した。

「っくぅ…!」

しかし、延々と快感に晒され続け、俺の体力は既に限界だった。
残り1分。俺にできるのは、俺の全てをかけて彼女に突撃することだけ。

「――ぉおお!」

彼女が体勢を立て直す前に、俺は彼女の秘所に向けて突貫した。
本当は挿入で一気に決めたかったが、度重なるパイズリのせいで耐久力が無いに等しい俺のペニスでは自殺行為。
だから俺は、まるで獣のように彼女の膣口に吸いつき、がむしゃらに吸い上げた。

「きゃぅっ!? や、やぁ…!」

可愛らしい悲鳴を上げて、ルリは身体を震えさせる。やはり、まだチャンスは残されていた。
耐久力に優れていない彼女の膣を責め続ければ、一矢報いることができる――!

「ん…んん…はぁ、はぁ――んん…!」
「や…セ、センパイ…! 激し、過ぎますぅ…!」

猛烈な愛液の香りに、俺は何も考えられなくなる。そんな状態で急所を突いた適切な責めなど、出来るはずがない。
俺は彼女の腰にしがみついたまま、何度も彼女の中に舌を差し込み、膣内をこねくり回す。
彼女も、限界が近い。しかし、やはり俺の舌使いが下手なせいか、中々絶頂しない。

「うぅぅ…負けませんよ、センパイ…!」

一向に達しないルリに焦れてきたその時、掛け声と共に太ももで俺の顔を挟み込み、締め付けてきた。
呼吸が苦しくなり、愛液の香りが更に濃くなる。
しかし、俺は責めを緩めることはなかった。湧き上がる興奮の全てを愛撫に変換し、彼女へと叩き込む。

「んん…あぅうっ!」

彼女は快感に耐えかね、びくんと大きく身体を震えさせ――そして、大きく身を捩った。
俺の顔は、彼女の太ももに挟まれていた。必然的に、俺の身体も彼女のそれにつられて反転する。
彼女の身体は横に倒れ、俺の体はひっくり返った。
胡乱に揺れ動く彼女の視線が、仰向けになった俺の股間へと向けられる。

「…あっ――!」
「くそっ――!」

彼女が小さく声を上げながら俺の股間に飛びつき、俺は再び彼女の膣口に吸い付こうとする。
俗に言う、シックスナインの体勢。
俺の身体の上に彼女の身体がのしかかったかと思うと、ぬるりとした感触がペニスを覆い尽くした。
ルリが、俺のペニスに吸いついてきた――思わずその情景を想像してしまい、頭に血が登る。

「ぐ…ん、んん…! じゅるるっ…!」
「あむ…んんん…! ちゅるるっ…!」

彼女に対抗するように、俺は出来るだけ力強く彼女の膣に吸い付いた。
快感に身体を震わせながらも、彼女はしっかりとペニスを咥えて離さない。
一見すれば、一進一退の膠着状態。しかし現実には、俺の方が若干不利な体勢となっていた。

「んん…ちゅるるる…ちゅるるる…っ!」
「んん…! はあ、はあ…じゅるるっ!」

ルリの身長は、俺よりもかなり小さい。
彼女が何ら問題なく俺のペニスを咥え込める体勢なのに対し、俺は少し上体を起こさなければ彼女の膣に吸い付くことができない。
彼女に優しく尿道を吸われるたびに上半身の力が抜けて、彼女への攻撃が途切れてしまう。
快感に歪んでいく視界の中に、タイマーが映る。もう時間が、ない。俺は全身全霊の力を込めて、彼女の膣口におもいっきり吸い付いた。

「ん――っ! はぁぁんッ…!?」

びくん、と彼女が大きく痙攣する。しかし、絶頂までには至らない。
彼女の膣内はビクビクと痙攣し、今にも潮を吹きそうになっている。
あと一撃。あと一回膣に吸い付くことが出来れば――

「ま、負けま、せん…! ちゅぅうぅっ!」
「っくは…!」

ルリの鋭い吸い付きに、俺は脱力する。
すかさず、彼女は自らの腰にしがみついていた俺の手を振り切り、更に前方へと身体を進ませた。
次の瞬間、にゅるりと柔らかい感触が俺のペニスを包み込んだ。まさか、と俺は絶望する。この、感触は――!

「く、あぁあぁあぁ…………!!!」

ヌルヌルとしたモノにペニスを擦り上げられながら、先端を鋭く吸われる感触。
パイズリとフェラチオによる、竿と亀頭の同時攻め。
狂おしいほどの快感に、俺は反射的に身体を仰け反らせる。

「…ぐ…あ…!」

ヤバイ。ヤバイ。ヤバイ――!
膣でもいい。アナルでもいい。あと一息。あと一回。
上体を起こし、手を伸ばして、彼女にあと一撃入れることが出来れば――勝てるかも、しれないのに。
殆ど感覚がない上体を、精神力だけで無理やり起こす。ゆっくりと伸ばされた俺の腕が、彼女の膣に近づいていく。

「負けて…たまるか…っ…!」

彼女の膣に、俺の指先が触れる。ぴくんと、彼女の身体が小さく震えた。
しかし次の瞬間、異様な快感が俺の全身を貫いた。腰の力が一気に抜け、彼女の膣から手が遠ざかる。

「な――…!」

刺激を感じたのは、ペニスでも陰嚢でもなく、俺の菊門――アナルだった。
あろうことか、彼女は俺のペニスを胸で挟み、その先端を咥えながら、アナルへと片手を伸ばしていた。
精液でヌルヌルになった人差し指が、また腸内へと差し込まれる。

