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ギロチン少女マジカル☆ギヨたん その4

 レリア・キッスと名乗った少女に指をさされ、今まで呆気にとられていたアンナマリアはようやく平静を取り戻しかけていた。といっても、未だに下半身は男と繋がったままである。
 初めて興が乗っていた情事を邪魔されて、憤懣がアンナマリアの胸の裡にわき上がっていた。レリアの背にある羽根は飾り物ではないようだし、只者でないことは確かであったが、アンナマリアにしてみれば性行を妨害された一点のみが問題だった。そもそもアンナマリアとて只者ではない。
「……この人の知り合い? 目障りだから、どこかに消えてよ」
「むっか! 人の話ちゃんと聞いてました? あたしの方が先に退いてくださいっていったんですよぉ! それとも言葉がわかりませんかギヨたん」
「ギヨ、たん?」
 そんな名前を口にした覚えはアンナマリアにはなく、ただしその名前で自分のことを呼ぶ者にはひとりだけ心当たりがあった。
「あの魔女の知り合いなのね」
「ええ、そうです。あたしは不本意ながらも先生の助手をしているのです。だから、貴女のこともよぉーく知ってますよ、ギヨた――」
 言い終わる前にレリアは地面に伏せる。
 瞬間、先程まで彼女の頭があった場所を疾風が駆け抜けた。
 まるで刃を震ったような寒々しい風切り音。
 レリアがおそるおそる顔を上げると、両脇の建物の壁に鋭い亀裂が走っていた。谷底のように亀裂の奥は闇が続いている。刃物でつけられたとしか思えない。けれど、その傷痕はどこまでも続いているように深い。どれほどの刃渡りがあれば、こんな痕が刻み込めるのか。それ以前に、建物を両断できる刃物がどこにあるのだろうか――。
「その名で呼ぶなら、次は殺す。わたしにはアンナマリアっていう名前があるんだから」
 アンナマリアがレリアに向かって細腕を突き出していた。その手は何も握っていないが、レリアは凶器を喉に突き付けられる心地だった。
「そうでしたね……貴女、元はギロチンでしたもんね」
 どうしてこんな傷痕ができたのか理解して、レリアは呟いた。
 そして驚きは既に消え、焔色の髪を夜風に揺らす少女の相貌には妖しい笑みが浮かんだ。
「それならぁ、こっちの方が……効果的ですよね」
 レリアが地面を蹴って、アンナマリアに抱きついた。
「えっ」
 ジョゼフと繋がったままで避けることもできなかったアンナマリアは抵抗できなかった。
 もし性行中でなかったにしても、敵対心の感じない抱擁は避けようとすることができなかっただろう。
 そのまま押し倒されて、アンナマリアの秘所からずるりと肉棒が抜けた。ずっと躯の奥で感じていたモノがなくなって物足りなさを覚えるが、今はいきなりレリアに抱きつかれたことに脳内が一杯になっていた。
「ちょ、ちょっと、いきなり何するのっ」
「貴女がいつもしてることですよぉ?」
 ゴシックドレスの裾をはためかしながらジタバタと暴れるアンナマリアの目を見て笑うと、レリアは唐突に相手の唇を奪った。
「んー!?」
 女性にキスをされて目を瞠り、抵抗が止まる。男相手になら慣れたものだったが、同性――ギロチンに性別をつけるならだが――からキスをされるという状況に酷く驚いた。
 先程まで男の腰に跨って腰を振っていたとは思えない初心な反応を返すアンナマリアにレリアは愉しげに目を細めると、舌を相手の口の中にねじ込む。レリアのものより幼く、小さいぷっくりとした唇の合間に滑り込んで歯茎を舐めた。
「ひうっ」
 口の中に入ってきた舌の感触にアンナマリアが肩を震わせる。必死に舌で押し返そうとするが、レリアはその舌に自分のものを絡ませた。
 レリアの舌がアンナマリアの舌をなめ回し、くちゅくちゅと唾液が混ざり合う。
 少女に舌で舌を愛撫されて、アンナマリアは背筋に甘い刺激が走るのを抑えられなかった。背中に蜂蜜を塗りたくられているみたいな、男と躯を重ねていたときには与えられていなかった快感に痺れてしまう。
「ふ、うぅぅ……」
 目を恍惚に蕩けさせて、アンナマリアは反抗の意志を手放していた。自分の口の中を犯すレリアの舌に何も考えられなくなる。
 涎の糸を引きながら、レリアの顔が離れる。舌が抜かれてしまったときに寂しさを覚えたのは、アンナマリアの気のせいではなかった。
 唾液まみれになった自分の唇に指を這わせながら、レリアがアンナマリアの虚ろな目を覗き込んだ。
「あははっ、お口が弱点なんですかぁ、ギヨたん? それとも、あたしのキスがそんなによかったんですかぁ?」
「ぎ、ギヨたんって……いうなぁ」
 息を荒くしながらアンナマリアはなんとか言葉を返すものの、それ以上のことはできない。神経一本一本に甘い蜜が染みこんでいるようで、躯がいうことをきかなかったのである。
「そんなに甘い声で囁かれたら、誘ってるみたいですよ? 女の子のキスでそこまで感じちゃうなんて、かわいいんですから」
「そ、そんなこと――ひゃっ!」
 レリアが秘部に触れて、アンナマリアは無防備な声をあげてしまった。赤子の頭を撫でるような手つきで精液と愛液に濡れた女性器を撫でられて、ぎゅっと拳を作ってしまう。そのまま二本の指がぬるりと小さな性器に滑り込んだ。
「わっ、すごい。こんなに小さいのに二本も一気に入っちゃいましたよ? こんなにヒクヒクと指を締め付けて……かわいいですよ、ギヨたん」
 レリアがアンナマリアの首もとに顔を近づけて、熱い吐息を吹きかけながら囁く。
「や、やっ! やめっ、そんなとこにいれないで……あうっ」
「何いってるんですかぁ、あんなにしっかりジョゼフくんのおちんちん銜え込んでたくせに。今更恥ずかしがっちゃ駄目ですよ」
 レリアの口がアンナマリアの首もとに吸い付いた。首筋を舌で舐められながら吸い上げられて、びくんっと背中が跳ね上がる。
 さらに秘所に入り込んだレリアの指先が何度も出し入れされて、その度に愛液と精液が掻き出される。肉襞を内側から指先が刺激された。それは男の剛直でかき回されるのとは違った鋭い刺激で、声を抑えることができない。まるでどこで気持ちよくなるのか知っているような指先の動きは、的確にアンナマリアの弱いところを責めていた。
「ほらほらぁ、気持ちいいですかぁ?」
「そ、そんなわけ、ないっ!」
「強情ですねぇ。じゃあ、そろそろこっちも触っちゃいましょうか」
 今まで一度として触られていなかったアンナマリアの陰核に、レリアの親指が触れた。
 ジョゼフとの性行中も刺激を受けていなかった陰核に親指が触れると、快楽の電流にアンナマリアは口を大きく開いて嬌声をあげた。
「ひゃ、あああああぅ!?」
