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とあるハンターのおっぱい敗北記:第二章

「すみません。無遠慮にこんなに食べちゃって…」

「良いのよ、どうせ私だけじゃ食べきれなかったし」

「でも、ここじゃミルクは手に入りにくいんじゃないですか?」

 腹がくちくなった僕は一時的に性欲も減り、入れ違いに申し訳なさが
こみ上げてきた。いくら相手が喜んでいると言ってもこんな山中では
ミルクなど貴重品なのでは、と思って心配せずには居られなかった。
だけど彼女は笑みを崩さないままゆっくりと首を振った。

「そんな事ないわ。毎日簡単に手に入るもの」

「そうなんですか?あ、山羊を飼っているとか?」

「いいえ、山羊のミルクじゃないわ」

「じゃあ、牛ですか?山で育てるのは大変そうですけど」

「牛でもないし、そもそも私は家畜なんて持っていないわよ」

 彼女にとってミルクは貴重ではなくありふれた物らしい。
しかし家畜は飼っていないと言う。ならばどういう事なんだろう?
頻繁にミルク売りでもやってくるのだろうか?もっと詳しく話を…

 ずくん。

 うっ!な、何だ今の感じは?僕の体の中が何か疼いた様な…

 ずくん。

 まただ。痛みや不快感ではないけど、何かが僕の体を駆け巡っている。
これは何だろう?ミルクを飲んだ事で、下痢になったんだろうか?

 ぷくっ。

「うっ!?」

 うわ!なんだこれ!もう我慢できそうだと思っていた勃起が何時の間に!
まずい、座っていてもテントが見える筈…ヤバい、ヤ…

「あ、効いてきたみたいね」

 あれ?彼女は全然驚いていない。むしろ更に笑顔を深めている。
それよりも今何て言った?効いてきた?

「ねえ、さっきのミルクの出所。知りたくない?」

「え?ええ、まあ…」

「あれはね…」

 何が起こっている?何をされたんだ?何を…!?

 混乱に陥る僕をまるで小動物を眺める様な視線で見てくる彼女。
次の瞬間、彼女はブラウスの端を掴んでゆっくりと持ち上げていた。
僕は思わずあんぐりと口を開け、勃起を隠す事すら忘れてしまう。
そして僕が凝視する中でブラウスはたくし上げられ、脱ぎ捨てられた。

 出てきた物は僕の期待を裏切らなかった。いや、それ以上だった。
大きな胸を褒め称える表現としてメロンの様な、とかスイカの様な、
とか言う事があるが、そんな表現では過小評価も良い所だった。

 ただ巨大なだけじゃない。緩やかな丸みが美しい曲線を描いているが、
それだけじゃない。弾力と柔らかさが絶妙なバランスを兼ね揃えているのが
一目で分かるけど、それも本質じゃない。滑らかさ、匂い、暖かさ、白さ
などなど他にも褒める点は幾らでもあるけど、どこを見てもすぐに
別の何かに魅了される。果て無き楽園に閉じ込められた気分になってしまう。

 完璧と言う言葉でも物足りない、それが彼女の胸だった。
母性と優しさを大きく感じさせながら、いやらしさと美しさを混ぜ合わせ、
更に魔性の怖さまでトッピングした“女”そのものだ。

 ずくぅん!

「ううっ!」

 もう分かる。さっきから感じている疼きは急速に膨らみ始めた性欲だ。
勃起はもう隠し様が無く、解放を求めて痛みを訴えている。
そんな僕を見る彼女の視線は相変わらず優しいが、上半身が
白いブラ一枚になっている為とてもシュールで返っていやらしい。

「気に入った?そこまでじっくり見てもらえると、嬉しいわ」

「な、何をしているんですか…何を…」

「言ったでしょ?あのミルクの出所を教えてあげるって。あれはね…」

「ま、まさか!」

「そう。あれは私のぼ・にゅ・う♪」

 むにむに…

「うううっ…」

 彼女の手にはとても収まりきらない乳房がブラ越しに揉み解され、
淫らなダンスを見せ付けてくる。それだけで射精感がこみ上げて来る。
ひょっとしてもう、先走り汁が出ているんじゃないだろうか?

 ブラに包まれたおっぱいを見せられるだけでこうなるなんて…
見るだけじゃなく自分で触らせてもらったらどうなるんだろう?
ブラを取った生乳を見せられたらそれだけでイッてしまうかも?
ましてやぱふぱふやパイズリをされたら、ひとたまりもなく…

 って何を考えているんだ僕は!いくらなんでもおかしすぎるだろう!
彼女がどれだけセクシーでも、これじゃハンターどころか童貞同然だ!
そもそもさっき言っていた事に絶対に聞き逃せない部分があったぞ!

「さっき、効いてきたって言ってたのは…!」

「ええそうよ、私の母乳が効いてきたでしょ?あんなに沢山
飲んじゃったから、これからどんどん凄い事になっていくわよ」

 やはり…彼女の母乳が媚薬や興奮剤になっていたんだ!
だけどそんなの普通の母乳じゃ有り得ない。女性のハンターや教官の
中には母乳を武器にしてくる人も居るけど、それでもこんな
劇的な効果が出てくるなんて考えにくい…つまりは!

「あ、貴女は淫魔だったのか!」

「はい、初めまして。乳魔のネピアって言うの。坊やの好きに呼んでね。
呼び捨てでも、さん付けでも、なんならママとかお姉ちゃんとかでも
良いわよ?女王様とかご主人様とかは私の趣味じゃないけど」

「あ…じゃあネピアさんで良いですか?」

「う〜ん…坊やの好きな呼び方をして良いって言ったけど、
ちょっと無難過ぎてつまんないなあ。その内別の呼び方もしてね?」

「い、いえ、変な呼び方はちょっと…」

 違う!何をしているんだ僕は!相手が淫魔だと分かったのに
なんで敬語をつかってさん付けなんかしているんだ!

