ここは秘密の会員制倶楽部
毎夜数多の男女が集う場所
集う目的は一つ、異性との肉体を駆使したSEXによる戦い
通称、バトルファック(BF)
それ故にここはBF倶楽部と呼ばれている……。
倶楽部には特別なルールはない。
唯一あるとすればそれは各会員が対戦相手の秘密(個人情報)を守る事のみ。
あとは互いがルールを決め、戦い、ルールに乗っ取った勝敗を決める。
対戦相手は倶楽部のサロンで各自が見付け、対戦部屋へと移動して対戦する。
直接交渉、掲示板による募集、誰が来るのか分からないBOX待ち合わせ等様々だ。
そして俺は掲示板に募集要項を載せ、キープした対戦部屋(ベッドルーム)でも看板を掲げて対戦相手がやって来るのを待っていた。
看板には簡潔にこう書いた
―― 完全決着・デスマッチで勝負 ―― と。
この倶楽部の対戦部屋は変わっている。何がと言うと、部屋というのは普通ドアを開けると通路になっていて、途中にバス、トイレ等があるものだ。しかし、ここの部屋はドアをあければ部屋全体がベッドルームなのだ。シャワー位はついているが、それは部屋の奥の方にあり、手前側ではない。これは即ち、部屋に入ると共に戦いを始められるという事だ。
ベッドルームで待つ事30分位だろうか?
不覚にも少しウトウトし始めた頃に人の気配、いつの間にか女が俺の前に立っていた。
「遥よ。ジムのインスタラクターをやってる。専門はエアロビクスで趣味は当然ダンス。で、ダンスで鍛えた腰使いと、男に負けない力と体力があたしの武器。自分で言うのも何だけど、テクニックもかなりのものよ。ふふ、どう?あんたにこの肉体(からだ)に挑む勇気がある?」
ちょっと低めの落ち着いた感じの声による一方的な自己紹介と挑戦状、そして見るからに強そうな肉体。身長165cm位、3サイズは大きく見積もって上から90・62・95位といった所。自身で鍛えていると言っているだけあって少し筋肉質っぽく見える。かつ腰回りにはくびれ、腹筋がうっすらと割れている。今までの対戦成績がそうさせるのか、自信に満ち溢れている瞳、フェラチオを連想させずにはいられないうっすらとピンクのルージュに彩られた唇がセクシーだ。そして肩位まで伸ばしたセミロングより少し長い髪はストレートパーマがかけられているように真っ直ぐに伸びて彼女、遙によく似合っている。
「俺は裕二。ただのしがないサラリーマンだ。得意なのは挿入によるピストン攻撃。どっちが強いかは戦ってみれば嫌でもわかるぜ、お姉ちゃん。」
おれはこうして相手を煽る。「俺の方がお前より強い」と言っているように聞こえさせて怒らせるのが目的だ。「挿入によるピストン攻撃」というフレーズも重要で、「だったらマンコで勝負してやろうじゃない!?」と思わせ、俺の土俵で勝負するように仕向けるのも目的の一つだ。そしてようやく起き上がり、遙と向かい合う。身長はほぼ同じの為に視線も同じ。俺の言い方がよっぽどお気に召さなかったのだろう、仁王立ちの腕組み、そして瞳にものすごい闘志を滲ませて俺を睨んでいる。
そうだ、それでいい。戦いはすでに始まっていて、これは相手から冷静さをうばう心理戦なのだ。
「……5分、保たせないわよ。」
これが戦いの開始の合図となり、そしてその瞬間、いきなり彼女が屈んで俺の男根を咥えていきなりのフェラ攻撃。プライドの高そうな彼女ならいきなりの挿入勝負を挑んでくると思っていた俺は完全に不意を突かれた。どうやら俺の挑発は遙にきかなかったらしい。
彼女の喉元であたる亀頭、口内で彼女の舌先で愛撫される裏筋、柔らかな唇に刺激される竿、揉みしだかれる玉袋、そして下から「してやったり」と言わんばかりに俺の舌打ちした表情を見つめる勝気な瞳。逃げようと腰を引こうとすれば男にも負けないと豪語する力を持つ右腕で腰に手を廻して逃げられないようにし、ダメ押しで左手の指がアナルに触れて「くぁっ……」と俺に情けない声を出させ、力を入れさせないようにしてくる。
んぐぅ……ジュジュジュ……ジュルルルルル……
(くっ!デキる!)
