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バトルファック部物語10

「へぇ、たった2週間で僕についてこれるようになるなんてね」

藤は走りながら、朝日にきらめくキューティクルな髪をかきあげた。ナルシスティックなポーズがヤケに絵になっている。
残念ながら、オレは突っ込むことができなかった。蘇芳のヤツが意外と意固地に追いかけてきたので、振り切るのに大概な体力を使ってしまったのだ。

「結構結構。女の子に体力負けしてちゃ、バトルファックで勝つことなんて到底ムリだからね」

お前に言われたくは無い。

「まずは、第一段階クリアってとこかな? 午後の練習も期待してるよ」

藤は涼しい顔でそう言って、馴れ馴れしく俺の肩を叩いた。



午後の練習が始まると、部室はたちまち精液臭くなる。
とにかく女子と男子の実力差が圧倒的なのだ。

「う、うはっ!」

どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ…

またオレの精液が迸る。
今日の相手は、紫先輩だ。
最近のオレは、機会が有れば進んで先輩と肌を交えている。

「この体勢は極めて女子に有利なのですわ。ほら」

先輩は、正面からオレと抱き合う。
そして右手をオレの左手に、左手をオレの右手に、右足をオレの左足に、左足をオレの右足にからみつける。
密着して、お互いにほとんど身動きできない体勢、だが、

「うお……!?」

お互いの体がもみ合うと、オレの胸は先輩のオッパイに責め立てられ、オレのペニスは先輩の下腹に擦りたてられる。

「あ、あ、あ」
「ほら、ね? 女子が殿方を一方的に責めることができてしまうのです」
「あ、あぅ、ぅくっ!」
「後は頃合を見計らって、口づけでとどめを刺すだけですわ」

ちゅぅぅぅぅぅぅぅ……

どぴゅっ!

先輩の柔らかい舌を半開きの口にさしこまれ、オレはひとたまりもなく絶頂に達した。

「これは実戦でもよく見られる殿方の負けパターンの一つですわ。お分かりいただけました?」
「は… はい…」

さすがは先輩と言うべきか、紫さんは教えるのが上手かった。
蘇芳はあのとおり口下手だし、茜に至っては男を新しく憶えたテクの実験台くらいにしか思ってない。
そんなワケで、オレは練習時間中は積極的に先輩の身柄を確保して相手をしてもらっていた。

「まぁ… いけませんわ。そんなに焦って挿入されては。ほら」
「うはぁっ!!」

どぴゅっ! どぴゅっ! どぴゅぅぅっ!!

「初心者の殿方が一番よくおかされる失策です。膣は筋肉ですが逸物は海綿体。殿方が腰技でしか膣を責められないのに対して、女子は腰技と締め技で逸物を責めることができるのですよ」

息を荒げて先輩の胸の上に沈んだオレの背中を撫でながら、紫先輩は噛んで含めるように優しくオレの耳元に囁く。
その声には微塵の息の乱れもない。いつもどおりの柔和で涼やかな声。

「挿入は、女性を押さえつけて腰技を封じてから、が基本です。間違っても女子主導の元に挿入いたされてしまうようなことがあってはいけません。ましてや騎乗位に持ち込まれるようなことがあれば、もはや敗北したも同然と心得てくださいましね」
「わ… 分かりました…」

その体に、その技術に、圧倒されながら素直に忠告に従う。
心技体全てを屈服させられたような屈辱感に襲われながらも、オレは必死に先輩の肉体に挑みかかっていった。

このお礼はいつか必ずしてやる。いろんな意味で。



「はい、今日はこれまでにしましょう。皆様、お疲れ様でした」
「…おつかれ」
「おつかれさまでしたー♪」

女子三人は、精液にまみれた裸体をおしぼりで拭きながら、シャワールームへと向かっていった。
男子三人は、ベッドに転がったまま、ぴくりとも動かなかった。
横目で山吹を見る。白目を向いて失神している。
反対側に目玉を動かすと藤が見えた。こちらも涎を垂らして幸せそうに失神していた。
オレもこのまま失神してしまおうか。
後輩にコテンパンにやられて失神している先輩が二人もいるのだ。オレが先輩に失神させられたところで別に恥でもない…
そんなことを考えていると、ととっ、と小走りに駆け寄ってくる足音がした。
ふわっ…と、オレの体にシーツがかけられる。
「…今日も、よくがんばった」
誰の声か判然としないまま、オレの意識はゆっくりと闇に沈んでいった。
意外と、満ち足りた安らかな眠りだった。

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