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スズと黒田(3)

「それで、俺と勝負したいってわけか…」
突然現れた来訪者3人に少々驚きつつも、冷静に構える黒田。
教室でくつろいでいる時に勝負を挑まれ、黒田はスズに見つからないように訓練室に来ていた。
「1対3なんて卑怯じゃない!1対1で来なさいよっ!!」
(あいつの性分だったら、まずこう言うだろうし…、下手にあいつを巻き込むよりは多少不利でも、ここでこいつらを片付ける!)
服を脱ぎ捨て、闘志を露にする黒田。
「おまえを奴隷にすれば教師共もすぐにマリア様を選抜メンバーに加えるだろーし、悪く思うなよ!」
「あの…、すいま せん、できれば…ま、負けてもらえませんか?」
「カナエさんは下がっていなさい、私達2人だけで充分です。」
迫ってくる2人を見ながら、冷静に相手を観察する黒田。
(オドオドしてる奴は勝負に加わらないみたいだな。長身の方を相手にするのは面倒そうだ。まずは…)
シュッ、すばやく間合いをつめると、黒田はミコトに手マンを繰り出す。
「くっ、やりますわね。でも予想通り」
若干反応が遅れたところを由梨が素早く後ろをとり、バックからペニスをしごきはじめた。
由梨は長身の体に備えた豊かな乳房を背中にすりつけてくる。
由梨の責めに黒田は体の力が抜けそうになってしまう。
「どうだ!アタシらのコンビネーションは!」
「ふぐっっっ、まだだ…」
快楽に負けぬように腹に力を入れながら、黒田は目の前にいるミコトへの攻撃を続ける。
「耐久勝負ですか?それも計算通りだというのに。」
冷静に黒田の責めを受けながら、前から乳首を爪でつばんでくるミコト。
4本の腕で性感を刺激され、黒田の体から力が抜けかける。
「おまえは完全にアタシらの作戦にはまったんだよ!おとなしくイッとけ!」
由梨は勝利の笑みをうかべながら言い放った。
 (おかしい…)
ミコトは黒田の責めを受けながらそう思った。
この方法では大抵相手の方が先か、悪くても相打ちとなってきた。
それなのに、、、、まるで黒田の表情に焦りは無かった。
それどころか自分の方が既に逝きそうではないか。
(こんなはずじゃ、なかっ…)
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ビクン、ビクン、とミコトの体が跳ね上がる。
「なっ!」
慌てる由梨に
「アンタさぁ、後ろから責めて優越感に浸る気持ちは分かるが…、
 それで自分が感じてたら意味ないよな。」
由梨の動揺を見事につきバックで挿入をはたすと一気に責め立てた。
「くぅぅぅ、ヤダ、こんな…、気持ちいぃぃぃぃっぃいぃ!!」
これまで集団戦を得意とし、責めばかりを担当していた由梨は黒田の腰使いにあっけなく敗北した。
 「残るはアンタだけだ。さぁ、どうする?」
「ぅぅ…あ、アタシは…」
おどおどしたままで、そこから動こうとしないカナエに戦う意思を感じない黒田はそのまま部屋の出口へと向かい。
「残るはあんた達の女王だけだ。今後、あんた達の襲撃がスズに及ばないとも限らないからな…」
その時、カナエの肩がビクンッと動き、黒田がマリアの元へと向かうのを阻むように黒田の前に立ちふさがった。
「次は私と勝負してもらいます。マリアさんの元へは行かせません。」
 先ほどまでの口調と変わり、また言葉使いも変化がみられた事に黒田は驚いた。
「マリアさん?いいのか?あんたら主従の関係なはずじゃ…?いや、そもそも主従なんて関係自体おかしいけどな。」
「マリアさんはとても優しい人なんです。昔、いじめられてた私を助けてくれたのも、今の居場所を提供してくれたのもマリアさんなんです。
 私はあの居場所を、マリアさんを守りたい。そのためにアナタにはここで負けてもらいます。」
 単なる癒し系マスコットの様な存在だと思っていたカナエが敵意を向けてきた事に黒田は驚く。
平均的な身長に白く繊細な肌、大きな瞳に小動物の様なかわいさを宿すが、むしろ黒田はそんな彼女に油断ならないものを感じた。
 (むこうが何か仕掛ける前に一気に決める!)