その舌使いが“あるポイント”にヒットした時、思わず男根に力が入ってビクッとさせてしまう。自分で言うだけあってかなりのテクニックだ。5分保たせないと言い切るだけの事はある。
しかし、ここで遙が意外な行動に出た。何を思ったのか咥えていた男根を口から離したのだ。一瞬彼女の行動が俺には理解できずにいたがこれは不幸中の幸いと思い、反撃の態勢を整えようとした所へ両足を引っ張られ、思い切りマットの上に尻餅どころかひっくり返ってしまった。
「あ!?」とマヌケな声をあげてしまう。
そこへ襲いかかるように両腕で俺の太ももをガッシリと掴み、再度股間に顔を埋める遙。さっきのフェラで、そこを俺の弱点と当たりをつけたのか、カリ下1〜2cm位の部分に集中して刺激を与えてくる。浅く咥え、そこだけを唇で強めにすぼめる徹底した1点集中攻撃だ。
ジュボ、ジュボ、ジュボ、レロレロレロレロ……
音を立てながらの高速スロートに舌先での激しい愛撫攻撃を無防備に喰らってしまった。
実は彼女の予測通り、そこが俺の弱点というか、一番の感じるポイントだった。それを看破される訳にはいかない為、俺は涼しげな表情で彼女の攻撃を受け止めざるを得なかった。が、遙は2分近くも執拗に攻撃を続け、瞬きするのも惜しいとばかりに俺の顔を凝視している。それは今攻めているポイントが俺の弱点に間違いないと確信しているかに他ならない。だから待っているのだ、俺が演技できなくなり、苦悶の表情を見せるまで……。
そして彼女の狙い通り、2分近くも弱点だけを攻撃されればやはり限界がくる。俺はついに苦悶の表情を見せてしまう。
「くぅぅ……」
そして洩らしてしまう苦悶の悶え声、その瞬間、彼女は新しい動きを見せた。
徐々に上体を起こし、俺の下半身を引きずるようにしながら持ち上げ始めたのだ。さすがに力も男に負けないというだけあって想像以上のパワーだ。
(ま、まさか、これは!?)
「ふふ……ご名答よ」
俺が遙の作戦に気づくのと遙の発言はほぼ同じタイミングだった。
遙は俺が彼女の狙いに気づいた事を分かったようで、質問されていない問いに対して導き出した答えが正解だと教えてくれた。
「ふふ。さっき、約束したわよね?5分保たせないって」
「くっ!そうだっけか!?」
すっとぼけながら足をバタつかせ、背筋を使って強引に彼女を振りほどこうにも、鍛えている彼女の力は強く、俺の腰から腹に腕を廻し、ググっと体重を掛けるようにして俺を押さえつけてくる。
「ふふふ。無駄よ、射精(だ)すまで絶対に逃がさない。」
――やられた!
俺は無様にも遙によって「チングリ返し」の体勢をホールドされてしまった。
レロレロレロレロレロロ……
「あああぁ!?」
突然、アナルに少し硬めに尖らせた舌先が刺さるように刺激してくる。喰らった経験の浅い攻撃の前に俺は女のような声をあげさせられてしまう。ただただされるがままにアナル舐めを受け続けるという情けない展開となった。ここで手コキでもされれば肛門に力を入れることができず、あっという間に終わりだろう。
「はぁ、はあぁぁ、はあぁぁぁぁ……」
レロレロレロ……チュルルル……ジュジュジュジュジュ、ズジュ、ズジュ、ペロペロペロ
チングリ返しのままアナルを舐めつくした後、玉袋を口に含んで転がすようして弄び、玉をしゃぶりつくされた俺の戦意は一気に喪失させられた。喪失させられた戦意は射精感となって急激にこみ上げてくる。このラウンドはもはや巻き返せない事を実力で悟らされた俺は抵抗をやめた。だが、この悔しさはどうにも収まらず、ついつい言葉となって洩れてしまう。
「くそぅ、くそぅ、くそうっ……」
「くふ、くふふふふふ。さぁ、トドメよ!」
と、遙は3再び俺の予測しなかった行動にでた。チングリ返しを解いていきなり騎乗位で膣内へと一気に俺の男根を挿入したのだ。
ズン!と音を立てるかのように締め付けられながらの激しい挿入。
「さぁ、出しなさい」
「ぬあぁぁぁ!熱い、締まる!くあぁぁぁ!」
射精が近く敏感になっている俺の男根は彼女に挿入した途端、その名器の締め付けを喰らった。それだけじゃない、グイグイと腰を押し付け、更に腰を浮かせ、男根が2/3程抜けた辺り、すなわち、俺の弱点を廻しながら締め付け、再び深く男根を咥え込んだのだ。
(ぐおぉぉ、スゲェ!)
