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ギロチン少女マジカル☆ギヨたん その6

 革命が起こったとはいえ、既存の軍事力がなくなるわけではない。
 王に仕えていた軍隊は、そのまま革命者たちの配下となる。そうしなければ国も兵士たちも、破綻してしまう。
 もっとも、王を欠いた軍の士気が高いのかといえば、無論その限りではない。
 士気のない軍隊の敗北は必至である。
 逆に云えば、その戦う動機に火をつけてやれば良いだけのこと。
 兵士、男たちに火をつける有用な手段は、古来からたったひとつに決まっていた。

「だ、団長……っ」
 まだ垢抜けない少年が切なげな声をあげた。
 そばかすが頬に残る少年は軍服をはだけさせられていた。棒立ちになってしまっている少年の下半身を覆う布は剥かれていて、少年の屹立した男性器を隠す物はなにひとつとしてない。
 あるとすれば、それは女性の手だった。
 床に両膝をついて、少年の股間に顔を寄せている女性がいる。きらきらと黄金のように輝く金髪を紐で馬の尻尾のように纏めた女性だ。ポニーテールの女性の顔つきは凜としていて、目は意志の強さを感じさせる鋭さがあった。冷徹そうであり、並の人の比ではない力強さが滲みでている。
 女性の肢体はしなやかな豹のようであった。躯は引き締まっていて、武術の心得がある者なら相当鍛えていると一目でわかる。しかし、筋肉によってなめらかな躯のラインが損なわれてしまっているかと問われれば、否である。むしろ、その逆だった。
 女性は自身がまとっている革製の防具に手をかけると、留め具を外す。音を立てて防具を降ろすと、胸が姿を現した。まだ服で全貌を明らかにしていないものの、ずっと解かれることのなかった防具がなくなったことで禁断の聖域を目の当たりにしてしまったかのような錯覚を人に抱かせる。
 胸にいやらしさなど皆無。なのに、目が自然と谷間に吸い寄せられてしまう。薄手の服の胸元から見える汗ばんだ胸元に、少年は息を飲んだ。
 さらに女性は衣服を脱いで、上半身を無造作にさらけ出す。裸になって、躯の線はよりはっきりと見えた。女豹――その印象に狂いはなかった。
 鍛えられた筋肉がしっかりと躯を引き締めていて、そこにスタミナを維持するための脂肪がうっすらとついている。腹筋、へそのラインのなめらかさは健康的すぎて逆に妖しさを漂わせていた。
 女性の手が少年の男性自身に触れると、か細い声があがった。切れ長な女性の目が少年を見上げる。
「どうした、そう力むな。力を抜け」
「で、ですが……」
「云う通りにしろ。これも訓練と同じだ。それとも、嫌でも力が入らないようにしてやろうか」
 云うなり、女性は少年のペニスを一口で呑み込んでしまった。
「ああっ!」
 女性の口技は、彼女の顔立ちに反して淫らだった。
 ぐちゅっ、ぐちゅっと音を鳴らしながら首を上下に動かし、肉棒を舐めしごく。根本から亀頭まで下がり、亀頭から一気に根本まで呑み込んだ。唾液で濡れた頬肉と舌がねっとりと陰茎にからみつく。
「んっ、ちゅっ……どうした、まだ一〇秒も経っていないぞ?」
 ペニスを口から抜き、笛でも吹くように竿に唇を這わせて、女性が笑う。それに答えるだけの余力のない少年は、ただこみ上げてくる快感を堪えるのに必死だった。
 早くに限界を迎えるのは恥ずかしいという感情が少年にはあったが、墓穴を掘るとわかっていても、少年は自分の性器に舌を這わせる女性から目を離すことができない。
「スペルビア団長……っ」
 少年は荒く息をはきながら、女性の名を口にする。
 スペルビアという女性は国の騎士を統括する団長だった。軍隊にいる少年とは所属が違ったが、その卓越した技量から軍の人間はよく稽古をつけてもらっていた。女だてらに騎士の頂点に立った技術と力に敵う男はこの国にはひとりとしていなかった。
 くわえて、その美貌である。清廉な厳格さをまとった容姿は見ているだけで気が引き締まるくらいで、誰もが憧れたものだ。幾人もの男を虜にしたが、ずっと高嶺の花で有り続けたのは彼女の力故である。男に自信を喪失させるほど、スペルビアは強かった。そんな彼女へ無神経にも手を出そうとする愚か者は、この時代にはいなかったという話だ。
 なのに、そんな誰の手にも汚されていないような女性がペニスをしゃぶっている――その光景から目を離すことなんて少年には考えられなかった。
 スペルビアは自分の涎と少年の我慢汁で口元をぐちゃぐちゃに汚しながら、首を振りって熱心に少年の亀頭に食らい付く。赤々とした粘膜を這う舌と唇の感触――