 小柄ながらも膨れあがった少女の陰核を、レリアは親指の腹でマッサージするような優しい手つきで刺激する。今まで触れられていなかった陰核は、勃起していたのに触れられていなかったペニスと同じで、アンナマリアは流し込まれる快感に抗うことができずに痩躯を震わせた。
「ほらほら、まだここが残ってますよー?」
 くすりと笑って、レリアはアンナマリアのドレスをはだける。片手しか使っていないにも関わらず、あっさりと白い肌を露出させた。
 わずかな膨らみしかない薄い胸をレリアは下から押し上げる動きで撫でる。そして、最後に乳輪を人差し指でなぞった。
「や、やあ!」
「そんなこといってー、乳首はこんなに硬くなってますよぉ?」
 レリアが首もとから口を離して、アンナマリアの薄い胸で硬くなっている乳首を舌先で突いた。
 そうやって焔色の髪の毛を持ったレリアから与えられる刺激は、総て躯に触れたと同時にぴりぴりとした快楽をアンナマリアに与える。男に犯されて強引に弄られたときは気持ちよさを感じなくとも、レリアの繊細な手腕には逃れがたい快感を叩きつけられていた。
「な、なにこれ、どうしてこんなに……っ」
「どうしてこんなに気持ちいいか、ですよねぇ?」
「……っ」
 アンナマリアの顔が羞恥心で真っ赤になる。嘘をついて突っぱねることができないほどに、躯は正直にレリアの手によって悶えさせられていた。
 レリアが乳首を甘噛みすれば、ずっと弄られ続けているアンナマリアの秘所からは愛液があふれ出す。
「あっ、ああう……はぁっ! ああ……」
 虚ろな目で小刻みに痙攣を繰り返す。その有様に、レリアが微笑んだ。
「あれ、イっちゃいましたぁ?」
「はっ、あ、うあ……」
 ふわふわとした浮遊感にアンナマリアは戸惑っていた。肉体を得て地上を徘徊し始めてから与えられる初めての経験に、自分がどうしたのかわかっていなかった。
 だから、レリアに訊ねられてこれが絶頂なのだと理解した。
「イった……?」
 今までは知識としか知らないものだった。それはいつでもアンナマリアと躯を重ねる男が死の間際まで幾度となく繰り返す感覚であったのだ。ジョゼフと繋がったときこそは奇妙な充足感があったものの、これほど衝撃的なものではなかった。
「そうですよぉ、ギヨたんはイっちゃったんです。あたしに舐められてぇ、性器を撫でられてぇ、気持ちよさのあまりに昇天しちゃったんですよ。もしかして、イクのは初めてでした?」
 全身を弛緩させたアンナマリアの下半身から指を抜いて、愛液と精液の絡み合った指を口に運ぶ。レリアは自分の指に舌を這わせて、その混合液を嚥下した。
「んふっ、これがジョゼフくんの精液と、ギヨたんの味なんですか。久しぶりの精だから夢中になっちゃいそうですよ。結局、今日もパンしか食べませんでしたから」
「こんなこと、今までなかったのに……これが……」
「そんなに衝撃的なんですかぁ? それとも、不思議ですか? どうしてあたしの行為でこんなに気持ちよくなっちゃうのか」
 アンナマリアはのろのろとした動きで後者の言葉に首肯した。疲労がたまってぐったりすることはあっても、今みたいに全身に快楽が染みわたるようなことは経験がない。男たちに技量が足りなかったといえばそれまでかもしれないが、アンナマリアが心的に充足していたジョゼフとの性行ですら起こりえなかったことだ。
 もしかするとあの充足感はわずかに達していたために起こったものかもしれなかったが、どちらにしろ今の感覚よりはずっと易しい。
 だから、レリアに原因があるとしかアンナマリアには思えなかった。
「それはですねぇ、あたしが淫魔だからですよ」
「淫魔?」
「そう、淫魔です。あたしたちの唾液とか、分泌される体液には精力を増幅させる要素があってですね。えっちする人をより性的に興奮させることができるのです。なので、感度も上がってしまうわけなんですね。そういうわけで、今も自分が得意な状況にしたんですよぉ? まともに戦ったらギヨたんには敵いませんから」
 淫魔――そういった種族がいることくらいならアンナマリアも朧気にではあるものの知っていた。魔女に教わった記憶はないので、恐らく制作者たちによって断頭台として生を受ける前に刻まれたものなのだろう。
「でもこれくらいは人が呼吸をするように、淫魔なら全員が持ってる生態なんですけどね。実際は、あたしのえっちが上手だからなんですよ。ギヨたんも女の子だから、どこで感じるかなんてもう手に取るように判っちゃうんだから。あ、淫魔には女の人しかいないんですけどね。とにかく、乱暴に男の人に突かれてるだけじゃ、こうはならなかったでしょー?」
 ちゅっ、とレリアが胸にキスをすると、はふっ、とアンナマリアは甘い吐息を洩らす。この薄い胸を滅茶苦茶に揉まれたことは何度かあったが、脳髄が蕩けだしそうになることはなかった。
「ギヨたんったら、ホントにイジメがいがあるんですからっ! もっと食べたくなっちゃった。人間じゃないから先生も文句をいうことはないでしょうし……あっ」
 レリアがあるものを見つけて、目を輝かせた。
「そうだ……じゃあ、ギヨたん、次はこうしましょうね」
「え……?」
 ようやく頭の回転が戻ってきたアンナマリアを起こすと、レリアはそれの方へと近づいていった。
 ふたりはジョゼフの股の間に躯を滑り込ませる。そこには勃起しているペニスがむき出しになっていた。
「ジョゼフくんったら、ギヨたんの喘ぎ声で目を覚ましちゃってたんですよ」
「あ、いや、これはその、盗み聞きをしていたつもりじゃ!」
 意識があったといっても夢に微睡んでいるような状態だったジョゼフは、レリアとアンナマリアが動いたことでようやく完全に覚醒した。どうしてこうなっているのか理解はできていないようだったが、現状の認識はできている。
 ジョゼフの弁明をレリアは聞く耳すら持たなかった。その目は爛々と輝いて、大きくなっている肉棒に注がれていた。
「ふふっ、おしおきしてないとあげませんよね?」
 レリアが竿を握ると、押し殺した呻き声がする。
「さあ、ギヨたん。……一緒に、舐めちゃいましょ?」
 アンナマリアの目も、大きくなった性器に釘付けだった。さっき自分が銜えこんでいた陰茎を前にして、あの愉しげな感情が再び胸に戻ってくる。
 レリアが舌を伸ばすと、釣られてアンナマリアも舌を伸ばす。ふたりの少女の真っ赤な舌がジョゼフのペニスを舐めあげた。
「うっ!?」
 ふたりの口が茎に吸い付いて、肉棒が激しく脈打つ。既に何度もアンナマリアに射精していたにも関わらず亀頭を真っ赤に膨らませたペニスに、レリアが歓声を上げた。
「あはっ、ジョゼフのおちんちんってこうなってたんですねえ。こんなに震えちゃって……」