ドクドクドクドク、ドク、ドク……
俺はその名器の前にあっさりと秒殺され、敗北の白い液体を遙の中に注ぎ込んだ。わかっていた結果とはいえ、やはりイカされると更なる悔しさが湧いてくる。が、俺にとってのチャンスがめぐって来た。それを悟らせない為に悔しがってみる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……く、くそぅ!」
「ふふ、とってもよかったでしょ?私の膣内(なか)」
そして俺の目論み通り、遙は俺を打ち負かした結果に満足している。おまけにしばらく動けないとでも思っているのだろう、戦闘態勢を解いてしまっている。だから俺はこのチャンスを逃さずにすぐさま反撃に打って出る。
「あぁ、とってもな!!」
自分でも驚くほどの声を上げ、俺はしがみ付く様に彼女を抱き寄せ、女性上位で攻め立てる。おそらく遙は俺を只の遅漏か何かと勘違いしている。だから5分で仕留めた事に満足しきっていたのだ。なぜ俺が完全決着勝負を掲げているのか、何故ピストン攻撃が得意とあえて口に出したのか?
答えは簡単だ。それが俺の戦い方であり、武器であるからだ。
―― 絶倫の萎え知らず ――
そう、これこそが俺の最大、唯一の武器だからだ。
「あぁぁぁぁっ……!嘘っ……?!」
「うおぉぉぉぉぉ」
さっきまでのお返しと言わんばかりに突き上げの高速ピストンを叩き込む。
激しくピストンを繰り出す俺に対して、自慢と謳っている腰使いによる反撃のタイミングを掴めない遙は性器そのものを使って反撃にでてきた。
そう、膣の締め付けだ。
キュゥゥゥと音を立てるかのように締め付けられる感覚。男根の抜き差しを行う程にダメージを与えられる。その気持ちよさの前にあっさりと敗北を喫してしまいそうになる。その為に俺は苦しそうな顔になり、咄嗟に自分を守るために無意識にピストン速度を落とす。
(くそっ!なんて膣だ……根元から先までビンビンに感じされられやがる)
そう考えた時、俺の頭にある疑問が湧く。
遙はどうなのだろうか?と。俺の男根全体が膣内を感じるという事は、遙も膣内全体に男根を感じるという事だ。だったら彼女もキツイのではないか?と思った俺は緩めかけたピストンを再度加速させる。これはデスマッチなのだ。彼女の性器が俺の男根を圧倒していても俺が負ける訳じゃない。
出してしまってもいい、彼女に少しでもダメージを与えられるのなら……と何も考えずに思い切り突きまくる。
「あぅ、くぁ、ぁぁ、ぁぅぅぅ……ん」
「は、は、は、は、は、は」
パンパンパンという腰をぶつけ合う音に合わせるように俺達の声が重なる。
一見遙を感じさせてはいるように見えるが、彼女の表情に若干のゆとりが見られるのが悔しい。そうこうしているうちに俺の男根が早くも音を上げ始める。やはり性器自体の実力にもかなりの差があるらしい。急速に玉袋が萎み上がるのを感じた俺はついつい顔に焦りと悔しさを窺わせてしまう。
(くそ……これ以上は……保たない……か?)
