2、
昇り終えるとドアがあり、あけると小さな部屋に出た。
たちまち階段が消える。
すすむしかなさそうだな……
そこから廊下に出ると淫魔と人間が絡み合っていた。天井は高くカーペットには無残に搾りとられた死体も転がっている。
しかし皆一様に恍惚の表情だった。
階段を探さなければならないが、その前に助けなければ!
「大丈夫か!?」
貪るようにキスをしている仲間に近づこうとすると
「みつけたぁ」
「いたわ! 早い者勝ちよ」
上から三匹が降りてきた。くそっ! 近づいていくるにつれ自分の中で欲望が肥大していく。
「に、逃げるんだ!」
なんとかサキュバスを振りほどいた仲間が叫んだ。
「逃げるたって!」
「本部隊と合流するんだ!廊下に一人でいてはやられてしまう! 急げ!」
「やだこの子まだ元気じゃない。あなた一人じゃダメみたいね」
俺に向かおうとしていたサキュバスが標的を変えた。一人に群がるサキュバス。
「俺のことはいい…はやく!」
進路をふさがれた仲間が叫んだ。逃げるしかない……
走って逃げると後ろから歓喜の絶叫が響いてきた。
ちょうどホールの真上に位置するあたりに大きなドアがあった。沢山の甘い声が響いてくる。
意を決してあけると、巨大な食堂があり、俺から十メートル程離れたところに大饗宴の図がひろがっていた。
混ざり合う水音。むせかえるような淫美な香り。シミ一つない淫魔の体と人間の体のコントラスト。
何組もが享楽ともとられる闘いを繰り広げていた。
「倉本! 無事か!」
振り向くと四人チームのリーダー。イバラギさんがいた。
「イバラギさん!大丈夫ですか?」
「なんとかな。さっきあの部屋の中に四階への階段が確認された。隊長を含む数十名が先行しているから急いでいくんだ」
そう言って狂乱図とは反対側の方にある小さなドアを指さす。
「イバラギさんは?」
「退路の確保だ。後戦っている仲間を助けている。それにバラバラになった仲間が来た時に案内しないとな。
いそげ!」
そういうと絡み合っている仲間を助けるため、饗宴の図へと向かっていく。コウをたすけなければ…
指示された部屋へと入った。
一見西洋の客人用控えのようなところで、暖炉がある所に階段があった。
あそこか!
一直線に走りぬけようとするが、
「つかまえたぁ」
突如後ろにやわらかい感触がまとわりついてきた。
「うっ?」
「大変だったよ…さっきから大人数で来るから困っちゃった。君はバカだねぇ。一人で来るなんて。
外にいる奴も油断してたんだねぇ。セーエキ全部もらうよ?」
あまったるい声が耳元で笑う。
防具は淫魔に触れられると消滅してしまった。
「もうこんなにおっきくして……」
後ろから白い手にペニスを掴まれる。あっというまに膨らんでしまった。
首筋をなめられ、耳をしゃぶられる。乳首も同時にいじられた。
「あ、あぁ……」
しごかれるペニスから涙がにじみ出てくる。
「ふふ、さぁはやくはやく」
笑いかけてくる淫魔の声に目がくらむ。このままでは……
ペニスをしごく手を掴み、もぎ取ってなんとか振り向いた。
「あら、結構かわいい顔してるじゃん」
あどけなさを残した淫魔がいた。胸も大きくはないし肉付きが良いというわけでもないが
その白い肌と顔は魅力的だった。
「捕まえられた人間はどこにいる?」
「さぁ? どこでしょう?そんなこと気にしなくてもいいよっ」
腕を頭に回されキスで口内を犯される。あたまに靄がかかってくる。
「ぷはっ……この……」
「私なんかに負けてちゃ助けられないよ?」
そういうと正面からペニスをしごかれる。ぬちゅぬちゅと淫らな音が響いた
負けて……られるか!
平べったいスベスベした胸をなで、乳首をつまむ。秘所に指を入れるとグシュグシュと溢れていた。
そこまで強い淫魔ではなさそうだ。徐々に喘ぎ顔になっていく。
「んんっ……やるね……」
そういうと翼をはためかせ少し飛び、上から勃起したペニスをほそい脚で挟みこんだ。
「うあぁ?!」
ぬるぬると愛液とカウパーでぬれたペニスをしごかれる。先ほどとは段違いの快感がながしこまれてきた。
俺が逃げられないよう背中に腕をまわされている。強いが心地いい刺激が根元から亀頭までを
覆い尽くす。俺自身から出るカウパーがよりスマタを魅力的なものにしていた。
「どう? 自慢なんだよこのスマタ。そろそろ入れたくなってきたんじゃない?」
俺の目の前で顔を上気させ嬉しそうに笑う。
くあぁ、気持ちいい……挿入したい欲望が膨らんでくる
@挿入して倒す。
このままではやられる。
けれど相手の顔も上気している……イクのが近い?
