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宮殿(レベル2)



広大な森の中に、「本国」と言われる淫魔の棲みかはあった。
かつてここにあった王国の物だが、突如大量に発生した淫魔に壊滅に追い込まれて以来、この国そのものが淫魔の物となっていた。
今では淫魔が潜む家以外は荒れ果てていた。


「リル隊長。どうしますか?」

副官の女性が言うと、リルは目の前の建物を見た。そして閉ざされた扉
「ここで人間を飼っていたのね……」

巨大な牢獄と言ったらいいのだろうか。それとも家畜の飼育場と言ったらいいのか。
かつてここにあった王国で使っていた物を、そのまま使っているらしい。
隣にある宮殿のように何階建てというわけではなく、一階建てだ。

「皆、聞いて」

振り返り、目の前に広がる戦士達に告げる。
少数精鋭。その理念で選ばれた五十人だった。

「ここに今までさらわれてきた人たちが居る、と考えられている」

戦士達に緊張が走る。

「言わば淫魔の生命維持装置になってしまった人たちよ。その人達を、奪還する」


毅然として話す姿はその顔だちもあって凛々しく、戦いを繰り広げる戦士とは思えない顔つきだった。


「淫魔達がはってある結界のせいで、この指輪をしている者しか入れない」

そう言って、指につけている指輪をみせる。
それはすぐにふっと消えた。どこにあるのかわからなくするためだ


「あなた達は数少ない指輪を身につけている選ばれた戦士よ。自信をもって」

そう。大半は淫魔に逃げ場がない事を伝えるための示威行動だった。宮殿にも選ばれた百人が突撃し、決着をつける事になっている。

「この近辺に展開している淫魔が居ない以上、中に居るとしか考えられない。もうここまでの道のりで相当倒しているから、残りは少ない。
けれど、多分精鋭ね。全員、心していきましょう」

皆が一様にうなずく。
「皆表情が硬いですね」
傍らの副官が言った。
「みなさん。大丈夫ですよー。リル隊長の強さは筋金入りです。私、ファルが保証します」

ファルと名乗った副官は栗色の髪を肩の所でショートにそろえ、いまだ少女という印象が抜けきらない顔だちで言った。
「この連合軍の隊長にふさわしい実力者です。みてください、この」

と行って隣のリルの胸元を指さす。
「ちょっと!」

控えめなファルに比べ、リルの胸元は豊かに存在を主張していた。
笑いが起きる。

「冗談ですよ。ただあの男型淫魔を見た後一遍する雰囲気……淫魔より淫蕩です」

自身も惚けたような淫らな笑みを浮かべながら言う。

「まったく……ただ皆、負けないわ。ここまで来たんですもの」
「そうです大丈夫です。絶対、勝ちましょう」

戦士達の表情もいくらかなごみ、リルにも笑みが浮かぶ。
「じゃあまずは……」

リルが改めて建物を見、どのように侵入するか、それを考えていた時だった。




「まったく談笑する暇があるとは、いささか滑稽だな」


建物上部から声が響き、見上げると、屋根に男の淫魔が立っていた。

「あら、そうかしら? これから愉しい事するんですもの。笑顔は大事よ」

リルの表情が一変する。さきほどまでの柔和な表情から、娼婦のような雰囲気へと変わる。

「ここまで来た事によって、図に乗っているようだな」

黒い翼をひらめかせ、ゆっくり下りて来る。

屈強な肉体。全身から力強さが溢れ、女性型の淫魔の発する淫らさとはまた違う。
だが、確実に女を責めあげるための淫らさを備えていた。

「上質な者達だ……ぜひ、ここの一員に加えてやろう」
「それはうれしいわね」

リルの前に淫魔が降り立つと同時に、後ろにある扉が開いた

大きな廊下があり、両側に扉が並ぶ。



「この中にいるぞ。探してみるんだな」


淫魔は笑いながら言う。

「どうしますか、隊長」


「皆、先に行って。おそらく、淫魔の数ももうそう多くはないはず」

淫魔を見つめながら、ファルに語る。
「宮殿の方もどれくらい居るのかわからないけど、あの宮殿にも大量にはいない早急に皆を助け、本部に帰還よ」

「隊長はどうするんですか?」

「私?」

そう言って淫魔に微笑む。
「この方と愉しんでからむかうわ」


ゆっくりと歩みよっていくリル。

「一対一とはな……」
淫魔もゆっくりと歩み寄り、見つめ合う。

「わかりました。みなさん。行きましょう」

ファルが指示を出し、見つめ合う二人をよけるように扉へと進んでいく。

「いいのか? 中にどれだけの淫魔がいるのかわからんというのに」
「かまわないわ……」
ゆっくりと身に着けていた防具を脱ぎ捨てる。
「その顔が快楽によがる姿が目に浮かぶ」