俺の苦悶の表情から、このラウンドを制した事を悟った遙がニヤリと笑う。
「ふふ、ふふふ。頑張ったけど、残念ね」
悔しそうに歯を食いしばる俺に足対して、余裕を取り戻した彼女がトドメを刺すべく反撃にでる。俺にディープな口付けをして呼吸を乱れさせ、ピストンのリズムを狂わさせ、俺の体をギュっと抱きしめて逆に腰をフリ始めたのだ。
「ん……んんっ……んんんんんんーーーーーー!」
「んふふふふふ……んふぅぅぅぅ……」
口を塞がれているのでくぐもった声が互いの唇と唇の隙間から洩れる。
普通に攻めているだけで負けそうになっているにも関わらず、ここでの反撃はとてもじゃないけど耐えられなかった。
俺の弱点である「カリ、カリ首」のみを浅く咥えての高速逆ピストンを繰り出してきたのだ。もの凄いボディコントロールだ。そして初めて彼女の得意とする腰フリの本当の恐ろしさが発揮される。大きな90cm以上と思われる巨尻を利用して下腹部を俺の腹に激しく叩きつけてくる。激しく揺れる尻の振動が膣内へと伝わり、振動を快楽へと変換されて俺の男根へと伝わる。
溢れんばかりに男根から脳へと押し寄せる堪えきれない快感の波。
「んんんんんんんんんんんっ!んんんんんんんんんんんんんんふぅ!!」
「んん……んふふ、ふぅぅん……」
俺は遙の口内で断末魔の悲鳴をあげさせられた。
結果として、俺は不意打ちによる攻撃を行ったにも関わらず、性器同士の戦いで破れ、最後は反撃を喰らって返り討ちにあった形で、負けた……。
「くはあぁぁぁぁ!!」
ドクドク、ドク、ドク……
うめき声と共に2度目の射精を行う俺。締め付けられた名器の中で行う射精の何と気持ちのいい事か。しかし、彼女は射精の余韻に浸る暇を与えてもくれなかった。射精途中にも関わらずに次の行動に移っていたのだ。
射精を行えばその間、防御が緩くなる。その間隙を縫って騎乗位へと移行し、腰を前後に振り始める。もはや彼女に第1ラウンド終了時のような油断はなかった……。
「第3ラウンド、いくわよ!」
「あががが……が、ぐあぁぁ」
今までは萎えない自分の男根が自慢だったが、今回はそれがあだになった。
2度の射精に全く萎えない男根、伯仲した実力の相手であればそれは脅威的な武器になりえていたが、数段違う実力者相手ではかえって自分自身にダメージを与える結果になった。
インターバルさえ与えられず、一方的な展開で第3ラウンドは進んだ。
「ほら、ほら、ほら、ほらほらほらほらぁ!!」
グイ、グイ、グイっと力強く突き出される腰。
彼女の攻めにどれだけ耐えられるか?ドミネート的な情けない展開……。
男の小さな意地で1分1秒でも長く耐えようと目を瞑り、必死に肛門を締め、他ごとを考えて無駄な足掻きをするが反撃の糸口を掴む事ができないまま第3ラウンドは終わった。
ドク、ドク、ドク、ドク……
試合開始時間より20分足らずという短時間での3度目の射精。
さすがにこの短時間での射精は俺自身への肉体的、精神的ダメージがデカすぎる。
今度は演技ではなく、本当に脱力感に襲われ、無防備に大の字になってしまった。
「くっ!ちくしょう……」
「ふふ。どっちが強いのかはっきりと分かったみたいね。ねぇ、どうする?その早漏チンポでまだ私の肉体(からだ)とヤる気?」
その痛烈な言葉に怒りを覚えた俺はムクっと起き上がる。
「うるせぇ!俺は負けない!!」
繋がったまま起き上がり、座位の体位でにらみ合う俺達。正しく言えば睨んでいるのは俺だけで彼女、瞳は俺を完全に格下として見下した目で見つめていた。
「だったら、かかってらっしゃいよ。ふふ……命賭けでね」