「あ、ああ、もうだめ……あああああっ!」
 未熟な少年はついに我慢の限界に達した。
 あの騎士団長の口の中に射精してしまう、その事実に云いようのない背徳感を感じながら少年は精液をぶちまけた。
 スペルビアは顔色ひとつ変えずに、少年の精液を呑み込む。けれど、その口はスペルビアとは独立した存在であるかのように精液を絞り取る機関と化していた。無表情に精液をペニスから吸い出されて、少年は腰が抜けるほどの快感に震える。
 がくり、と少年は足から力を抜いて床に倒れる。兵舎の一室の床は冷たかったが、熱を感じることができないほど頭の中に甘い快楽が充満していた。
「これで力は抜けたな」
 精子の糸を引きながら少年のペニスから口を離したスペルビアは、膝立ちになって少年の腰に跨った。
 既にスペルビアの下半身にはショーツ一枚しかなかった。黒い布地にレースをあしらったもので、スペルビアの印象とあわないような、それとも酷く合致しているような、不思議な感慨を少年に与える。
 スペルビアはショーツをずらすと、秘所を相手に見せつけた。
「お前が前線に行く褒美だ……忘れられぬよう脳髄にまで焼き付けるがいい」
 愛液で濡れていた女性器に少年のペニスが宛がわれ、一息にスペルビアは腰を落とした。
 ずぷんっ、と少年の経験不足なペニスが女性騎士たるスペルビアの躯を貫いた。
 子供の陰茎は、未成熟といっても男性としての機能という点においては欲望に忠実な獣。
 だが――欲望に忠実という点においては、スペルビアの方が一枚も二枚も上手だった。
「ははっ、この我の中でお前のペニスがどんどん膨らんでいるぞ。物足りぬかもしれぬと懸念していたが、やればできるではないか!」
 歓声をあげて、スペルビアは淫らに腰を振る。騎乗位で少年を馬のように扱いながら、結んだ髪を尻尾のように振り乱す。尻尾を振って悦ぶ姿はまるで交尾に夢中の犬かなにかのようだった。
 頬を上気させて腰を振り乱せば、スペルビアの膣が少年のペニスをきつく締め付ける。鍛えられた括約筋でしまる膣圧は強く、少年のペニスは押しつぶされてしまいそうだった。けれどスペルビアの膣肉は極上の霜降り肉よりも柔らかい。
「あ、駄目、もうっ」
 スペルビアが腰を三回も振らぬうちに、少年の我慢は限界に達した。射精したばかりだったというのに少年は精を騎士団長の秘部にぶちまける。
「手加減してやったというのに……早漏め。ならばしっかりと訓練をつけてやらんとな!」
 少年が射精していても、スペルビアは腰の動きを止めることはなかった。むしろ、余計に腰の激しさは増す。肌に珠のような汗を浮かべながら、冷静沈着な騎士団長は愉悦に顔を歪めて少年のペニスを弄んだ。
「あ、ああああ……!!」
 彼はもう、悲鳴をあげてスペルビアの中に射精することしかできなかった。

     *

 事を済ませたスペルビアが向かったのは、この国の牢獄のひとつだった。
「まったく、いきなり人を呼び出すとはどういう了見だ……我は忙しいのだぞ」
 愚痴をこぼして腰にはいた剣の石突きを叩く。
 現在この国は、革命者たちが指揮する軍で他国と戦争の真っ最中だった。もっとも、戦争の原因は革命軍の方にある。彼らが国の主権を握り、その勢いで他国にまで攻め立てたのだ。問題は、軍は既存のものであるということだ。王に仕えていた者たちがそれを殺した者にすんなり従うわけがない。よって、戦線は酷い有様である。兵士の士気など最悪である。
 そんな状況なので、スペルビアは前線に赴く羽目になった少年の筆卸をしていたのだ。もう二度と祖国の土を踏めない哀れな少年への手向けに。
 もっとも、革命の要因を作ったのは他でもないスペルビアを含む三人の高位淫魔であるが。そんなことまで気にしない辺り、騎士とは云えやはりスペルビアも淫魔のひとりだ。
 牢獄に到着すると衛兵に声をかけて中に入れて貰う。スペルビアは女官に扮しているアワリティアと高級娼婦を名乗っているルクスリアとは知名度が違うので、ほとんど顔だけで入れて貰えた。
 案内を断ってスペルビアはアワリティアとルクスリアに呼ばれた牢獄の一室にやってきた。
 そこは牢獄の最奥にある檻だ。
 鍵のかかっていない檻の中にアワリティアとルクスリアの姿を確認した。
「おい、こんなところに呼び出して、いったいなんの用だ。お前たちと違って、我には表の仕事があるのだから、わざわざ呼び出すな」
 不機嫌さを隠しもしない言葉だったが、檻の中で振り返ったふたりは気を悪くした様子もない。スペルビアは誰に対してもこんな性格なのだと知っているのである。
