「なかなかだったわね……」
全てを奪ったリザが満足そうにつぶやいた。
「はい。とても意志が強い方が多くて……ぞくぞくしますわ」
カザネがイバラギの精液を舐めながら応える。
「こいつが逃がした奴らでも追うのも面白そうだな」
そう二人がつぶやている最中、その三人は一匹の淫魔と出会っていた。
廊下の暗がりのなかからゆっくりと近づく淫魔
「なんだ…貴様は!」
三人のうち二人が前に進む。しかし気勢を上げたのも最初のうちだけだった。
月明かりに照らされ、淫魔が姿をさらすと三人ともその身体に眼を奪われた。
燃えるような赤い髪、対照的に白い肌。顔立ちは西洋人のそれだった。
艶めかしい肉体と、カザネを超えた美しさと淫媚さを放つ白い巨乳。
「あら、どぉしたの?……ダンマリかい?」
そういって笑う淫魔。
「なにをっ……淫魔ごときに……三対一だぞ……返り討ちだ」
欲望に支配されながらもなんとか持ち直そうとするが、すでにその空気にからめとられていた。
脈打つペニスから、カウパーが滴る。
淫魔はゆっくりと近づいてくる。
「私はストラ。ここの、ボス。私を倒せば、勝ちだよ?」
そう言って笑いながら前に出た二人に近づいていく。ストラが近づくにつれ二人の顔は恍惚の表情になっていった。
ストラが腕で乳房を挟む。淫らに形をゆがめた乳房に視線がくぎ付けになる。
「つーかまえたぁ」
隣同士立ちすくんで動けない二人の間に来ると、その両手で二人のペニスを包み、軽くしごきあげる
「アァ!」
「クゥ!」
たまらず喘ぎ、ストラの肩に手を乗せるが、どうしようもなかった。
少しの間、ペニスをしごくと、その腕を広げ、二人を自らの身体に押しあてた。
乳房や腰、脚が二人の男を刺激する。
「気持ちいい?イッていいよ…」
ストラが密着した体を左右に揺さぶる。その甘美な刺激に耐えらるわけもなかった
たまらず二人のペニスからドクドクと精液が吹き出る。
「あぁ…いいねぇ……」
紅潮したほほ笑みを見せるストラ。やがて迸りは止まり、二人は倒れた。
「残りは君だけ……ふふっ、素直だね……」
残る男は無意識にペニスを握りしめていた。
勝利を確信し、ゆっくりと近づくストラ。
息が触れあうような距離でとまる。むせかえる香り。艶めかしい肉体。
勝てない。こいつには勝てない。
男は本能が服従するのを感じ取った。
「ほら、おっぱいくらいさわっていいんだよ?」
男の手を掴み、乳房に引き寄せる。
男の歓声が響いた。
二匹の淫魔が廊下に出ると、先ほどの三人が一匹の淫魔に犯されていた。
正確には、二人はもうすでに吸い取られて事切れていた。
残る男は仰向けに倒れ、その上に一匹の淫魔がまたがりリズミカルに腰を振っていた。
「ストラ様……」
カザネがうっとりとした声を漏らす。二人は近づかず、ストラの吸精に魅入る。
すでに勝敗は決し、男は涎をたらしながら、だらしなく顔を緩ませストラを見つめていた。
燃えるような赤い髪が乱れている。対照的に白い顔はほのかにそまり、
白い肌に汗が滲み、白い巨乳がグラインドにあわせ揺れる。
「アァ、イク……!」
ひときわ高く男が腰をあげ、動かなくなる。ストラの動きが止まる。男は全てを捧げた恍惚の表情のまま動かなくなった。
「お一人で皆さんをお相手なさったので?」
「ふぅ……みんな逃げなかったからねぇ。……最初だけ威勢は良かったけど、本能には勝てなかったねぇ」
男の唇にキスをして立ちあがるストラ。声には絶対的な自信と、男を弄んだあとの悦びが混ざっていた。
「ストラに勝てる奴なんていないわ」
「そんなことないかもよ?」
そう言ってリザに口づける。舌と舌が混ざり合うディープキス。
思わずリザは胸が熱くなるのを感じた。
「……っぷは……なぁに?私とやりたいの?」
「もし全員、吸いつくしちゃったらねぇ……」
「どこに行かれるのです?」
「さぁ……? 心残りがないようにかなぁ?」
そういうと廊下の闇に消えた。
「素敵ですわね……」
「あの子には勝てないわ。聞いたことある?東の村の話」
「前まであった村ですか?私たちに押されて村人全員他の村に移った」
「本当は違う。あの子が一人で吸いつくしたのよ」
「え……あの村には戦士もいらっしゃったはずですが……」
「もうほとんど生き残りはいない。って話。そういうことよ」
二匹の淫魔はしばらく無言の後、方々に散った。
「みんなどこだ…?」
クラは四階で上に上がる階段と仲間を探し続けていた。
途中、何匹かの淫魔と逢ったものの、なんとか退けることに成功していた。
相手のレベルが上がって行くが、それに合わせだんだんクラも経験を積み、強くなっていく。
しかし相手が強くなるほど欲望は膨らみ、あせりが強くなっていった。
「心臓がもたねぇよ……」
だがここであきらめるわけにはいかない。
仲間を、コウを取り戻さないと……
廊下を走るクラに、遠くから音が届いた。
女の嬌声?
どこかで仲間が戦っているのかもしれない!
