ここは百合の塔とよばれる場所…
この塔にはまず20になった人間の女性しか入ることができない
塔の内部には女性型の魔物娘がたくさんおり、塔に入った女性はその魔物娘とバトルファックをして勝利しなければならないのだ
人間vs魔物では圧倒的に魔物の方が身体的にも快楽を与える能力的にも有利なため、人間は2回までなら絶頂に果てることを許される
しかし3回目の絶頂が訪れた時、人間は敗北となってしまう
塔の魔物に負けた場合、人間は魔物娘の魔力によって、自身も魔物に変えられてしまう
数々の女性がこの塔に挑んだが、戻ってきた者は一人もいない…
そしてまた一人、この塔に挑む勇者がいた…
「百合の塔…数々の勇者が挑んだが、戻ってきたものは誰もいない…」
黒いおかっぱ髪が特徴のこの物語の主人公…エリーである
「私が必ずこの塔を制覇して秘法を持ち帰る…そしてこの塔に囚われた仲間も助け出す」
彼女は先日ようやく20の誕生日を迎え、この百合の塔に入ることを許された
彼女は近辺の村に住んでいたのだが、この日の為に村の女性はもちろん、男相手にもバトルファックで修行を積んできたのだ
先日は女性だけのバトルファック大会である百合杯にも優勝し、彼女は村一番のバトルファッカーになったのである
そしていよいよこの百合の塔に入ることになった…
「ようこそ、百合の塔へ」
「誰!?」
不意に聞こえてきた声にエリーは驚き振り返る
後ろには美しく青いロングの髪、青い瞳、青いウェディングドレスのような服…そして二本の小さい角が異形的だ
「私はこの塔の案内人…まぁ、サキュバスとでも名乗っておきましょうか」
「サキュバス……」
書物や人の口からしか聞いたことのない、伝説上の魔物…
人間の精気を奪い取るために生まれたと言われる、あのサキュバス
まさか、いきなりこんな奴と戦わなくてはならないなんて…
「ふふ、安心して、私はあなたと戦うためにここにきたのではないの」
「では、なぜ?」
「私はあくまでこの塔の案内人…この塔のルールについて説明をさせてもらう為にここに来たの」
「ルール…」
塔の戦いについては多少は村の人達から情報を得ているが、ここは少しでも知識を持っておいて損なことはないだろう
「まず、塔内でバトルファックが起こる場合、自分と対戦者の周りに見えない「壁」ができる…逃げられないようにね」
「壁…」
「そう、その壁が完成した後にバトルファックを行う…不意打ちとかはないから安心して?」
どうだろう、敵の言うことだ、全てを鵜呑みにするのは危険な気がする
「対戦する魔物は基本1体…でもあなたがあんまり先に進むと、複数体でちゃうかもね」
「どんな相手だろうと、私は負けない」
「ふふ、威勢のいい女は嫌いじゃないわ…バトルフィールドが完成後、バトルファックは開始される、人間、あなたは2回まで果てれるけれど、3回目の絶頂を迎えたとき…あなたは敗北する」
「……………」
「安心して、負けたからと言って死ぬことはないわ……あなたのような人間には、こちらの世界に来てくれれば良い魔物になってくれそう」
「なんですって?」
「負ければ私たちの精気を流し込み、あなたを魔物化させる…ふふ、素敵でしょう、濡れてこない?」
「……そうやって先に行った先輩達も魔物にしたのか、あなたたちは!」
許せない、なんてことを
「あなたが秘法を手に入れれば、魔物化した先輩達も人間に戻れるわよ…ふふ、楽しみね」
「……私は、絶対に秘法を手に入れる」
「人間、私もいずれあなたの前に立ちはだかる…それまでは、魔物化せずにこの塔を登ってきなさい、ウフフ、アハハハハハ!!」
それまでは淑女のような雰囲気だった彼女だったが、高らかな笑い声の中にはサキュバスとしての本性が混じっていたように感じる
サキュバスはその高笑いを最後に、煙のように姿を消していった…
「……待っていろサキュバス、そしてこの塔を作った親玉」
エリーは決意を新たに、一歩、この塔を歩き出した
〜塔1階〜
しばらくは廊下が続いていたが、大きなホールのようなところに出た
そして前方には、影…
「あれは……」
間違いなく敵だ、最初の敵……
エリーはぐっと身構える
全身の体が青いような…
あのサキュバスかと一瞬思ったが、すぐに違うことを理解する
敵の体は全身がゼリー状のような感じになっていた
キュイーーーーーーーーーーン
ホール全体を囲むように、見えない壁が包み込む
そして地面もトランポリンのように少し柔らかくなっていた
「これが…バトルフィールド」
怪我などをする心配はなさそうだが、この地面の性質上、多少動きにくいというデメリットもある
「慎重に…行く必要がありそうね」
改めて敵を見据える
「ようこそ…私はスライム、あなたを溶かしてさしあげましょう」
全身がゼリーの棒のような形状をしていたものからにゅっと端正な人間のような顔立ちが現れる
「……はっ!」