 スペルビアの顔はぞっとするくらい端正であるものだから、必要以上に苛立っている風に見えるのだ。そのため、並の肝っ玉の持ち主なら竦みあがってしまう。その性格が熟知できるくらいに付き合いが長ければ、彼女の表情の変化に戸惑うこともない。
 もっとも、実力ある淫魔は己の力に絶対の自信を持っている。例え怒らせても自分が負けるとは考えていないのが恐れない最大の要因だった。
「つれないなあ、スペルビアは。せっかくボクに男を貸してくれたお礼をしてあげようと思ったのに」
 ニコニコとしているボーイッシュな褐色の少女にスペルビアは溜息を吐く。
「あれは貸したのではなく、奪われたの間違いだ。貴重な労働力を浪費するな、淫売め」
「もうっ! スペルビアは人間に甘いんだから」
「何を云っている。蟻程度の力しか出せぬ猿も人海戦術には必要だからな。ものは使い用だ。それと、何度も云わせるな。何故我を呼んだ?」
「彼に見覚えがあるでしょう?」
 いい加減本当に苛立ってきたスペルビアに答えたのは、長髪を揺らす穏和な顔つきのアワリティアである。
 アワリティアが牢の中を手で示すが、丁度灯りの影になっていて何がいるか窺えない。
 スペルビアも牢の中に入ってそこにいる人物を見た。
「――ほう」
 自分の姿を見て萎縮した青年を見て、苛立ちもどこへやら、スペルビアは口の端をつり上げる。
「まさかまたお前に会うことになるとは思わなかったな、ジョゼフ」
「スペルビア団長……」
 両手を背中で拘束されているジョゼフは、呆然とスペルビアを見上げた。
「えっと、この子はスペルビアの知り合いなんだよね? ボクはアワリティアからの又聞きだから良く知らないけど」
「ああ、昔騎士団に居た奴でな。てっきり死んだと思っていた。いや――」
 こつん、と人差し指が腰にはいた剣の石突きを叩く。
「我が殺したはずだと思っていたのだがな。壮健そうでなによりだ。切り落としたはずの右腕もどうやら繋がっているらしい」
「……っ」
 ぐっ、とジョゼフが奥歯を噛みしめる。怒りはなく、睨むわけでもなかった。それは自分の無力さに打ちひしがれているようだった。
「へえ、殺したってどういうこと?」
「こいつは我が剣を教えていた騎士のひとりでな。その中でも剣の才は飛び抜けていた。まあ、あくまで見習い共の中での話だが……。これの最も優れた才は状況の判断能力でな、革命の機運をいち早く察知して騎士団を脱退したのだよ」
「……そして、ぼくは貴女に斬られた」
「ああ、我がお前の右腕を切り落とした」
 悪びれもせず、スペルビアは云った。
「少しでも我の興味を惹いた男は試さずにはいられない。だから斬った。騎士を突然止めたのだから、殺しても適当な理由をでっち上げればそこそこの正当性も得られたからな」
「変なの。気に入ったなら食べちゃえばいいのに」
「お前と一緒にするな。そんなに腰ばかり振っていては脳髄が溶ける。それに今から食べさせてもらう。崖に突き落として這い上がってきた相手ほど虐め甲斐があるからな。どうせ、そうさせるために我を呼んだのだろう、アワリティア」
「ええ。人質ですが、別に殺してしまって構わないでしょう。どうせ相手をおびき寄せるための餌にすぎないのですから、死んでいても悟られなければ仔細問題ありません」
 アワリティアは一切言葉を詰まらせることなく云いきった。
 ジョゼフを逮捕して処刑を敢行すると宣言したのは、彼が夜を騒がせている者と関連性があると踏んだためである。
 危険人物としてアワリティアは魔女イザベラを斥候にマークさせていた。あれほどの力の持ち主、七つの大罪の名を冠するほどの上位淫魔なら気付かぬわけがない。その家に三人の人物が担ぎ込まれ、うちひとりがジョゼフだった。ふたりいた小柄な少女のうち、片方はイザベラと同居している者であったから、自然と夜の犯人は見慣れない黒いドレスの少女に絞られてくる。
 どうやらジョゼフは夜に吸われた者で唯一の生還者、相手が特別な思い入れをしている可能性は高い。こうすれば、なんらかのアクションがあると踏んだわけだ。
 当てが外れたところで特に問題もない。そのときは、国民を満足させるために処刑される哀れな少年がひとり増えるだけの話だ。
「ふふっ、なら遠慮なく頂くとするか」
「な、なにを……」
「なにを? わかり切ったことを聞くのだな」
 ジョゼフを鼻で笑って、スペルビアは服を脱いだ。身を守るための鎧を無造作に放り捨てて、仁王立ちになる。
「淫魔がすることなど、ひとつしかあるまい」
「淫魔って、まさか団長が!?」