「――あぁぁぁッ!」

貫かれるような快感に、俺は無様な悲鳴をあげる。身体を震えさせ、足をばたつかせ、見苦しくのたうち回る。
常軌を逸した快感に、視界が霞む。彼女に――手が、届かない。

「私だって――負けたく、ありません…――!」

荒い息を吐きながら、彼女がそう呟くのが、聞こえた。小さな後輩の持つその力強さに、俺は愕然とする。
その時――もはや勝てないと、心が諦めてしまった。腰の力が抜け、上体がベッドの上に落ち、俺は――完全に、彼女に身を預けてしまう。

「んっ――じゅるるるるるっ!」

彼女の左手が深々とアナルを貫き、右手が二つの乳房ごとペニスを強く抱き締める。
そして、しっかりと亀頭を挟み込んだ彼女の口が、尿道口をストローのように吸い上げた。
強烈過ぎる三点責めに、びくんと俺の身体が大きく痙攣し――俺の全てが、放出される。

どっぴゅうぅぅぅ!!!

俺は、彼女に与えられた圧倒的な快感を噛み締めるように、歯を食いしばって体を仰け反らせる。
かちり、と目の前でタイマーがゼロになる。高らかに笛の音が鳴り――競技が、終了した。

「…射精、確認」

視界の先で、ポツリと審判が小さく呟く。そして、紙を脇に抱えて俺達に背を向ける。
笛の音に気づかなかったのだろうか。試合が終わったというのに、ルリは一向に俺の股間から離れない。

「ん…んん…♪」
「う…く、あぁ…!!!」

こくんと、彼女の喉が鳴る。彼女の胸に包まれている俺のペニスが、精液を嚥下している感触をダイレクトに伝えてくる。
その事実に否応無く興奮してしまい、俺は延々と敗北の白濁を垂れ流し続けてしまう。
右手でアナルを弄り、左手でたぷたぷとペニスを挟んだ胸を揺らしながら、彼女は亀頭を吸い続ける。
結局、一滴残らず、彼女に吸い出されてしまった。飲み切れなかった精液が、どろりと彼女の口から垂れる。

「…あふぅ…」

彼女はゆっくりと身体を起こすと、艶めかしい一息を長々と吐き出した。
そして、こてんとその場に倒れてしまう。

「はぁ――はぁ…っく…」

荒れていた息を整えた後、俺は腰に力を込める。徐々に身体は起き上がり、何とか胡座の体勢へと戻ることができた。
眼前には、俺より遥かに荒い息でベッドに倒れ伏すルリの姿があった。
彼女は、全身汗と俺の精液まみれだった。手も、足も、胸も、そして顔も。全てが、俺の――大敗の証。

「え、と…終わった、んですか?」

呆然とした様子で、彼女が俺に語りかける。
疲労と興奮で、彼女は顔を真っ赤にしていた。

「…ああ。終わった。お前の…勝ち、だ」

負けてしまった。完膚なきまでに。後輩である彼女に。
ただの一回も、彼女をイかせることが、できなかった。

「………」

俺は無言で、彼女に手を差し伸べる。
不思議と、先ほどのように黒い感情は沸き上がってこなかった。
唯一つ感じたのは、純粋な悔しさ。彼女を、目の前の障害を乗り越えたいと思う、強い思い。
そんな思いが少しだけでも自分に残っていたことに、俺は少し安心してしまった。

「あ…ありがとう、ございます」

ルリは微かに眼を見開いた後、ためらいがちに手を伸ばしてきた。
小さな手が、俺の手のひらの上に重ねられる。柔らかく、精液でぬめっているその手をしっかりと握りしめ、俺は彼女の身体を引き起こした。
勢いが強すぎたのか、ルリは小さく悲鳴を上げた。そして、女の子座りでぺたんとベッドの上にへたり込む。

「え、と…あの。セン、パイ…?」

ルリの丸く大きな目が、物言いたげな様子でこちらを見つめている。
少なくとも、彼女は俺を嘲るような表情はしていない。
それに俺は、少しだけ安心してしまった。もし最後の最後で罵られていたのなら、今後一生立ち上がれない気がした。

「…いつまで、そこにいるつもりですか?」

辛辣な声が、脇の方から聞こえてきた。
視線を向けると、審判の女子が相変わらず不機嫌そうな顔でこちらを睨んでいた。
俺は無言で頷き、ルリに背を向けてベッドから降りようとする。

「あ――」

ルリが、何かを言いかけた気がした。しかし、俺はそれを無視する。
何を言いたかったのかは知らないが、今は何も聞きたくなかった。
しかし、このまま何も言わないのも彼女に悪い。

「おめでとう、ルリ。今回は、俺の完敗だ」

その言葉に、なぜか彼女は息を飲んだ様子だった。
嗚呼――どうして、強がって『今回』なんて言ってしまったのか。
もう、バトルファックはやめると決めた。次回なんてものが、あるはずはないのに。

こうして、俺の最後のバトルファックは終わった。どこかすっきりしていて――ぽっかりと、胸に開いてしまったかのようだった。
どこからか、軍団長の怒声のようなものが聞こえてきた気がしたが、俺はそれを完全に無視してBF部のシャワー室へと向かう。
どうしようもなく強すぎた、小さく可愛らしい後輩――ルリの笑顔とその感触を思い出しながら。

(完)
THE END(どかーん)
即興で創り上げたお話ですが、思ったよりも愛着があります。
一応次回作を現在執筆中ですが、それは完成次第またこちらに投下することになるかもしれません。
此処まで呼んで頂き、誠にありがとうございました。

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