みな、さきほどと雰囲気が一遍したリルに驚きながら中へとはいって行った。

「お気に入りなの」

中に来ていたのはぴっちりと身体に張り付き、肉体の豊満な線を見せつけるような服だった。
「すばらしい」

淫魔が感嘆の声を上げ、大きなペニスの頭がもたげ始める。
「なんて言う名前なの?」

身体を見せつけるように近づきながらリルが聞く。

「アークだ」
「アークさん。いい名前ね。私はリル」

「ほうリルか。隊長がここでリタイヤとは痛手だろう」
「どうかしらね?」
ゆっくりと、その服を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になる。

「もう口上はいいかしら? ……はじめましょう」


そして、自らアークの身体に飛び込んだ。



水音を響かせながら、唇をむさぼりあう。

アークはリルの艶めかしい身体を愛撫し、リルが感じる所を探し当てようとする。
リルは身体を密着させながら、ゆっくりとペニスを撫でる。

アークから吐息が漏れる。

アークの指が秘所へとたどり着き、柔らかくと刺激した。

「あぁ……」

淫らな雰囲気が辺りを包み、リルはもどかしい刺激に早くも愛液が垂れているのを感じた。


それを水音を立ててわからせるアーク。

リルの吐息が湿り気を増していく。
愛撫された所が熱くなっていく。
「淫乱だな」

「そうかしらっ……」


アークは表情を崩さぬまま、片手を二人の間に押し入れ、強く張る乳房へともっていく。

アークの感じるリルの責めはよわよわしくペニスを扱くだけで、赤く顔が蒸気していた。

ゆっくりと乳房を撫でまわすと、乳首をつまむ。

「あはっ…………んっ」
リルが喘ぎ声を漏らす。

その吐息がアークの身体にあたり、アークは乳房をつよく揉んだ。
「んんっ!!」
リルが身体を反らす。
「ほう、感じやすい戦士じゃないか」

「……ッ……」
リルがふるふると首を振る。桃色の髪に汗が流れ、顔はますます赤く染まる。


アークはさらに強く乳房をもみ、リルの唇をむさぼっていく。



素晴らしい女ではないか、とアークは思った。

(これほどまで感じる体質でなければな……)