「ボクたちもそうだよ−」
 驚愕しているジョゼフをせせら笑うようにルクスリアが補足した。
 ジョゼフは気絶している間にここへ連れてこられて、意識を取り戻したときに見ず知らずのふたりがいたのだ。彼女たちがどんな素性の者達か判っていなかったのも無理からぬ話である。しかも、一度殺されかけたとはいえ、かつて自分の上司であったスペルビアまでもが人ではなかったと云われれば、思考も停止してしまう。
「さて、いつまでそうしているつもりだ。頭が高いぞ、ささっとかしずかんか」
 スペルビアはジョゼフの頭を踵で思い切り蹴り飛ばした。
 靴底が額を殴打し視界が真っ白に弾ける。ジョゼフは声をあげる暇すらなく床に頭をたたきつけられ、鶏の首を絞めたときのような苦しい声を洩らした。
「ガ……っ」
「苦痛で歪む、いい顔だ……これだから殴り甲斐があるのだよ。あのときも本当に愉しかった、この腕を切り落とした時も!」
 ジョゼフの右肩をスペルビアが容赦なく踏みつける。骨が軋む音が聞こえてきそうなほどの力強さのまま、足が捩られてジョゼフは悲鳴をあげた。
「ア、ギ、ッアアア……ッ」
「はっはは! 古傷が痛むか? そうだろうなあ、あのとき我が切り落としたところは丁度ここのはずだ。痛かろうさ。けれど、まだあのときよりはマシであろう? もう一度ここを外してやったら、さぞや懐かしい気分に浸れるだろうな」
 傷みを快楽に変えるような手管の女性というのもいるが、スペルビアの場合、そこに加えられた力には一切の加減がなかった。本当にこのままジョゼフの右肩を外して、ちぎり取ってやろうという意気込みを感じるくらいの力が足にこめられている。
「ふふ……意地悪もこれくらいにしてやろうか。お前を苦痛で鳴かせた回数などもう数えることもできんのだ。次はこっちで鳴いてもらおうか」
 そういうとスペルビアは下半身を覆っていたショーツを脱ぎ捨てて、ジョゼフの顔の上に腰を落とした。鼻と口に押しつけられた熱く濡れる柔肉に、ジョゼフは目を見開く。視界に広がるのは鼻をこりこりと刺激する陰核とスペルビアの金の平原だけだ。
「ほら、ここがお前の肉棒を銜え込む搾精器だ……たっぷり味わうがいい。なにもしないと、窒息してしまうぞ?」
 鼻を塞がれて呼吸ができないジョゼフはスペルビアの云う通りにするしかなかった。
 例えそんなリスクがなかったとしても、この甘い液体で濡れた秘部に舌を這わせていたことだろう。人間にとって、スペルビアの愛液に濡れた秘所は昆虫にとっての樹液で濡れた木々同然だった。
 アンナマリアの薄い線のようなものではなく、ぱっくりと口を開いた性器に舌を伸ばす。女性の陰部を舐めるなんてジョゼフは初経験だったが、そのことを忘れてしまうほど鼻と口を押さえつけるそれは魅力的。
 舌が亀裂をゆるく舐めると、スペルビアの背筋がびくんっと跳ねる。
「あはっ、いいぞ……そのまま中に……んんっ」
 舌先が膣の入り口をノックし、肉の道を掻き分けていく。すると舌先から、ジョゼフは全身が震えそうになる快感を流し込まれた。膣肉が侵入してきた舌をペニスと同じように締め付ける。波打った襞が左右共に別々のうねった動きでもって舌を責め立てる。性器を舐めて感じさせているのはジョゼフのはずなのに、舌を入れただけでジョゼフの攻守は完全に逆転してしまっていた。
「はっ、ああ……」
 ジョゼフの口内から唾液が大量に溢れて口元を赤ん坊のように濡らす。それでも舌を引き抜けないのほどの快感がジョゼフを襲っていた。
 口の中に流れ込む愛液を喉が動いて呑み込めば、さらに痺れるような快楽が全身に染みこんでいく。頭がクラクラするのは、なにも酸素が欠乏しているだけではなかった。
「いいぞ、慣れてないにしては上出来だ。我の中でお前の舌が性器みたいにのたうちまわっておるぞ」
 舌を膣にいれただけでペニスを触られたように感じてしまったジョゼフを笑う。
「では、お待ちかねだ。そんなに触って欲しいのなら我が喰らってやろう」
 スペルビアが躯を捻って体勢を変える。ジョゼフの顔に女性器を押しつけながら、ズボンの中で膨らむペニスに顔を寄せた。
 手際良くズボンを脱がせると、がちがちに勃起したペニスがこぼれる。
「ふん、我の性器を舐めさせられただけでこうも硬くするとはな」
 スペルビアの舌が陰茎を根本から尿道までぬるりとなぞった。
 そのまま亀頭を包み込み、口をすぼめて頬肉と舌を密着させる。鍛えられた騎士団長といえどその口内は柔らかく、亀頭に吸い付く肉の感触は男の躯を悦ばせてあまりあった。
「は……ああ……」