 レリアが眼を細めて、感極まったとでもいうように云った。魔女から止められていたが、ジョゼフのことはこの国にやってきたときからずっと目をつけていたのである。今まで狙った相手はすぐに食べていたレリアとしては、お預けされ続けてきた末に食べることを許されたごちそうであった。
「はむっ」
 レリアが亀頭を呑み込む。
 ぷちゅっ、と唾液が亀頭に絡んでいやらしい音を立てた。赤く膨れあがった先端に何度も情熱的なキスをする。柔らかく膨れた唇が亀頭を這い回って、舌先が尿道をなぞっていく。その甘美な快感にペニスの射精へのカウントダウンが始まった。
「んー、こっちにキスされる感覚はどうですかぁ? いっぱい愛でてあげちゃいますよー……わっ」
 押し寄せる快楽に耐えているジョゼフの顔を眺めながら亀頭にキスしていたレリアの唇に、アンナマリアの唇が触れた。
「ん……」
 アンナマリアがレリアの目を一瞥して、彼女の唇を巻き込んで亀頭を愛撫する。ふたつの舌に責められて、切なげな声があがった。
 知らずのうちに、アンナマリアは対抗意識に駆られていた。それを見て取ったレリアは面白いと鼻を鳴らす。
「んふっ、そっちがその気ならぁ、こうですよ」
 ずぷんっ、とアンナマリアの秘所になにかが突き込まれた。
「ひあっ!」
 喉の奥からしゃっくりみたいに声をあげたアンナマリアは、自分の膣に入り込んでいるものを見る。そこにあったのはレリアの手ではなく、彼女の尾骨の辺りからスカートを押し上げつつ現れた黒い尻尾であった。
 先端がハート型になった――見ようによっては、男性器に見えなくもない尻尾が、アンナマリアの愛液に濡れながら奥へ奥へと突き進む。男性器と違って膣内で蛇みたいにのたうち回る尻尾に、アンナマリアは快感で足をぴんと伸ばした。
「あっ、ひゃあっ、入って、る!」
「おちんちんとは違いますけどぉ、これなら色んな所も責めてあげられますよ?」
 アンナマリアの耳に息を吹きかけて、レリアはさらに尻尾を暴れさせる。男のモノを銜え込み続けていたとはいっても、快感を与えられることに慣れていなかった少女の躯の弱点を探りあてるなどレリアには造作もないことだった。
 ずぽっ、ずぽっ、と尻尾のピストン運動にアンナマリアは口淫をしていたことも忘れ、涎を垂らしながら喘ぐ。
「や、やあ……っ、これ以上、されたら……お、おかしくっ」
「はいはーい、お口がお留守ですよぉ」
 レリアがアンナマリアの頭を掴んで、ぐっとジョゼフの一物へと近づける。
「あ……」
 焦点を失った目でアンナマリアは目の前でそそり立つペニスを銜えた。
 尻尾に突かれ、抑えきれぬ喘ぎ声をあげながらも一心不乱に男性器に食らい付くゴシックドレスの少女にレリアは満足そうに頷いて、だらしない顔になっているジョゼフを見上げた。
「それじゃあ、ジョゼフくぅん……たっぷり気持ちよくなってくださいね」
 アンナマリアと唇を重ねるように、レリアもまた逞しく勃起した陰茎に口づけをした。
 天性の肉体に任せて男を絶頂させていたアンナマリアと違い、レリアの口は染みついた技巧が伴っている。男性の一番敏感なところを熱っぽく幾度とキスする手際に、男は全身を一斉に愛撫されているような錯覚を起こすのだ。
 小さな口で涎を垂らしながら一生懸命にペニスを出し入れするアンナマリアに、恵まれた肉体だけでなく経験によって培われた性技を披露するレリア。
 奥歯を噛んで脳内で神経が切れてしまっているのではないかと思うくらい我慢していたジョゼフにも限界は目前に迫っていた。
 アンナマリアも、また天に向かって上り詰める。躯を突く、乱暴に見えても実は繊細に弱いところを突き上げてくる尻尾に抗うことはできない。きっとジョゼフがイクと同時に彼女も達してしまうだろう。
 自身の幼い躯を弄ばれて快楽に苛まれながらも美味しそうにペニスを舐めるアンナマリアは、正気を手放しそうになりながらもわずかに残った脳の片隅で考える。
 このまま、イっていいものか――。
 でも、我慢することはできない。下半身をがくがくと痙攣させて、アンナマリアの躯はレリアが与えてくれる刺激に陶酔していた。
 ただ。このままイかされるのは、嫌だ。
 きっと、このままイってしまえば、あまりの気持ちよさに意識を失ってしまうことをアンナマリアは自覚していた。それは、くやしい。
 復讐のためにこんなことをしてきて、街を徘徊してきたのに、こんなところで出会ってしまった淫魔を証する少女にあっさりと折られてしまう。そんなの、くやしいに決まっている。
 なら、せめて一矢報いてやる――。
 アンナマリアはレリアのスカートの中に手を伸ばした。
 下着に触れると、そこは興奮のためか愛液でぐっしょりと濡れていた。その合間から、アンナマリアはレリアの秘所に指を差し込んだ。
 レリアの膣肉は指を強く締め付け、幾重にも波打つ襞に擦られる。くちゅくちゅと音を鳴らしながら掴まれた指先は、それだけで背筋を走る快感を覚えさせられた。
 くふっ、と唇とペニスの合間から息を洩らして、レリアが微笑む。
「ギヨたんったらぁ、その気になっちゃって……うふふ、気持ちいいですよ?」
 男のモノなら何度も握ったことはあったが、アンナマリアも他人の女性器を弄るのは初めてだった。そのせいで手つきはたどたどしく、手探りにレリアの下半身をまさぐっている。
「ほら、頑張ってくださいよぉ」
「んぐっ!?」
 嗜虐的に云って、レリアは尻尾でアンナマリアの子宮口をぐっと押した。内臓を押し上げられてえづくが、それ以上の快感が躯を浸食する。
「あ、ひゃう」
 肺が引きつって、変な声をあげてしまった。涙で視界が歪むのは、悲しいからではなく心地よすぎたからに他ならない。
 鼻先のペニスから漂う精と唾液の香りに、激しい挿入でひくひくと痙攣する陰部。
 止まりそうになる指先に意識を集中させて、アンナマリアは指の根本までレリアの秘部に挿入した。アンナマリアと同じか、それ以上に小さいレリアの性器は淫らにうごめき、二本も三本も指を銜え込む。
「そうですよぉ、その調子です。ふふっ、少し気持ちよくなってきまし……はうっ!?」
 アンナマリアの指の動きに、余裕綽々だったレリアは艶っぽい声をあげた。自分で自分の反応に驚いて、レリアは股をむずむずと動かす。そうすると膣内にある指の感触がより鮮明に感じられた。間違いなく、そこにあるのはアンナマリアの手業に慣れていない細い指先。
「な、なんで? ……ひゃっ! えっ、うそ、なんであたしが感じてるんですかっ」
 その反応は奇しくもレリアに責められたときのアンナマリアのそれと似ていた。
 アンナマリアは汗ばんだ顔で、眠たそうにした目をレリアに向ける。それは快楽に酔いしれている目であったが、胡乱ではなく――どこまでも続いていきそうな深遠なる闇が垣間見えた。