エリーは一息で一気に飛び込みスライムとの間合いを詰める、そしてその液状のような体に手を伸ばすが…
「……うっ」
「ふふ…」
伸ばしたその手は、スライムのその体の中に易々と侵入した
だがその感触に手ごたえはない…
「ちっ」
一瞬で手を引き抜き、バックステップで後方へ下がる
「(あの体…どうなってるの?)」
普通の人間を相手にしたことは幾度となくあった、相手が快楽を覚えるポイント、弱点は網羅してあるつもりだ
しかし、このような魔物との実戦経験は全くなかった、そしてあのスライムは…
「ふふ、戸惑っているようね…」
優雅な微笑みを浮かべる顔、だがその瞳からは獲物を嬲る方法を考えているようなサディスティックなものを感じられる
ずる、ずる、と足のないスライムはその棒状の体を這うようにして接近してくる
「くっ」
一歩、一歩と後ずさる、対抗策が思い浮かばない
「逃げるようなら、私から行くわよ」
シュッと液状の触手のようなものが彼女の体から飛び出す
「あっ!?」
一瞬でそれはエリーの足に巻きつき、彼女に尻もちをつかせるようにバランスを崩させた
「さあ、魔物の快楽というものを教えてあげるわ」
スライムはゆっくり、ゆっくりとエリーに近づき、そして…
「んっ!?」
がばっとスライムの体が広がったかと思うと、一瞬で彼女をその体の中に取り込んでしまった
「ふふふ……こうしてあなたと触れ合っているだけでも感じるわ、あなたかいかに優秀な素材か、ということをね」
「くっ………はなっ、せ……」
スライムの体の中にいても呼吸などに問題はないようだった、だが体を左右に振ったり、手を伸ばしてもスライムはその形状を中にいるエリーの動作と合わせることでエリーを脱出できないようにしていた
「さあ、そんな邪魔な召し物は取ってしまいましょうか」
「!」
彼女はバトルファック用の防護服を着ていた、簡単には裸体には手を出せないように出来ている服なのだが、その防護服はスライムの中でじゅうううう……と少しずつ溶けていくようになくなっていく
「あ、ああ…………」
「ふふ、いい体をしているのね、気に入ったわ」
スライムがニヤリと笑う、そして――
「あううっ!」
体内に現れた無数の触手が、エリーの頬、首筋、乳房、乳首、背中、両手、両足、そして秘所を撫で始める
「あく、あーーーーーーーッ!」
「いい声で鳴くわね…私の中で、そのまま踊り続けなさい」
スライムは恍惚の表情で体内の供物を見つめる
「あ、う…………」
抵抗しようにも、ゼリー状の触手は彼女に逃げ場を与えず、確実にダメージを与えていく
そしてクリトリスが触手に舐められた瞬間、彼女に電撃のようなものが走った
「ッ!!」
体を一段と跳ねらせ、ゼリー状の体内で力なく四肢をだらんとさせる
秘所付近の水色のゼリーを白い色が染める
「ふふ、イッたわね……可愛い子」
エリーが絶頂を迎えたことで、その分の精気を吸収したスライム
「そのまま楽にしてなさい、すぐに何も考えられなくしてあげるから…」
スライムはそのままエリーを二度目の絶頂に導こうと、彼女を再び触手で弄ぼうとする
彼女は力なく浮遊しているまま…
「見つけたわ、あなたの弱点」
「な……!」
体内から聞こえてきた声に初めてその表情が驚愕のそれに変わるスライム
エリーは右手を伸ばし、彼女の精気を吸収していた「それ」を握っていた
「なるほど…相手の精気をこの「コア」で吸収していたのね…普段はそれを隠しているが吸収する時のみこのコアを実体化させる…」
「バカな…気絶していたはずでは…」
「今までもこうやって私の先輩達も中に取り込み、精気を吸収していたのね…でも、それももう終わりよ」
エリーは両手を使い、そのコアを「愛撫」する
「ああああああああああああああああ!!」
コアがそのまま性感帯となっているスライムにとって、それは致命傷だった
「私の、私の体が!相手を溶かし弄ぶ私の体が、逆に溶けていくうー!!」
ヒステリックな声を上げ、スライムは徐々に収縮していく
エリーの体より小さくなったそれは、自動的にエリーの体を解放する
そしてずるずると今度は逃げるように這っていく
「おのれ…だがこの塔にはまだまだ私などとは比べ物にならないほどの強敵がたくさんいる、これで勝ったと思うなよ………」
捨て台詞を最後に残し、スライムは完全に消滅した
「………ふう」
バトルファックフィールドが解除され、地面も元に戻る
溶かされた防護服も、不思議なことに元に戻っていた
「どういう仕組みになっているのかしら…」
とりあえず、まずは初勝利
エリーは再び、塔を歩き出した
「スライム…愚かしく死んだわね」
何処かでそれを観ていた蒼の影――サキュバス
「でもまだ1階だけでも魔物はたくさんいる…エリー、あなたの力が本物かどうか、見極めさせてもらうわ」
サキュバスの艶やかな唇が、笑うそれに歪んだ
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