声の方へ向かう。だんだん大きくなるそれには聞き覚えのある声も混じっていた。
ドアを蹴り飛ばす。
仲間と淫魔が戦っていた。部屋に入っただけで膨らんだペニスが、いかに淫魔が強いかを物語っている。
しかし、その淫魔は今、一人の男に組み敷かれ、正常位で責められていた。
「もうイッちまえよ!! 限界だろ!」
「タチバナ!」
「ハァン、あぁん! く、くそぉぉ! ナ、なんでワタシが、イカされそうに……あ、やっ、ダ、ダメェ!」
タチバナに責められ、青い髪の淫魔が汗を滴らせ紅潮しながら喘いでいた。
「ア、ア……イク……ス…ストラサマァ……アァァァァァァ!」
「ストラ?!」
突然タチバナが責めをやめるが、淫魔は絶頂し、消えて行った。
「大丈夫か?! タチバナ?」
宙を眺めるタチバナ。
「おい?!おい?!」
「あ、あぁ……大丈夫だ」
しばらくすると正気に戻ったようにクラの方を見据えた。
「良かった無事で。けがはないか?ほかに仲間はいないか?」
「クラも死んでなくて何よりだ。仲間はどうなったのかわからねぇ。幹部クラスが動き出したらしい。今のやつもそうだったんだ」
「幹部?そんな…」
いまだビクビクと脈を打つタチバナのペニスが、その恐ろしさを物語っていた。
「だからってそんな簡単に負けられるか。隊長たちが無事だといいんだが……」
「あ、あぁ……とりあえず、少し休もう」
タチバナとも会えた。クラは勝てる事を信じて、しばし休んだ。
『みなさん。楽しんでいらっしゃるようでなによりですわ』
二人の休息を破ったのは、再びの淫魔の声だった。
「またアイツか?」
『宴もたけなわに近づいて……私もたっぷり楽しませていただいているわ』
「楽しむだと…?」
怒りがわいてきた。しかし同時に、淫魔の淫媚な声にどうしようもなく興奮する自分もいた。
『私達の側もあなた達も、生き残りはそう多くない。感服したわ。ゾクゾクしちゃう。あなたたちの覚悟……そして喘ぎ…。
四階から五階への階段は多くはないわ。そこで会いましょう』
声が鳴りやむ。誘っているのか……?
「行こう。もう十分休んだ」
タチバナが立ち上がる。俺も続いた。決着が近づいている。
廊下へ出ると、ひんやりとしていて静かだった。
片っぱしからドアを開けて行くが、そこには仲間の無残な姿以外、何もなかった。
「落ち着いて行くぞ……」
タチバナと二人で声をかわしあうが、感情が高ぶっていくのがわかる。
10個めのドアを開けた時、そこに淫魔がいた。
長方形の窓のない部屋に、敷き詰められた絨毯。真ん中に淫魔が立っていて、その向こうに階段があった。
「いらっしゃい……待ってたわ…」
年上の外見だが、肉体に全く衰えはなく、妖艶な色気がむせかえるほどに部屋を満たしていた。
途端にペニスが堅くなる。
「お前がふざけた演説をしていたやつか…?」
タチバナが聞くと、相手が満面の笑みで答えた
「そうよ。私がリザ。もうほとんど生き残りはいない……邪魔は入らないわ。たっぷり楽しみましょう」
そう言うとハリのある肉体を見せつけるように近づいてきた。舌舐めずりをしながら笑うリザ。
くっ…
眼をそらすと、倒れている仲間の亡骸を見つけた。見覚えのある顔。
「隊長?!……」
正確にはクラの部隊の隊長なので、本隊長ではない。しかしその姿は二人を怒らせるのに十分だった。
「この人? あぁさっき搾ってあげたわ……かっこよく身代わりになって……でも最後は快楽に負けたわ。あなたもこの人の仲間にしてあげる」
「くそ……よくも……」
「待て、なら上に誰かいるはずだ」
タチバナがつぶやく。身代わり?隊長が身代わりをするほどの?
「そうか……本隊長か?」
「かもしれない…一か八かだ…わかってるな……走り抜けるぞ!」
決めるが早いか、快楽にあらがい、二人は両サイドに分かれて走った。どちらか片方だけでも到達する。
出発する前に示し合わせたことだった
「あら……思い切りがいいボウヤは好きよ」
そう言うとタチバナに狙いを定め、翼をはばたかせながら進路を阻む。
「タチバナ!」
「はしれ!」
くっ!
タチバナの声に後押しされるように走り抜けた。
向かい合う二人。
「たった一人でわたしをイカせられるとでも?……」
「やる前から決めつけるなよ」
四階での最後の戦いが始まろうとしていた
階段をあがり、ドアを蹴り倒す。
「本隊長!」
「あら、いらっしゃいませ……」
本隊長ではなく、待っていたのは淫魔だった。
「なっ?!」
驚愕の表情を浮かべるクラ。
「そんな……ここは五階なのですから、私がいるのも当然でしょう?」
そうほほ笑む淫魔の強さも、リザとそう変るものではないと悟った。
一見天使のような柔和な東洋系の顔立ち、淫魔にしてなぜか黒い布切れのようなものをまとっていた。
ピッチリとした布から浮かぶ豊満な肉体のライン。丸みを帯びた腰、尻。乳房の部分は強く張り出していて張り裂けそうになっていた。
桁違いの相手だ。眼を奪われぬよう相手の顔を見つめるクラ。
「私はカザネ……ここまで来られたアナタに、敬意を表して……私のご奉仕はいかがでしょうか?」
「いや……それより通してくれないか」
なんとかそう応えるが、カザネの淫媚なほほ笑みを見て、思わずあの肉体と混ざり合う自分が頭によぎった。
ビクンと脈打つペニス。
それを見るとカザネはピンク色の舌を少し出しながら笑う。
「やはり殿方はみんなうそをつくのがお好きなんですね……アナタもうそをつく……いけませんわ。
うそをおっしゃる方には、素直になっていただきます」
Please don't use this texts&images without permission of 坂の下のレベル1◆jGSpiy3fwIw.