 レリアの中に焦燥感がわき上がる。続いて、対抗心。人になって数日か数週間した経たぬ者に性技で負けるわけにはいかない。ムキになって、尻尾のピストンを跳ね上げた。
「うぐっ」
 アンナマリアの腰が跳ね上がる。愛液が比喩ではなしに滝のようにこぼれ落ちた。口からは喘ぎを洩らす。それでも指だけは止めなかった。
 ぎこちなかった指の動きは今やよどみないものとなり、女性の――レリアが弱いところを探し当てようと膣内をこねくりまわし、責める。そのたびに少女の躯が反応を返した。
 性技に長けたレリアは、もちろん人から受ける快感への耐性も強かった。性技自慢の男たちとまぐわろうとも、相手を搾り殺すことこそすれ、感じることはそうそうない。二度、三度、人間がレリアの躯に経験を積めば話は違うかもしれなかったが、それでも気持ちいいと感じさせるだけに留まるのみだろう。そもそも、一度目で死んでしまうのだから二度目が来ることすらないのである。
 よって、レリアは性行を楽しみこそしても、躯をビクビクと震わせるほどに快感を感じたのは魔女と寝ているときを除いて数百年ぶりだった。
「そ、そんな、どうしてこんなに早くっ」
「だって、教えてくれたでしょう? さっき、わたしの躯で……」
「まっ、まさか! あたしに責められただけで、覚えちゃったんですかぁ!?」
 驚くべき事実でも、そうとしか説明のしようがなかった。アンナマリアはレリアの技に身をもって溺れたことで、一気にやり方を吸収してしまったのである。
「で、でも……先にあたしがイかせちゃえばっ! このままならもうジョゼフくんとギヨたんだって限界のはずっ」
 その通りだった。アンナマリアの覚えた技は、所詮はレリアの付け焼き刃。いくら驚異的学習能力だとしても、この逆境を跳ね返すだけの力はない。
 ――そう、この力、だけなら。
 はあ、はあっ、と肩で息をして快感に意識を手放しそうになりながら、アンナマリアはレリアの耳元で呟く。
「ねえ……この、ジョゼフって人のこと、好きなの!?」
「はいぃ!? なっ、なにを云ってるんですか! あたしは淫魔ですよ、サキュバスですよ? 人なんて食料に決まってるじゃないですか! ステーキに欲情する人間がいますか? いないでしょう!」
「慌ててる……かわいい」
 自分を苦しめたレリアが顔を真っ赤にして否定したものだから、アンナマリアは素直にそう思ってしまった。その言葉が益々レリアに羞恥心を抱かせ、心の隙にアンナマリアの指が入り込み――こじ開ける。
「ひゃっ、あっ、しまっ……だ、駄目です、もう……っ」
 うっとりとした表情で、レリアは興奮のままに尻尾を上下させながら、涎まみれの口で陰茎にむしゃぶりつく。
「ひっ、いやぁっ!」
 アンナマリアもレリアも限界だった。
 ふたりは目の前の肉棒に激しく唇を這わせながら、指と尻尾の勢いを増して――。
「ふぁ、ああああああ――!」
 同時に絶頂を迎えた。
 びくんっ、と躯を仰け反らせて、口は亀頭に吸い付く。それで肉棒も頂点に達した。
 激しく脈打つペニスから飛び出す精の塊。アンナマリアとレリアの顔を熱いスペルマが真っ白に彩った。
 むせかえるような精の香り。再度の射精にまたもや意識を手放したジョゼフの下半身に顔を寄せて、口の中に入り込む精子の味に酔いながらふたりも意識を手放した。

 路地裏には半裸の三人が倒れていた。それをすぐ近くでひとりの女が見下ろしている。
 魔女イザベラは呆れて嘆息した。そこにいたのは、全員彼女の顔見知りであったからだ。云うまでもなく、ジョゼフ、アンナマリア、レリアの三人である。
「まったく、運ぶ身にもなってくれたまえよ。まあ、こうなることは予想できてたんだけど」
 ローブをまとい、扇情的に胸元をはだけているイザベラは、呆れはしたものの驚くことはない。今回の出来事はイザベラにとっては想定内のことであったからだ。
「ジョゼフが生き残っていることくらいかな、意外なことは。てっきりギヨたんかレリアに搾り殺されると思ってたけど、その前にダブルノックダウンとはね」
 運の良い子だな、と肩を竦める。そこに罪悪感は欠片もない。それを追求すれば、結局生き残っているのだから感じる意味もないとイザベラは断じることだろう。かといって、死んでいても悪びれるかと云えば、そうは思えない様子が彼女にはあった。
 例え自分が助けた命でも、死ぬときがくれば死ぬ。それをわざわざ能動的に払ってやろうと行動しない程度に、魔女イザベラはやはり魔女と云える思考の持ち主だった。
 けれど、生き残ったのなら、せめて助手共々面倒を見てやらなくては――とイザベラは億劫ながらも腕を突き出し、動作をやめる。
「おや……」
 遠くから足音がしていた。それはひとりによるものではない。人が群れをなし、夜闇の中で闊歩していた。
「おい、こっちから声が聞こえてきたよな」
「ああ、もしかすると最近噂の殺人犯かもしれないぞ」
 魔女はトレードマークの帽子を手で抑えながら、彼らが何者であるか検討をつけていた。
 夜の街を巡回している男たちだ。アンナマリアの所業によって行われた殺人の数々で、ついに重い腰をあげて警邏を強化したのであろう。
 どうやら、三人の情事を嗅ぎつけてきたらしい。
「声が大きすぎるよ、君たち……」
 三人には届かないと判っていても、イザベラは面倒が増えたことに対する不満を口にするのを抑えられなかった。
 そうしているうちに、路地裏を覗く幾つもの影がイザベラの背後に現れた。
「おい、誰かいるぞ」
 男のひとりがランプを路地裏に向けた。背中に光の熱を感じて、イザベラはローブを揺らして振り返る。
 そこにいたのは四人の男たちだ。腰には鋳型にはめられて作られた安物の剣を下げ、頭部を守るメットとなめし革の鎧を身に着けている。
 もし、彼らの想定していた殺人犯が単独犯なら、なるほど、その程度の装備でもなんとかなったかもしれない。相手が人間であるなら、四方を囲めばそれで事が済む。
 ただ、それも相手が常人であった場合を想定していたらの話である。イザベラからしてみれば、酷くお粗末な身なりだった。イザベラでなくとも、相応の使い手――今まで悟られずに街中で人殺しをおこない続けることができるほどの者となれば、問題なく皆殺しにできてしまえそうである。
「なんだ、娼婦か?」
 イザベラとその背後に半裸で倒れる三人を見て、男たちのひとりが疑問の声をあげる。
 下半身をむき出しにしたジョゼフと、男性器に纏わり付く少女がふたり。誰が見ても、路上で激しい一夜を過ごしている者たちにしか見えなかった。