「なら……突っ込んでイカせてやるよ!」
俺は意を決して相手の誘いに乗る。ダメージも大きいが与えるのもでかいはずだ
淫魔は嬉しそうに拘束を緩めると俺は張り詰めたペニスを挿入した。
「くあぁっぁ!」
ヌプリと入りこんだ後ものすごい快感が襲う。
「あはは。もうにがさないよっ」
脚を巻きつけられ、退路が絶たれた。上気していた顔は笑っている。
うごめく膣に取り込まれた俺に責め手はなかった。
快感に思考が侵される。腰に手をまわし無我夢中で中へとつきこむ。
精液があふれ出してきた。ドクドクと吸い取られていく。
「カーンタンに誘いにのっちゃって……」
俺は全てを吸い取られた。
Aこのまま手で責める
いや……こいつはこのまま喘がせて倒してやる。万が一挿入してやられたら後戻りがきかない。
乳首を思いっきりつねる
「あぁん! あっあっ……」
痛さではなく快感が相手に降りかかったらしい。スマタでの拘束が解かれた。
徐々に後ろに下がって行くやつを追撃する。秘所を責め胸を撫でまわす。
喘ぎ声が高まる所を徹底的に責める。壁まで追いつめると淫魔はしごくことを忘れあえいでいた。
「もう限界だろ?……どこに居るのか教えてくれたらたすけてやってもいいぜ?」
快感に喘ぎあがらも笑いだした
「うそつきめっ……五階だよ五階……さっきリザ様が言ってたろ?
どうせアンタたちに退路はないよ…もうすぐ三階にはカザネさんが来るっ……
あの人はすごいんだから。みんな…イカされちゃいうよ……は、ハハハ!」
そういうと絶頂の叫びを上げ消滅した。
カザネ…?どんなヤツかは見当がつかないがいやな予感しかしない。けれどもどるわけにはいかない。
俺は階段を上った。
3、
本来四人一組で動く倉本のチームの一人、高山はあせっていた。
三階まで昇るといきなり淫魔に出鼻をくじかれた。
逃げ道のない小部屋でたたかい、全てぶちまける寸前まで昂ぶらせられたがなんとかこれを倒した。
「はぁ……はぁ……やべぇ」
移動しようとするがどうしても高鳴りがおさまらず、自慰に耽ってしまった。
(このまま移動したらやられちまう……)
今まで交わっていた相手を思い出し、いつもの数倍の量の射精が行われる。
「なんか匂いがするよ」
「近いんじゃない……バカね」
(気づかれた? こいつらにはまさしくエサの匂い…しまった!)
この部屋に逃げ道は一つ。一か八か!
ドアを跳ねあけ廊下に飛び出す。
「いたわ!あそこ!」
「逃げてる!こっちにいらっしゃいな……」
三匹が追いかけてきた。しかもさきほどより妖艶な魅力を放っている。
欲望が膨らんでくる。たちまちペニスは勃起してしまった。
「やりたくてしかたないんでしょ……」
「素直になったら気持ちいい思いさせてあげるよぉ」
必死の思いで走る。ドアを見つけ、その中に飛び込んだ。
「あの部屋、四階に通じてるんじゃない?」
「そうよ。あーあ、あの部屋では確かカザネ様が〈教育中〉のはずよ」
「教育中?」
「うそつきっ子を素直にするんだって」
「私たちが出る幕ではないわ。死ぬわよ」
そういってサキュバス達は引き返した。
高山に飛び込んだ部屋は書斎のようだった。机と本棚があり、奥にも部屋があった。
「はぁ……はぁ…いないか……」
安堵したのもつかの間、甘い香りが鼻腔をくすぐり、その匂いに頭がくらくらした。
心臓の音が静まると、奥の部屋から男と女のあえぎ声が聞こえてきた。
退路はない、書斎をゆっくり移動すると、
「どうですか? やっと素直になられましたね?」
「あぁっ!!! かぁああ!!!」
一人の仲間が命の放流を吸い取られている所だった。
小さなダンスホールのようなところで、絨毯の上で混ざり合っていた。すぐに男は力尽き、動かなくなる。
淫魔方はしばらく覆いかぶさって、やがて背中を向けたまま立ち上がった。
先ほどまでとはケタ違いだ。防具の下で、突き破らんばかりに勃起しているペニスが感じられた。
豊満な肉付きで白いというよりか東洋系の黄色い肌色で、シミ一つなく美しい。黒い翼が生えているのが信じられなかった。
「あら……これは失礼なところをお見せしました」
既にばれている。ゆっくりと部屋に体全て入れるとその色気がビシビシと肌に刺さった。
今すぐ裸になって飛びつきたくなる。
「私はカザネ。私の向こうに四階への扉がありますわ」
「なら、通してもらうぞ」
サキュバスだ。倒して突破するしかない。
「ふふ……そうですか?」
振り向いた。
東洋系な柔和な顔立ちで残虐なそぶりなど感じられない。しばしその顔に見入ってしまう。
そしていつの間にか黒服で鎖骨の下まで覆われたその体に本能が揺さぶられた。
さわり心地のよさそうな尻から腹部へのライン。そしてはちきれんばかりの乳房。
「通してもらう。さもなくば、死んでもらう」
視線を乳房に奪われながらもカザネに向かっていい放つ高山
「嘘をおっしゃらないで……私と交わりたいのでしょう?
私は本当にここを通りたい御方ならば通しますわ」
そういって高山にほほ笑むカザネ、警戒心をそぎ落とす笑顔だった。
「でも私はあなたと交わりたい……その命の液を頂きたいのです。
うそをおっしゃる方には、素直になっていただきますわ」
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