いちいち勘に触る女だと思う。俺が始めに煽った言葉をそっくりそのまま、自分の方が圧倒的に強いと分からせたタイミングで持ち出しやがった。もはや作戦なんて関係がない。男のSEXは元来“突いて果てる”が基本なんだ。だから果ててやるさ、何度でも、お前をぶっ倒すまでな。
「いくぜ!!」
「ふふ、そうこなくちゃ」
不敵に笑う遙に座位のままで第4ラウンドを挑んだ俺は開始30秒で早くも苦戦を強いられていた。考えるまでもなくそれは当然の結果だった。
AVなんかで見る対面座位等は女が男に体を預けているからこそ男有利で進んでいるが、実際は違う。女が男に密着し、全開で腰を振れば男は無防備でその責め苦に耐えるしかない。
今俺が戦っている女は俺より格上で、反撃させないように休みなく腰を振りまくっている。しかもこの女はこの体位における女の優位性を確立した腰の振り方、つまり男根の搾り方を熟知していた。
その大きな尻でどっしりと重心を下に落として俺の突き上げをやりにくくし、更に腰から下だけを器用に動かして男根を搾るように攻めてくるのだ。遙はテクニックと性器だけが武器でなく、肉体そのものすら武器とする戦い方を知っていた。
それ故、彼女のボディコントロールの前に俺の攻撃は軽くいなされてしまう。結果、俺は中途半端に腰を突き上げ、必死に遙の奥へ男根を到達させようとするが叶わず、逆に快楽を享受させられるしかできなかった。
(くそぅ!このままじゃ勝てねぇ!)
絶対的な実力差の前についつい弱気になってしまう。
だが4回戦目に突入して5分以上が経過しているが、意外にも俺の男根はまだ彼女の名器と戦い続けてられている。遙が全開で腰を振っているにも関わらず、だ。どうやら短時間の連続した敗北のおかげで男根の感覚が若干鈍ってきている上に精子の精製が遅いらしい。
彼女の方でもさっきより俺が長く保っているのに少し焦りを感じているようだ。
(もしかしたら、イケルか!?)
淡い期待が心をよぎり、それがまたモロに表情に出た。
それを瞬間的に読み取った遙が悔しそうな顔を見せ、また新しい攻撃に打って出た。
重心を前傾姿勢に、つまりは俺に寄りかかって押し倒し、再度女性上位の体位を取ってきた。が、今回はそれだけではなかった。
遙の両足首が俺の両足首に絡み、股裂きとなり、手首を強く掴んでマットに押し付ける。この体勢はキャットファイト、ミックスファイトでよく見られる押さえ込みだ。
マズイ、これでは逃げ道が全く無い。
そして男根にグイグイグイと押し付けられる彼女の名器。ボディコントロールを最大限活用しての弱点の1点集中攻撃だ。
(くっそー!またかよ!?)
体術で押さえつけられ身動きがとれず、男の俺が女に腕力で捻じ伏せられる。そして自分より強い性器で自身の弱点攻撃をされては俺の勝機など無い。
「んん!んん!んんん!!」
気合の入った声をあげながら、無理な体勢でもお構い無しにシェイクさせると言っても過言でない腰フリ。強く、激しく、それでいて締め付けが上手い。男根を通して全身にいきわたる屈辱感と快感の波。脳が訴えかける、これ以上は耐えられないと。逃げようと上半身を起こそうとする俺、逃がすまいと腕に力をいれ、更に押さえ込みを強める遙。
(ヤバイ、こんな屈辱的な体位で負けしてしまう……)
心が折れ掛け、焦る俺は必死に脳を働かせる“俺にできる事は……一体何がある?”と。
俺は敗北感と快感で犯され始めている脳で必死に考える。しかし、考えが纏まる前にその時がやってきてしまった。
急速に男根から伝わる射精感、俺が今まで必死に精神力で抑えていた射精だが、ついに肉体の限界がきてしまった。もう抑えきれない――!
――ドクドクドクドクドク!