 さらに、イザベラの格好はおよそ街中を歩く淑女に相応しい身なりではない。ふわふわとした布で躯の線こそ隠れているものの、たわわに実る豊満な胸元は外気に晒されていた。くわえて、美貌である。月光を受けて輝く銀髪も、その氷像然としていながら飄々と揺れる柳のような相貌も、総ての要素が黄金比率を保っていた。
 高級娼婦。否、それ以上。男たちの全財産を叩いても抱けないほどの上玉――。
 警邏隊の関心はイザベラと、倒れる少女の裸体にだけ注がれていた。彼女たちこそが警戒しなければいけない集団であるとはまったく考えていなかった。。
「へえ、良い女じゃないか……。そっちのガキ共も、相当手慣れてるみたいだな。男共々気絶してやがる。しかしなあ、俺たちの手を煩わせたんだ……勿論、責任は躯でとってくれるんだろうな?」
 警邏隊のひとりがイザベラの腰に腕を回す。色事を前にしただらしない男の顔が息もかかるほどイザベラの顔に近づく。
 どうやらこの男がリーダーのようで、他の三人は遠巻きにイザベラたちを見ているだけだった。それでも顔はだらしなく緩んでいる。情事の現場を目撃して興奮したのか、彼らも浮き足だっていた。
 イザベラは口元に笑みを浮かべて、自分の腰を抱く男を流し目で見た。それだけで漂う色香が男の胸をくすぐる。
「どうやら、随分たまっているようだね……。ふふ、激務で女を抱く暇もないのかい?」
「ああ、そうさ。それに、誰のために俺たちが働いてやってると思ってる? 国民のためさ……なら、お前たちも俺たちに奉仕する義務がある。そうだろう?」
 男は布越しに膨らんだペニスをイザベラのふとももに押しつけながら、彼女の乳房を乱暴に掴んだ。
 小さく嬌声をあげてると、イザベラは指先で男の顎をなぞる。
「強引だね。でも、そういう男は嫌いじゃない。私も久方ぶりでね……男が欲しかったところなんだ」
「へえ、話がわかるじゃねえか……。後ろの連中の相手はそっちのガキどもがやってくれるんだろうな? 俺ひとりでってのも気が引けるんでねえ」
「ああ、それは駄目だね。彼女たちは疲れているし……そもそも、キミひとりじゃ私が満足できない」
「なに?」
 片眉をあげて問い返す男に、イザベラは妖艶に微笑んで右手を掲げた。
「私がキミたち全員の相手をしてあげよう」
 パチン――、と指を弾く音。
 それを合図に、世界は変貌した。

     *

 警邏をしていた四人の中で一番肩身の狭い思いをしていたのが誰かと云えば、もっとも年若い少年だった。
 年齢は一六歳で、人と喧嘩をしたことこそあれども殺し合い染みたやりとりはしたことはないという、そこそこに恵まれた少年である。
 革命が起きたことで、そんな少年にも剣を持たなければいけないときがきた。王を処刑したのだし、戦時なのだから今まで戦いをしたことのない者でも武器を手にしなければいけないのは考えてみれば当然のことである。
 もっとも、少年が警邏に従事しているのは、なにも革命やそれに伴う使命感などではなかった。もし、徴兵を断ったりしたら逆賊として殺されるに決まっている。それが革命によって生まれ変わった国家の選択だった。
 これじゃあ、僕たちの戦いに意味などないじゃないか――。
 少年は革命を望まなかったが、それを時代は許さなかった。群衆の総意は、いつだって少年みたいな人間を小石のように流れへ巻き込んだ。
 少数派を呑み込んで、一丸となって戦いに挑む。それ自体に間違いはないのだろう。統一性がなければ、争いに足を取られてしまう。
 呑み込まれた少数派はいつだって不平を洩らすが、所詮、それは大多数から見れば弱者の戯言にすぎない。少数派である彼らの主張が正しくとも、それを他人と共有できなければ、そこまでの主張であったに過ぎない。少数派が大多数の人間を罵るのは、結局のところそれしかできないから責任と無力感を押しつけているだけなのだ。
 そう、革命が、民衆の総意が嫌なら、不平を云うのではなく、立ち上がって声も高らかに宣言しなければならない。リスクを恐れずに総意へ立ち向かわなければいけない。それができないのなら、そもそも見苦しく自身の思想なぞまき散らすべきではないのだ。
 だから少年は口を閉じた。
 自分にそんな力がないことも、見苦しく不平を垂れることすらもできない小心者であることをよくわかっていたからだ。
「――そう、キミは疲れているんだね」
「え?」
 優しい声が少年に語りかけてきて、声をあげる。
 いつの間にか、少年はベッドの上にいた。淡いピンク色のシーツが敷かれた、甘い香りが漂うふかふかのベッドだ。
 少年の頬に柔らかい手が触れる。ベッドにはもうひとり座っていた。
 身を乗り出して手を伸ばしていたのは、少年と同い年くらいの少女である。長い銀髪に、見つめられると背筋が撫でられたみたいな心地になる鋭利な眼が印象的だった。
 魅力的な瞳が、少年をいたわるように細められている。頬に触れている手の感触に心奪われて、少年は革命によって荒んでいた精神の海が凪いでいくのを感じた。
「君は誰――そういえば、僕はさっきまで警邏を――」
 少年の唇を少女の人差し指が塞いだ。
「何も考えなくて良いよ。私に身も心も任せるといい。大丈夫、優しくエスコートしてあげるよ……天国まで」
 少女が少年の肩を押して、唇を奪いながらベッドに寝かせた。
 抵抗しようという気持ちはついぞ浮かんでこなくて、少年はこの麗しい少女になにもかも任せることにした。もう、考えるのは疲れていた。この甘い芳香で、悩みがどうでもよくなった。
 そういえば、ここはどこなのだろう。ベッドしか見あたらない、よくわからない場所。
 ――まあ、どうでもいいか。
 そう切り捨てて、少年は口の中に入ってくる少女の舌に意識を集中させた。
 長い長い全身を包み込むようなキスが終わる。真上で微笑む少女に、少年はひとつだけ訊ねてみた。
「君の、名前は?」
 少女は囁く。
「――イザベラ」

 リーダー格の男は困惑していた。
 自分は先程まで、汚物まみれで臭気漂う路地裏で女の腰を抱いていたはずである。
「なのに、どうして」
 悪夢の中に迷い込んだ心地でつぶやいた。
 そこはピンク色のシーツが引かれたベッドの上だった。こんなところにやってきた記憶が、男にはまったくない。飲酒もしていなかったし、前後不覚になる理由はなかった。
 なによりも、ここにはベッドしかないのが問題だった。周囲を見渡しても、果てが見えない。大海原に放り出されても、こんな不安は抱かないだろう。なにせ、海には海水と空があるのに、ここは文字通りベッド以外の存在が皆無なのである。
「へえ、変化なしか。この私の躯が理想的だったとは、いやはや、女としては誇りに思うね。キミに恋愛感情が抱けていたのなら、きっと心底愛してあげられたはずだよ」