艶めかしい肌はどこを愛撫しても手に感触を残し、乳房の大きさ、柔らかさはアークを愉しませた。
乳首を吸い上げ、はじく。
「あっ! ああっ……」

「さきほどの自信はどうした?」

「はぁっ……」

「応えられぬか。何も考えなくともいいぞ……もうすぐ、戦う必要はなくなる」

そう言って秘所に指を入れ激しく責め始める。
グチュグチュと水音が響く。

リルの手がペニスを扱いているのはわかるが、この程度の快感では淫魔をイカせる事など出来ない。


リルがよがり口を大きくあけた所に、舌を差し入れる。
唾液をのませるように激しく舌を絡ませ合う。

「んっ……ぷはっ……ああっ」

そのまま激しく中を責め、愛液がだらだらと指に絡みつくのを感じる。
首筋を舐めあげ、尻を揉む。
「んんっ!!」
乳首を吸い上げ、甘噛む。


「はぁっ……はぁっ」
リルの顔が、快感によがる。


先ほど、アークに飛び込んでくる前の雰囲気とはまったく違う、ただの快感に呆けた小娘になっていた。

アークは笑いながら言う。

「入れるまでもないが……このまま、ひと思いにやってやろう」

「あんっ……!」

両手で乳房を思い切りこねまわすと、リルの身体がそりかえる。
それを見て、アークは自身の巨大なペニスでリルの秘所を貫こうとした。


(ッ?!)
その時、ペニスに、不意に電流のような快感が流れた。
動きが止まる。
「あら……どうしたの……?」



リルが反らした顔をゆっくりとアークの顔面まで持っていく。
汗に濡れ赤く顔を染め上げたままのリルの顔。だが、リルは笑っていた。


「ッ!! ッ!!?」

再び快感が流れる。声があがりそうになるのをこらえているのがわかった。

「ほら、はやく入れてよ……こんなにヌルヌルでガチガチじゃない……」
鼻と鼻がぶつかる距離でささやくリル。

アークは視線を落とし、自らのペニスを見た。

「なっ……」

「あらっ……どうしたのアークさん……?」



自身のペニスがリルに激しく扱かれていた。
カウパーが溢れ、ビクビクと震えている。


「ほらっ、はやくぅ……」

「ッ! ッ!!」

掌で亀頭を押されるたびに、しびれるような快感が走る。
「イッタイ……な、」

「何をした! って、聞くのかしら? あ、んっ……!」


アークが胸を揉み、愛撫すると、嬌声をあげよがるが、まったく手の動きが弱まることはなく、激しく扱いてくる。

「私は、ずっとあなたのペニスを扱いていただけ……」

「ウッ、ウウッ!」

ついにこらえ切れずアークから声が漏れる。

「ただ、初めはやさしく、次第に強く。とても、とてもゆっくり、ゆぅっくり強くしていってあげたの。ただそれだけよ」

アークの耳元でリルがささやく。

「ばかなっ! それだけでこのっ…… オウッ?!」

「アーク様がって? 確かに、普通それじゃ無理、ねぇっ! あん!……けれど、私のカラダに夢中になって、防御を何もしないおバカな淫魔さんだったら、話は別よね?」

「ソンナっ! コトはっ……」


だがアークが戦いを思い出すと、そこにはリルの豊満な肉体しかなく、己の身体についての記憶がなかった。

「思い出したかしら?」
リルと見つめ合う。瞳が淫媚に光る。その瞳に映る淫魔が、快感に顔をゆがめていた。


「きっ、キサマァ!」

そう言って強く秘所を責めあげようとしたが、
「……クウアッ!!?」
「ほらまた……」

アークがひときわ大きな声を上げた。
アークのペニスが激しく扱きあげられながら、アナルが貫かれていた。
リルの身体を愛撫していた手が止まった。
「あら、どうしたの?」
「オウ!! ガァッ!!」

リルは笑いながらアナルを責め、ペニスを扱く。
(バカなっ……) こんな屈辱的な事はなかった。たかだか人間風情の責めに追い詰められている。
いつも女を自分のペースで喘ぎよがらせてからうずき始めるはずのペニスが、己の意思と
は関係なく高ぶっている。
指輪を持つ女戦士に何度も抜き取られるような事になれば、いくら己とて危うい。

(仕方ない、ここは一度引く……)
翼を広げる。ここは屈辱を押し殺して引くしか。
まず両手を使い激しく責め立て相手の拘束を……


「もうイキそうじゃないアークさん……」
至近距離で見つめ合うリルが赤く顔を染め上げたまま視線だけ下にさげ、笑った。
濡れた髪の間から淫らに光るリルの目は、淫魔のようだった



「入れてあげる必要は……ないかしらね?」








アークの咆哮が響き渡った。






「人間のッ!! 女風情が……淫魔を……舐めるナァ!! ブチ壊してやるっ!!」
己の剛直で啼かなかった女などいない!



アークはアナルとペニスを責められたまま、強引に股下へとペニスを滑り込ませる。
「ちょっと……また……あんっ!! やめ……」
リルの背中に手をまわし、抱きしめると、そのまま秘所を貫いた。



「クウウアアアアア!!??」
響き渡ったのは、またしても淫魔の咆哮。いや、獣の悲鳴だった。
「あっ……だからやめなさいって、言ったのに」
両脚で淫魔の太い腰に巻きつくと、自分からも淫魔に抱きつき、強烈に膣を締め上げる。

「アッ……アッ……」
「確かに……あっ、とってもすごいわねっ……」
アークの巨大なペニスを迎え入れ、喘ぎ声をあげるリル。
その姿勢のまま、動かないアーク。

「でも、あんなイキそうなのを私の中に入れたら、どうなるかわかるわよね? おバカさん」
「アッ……バ、カナッ……」

「淫魔だから経験ないでしょ? この屈辱……」
「ア……」

「さぁ……イッちゃいなさい」















森の中に、獣の咆哮がこだました。





「あぁん……すごい……!」
人間ではあり得ない量の精液がリルの中へ注ぎ込まれていく。



「グアア!!!」
アークはしばらく立ったまま射精を続けていたが、やがて倒れ込む。


「あら、もっとちょうだいな……淫魔さん……」


その上に馬乗りになり、激しく腰を振りたくるリル。


淫魔はどうすることも出来ず、痙攣のように腰を跳ね上げ、魔力の溶けた精を打ちこんでいく。


「ほらほらっ……」
両手をつかみ、胸へ誘う
「グウウ!!!」

射精のペースが上がる。

一体どちらが淫魔なのか、わからなくなるような光景が続く




入口での戦いは、アークの精が全て終わるまで続いた。


















「淫魔って、単純よね……所詮。心なんてないですもの……」

アークは全てを出しきり、風に溶けて消え、後にはリルが残る。
「今日で、全て決めて見せるわ」

リルはひとりごちる。


服をつけなおすと、そのままゆっくりと進んでいった。



コメント下さった方、ありがとうございます。



今回は早めに更新することができました。人を増やすと、視点をどこに置くかやべぇ難しいって事を現在進行形で思い知ってます笑



ここでもらった御意見等も、いつか形にしたい……

では失礼します。

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