黒田は彼女の身体へと手を伸ばし、愛撫をはじめた。
カナエも黒田の勃起したペニスをそのスベスベした手で快感を与えてくる。
しばらく、愛撫していると
「いや、やめて。」
カナエは恥らうように身体をよじる。
黒田は勝機を見、そのまま責め立てようとした所で違和感に気付いた。
自分の手がカナエを逝かせる為に効率的に動いてくれないのだ。
決して動きが止まったわけではないが、どうしても彼女の小動物のような憐れな瞳を見ると、トドメを刺せないでいた。
「クスッ、やさしいんですね。」
そうこうしているうちに黒田の中にも快楽が溜まっていく。
(こいつ!人の心理系の特徴を使って、俺に勝たせないつもりか…)
「勝たせない?いいえ、負けてもらいます。」
カナエの手技がいっそう黒田のツボを心得た動きになっていく。
「くぅぅ!はぁぅぅぅぅぅぅぅぅう…」
今度は黒田の心のブレを読み、性感をより的確に把握したようだ。
 実際のところ黒田は先ほど相手にした由梨のような強気なタイプには強いが、カナエのように弱々しいタイプを責めるのは苦手だった。
しかし、勝負の場において、そんな苦手意識が邪魔になったことは今まで一度も無かった。
カナエは意図的に黒田の意識を操作しているのだ。
カナエが持つ特有の雰囲気はおそらく黒田だけではなく、世の男全般に対して効果があるだろう。
いわゆる「守ってあげたいタイプ」というやつだ。
そのうえ、こちらの心理を読み取り、弱点までカナエに知られてしまった。
 「どうしたんですか?このままでは負けてしまいますよ?」
カナエは黒田が責め切れない理由を分かっていながら、親切にささやいてくる。
その言葉に黒田は自身の戦意が喪失していくのを感じる。
 (勝った!)
過信でも驕りでもなく、カナエは正直にそう思った。
黒田の様な強者と正面から闘えば必ず敗北していたが、カナエにはこの特異な才能があった。
カナエは相手の心理を読み取り、相手の性感の把握と心理の操作ができるのだ。
もし、黒田が昔カナエをイジメていた様な輩だったら、カナエは敗北していただろう。
しかし、黒田は見た目の冷たさよりもずっと中身は優しかったのだ。
そう、自分を救ってくれたマリアの様に。
そんな黒田の優しさにつけこむ事に心を痛めながらもカナエはペニスを責める手を速めようとしたその時、
「どうやら、この勝負、俺だけの為の闘いだったら、俺は負けていたらしい。」
(!!)
「アンタの感情操作で俺は責めきれないでいた。だが、俺が負けてマリアの奴隷になると困る奴がいるんでね。」
黒田はあのよく喋る元気な親友を思いうかべながら、カナエによって自身の精神に取り付けられた枷を外した。
もともと、カナエに寸止め程度の快感を与えていた黒田は一気に逝かせにかかる。
「そんな…、あ 私はマリアさんの為に…」
「アンタの気持ちを酌んで、今後俺達に手をださないなら、マリアには手を出さない。まぁ、俺を奴隷にして選抜メンバーになるのは諦めてもらうが…」
黒田の誠実な言葉を聞き、あるいはこれで良かったとカナエは思った。
相手の優しさにつけ込む勝ち方をしなくてすんだのだから。
そして、マリアに選抜メンバーという、危険な道を再び歩かせなくてすんだのだから。
どこか安心した表情でカナエは絶頂を迎えた。

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