 いつの間にか、魔女イザベラがベッドに腰掛けていた。大きな帽子も、ローブも、そのままである。この空間にあって、その姿は異様だった。
「お、おい、いったいここはなんだ。お前がなにかしたのか!」
「その通り。総てが私の思いのままになる、ここが一番好都合なのさ。なにより、ベッドの上の方がムードがあるだろう? それとも、陵辱願望をお持ちだったかな」
 イザベラがベッドに引きずり倒された。破れたローブから、片手では覆いきれない乳房が漏れ出る。
「お前、俺をおちょくってんのか!」
「あれ、そのつもりだったんだけど……判らなかったかな?」
 男の頭の中が怒りで沸騰した。もう、ここがどこだかなんて考えるのはやめた。今は、この女の躯に後悔の味を刻みつけることに執心した。
 ズボンを降ろし、男は勃起した一物をむき出しにする。例えいかに腹の立つ女であったとしても、目の前にいるイザベラは男にとって理想的な肉体をもっていた。
 彼女の銀髪を乱暴に掴むと、男はペニスを口の中にねじ込む。魅惑的な赤い唇と白い歯を押しのけ、一気に喉の奥を亀頭で突き上げた。
 そのまま髪を引いて、口の中で剛直をピストンさせる。人肌の生ぬるい温度でしめった口腔を犯せば、背徳感と快感が合わさってぞくぞくっと全身を駆け巡った。
 夢中になってイザベラの顔を腰に叩きつけ、口蓋と舌を汚れたペニスで蹂躙する。
 男性器を慰める気持ちよさに涎を垂らしながら息を乱していることに、当の本人である男は気付いていなかった。
 イザベラが髪の毛を掴んでいる男の手首に触れると、軽い衝撃がそこに走る。痛みはなくとも、腱を刺激されたせいで男の手は勝手に開き、銀髪を手放してしまった。
 ぬるりと涎まみれの男性器を口から抜いて、イザベラは男相手に上目遣いとなる。
「口よりも、もっと気持ち良いところがあるよ」
 そう云って、自身の胸に剛直を挟み込んだ。
 異論を唱えるより先に自分自身が胸に包まれたことで、男は情けなく声を洩らしてしまった。
 仰向けの体勢で豊満な、それでいてマシュマロみたいに柔らかい乳房で男のペニスを捉えれば、イザベラは胸を上下させた。
 ぬちゅっ、ぬちゅっ、と音がして、胸の中で肉棒が暴れる。胸があがれば亀頭まですっぽりと胸に押し包まれる。胸が下がれば、亀頭が胸肉を掻き分けながら顔を出した。
「本物の亀みたいに頭を出したり隠したり……随分とかわいらしいペニスじゃないか」
「はが、あがががが……」
 男は腰砕けになりそうなのを必死に堪えていて、イザベラの言葉は耳に入ってこなかった。
 彼女の唾液が潤滑液となり、スムーズに胸の谷間を往復する。
 鉄のように硬くなったペニスを押しつつむ豊かで柔らかな感触は、まさに天にも昇る心地よさ。
 ふつう、女性の乳房は子供にミルクを与える供給器官であるはずなのに、イザベラのそれは男の肉棒からミルクを搾りだすための搾精器官だった。
「熱い、焼けるように熱いな……そんなによがって、よほど私の胸が気持ちいいらしいね」
 淫蕩に微笑み、イザベラは自分の乳房を揉みしだきながらペニスを圧迫する。自分で自分の胸を慰めながら男の肉棒を擦り挙げる仕草は目眩がするほどに妖しい。
「我慢する必要はない。たっぷりと玉袋にたまった精子を吐きだしたまえ。この胸の中でね……」
 云われるまでもなく、男の脳裏に我慢の二文字はなくなっていた。それ以前に、優しくも無慈悲にペニスを搾る乳房に抗えるとは思えなかった。
 亀頭に鮮烈な快感が走る。魔女が目一杯舌を伸ばして、その先端で亀頭を舐めていた。胸の谷間から顔を出したペニスをちろちろと舐めながら、ぎゅっと左右から胸で茎を圧迫する。
 尿道にイザベラの舌が入り込んだ瞬間、男のペニスが震えた。
「あ、あ、出る……うわおおおおおおお!」
 ぶしゅっ、と白濁の噴水が飛び出した。
 イザベラの美麗な顔へ大量に男の子種がまき散らされる。
 目を閉じて精子を受け止める。まだ射精は留まることを知らず、乳房の中でのたうち回り黄ばんだ精液を吐きだしていた。
 イザベラの顎から細い喉までを真っ白く濡らし、あまりの快感に男が腰を引くと胸の中でも爆発を続けた。ぶわっと乳房から溢れだした精液が谷間に白濁の池を作る。
 陰嚢の中にあったものを一度に総て吐きだしたのではないかと思うほどの量がイザベラを汚し、むせかえるほどの青臭さが溢れた。
 腰が砕けたのか、男はイザベラに覆い被さる形でベッドに倒れ込む。何十分も全力疾走をしたのかと思うほどに息を荒くする男は、ペニスに再度くわえられる刺激に情けなく呻いた。
 イザベラが精液に濡れた乳房で、射精したばかりのペニスをしごいていたのだ。
「ほらほら、どうしたんだい? 男なんだから、まさか一回出しただけで満足なんてことあるわけないよね? 遠慮しなくていいっていったじゃないか……出したまえよ」
 男にはそれが悪魔の囁きにしか思えなかった。性欲は旺盛だと自負していた男も、たった一度胸に搾られただけで総ての精子を吐きだしていた。
 嗜虐的に笑いながら、イザベラは精液を利用してぬるぬると胸でペニスを責め立てる。いやらしく精子で気泡をたてながら、柔らかい胸が絡みついた。
「はぐっ、ごっぐげっ……ああああああ……っ」
 ベッドのシーツに顔を押しつけながら内臓を吐き出しかねない形相で男が悶える。射精した直後のペニスを責める温かくも柔らかい胸は冷酷なまでの快楽を流し込んでいた。
 男の苦しみようとは裏腹に限界まで勃起したペニスは白い飛沫を飛ばしながら乳房を堪能している。イザベラが首を傾けて、胸から飛び出た亀頭に吸い付いた。ずずっ、と精液をすすりながら亀頭にキスをする。精液に口元を濡らしながら亀頭を這い回る唇。イザベラの唇に刻まれている皺のひとつひとつが感じ取れるほど、亀頭の感覚ははりつめていた。
「やめ、やめてくれ、出る、また出るっもう出ないのにっやめろ! やめてくれ!」
「嘘はよくないな……キミはまだまだ出せるよ。だって、ほぅら。今だってこんなに膨らんでいる」
 聞く耳もたずにイザベラは乳房を操る速度を速め――
「だあああああああああああああああああ――――!?」
 男の絶叫と共に、乳房から頭を突き出したペニスが爆発した。
 一回目と変わらぬ、むしろそれ以上の勢いで真っ白な液体が溢れる。イザベラの美しい銀髪にもべっとりとかかり、さらに顔と胸に子種を振りかけた。
「おやおや、これでは胸が妊娠してしまうじゃないか」
 くっくっ、と喉を鳴らして、胸を白くデコレーションしたペニスに向かって云った。
 威勢のよかった男は既に無く、あとには虚ろな目でベッドに横たわる哀れな犠牲者がいるだけだ。
 躯を起こしたイザベラは、今にも息絶えそうな男に――そのペニスに手を伸ばした。精液まみれの萎えかけたペニスを掴むと、男の躯が跳ね上がって嬌声をあげた。