 いや、それよりも重要なのは何故相手が淫魔だと分からなかったか、だ!
相変わらず彼女からは淫気の欠片も感じない。今この場で冗談でしたと
言われたら信じてしまいそうだ。何故?何故全く淫気を感じないんだ?

「どうしたの?焦るのは分かるけど、何か気になるの?」

「ほ、本当にネピアさんは淫魔なんですか…?だって、淫気が全く
出ていないじゃないですか…淫魔だったら淫気が出ていない筈が…」

「なるほど。それが気になっていたのね?でもタネは簡単なのよ。
私はちゃんと淫気を出しているわ。それもたっぷりと…
だから坊や、すっごく興奮して私にどんどん魅了されているでしょ?」

「ううっ…な、ならなんで…」

「ただ、坊やにはそれが淫気だと認識できないだけ。
ここに来る時、坊やはミルクのスープの匂いを嗅いでいたでしょう?
あの時から既に坊やは私の罠にかかっていたのよ」

 さわっ。とぷんっ。

 うっ…またおっぱいを自分で揺らしている…目が離せない!
一体僕はどれだけ魅了されているんだ?ただの爆乳なら今まで何度も
見てきたのに、まるで初めて女の半裸を見ているみたいだ…

「乳魔の母乳は様々な効果があるのよ。ローションに使えるのはもちろん、
媚薬や栄養剤になるのはほぼ共通だけど、その他にも家系によって
色んな事が出来るの。下級乳魔の物は眠り薬や痺れ薬になるのが精々だけど
上級になると相手を若返らせたり、記憶を奪ったり出来ちゃうわ」

 さわっ。とぷんっ。

 なんだって…!恐ろしい淫魔の能力の噂は星の数ほど聞いてきたが、
そんな危険な物は未確認情報でも中々聞いた事がない!
いや、危険だからこそ情報が乏しいのか?ああもうおっぱいが揺れて…!

「私の家系に伝わるのは“同化”の能力よ。私の母乳は嗅いだだけで
私を安心できる相手、仲良くなりたい相手として認識してしまう様になるの。
ましてや飲んだりしたら、会ったばかりなのに以前から親しい相手の様に
思えてきちゃうのよ?坊やは中々強い淫魔ハンターみたいだから
ある程度は抵抗できているみたいだけど…何時まで持つかなあ?くすっ」

 そ、そうか。だから僕はネピアさんに対する態度を変えられないで
いるんだ。実質的にほれ薬を飲まされたのも同じなのか?

「私の淫気を感じ取れないのもそれが原因よ。無意識に自分と同じ
親しい存在だと思っているから、自分とは違うなんて感じないのよ。
むしろ今の坊やは一時的にインキュバスになっちゃったみたいな物かも?
さしずめ上級乳魔を目の前にして、初体験の予感で怯えている
童貞インキュバスくんかしら…どう?ちゃんと分かった?」

「え、ええ…お蔭様で…」

 くそっ、なんて事だ。まんまと一服盛られちゃったのか。
ん?と言う事は、帝国への関所が無人だったのは…

「それじゃ、帝国は既に淫魔達の手に!?」

「ええ、そうよ。今あの国は私達の支配下にあるわ」

「じゃあ、次は王国を…!」

「ご名答。坊やは頭が良いわね」

 なんて事だ…既に帝国が淫魔の手に落ちているなんて!
しかもこの様子だと王国侵攻の準備もかなり進んでいる筈!

 だったら、僕は必ず生きて帰らなくてはならない。
王国の運命は僕の手に託されたんだ。

「…色々説明してくれて有難う御座います。とても重要な情報でした」

「どう致しまして。でも、この情報を持ち帰るつもりなの?」

「ええ。僕も王国を守るハンターの端くれ、絶対に淫魔には屈しない!」

「ふふっ…」

 すっ。

 くっ…彼女が四つんばいになって近づいてくる!垂れ下がった胸が
物凄く柔らかそうに見える。今すぐあそこに飛び込んでしまいたい。

「坊やは偉いわね。これだけ魅了されたのに、それでも使命感を
失わないなんて。それでいて礼儀正しくて、頭も良い。顔も良し」

 ゆさゆさと揺れる谷間…見るな!彼女の顔を見ろ!目を合わせるんだ!

「私の理想のタイプだわ。良かった〜、好みじゃない男が来なくて。
ねえ坊や、私、坊やがどうしても欲しくなっちゃった…だから、頂戴?」

「そ…それはどうも!だからと言って、あげる訳にはいかないんですよ!」

「ええ、そうよね。だから淫魔らしく坊やを犯して自分の物にするわね。
元々そのつもりだったけど、坊やの頑張りに報いる為に思いっきり
愛と快楽をこめて、何回もイかせてあげる…何回も、何回も…ね」

 ぞくり。

 恐ろしい程の色気が、それを上回る巨大な愛に包まれて迫ってくる。
今すぐ彼女の物になってしまいたい。身も心も委ねて、犯されて、
イかされてしまいたい。そんな思いが理性をどんどん圧迫してくる。
股間からも熱い波が押し寄せてきて、今にも精液が噴き出そうだ。
読者の時は早く射精シーンが見たくなるのに、
作者の時は出来るだけ焦らしたくなるこの不思議。
作者になると言うのは乳魔と化して攻めに回っている様な物なのかも?

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