強制的にいつもより多い量が遙の膣内へと注ぎ込まれる。膣内で何度も大きく脈打つ俺の男根。脈打つ度に奪われる精力と体力。そして俺はマットに埋もれるように沈んだ……。
――が、彼女はまだ動いていた。
完膚なきまでに俺を搾り取ろうとしていた。
「第5ラウンド!これで終わりよ!!」
「く、はぁ・ぁ・ぁ・ぁ……」
連続した4度目の発射の直後だけに男根が痛い。痛いけど気持ちがイイ上にここでもう1回精子を搾り取られれば、俺は間違いなく致命的なダメージ受ける。数多くの男達と戦いを繰り広げてきた彼女にはそれが分かっているのだ、ここが勝負所だという事が。それ故に彼女は攻撃の手を緩めずに5回戦を挑んできたのだ。萎えかけた男根が強制的に勃たされ、否応なしに勝負の続行を余儀なくされる。
体力、精力の低下により俺の精神力も低下している。体勢は相変わらず俺を力で捻じ伏せて押さえ込んだ形の屈辱的な変則女性上位のままだ。それ故に彼女の攻撃をいなす事も、耐える事もできず、彼女のペースで一方的に搾られ、高められる。
そして5回戦にも関わらず、俺は……
――たったの10分足らずで彼女の肉体の前に、5度目の敗北を喫したのだ。
今回の射精直後はかつてない程苦しい。痛みを伴い始めたチンポを無理やり勃起させられ、搾り取られたのだ。精力を大量にもぎ取られ、精神力も思考能力の低下率も半端じゃない。俺はこの倶楽部でこんな短時間での連続射精をするのは初めてで、肉体よりも精神が参り始めている。おそらくこれが遙の対萎え知らず戦における作戦、つまりは戦術なのだろう。
そしてその作戦は功を奏し、今の俺はもはや息が荒いなんてものじゃない。
良く肩で息をするという表現があるが、今の俺は全身を使って息をしている。喉もカラカラで干からびているような感覚。心臓の鼓動も爆発しそうな位に激しい、手や足に力が入らない。男根の感覚も自分では感じられない。今、勃っているのか萎えているかすら分からない。
ただ分かるのは彼女、遙の鼓動が激しいのと、俺と同じように全身で息をしている事位だ。
(……!?)
俺は今、何を思った?
遙の息が激しい?それは何故?それは激しい攻撃を連続して繰り出した事による肉体的な疲労という事なのか?俺はもう少しだけ無い感覚を広げて彼女の様子を探ってみると、彼女の全身が汗だくなのに気づいた。
そしてもう一つ、重要な事に気づいた。
僅かながらに戻りつつある感覚の中で自信の男根の感覚が感じられるようになり、その男根は若干萎え気味ではあるが、硬度を失っている訳ではないようだ。どうやら8部勃ちと言った所だ。それは即ち、精が枯れていないという事だ。
おまけにその8部勃ちの男根に今までなら膣内で絡みついているように締め付けていた彼女の名器をさほど感じられない。
どうやら俺は彼女必勝の攻撃を耐えきったらしい。その反動で彼女が半分グロッキーに陥っているとくれば、ダウンなんかしていられない。
今反撃すればきっと勝てる。
今まで倶楽部で対戦してきた女達も体力の低下と共に防御が薄くなり、俺の精力の前に敗れていったのが思い出される。途中経過は全然違うが、結果だけ照らし合わせれば遙も同じような状況になっている。
――この勝負、勝てる!――
今ここで反撃を行い、この女性を攻めて攻めて攻めまくって、何度もイカせて、絶叫させまくって、さっきまでの俺と同じようにベッドに沈ませ、KOさせられる。
この高飛車で俺を見下し、いいように精子を搾り取られた女を屈服させた状況を想像してみた。ベッドの上で力なく大の字に倒れ、体中が俺の精子にまみれ、意識も朦朧とした状態で悔しそうな表情を浮かべる遙。
「くくく……」
想像してみると思わず笑みが洩れる。
と同時に手足に力を入れてみる……感覚が戻っている。掴みかけている格上女への勝利の興奮が体に活力を与えているようだ。
今までの経緯から自分自身でも思わぬ不敵なセリフがサラリと洩れる。
「俺を倒すにはまだ搾り取る量が足りねぇようだな……お姉ちゃんよぉ」
「はぁ、はぁ。……さすが絶倫の萎え知らず。怒涛の6回戦って訳?上等よ、7回戦でも8回戦でも受けてやるから掛かってきなさい。」