「あがぁ……っ」
「まさか、本当にこれで終わりってわけじゃないだろうね。私はまだ胸に挟んだだけで、膣に挿入すらしていないのだよ? それはあまりにも自分本位な性行じゃないか。さあ、本番と行こう」
 イザベラが萎えかけたペニスをしごくと、掌の中でむくむくと首をもたげ始める。精液でぬるぬると指を滑らせる手つきに、男は意志と反して挿入可能の状態になるしかなかった。
「な、なんで……なんで、まだ立つんだ……」
 けれど、数週間、数ヶ月分の精液を一度に吐きだしたにも関わらず勃起するというのはさすがに異常だった。自分の躯が自分のものではないようで、男は快感ではなく恐怖で震え出す。
「ああ、それはね。ちょっとキミに細工をしただけだよ。私は淫魔と違って人間だからね、精力を刺激する体液を分泌なんてできなくてね。自前のテクニックと魔法でどうにかするしかないのさ」
「ま、魔法? まさか、魔女……!」
 男は悲鳴をあげるようにその名を口にした。
 魔女について、今更説明するまでもない。悪魔と契約したことにより力を手にした背信者、その総称が魔女である。
 魔法使いを恐れる人間は少ない。むしろその力に憧憬すら抱く。だが、魔女は別なのだ。悪魔が無償で契約することは、人が呼吸をしないで生活するのと同じくらいにあり得ない。彼らは必ず、人に交換条件を持って契約を結ぶのだ。より正しく云うなら、人は悪魔に従属することで魔女となる。そもそもの力が違うのだから対等な契約が結べるわけもない。
 そして、悪魔の契約とは常に人間を追い詰めるものである。力を与える代わりに生け贄を寄越せ、なんてものがポピュラーなものだろう。
 だからこその魔女狩り。異端なるモノ共の放逐。
 人はみな、魔女を恐れていた。彼らは自分たちと同じ人の姿をしているから、隣にいる人が魔女かもしれない。そんな恐怖が常につきまとっていたのだ。
「そ、そんな……魔女狩りがあったはずなのに……」
「魔女狩りか。あれは不味かったね。キミたちが魔女として狩っていたのは、大抵がただの人か淫魔だったんだから。あんなことをおこなわなければ、淫魔が国を支配しようだなんて考えなかったのに」
「い、淫魔……? さ、さっきからそれはなんだ……」
「うーん」
 唸って、イザベラが男のペニスを握る手に力を込める。元気さを取り戻したそれにイザベラは舌を寄せた。亀頭を舐めあげ、舌にこびり付いた精液を呑み込む。
「今の私みたいな生き物、かな?」
 淫蕩に微笑むイザベラに、男は自分の末路を悟った。
 なんて、悪夢だ――。
「悪夢じゃない。淫夢さ」
 男の思考に声で応え、イザベラは相手に騎乗すると肉棒を膣に埋めた。

 魔女イザベラの扱う魔法の体系は多岐にわたる。それもこれも、無数の悪魔と契約を結ぶという荒技をおこなったがために会得できたものだ。
 魔法と一言にいってしまうのは、世界中の食物を総て料理として括ってしまう程度には乱暴な区分であったが、魔女イザベラに対してだけは話が別である。魔法というおおざっぱな区別をしなければいけないほどに彼女の能力は膨大だった。
 今、おこなわれているこれも、イザベラの特異な能力故であった。
「なんだ、キミは私みたいな幼子が好きなのかい? それは変態性癖と云わざるを得ないな」
 魔女イザベラの声――しかし、幼い。
 舌っ足らずな、イザベラに似た声を発したのは一二、一三歳くらいの幼子である。その女の子はピンク色のシーツがひかれたベッドの上に仁王立ちして、ベッドに寝転がる男を見下していた。
 警邏隊の四人組、そのうちのひとりである。
 男の股間は布越しでも膨れあがっているのが目に見えて判るほどで、幼子は不愉快そうに鼻を鳴らした。
「変態と云われて喜ぶ人種がいるのは知っているが、いつ見ても理解に苦しむな、ペドフィリアめ。さすがにそんなもの、触ってやりたくもないよ」
 太腿まで届く靴下を穿いた足で、幼子が男の股間を勢いよく踏みつけた。例え幼子といえども蹴られれば痛みがあったはずだが、男が洩らした声は苦悶ではなく嬌声である。
「あ、ああ……!」
「喘ぐな、耳の毒だ。このまま踏み潰してあげようか?」
 男性器を踏む足に力がこもる。ぐりぐり、と足を捻った。
 土踏まずの下で余計に膨れあがっていくペニスに、銀髪の幼子は未成熟ながらも美しくなることを予想させる顔をしかめた。
「小さくなるどころか、大きくなるとはね……。こうも欲望に忠実だと逆に関心するよ。よくもそこまで興奮できるものだよ」
 変声期も迎えていない幼い喉から発せられる言葉は知的にして老獪で、その差違が彼女を異質たらしめていた。
 その追求に、男は上擦った声をあげながら首を振った。
「こっ、興奮なんてしてないぞっ」
 慌てて取り繕われると、幼子は足の力を強めて強制的に黙らせる。
「嘘をつくならもっとマシな嘘をつきたまえよ。幼女に踏まれてペニスを勃起させながら云っても説得力なんて皆無だ。ああ、幼女趣味ならおちんちんと云った方が興奮するかな。……するようだね」
 足の裏に伝わる感触がさらに硬くなり、幼子は吐き捨てる。男は羞恥で顔を真っ赤にしていた。
「こうしていても仕方のないことだし……まずは一度楽にしてあげよう。……このままね」
 幼子が足の指先を器用に使って男のズボンから性器を露出させた。
 ぼろんっ、と半分ほどまで皮を被ったペニスがこぼれ出てくる。足先で裏筋を撫でながら皮を引っ張ると、汚臭漂う亀頭が姿を現した。
「うぐ……っ」
「まだ皮を剥かれただけだろうに、どうしてそんなに息を荒くしているのだか。ふふ……童女の足がそんなに好きかね」
 すりすりと靴下越しに足がペニスを撫でる。幼子の汗で湿った靴下が亀頭の根本から裏筋を何度も往復して、男は情けなく身を快感でよじった。
 尿道から湧き出す我慢汁が幼子の靴下に染みこむ。そして精子混じりの分泌液で濡れた足はペニス全体に我慢汁を塗布した。
 濡れて動きやすくなったことで、足の動きが激しくなる。技術もなにもない、精を搾るためではなく汚物を踏みにじる乱雑な足責め。だからこそ男は被虐的な心を刺激された。
 額に汗しながらペニスを踏みつける幼子は、真っ白い頬を紅潮させて亀頭を踵でグリグリと捩る。
「はあっ、……ははっ! 踏まれてるだけでおちんちんビクビクさせて、今にもイってしまいそうじゃないか。ほら、出してしまいなよ。無様に悶えて精液を足にかけてしまえばいい」
 ぐぎゅっ、と足がはち切れそうになっていた肉棒全体を踏みつけた。
 押し潰されそうな強い刺激が我慢という名の理性を蹴破った。
「う、うわあああああ――っ!」
 どくっ! どくっ! どくんっ!