「だらしない声をあげおって……淫魔の愛液をそんなに呑んだのだから当然か」
「そこにスペルビアの唾液をペニスにすり込まれれば、どのような男も正気でいられるわけもありませんね」
 淫魔の分泌する体液には精力増強の他にも、媚薬のように性欲を刺激する効果がある。それはもう麻薬と同じで、口に含んでしまえば最後、正常な思考能力を失ってしまう。たとえどんなに屈強な強者であっても、力を生かすための思考を奪われてしまえば赤子も同然であった。しかも、高位の淫魔たるアワリティア、ルクスリア、そしてスペルビアの体液は他の淫魔の比ではない。彼女たちと寝てしまった時点で、人は性欲という三大欲求のひとつに執着する精液袋と成り下がるしかないのだ。
「ねえねえ、スペルビアを見てたらボクも欲しくなっちゃったよ。仲間にはいってもいいよね?」
 にこりと笑って、スペルビアはジョゼフの股の間に寝転がってペニスに顔を近づけた。ペニスに浮き上がる裏筋へ挨拶代わりに舌を這わせる。
 ペニスは熱された鉄のようで、力を込めて無理矢理射精を堪えていた。そんな男の儚い抵抗は淫魔たちには筒抜けで、逆に嗜虐心を煽るだけだ。
「これは今、我の所有物だ。ならぬ。あとにせよ」
「スペルビアの後なんて絶対回ってこないよ。だってずっとやめないんだもん。それにー、もしボクがこの子イかせたら、この躯の方が気に入ってるってことだよね。道具はより上手く使える人に渡るべきだと思いまーす」
「ほう、この我に勝負を挑むか……面白い。なら我より先にジョゼフをイかせることができたならば譲ってやろう」
「やった! じゃあ、いただきまーす」
 スペルビアの反対側からルクスリアがペニスに吸い付いた。
 ふたりの淫魔の舌と唇にペニスを責め立てられて、ジョゼフにはもう正常な思考能力は残されていなかった。下半身へ反射的に力が集まって辛うじて射精を堪えているだけで、もう天上の快楽から逃れようとする抵抗の意志は根こそぎ取られていた。
「んふっ、ちゅ……あはっ、まだまだ大きくなってるね。ふたりの淫魔に責められたら、どんな短小包茎なおちんちんでもおっきくなっちゃうからね……。こうやってボクたちみたいなすっごく強い淫魔に舐められてるんだから……こんな幸せなこと、滅多にないんだよ?」
 牢屋の中はむせかえりそうになるほどの甘い香気が漂っている。ルクスリアとスペルビアの汗ばんだ躯から漂った色香だ。その匂いは嗅がなくとも、肌に触れただけで男は勃起を抑えることはできないほどの淫蕩な気である。さらにその原液とも云える愛液を呑み、唾液を粘膜にすりつけられれば、男の精神を崩壊させてしまうには充分だった。
「ねえ、スペルビア。お口だけじゃなくて、おっぱいも使おうよ。きっと夢心地であっという間にイっちゃうから」
「胸? ……我の胸はあまり大きくはないが」
「淫魔なのにそんなこといわないの! その胸が逆に男を悩殺しちゃうんだからさ」
「ふむ、そんなものか」
 ルクスリアとスペルビアが胸元をはだけると、褐色の美乳と純白の微乳が揺れた。後者はささやかな揺れでも、それが男の背徳感を刺激する。
 勃起して天上を指していたペニスを、ルクスリアとスペルビアの胸がサンドイッチにした。ふたりの乳房に亀頭以外を包まれて、ジョゼフはスペルビアの秘所に口を押しつけたまま嬌声をあげる。
「ボクの胸の中でビクビクしてる……亀頭が触られてないからイけないんだね。すっごい苦しそうに膨らんでるよ」
 褐色の胸で脈打つペニスを見下ろすと、くふっ、と喉を鳴らしてルクスリアが微笑み、亀頭に舌を伸ばした。
 八の字を描くようにして亀頭を舐めると、舌先を尿道に滑り込ませる。
「は、あああっ!?」
「む……このままお前にイかさせてなるものか。我の胸で……」
 一生懸命に胸を中央に寄せたスペルビアが躯を揺する。控えめな胸がペニスにこすりつけられて、硬い乳首が雁首を弾いた。
「このおちんちん、もうイっちゃいそうだよ? これはボクの勝ちかな」
「抜かせ、我の胸が良いのだ! ……はむ」
 むっちりと肉のついたふとももでジョゼフの顔を挟んで自らの女陰をなめさせながら、スペルビアは胸から顔を出す亀頭を銜える。ルクスリアの唇とスペルビアの唇がひとつのペニスを取り合っていた。
 竿にくわえられるふたりの胸の極上な感触と亀頭を這う熱い塊の刺激は、淫魔の気に当てられ昂ぶっていたジョゼフを限界へ引きずり上げた。
「ぁ……ッ、ああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――!」
 ドクンッ! ドクンッ、ドクドクンッ……!