本来なら相手をKOしてきた必勝の攻撃だったが、それを俺に耐え切られてしまった遙。もっと動揺してもおかしくないのに、気丈にも逆に挑発してくる所がさすがと言わざるを得ない。体力の消耗が激しい変則女性上位を解き、正常位で勝負を挑んできた。
6回戦の俺はかつてない程に必死になった。当然だが攻めて相手を倒さなければ勝利は勝ち取れないからだ。また追い詰められ始めた彼女も今までとは打って変わって必死になった。
体力が低下している俺は密着位でのピストンに全てを賭けて攻撃している。対する彼女も俺にしがみ付き、脚と腕で俺を抱きしめて腰を振っている。勝負の様相は泥沼化し、テクニックも何も無く、自身の性器のみを武器とした絶頂我慢比べとなった。
が、さっきの極上の必殺技を受けきった俺にとって今の彼女の膣内は緩かった。力を失っている上に、きっと膣内に注ぎ込まれた精子が潤滑油になっているからだろう。ここにきて物事が俺に対して有利に働いているように感じられる。
「あぐ、あ゛、ア゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!」
遙が突然に俺の体から手を離し、シーツをきつく掴んだ。
と同時に彼女の攻撃がやみ、防戦一方になった。俺は過去の経験から瞬間的に彼女の状況を理解した。彼女は体力、精神力が切れかけたせいで、ついに絶頂を迎えようとしているのだ。
今彼女が果てればかなりのダメージを受けるだろう。もしかしたら決着がつくのかもしれない。そう考えると、掴みかけている勝利の為に俺はピストンを加速した。
「うっ!こっ……こんな、奴に……あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
そして遂に、遙の体が弓なりにしなって絶叫した。
「ぜはぁ、ぜはぁ、ぜはぁ」と絶え絶えになる呼吸と、ヒクついている下腹部、とくれば、彼女がたった今絶頂を迎えたのは間違いない。今このタイミングで絶頂を迎えた彼女の肉体的、精神的ダメージには計り知れないものがある。
ここで俺は今まで与えられた精神的屈辱を1つでも返してやろうと、1つの提案をしてやった。
「どうする、ギブアップ!?」
「――!!」
額に前髪を張り付かせ、屈辱感に塗れた表情で必死に首を振る遙。
格下相手にイカされ、劣勢に回っている事が信じられないのだろう。
渾身の力を振り絞るかのように俺の体を返し、馬乗り、本日2度目の騎乗位に持ち込む遙。
俺を睨む目と、彼女の全身から感じ取られるオーラからファイナルラウンドに突入した事が分かった。
―― ここで先に果てた方が負ける ――
これが俺達の言葉にしなくてもわかる共通認識だ。
俺の体に手をつき、「うぅぅぅぅ……」低い唸り声を上げて腰を振る遙。
前後に左右に上下にと、どこにこんな体力があるのかと思う程変幻自在に動きまくる。
その怒りが突き動かしているかのような、あまりの激しさに恐怖すら覚えた俺は反撃の糸口をつかめずに防戦に回ってしまう。
―― 守ったら負ける ――
恐怖を感じるとともにそう思えた。
だから俺も攻めに転じた。ひたすら下から突き上げる。このラウンドで決着がつくのだ。後の事なん考えなくてもいい。遙を倒す事だけを考えればいいのだ。
彼女の胸を強くワシ掴みにするように揉みしだき、乳首を強く抓れば、それに反応するかのように悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げる。
そこをすかさずに突きまくる俺。この攻撃の前に遙の体がビクつきはじめる。
絶頂に差し掛かったのがわかった。
しかし、遙はさすがだった。精神力で肉体の絶頂を押さえ込み、俺を一睨みして強引に俺の手を振り払い、お返しと言わんばかりに俺の上に覆いかぶさり、両乳首にガリっと爪をたててきたのだ。
「ぁぐぐ…………っ!」
思わず唸り声をあげる俺。
そこへ遙が覆いかぶさり、優しい舌使いで唇を愛撫され、ついついその気持ちのよさに気が緩む。
「あ……………」
目が天井を見つめ、口がだらしなく開けられた所へ遙の唇で口を塞がれる。