 ペニスが弾けた。幼い少女の足によって射精に導かれた肉棒は、脈打って濁流のような白濁を噴出する。
 真っ白い精液が幼子の足にべったりと降りかかった。純白の樹液が肉感に乏しい太腿からふくらはぎまで垂れて、黒い靴下も精子でてらてらと光る。生殖活動のために精製される子種は幼子の未熟な足を精の色で汚したのだ。
 足の裏から伝わってくる大きく熱い肉棒の脈動に幼子は酷薄に笑む。
「あっははっ、本当に足で出すなんて……それも、こんな小さな私に踏まれて精を漏らしてしまうだなんて。ねえ、恥ずかしくないの?」
 幼子の言葉が男の胸に突き刺さり、顔は羞恥で真っ赤になる。何も云い返せないほどの恥ずかしさと屈辱に頭が沸騰していた。けれど、その感情さえもゾクゾクとした快感となって背筋を走り抜ける。今も幼子の足で踏みつけられている自分のモノを見下ろして、男は押しとどめ難い疼きを覚えていた。
「あれ、また硬くなってきたね。まさか、踏まれているペニスを見て興奮したのかい? 度し難い性癖だねっ」
 一際強く幼子の足が肉棒を踏む。イったばかりなところへ叩きつけられる刺激。
「はうっ」
「小さい女の子に虐められるのが好きなんて……なら、これがお望みなんだろう?」
 幼子が自分の下半身を覆っていた布をはぎ取ると、そこには毛すら生えていない秘所があった。
 男の視線を釘付けにして、ゆっくりと腰をペニスへと降ろす。亀頭が小さな亀裂を押し広げ――。
 ずんっ、と女性器が裂けんばかりにねじ込まれるペニス。だが、悲鳴をあげたのは男の方だった。無数の襞で陰茎をなで回す狭い狭い女陰に、男は一瞬で限界を迎えた。
 幼子の躯を突き抜ける勢いで放出される精液。
 男に跨った幼子は、自分の下腹部を撫でる。掌には、止まることのない射精に狂ったペニスの感触が伝わってきた。
「はは、出すといい……死ぬまで、私の性器に抱かれて……」
 艶然と笑う姿は、幼い姿からは想像できぬほどに淫らだった。

 無数の女体が躯に絡みつく。柔らかく、細い腕が男の上半身を抱きしめる。豹のようにしなやかな足が、男の足に纏わり付く。絶世の美女たちが、ひとりの男を全身で愛撫していた。
 ピンク色のシーツ、ふかふかのベッド、そしてどこまで続くかもわからない空間――。
 ここには世界中のあらゆる快楽が混在していた。
 大きな肉の果実が男の背中に押しつけられ、のの字を書くように動き回る。背筋をなぞる乳房の感触に男は脳髄が溶け出して耳から溢れてしまいそうになっていた。
 男の股の間には三人の女性が躯を滑り込ませて、熱心にペニスを銜えている。その三人に、それと背後にいる女性も、総て同じ顔をしていた。
 それは路地裏であった女性だと男は曖昧になっていく脳で思い出したが、間断なく与え続けられる快楽にそれ以上の思考を働かせることはできない。陰茎をなぞる舌と唇の感触は、女体に溺れる以外の選択肢を奪い去っていた。
 だから、どうして警邏で路地裏に立ち寄っていたはずなのに、こんな場所にいるのか――なんて疑問に答えを見つけることもできなかった。
「キミの場合はハーレム願望か――実に判りやすくて健全だね」
 背中から男を抱きしめている女性、イザベラが耳元で囁いた。言葉に揺らぎはなく、一定のリズムを保っているのに、耳にかかる息だけは溶岩のように熱い。
「なにが……なにが起こってるんだ……」
 熱い吐息に意識がわずかに引き戻され、男はようやく意味のある言葉を発することができた。
 イザベラはからかうような声音でそれに答える。
「私はね、相手の嗜好にもっとも適した姿を知ることができるんだよ……欲望っていうのは、あまりに輝きが強すぎるから、手に取るように判るのさ」
「で、でも……なんで、こんなに、人が……」
「そうだね……」
 優しく、些細な質問の問いを伝えた。
「私が魔女だから、かな?」
 男のペニスに群がっていた三人のイザベラが口淫の速度を速めた。ぴちゃぴちゃと涎を垂らしながら、男の欲望を限界まで導く。
 そうして、何度目かも判らなくなるくらいの射精。
 イザベラたちは顔を汚す精子を気にせずに、精液を出し続ける肉棒を貪る。射精中に与えられる快感に、男は絶叫する。あまりの快感で脳内の神経がいくつも千切れ飛んだ感覚。
 粘度の高い白濁液で顔を汚しながらも奉仕を続ける三人の自分自身を見下ろして、イザベラはもう言葉を理解することもできないであろう男に語りかけた。
「さあ……もっと、楽しもうか――?」

     *

 夜の路地裏には四つの死体が転がっていた。
 全身の水分を吸い取られたミイラのような有様は、吸血鬼に血でも抜き取られたのかと思ってしまうほどに凄惨だった。
「しまったな、少し調子に乗りすぎてしまったか」
 その横には、衣服ひとつ乱れていない魔女イザベラの姿がある。悩ましく胸を押し上げる形で腕を組んだ彼女はばつが悪そうな顔になったものの、すぐに頷いて気を取り直すことにした。
「一応、殺すつもりはなかったんだけど……まあ、いいよね。顔を見られていたし、四人分ギヨたんの代わりをしてあげたと思えば逆に感謝されて然るべきだろう」
 自分なりの理屈で納得するとイザベラは彼らから視線を外して、未だに意識を失っているジョゼフたちの方へと向かって行く。
 実際は、ジョゼフたちが気絶してからまだ五分と経っていなかった。だから、未だにという表現は相応しくない。けれど、男たちの死体は無限とも云える時間の中で朽ちたようにも見える。大事なものがイザベラの周りで噛み合っていなかった。
 魔女――。
 悪魔と契約し、超常の力を得た人を超えし者。
 このとき、イザベラが何をおこなったのか。知る術を持つものは誰ひとりとしていなかった。

 第二章/了
 びっくりするほど更新速度が遅れてしまいました……。しかも後二週間くらい、ちょっとごたごたしそうなのがアレ。とにもかくにも、そういうわけで2話目が終了致しました。
 序章を載せた時点で続きをまったく考えていなかったので、物語に一応のゴールを作るためにキャラクターを増設したわけですが、名前有り男性キャラクターの登場に困惑した人もいると思います。個人的に、剣と魔法のファンタジーな世界で淫魔っぽい人たちとにゃんにゃんする系とかも大好きなので男キャラまで出てきてしまったわけですが、嫌な人は申し訳ないです。個人的な方針で出してしまいました。多分メインキャラクター。

 今回は百合BF(?)と魔女さん大乱舞でお送りしました。ぶっちゃけ、今回の更新が遅れた最大要因は魔女さんのシチュエーションだったり。魔女さんのエロが見たい人が結構いたようでびっくらこきつつ、慌てて追加させていました。最初、ふつうに三人を回収する役目しか与えられていなかったのにね……。エロ魔法案を出してくれた方のエロパワーでこうやって日の目を見させることができました!
 他の淫魔と女騎士様とかも出せればいいなあ、と思いつつ。それではまたありましたら次回もよろしくお願いいたします。

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