 噴火した火山のごとく白濁とした精液がペニスから噴き出した。
 ルクスリアとスペルビアの口で受け止めきれなかったほどの精がふたりの顔にぶち当たり、ペニスを挟んだ乳房の上にだらだらと降りかかる。口に入り込んだ濃い、ぷるぷるとした大量の精液をふたりは舌の上で転がし、呑み込む。
 チーズみたいに唇を汚した精液を舌で舐めて、ルクスリアは喉の奥から青臭い吐息を吐いた。
「はあっ、すっごい濃い精液! これだけ出させたんだから、ボクの勝ちだね」
 褐色の胸を白くデコレーションした精液を見せつけながら、ルクスリアが得意げにいった。
「戯け、我の躯にこやつが感じたのだ。その証拠に我の女性器に夢中でむしゃぶりついている」
 スペルビアが躯を起こして、ジョゼフの顔の上に騎乗する。太腿で頭を固定させたまま腰で円を描いて、男の顔に何度も陰部もなすりつけた。
「くくっ、そのペニスはたっぷり濡れた我が抱きしめてやる予定なのだ」
 ようやくスペルビアが立ち上がると、腰の下から現れたジョゼフは虚ろな目で浅い呼吸を繰り返していた。口を解放されたにも関わらず、もう意味のある言葉を出せなかった。
 スペルビアが牢の壁に背中を預けて、股を開く。秘部が花弁のように開いて男自身を誘っていた。
「さあ、来い。ここにお前のペニスを突き刺すがいい。抱きしめてやろう……天の果てまでな」
 騎士団長の誘惑に乗るほどの理性すらジョゼフには残されていない。それでも、ジョゼフはルクスリアを押しのけて、スペルビアと向かい合う。街灯に群がる蛾のように、抗いがたい誘いに引き寄せられて。
 あれだけ盛大に爆発したペニスは淫魔の気、そしてふたりによる暴力的なまでのテクニックで未だに萎えていなかった。
 ジョゼフはスペルビアに覆い被さり、ペニスを女性器に近づけていく。
 スペルビアの、武器を握ってきたせいで肌がささくれ立った手が肉棒に添えられた。細く綺麗という女性の指の印象からかけ離れていながらも、その指で触れられれば声を洩らしてしまうほどの快楽が染みこんでくる。
 男根を期待して、スペルビアの女性器が涎を垂らした。ジョゼフの意志とは裏腹に、肉棒はそこへ吸い寄せられる。
 くちゅ、と音を立てて亀頭が秘部に埋まる。瞬間、無数の襞が蠕動した。
 亀頭を幾重もの襞はまるで何十、何百という舌を同時に押しつけられたような圧力と快感。
「あ、ああああああッ!」
 亀頭の隅々に愛液をすり込もうと蠢く膣の感触に男が耐えられるわけもなかった。
 ペニスが膣の入り口で暴発する。どこにそれだけの精があるのか。どう見ても陰嚢に入りきらない量の精液が接合部から溢れだした。
「なんだ……先端をいれただけで達してしまったのか?」
 陰茎に添えていたせいで精液まみれになった手を眺めながら、スペルビアが鼻で笑った。
「少し本気になりすぎてしまったか。……さて、お前は奥まで入るうちに幾度射精するのだ?」
 精液で汚れた指を口で銜えて綺麗にすると、艶然と微笑むスペルビアはジョゼフの腰に足を絡みつかせた。足に力を入れて、まだ射精の余韻さめやらぬ肉棒を自分の中に押し込んでいく。
 ず……ずる……っ。
 竿に絡みつく濡れた膣肉は容赦がなかった。きゅっとしまった膣は手で握られているようだが、与えられる無数の襞による感触は明かに手のそれではない。
 この圧力はアンナマリアのような小さい膣にいれた時の狭いからきつい、というものではなかった。鍛えられた括約筋による締め付けは緩めるのも強めるのも自由自在で、精を絞りだそうと常に新しい刺激を与えてくるのだ――。
「駄目……これ以上は、無理……!」
 ペニスに与えられる感覚はジョゼフの正気すら取り戻させるほどだった。
 けれど、膣からペニスを抜くことは叶わない。腰はスペルビアががっちりと足で捕まえていたし、なによりジョゼフは逃げようと思うことができなかった。
 これ以上の快楽を拒絶しているのに、不思議とジョゼフの腰はペニスを押し込もうとしている。陰嚢の中はもう空になっているはずなのにだ。
「ど、どうして……っ、止まらない……!?」
「くくっ、わからないようだな、ジョゼフ」
 汗で前髪を額に吸い付かせているスペルビアがその動揺を見抜いた。
「我の気は少々特殊でな……。なに、たいしたことはない。ただ、我の発する気を受けた者は危機に対して愚鈍になってしまってな……逃げようだとか、後退だとか、そういったことが一切できなくなるのだ。逃走本能の鎮圧だな。普段は戦場で自軍の兵士を従えるために使っているが……この状況でも、ありだろう?」
「そんな――」
「以前、お前が我に腕を切り落とされたのも同じ理由だ……お前は逃げようとする意志を知らず破壊されていたのだよ。そうでなければ、力及ばぬと判っている相手を迎撃なぞしないだろう?」
 スペルビアの前に立った時点で。あらゆる者は逃げ出すことができなくなる。出会ってしまったときに人は死を覚悟しなければならないのだ。
 まさに、恐怖の権化と呼ぶにふさわしい理不尽の象徴。
「さあ、……来い」
「う、うわあああああああっ!」
 ぐっ、と引き寄せられ、ジョセフは再び膣の中で射精した。
 量は衰えることを知らない。多量の精液がスペルビアの膣に注ぎ込まれていく。なのに、ジョゼフの腰は前進を続けていた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァァァ――――!!!」
 精を噴き出しても止まらない刺激に絶叫した。脈打っているペニスに纏わり付く襞、その中を突き進むことによって倍増する快感に脳内で神経がいくつもはじけ飛んだ。眼窩の奥で火花が散る。
「ほぅら、ようやく半分! まだまだ行くぞ、そぉれ!」
 吐き出した精液のせいで滑りのよくなった膣をペニスが一気に突き進む。
 射精が終わらぬうちに、ジョゼフはまた絶頂する。最早止まることなく噴き出し続ける精液。
「あっはっはっはっは! 命諸共総て吐き出してしまえ!」
 哄笑を上げて、ついにスペルビアがペニスを根本まで呑み込む。子宮と亀頭がキスをして――生きているように子宮が亀頭に食らい付いた。
「あ、ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛        ――――――!!!」
 ドプンッ! ドクッドクッドクン! ドッ、ドッ、ドプッ――!
 声にならない声を上げて、ジョゼフは何度目とも思い出せない限界に達した。
「ああ、出てる、すごい精の量だ――」
 スペルビアの顔が至福で緩んだ。膣内は注がれる精液を吸収しようと何度も収縮を繰り返す。そうやって精を啜る動作すら、中のペニスを弄ぶ暴力的な動きだった。
「あ、あ……」
 ジョゼフの躯から力が抜けた。
 がくり、とスペルビアの上にジョゼフが倒れる。自分の上にいる白目を剥いた青年の顔を覗き込んだ。
「ん……ああ、死んでしまったか……」
 少年は呼吸を止め、事切れていた。動かなくなったジョゼフを見て、スペルビアは残念だと顔をしかめる。
「もうっ! スペルビアはいっつも早いんだからー!」
「貴女が云うことですか、ルクスリア」
 頬を膨らませて怒るルクスリアに、ずっと情事を眺めていたアワリティアが呆れて溜息を吐いた。
 そんなふたりには目もくれず、スペルビアはジョゼフの首に手を回す。
「死んでしまったか……」
 半開きになった唇を自分の方へと引き寄せた。
「なら、天国から引きずり降ろさないとな=v
 スペルビアがジョゼフの唇に唇を重ねた。
 熱い、濃厚なキス。
 吐息を洩らしながら、長い長いキスの末――
「――!?」
 ジョゼフが目を覚ました。
 それに気付いて、スペルビアが顔を離す。
「え、いったい、なにが……」
 意識を取り戻し、眼前にあるスペルビアの顔にジョゼフが動揺した。何が起こったのか理解していない表情を見て、スペルビアは端正な顔に悪戯を成功させた子供の茶目っ気ある笑みを浮かべる。
「くくっ、自分が死んでいたことも気付かなかったか」
「死ん……!?」
「ああ、お前はさっき我に精を総て吐き出して死んだのだ。当たり前であろう。人にあれほど精液を出すことなどできぬ……。お前の命ごと喰らってやったのよ。そして、それをお前に返してやったのだ……」
 事態が飲み込めていないジョゼフだったが、ともかく自分の躯が軽くなっていることに気付く。体力が戻っていることは事実だった。
「わざわざ、助けて……?」
 しかし、どうしてそのようなことをしたのかは判らずに、ジョゼフは無垢に首をかしげる。人の好意を信じているようなジョゼフの言葉。確かにスペルビアはそれに好意でもって応じた。ただし、スペルビアの最大の愛情表現での好意。
「ああ、そうとも。――さあ、続きをしようではないか。また、最初から≠ネ」
 そして、スペルビアの膣がまた搾精を開始した。
「え、あ、――あぐっ!?」
 あれだけ出したというのに、スペルビアに生命力を返還されたジョゼフのペニスは最初の硬度を完全に取り戻していた。体調は、万全だった。精神は度重なる快楽の電流で疲弊したままなのに。
「先程は、奥まで入れることしかできなかったからな……きちんと腰を振ってもらおう」
「そ、んな……団長、これ以上は無理です……っ」
「我ら淫魔にとって精液はごちそうでな……淫魔の躯を構成する必須の栄養がたんまりと含まれているのだ。最高の餌を前にお預けを許容できるほど、我が謙虚に見えるか? 我は傲慢のスペルビアぞ」
 押し倒されているのはスペルビアの方であるのに、生殺与奪は体勢とまったくの逆だった。
「それにの、よく聞くがいい。我ら淫魔は搾精という一点において進化を続けてきた。中には、我の生命返還のように特異な能力を持った個体も生まれている。つまり、今お前は淫魔の生物として何千、何万、いや、何億年という進化の歴史の頂点と交わっているのだ。光栄に思い、快感に翻弄されるがいい」
「や、やめ……うあああっ」
 拒絶の言葉に逆らって、ジョゼフは自分から腰を振っていた。精神はもう疲れ切って快感が苦痛でしかないというのに、復活した躯の方からしてみればスペルビアの中はまさに極楽浄土だったのだ。それに、スペルビアの躯が無意識にジョゼフの腰を振らせるほどに魔性じみているのである。
 ずんっずんっ、とジョゼフのペニスがスペルビアを突き上げる。手加減されているのか、ジョゼフは少なくとも三回までの挿入運動には辛うじて耐えきった。それでも、一瞬気が緩んだだけで総てを放出してしまいそうになるほど、淫蕩に濡れた蜜壺の熱い膣肉はペニスを貪っている。
 三回は耐えても、四回目は下半身に集う射精感を抑えることはできない。このまま腰を打ち込んで復活一回目の射精をしようとしたとき、ジョゼフの背中に柔らかいものが押しつけられる。
「ふたりだけの正真正銘の二回戦だなんてボクが許さないぞー。見てるだけで濡れちゃったんだから、ボクも混ぜてもらわないとね」
 褐色の美乳に渇いた精液をこびりつかせたルクスリアが、ジョゼフの背中に抱きついていた。
「なにをいうかと思えば、二回戦? 最低でも一〇回戦はするつもりなのだが」
 スペルビアの言いぐさにジョゼフは顔を強ばらせた。最初の一度ですら脳をミンチにされたように疲弊してしまったのに、それを最低でも一〇回は繰り返す?
 きっとその頃には、腰を動かすことしかできない肉の人形が転がっているだろう。その未来にジョゼフは背中を粟だたせた。
「そういうわけだ。邪魔をするな」
「邪魔はしないよ。安心して、ボクはこっちの穴を借りるだけだから」
 突然、ルクスリアの人差し指がジョゼフのお尻の穴に侵入した。
「あぐぁっ!?」
「わっ、かわいい声をあげるんだね……こっちは初めてかな」
 排泄以外のことに使われていなかったアナルをルクスリアの指がこねくり回した。繊細な指という異物がアナルの中でのたうち回る未知の感覚にジョゼフはあられもない声を上げる。
「んふふ、いい具合。これならボクを受け止められそうだね」
ルクスリアがアナルから指を引っこ抜く。穴から指が出て行く時に排泄と似た甘い感覚が背筋を走り抜け、ジョゼフは男とは思えない無防備な喘ぎ越えを洩らした。
 ルクスリアの背中でなにかが揺れる。
 黒い、ボロボロなマフラー状の物体。それは鎖骨の辺りからでているようにも見えたし、肩胛骨から翼のように生えているとも見えた。マフラーが一気に広がると、蝙蝠の翼のような姿になる。
「淫魔の翼……こうした方がやりやすいから、ね!」
 ルクスリアの尾骨から出た尻尾が、彼女の女性器に入り込む。中で捩れ、膣から漆黒の剛直が飛び出した。
 黒一色であることを除けば、ルクスリアの秘部から映えたのは立派なペニスだ。小柄な躯には不釣り合いなほどに大きい。
「やっぱり男女の快楽を両方堪能しなきゃだよね、色欲なんて名前を襲名したんだから。それじゃ……ボクも混ぜて貰うよ?」
 ルクスリア自身の愛液で濡れて凶悪な光を反射した黒いペニスがジョゼフのアナルに添えられ――貫いた。
「がはっ」
 肛門を無理矢理に押し広げるペニスにジョゼフは咳き込む。内臓が中から押し上げられたような不快さと、アナルの中にあるペニスの存在感に頭の中が真っ白なり――
 あと少しでスペルビアの中で達してしまいそうなときにアナルに挿入されたせいで、ジョゼフの堤防は一気に崩壊した。
「あ、あああ、駄目、た、耐えられないっ!」
 ジョゼフのアナルがぎゅっと締まってルクスリアのペニスを圧迫しつつ、自分のペニスから精をスペルビアの中に流し込んだ。
「うふ、ボクのおちんちんがアナルに挿入されてイっちゃったね。そんなにお尻好きなんだ……じゃあ、もっとやってあげるっ」
 射精の余韻さめやらぬままに、ルクスリアがジョゼフのお尻に腰を叩きつけた。何度も何度もアナルを貫かれる。肛門を前後するペニスの異様な感覚とお尻に触れるルクスリアのお腹の感触ににジョゼフは身もだえた。その間にも、ジョゼフの躯はスペルビアに夢中で腰を振っている。
 前と後ろで別々に与えられる快楽。永遠と続きそうな時間に、ジョゼフは世界が自分から遠退いて行くような錯覚を覚えながら、また射精を繰り返す――。

「さて……そろそろのようですね」
 唯一狂乱に参加せず、鑑賞していただけのアワリティアが牢屋の外を振り返る。なにやら牢獄の中はにわかに騒がしくなっていた。
「どうやら、来たようですね」
 牢屋がこれほどに騒がしくなることは滅多にない。この監獄にいる犯罪者は既に処刑が決まった者ばかりだ。今更抵抗しようとする者はいないのだから、異分子が紛れ込んだと見て間違いはない。
「お相手さしあげますわ……私たちの愛すべき愚か者よ」
 牢屋を襲撃した侵入者たちに向けて、アワリティアはひとりつぶやいた。

 To be continued NEXT stage...
 明日に大事な用を控えていながらも現実逃避気味に更新……そんなわけで第三章はもう一話くらい続きます。ホントは一章は前後編で終わらせたかったのですが、中々書き上がらないのと文字数故に断念。
 前回はエロが少ない! といわれたので今回にエロをぶっこみました。15000文字ALLエロ(女性に踏まれるのも、エロ!)となっております。個人的に姫騎士は襲うものではなく男を弄ぶものだと思っています。でも某ジャンヌとかそういうのも大好きなんですけどね!
 そもそも、文字数だけ多いわりに他の方々と比べてエロく感じないのは……精進したいところ。
 あれ、ところでギヨたんが出てないような……きっと次回で無双してくれますね、ハハッ(甲高い声で)。
 あと指摘されましたので今回は一方的タグをつけておきました。今までつけなかったのは、初回がぱっと見リョナにしか見えないとかのため。一方的っぽいのしかない話にはできるだけつけるようにしておきます。
 次回はロリコンビの牢獄攻略編をお送りしたいと思います。それではー。

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