舐め回される唇と歯。侵入してきた柔らかい舌先が口内を縦横無人に動き回る。
その間も下半身の戦いは続けられている。俺は惰性で腰を動かしている。彼女が俺に覆いかぶさっている為に騎乗位は崩れ、女性上位での戦いに移っている。
俺はさっきと変わらすに突き上げ、彼女も尻を突き出すように腰を振ってくる。時折り左右に腰を振るのも忘れずに、だ。
俺の男根へ着実に忍び寄る最後の射精感。
彼女の表情、全身から見て取れる間近な絶頂。
決着の刻が近い。
―― 負けたくない!――
この思いだけが彼女を突き動かしている。
俺も同じだ。負けたくない、絶対に。ピストンで彼女に競り勝って絶頂を迎えさせ、ベッドの上に沈ませてやりたい。だが限界が近い俺はそんなに保たない。だから小細工なしで最後の勝負に出る事にした。
目を開き、彼女をまっすぐ見据える。
予告する必要等なかったが、何故か最後の勝負にでる事を彼女に伝えたかった。
正々堂々と勝ちたかったのかもしれない。
そしてそれは明確に伝わった。
「んふふ……」
そう、彼女は笑みを返してきたのだ、『いいわ、勝負よ』という意味の笑みを……
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は彼女の腰を強く手で掴み、下半身全てを使った、今できる最高の突き上げをおこなったのに対して、彼女はマットに手をつき、四つん這いのような状態で俺の男根を迎え撃った。
男根と蜜壷が強烈に擦れ合う。男根から脳へと伝わる快感の波、逆に彼女も蜜壷から脳へと快感の波が押し寄せているはず。後は子宮口まで俺の男根が到達すれば、彼女は絶頂を迎え、俺の胸に倒れこみ、この勝負が遙の敗北で幕が下りる。
そして、狙い通りに子宮口へ俺の男根は到達し、激しかった勢いに押された遙が前のめりになって倒れてきた。
「くっ、あっ、ぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ……ま、まだよ!」
勝負あったかと思えた俺の1撃は耐え抜かれた。正直信じられなかった。
「くそっ!もう1発!!」
今の1撃でトドメが刺せなかった俺は再び強烈な1撃を喰らわせた。
――ズン!!と。
「――!!」
一瞬目を見開いた後に目をきつく瞑り、苦悶の表情を浮かべて歯を食いしばる遙。
しかし、今度は声1つ洩らさず、逆に笑みさえ浮かべてきた。
「ふふ。負ける……もの……です、かぁ……」
ヤセ我慢なのが痛いくらいに良く分かる。
胸元から玉のような汗が流れ、俺の上に滴り体も震えている。
そうだ、彼女、遙は間違いなく絶頂を迎えているのだ。彼女はこの直後に押さえきれない絶頂の波を一気に喰らい、気を失い、俺の勝利が確定する。
そして……
「くあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
全身をヒクつかせ、部屋中に響き渡る声で絶叫し、俺の背中に爪を立てて引っかき、壮絶な絶頂を迎えた。
しかし、彼女は未だ意識を手放していない。
そして俺は彼女の絶頂を迎えた肉体の反動による、痙攣によって喰らった男根へのダメージで、脳まで押し寄せる強烈な射精感と戦いを繰り広げられる事になった。
「ぬっ……くぅぅぅ……」
(堪えろ、堪えろ、堪えろ、堪えろ、堪えろー!)
歯を食いしばり、射精を必死に耐える俺。
最後の土壇場で劣勢を覆すチャンスを得た遙が賭けにでてきた。
「こ、これで、終わり……よ」
一言呟いた彼女は僅かに腰だけを浮かし、細かく腰を振った。最後の最後での俺への弱点攻撃を行ったのだ。
お互いの熱い息のみが音を発している中、クチュクチュクチュ……と湿った音が響いた。
2度、3度、4度、5度……と。
腰を振られる度にビク、ビクビク、ビクビクビクっと男根が震える。その度に男根が俺の脳へと訴えかける。苦しい。早く、早く発射させてくれ、と。
(なっ!?あ、くそっ、もう――耐えられ……ねぇっ!)
「ア、ア、ア!…………………あああああああああああああああああああああ!!」
「ふ、ふふ、ふふふふふ。や、やった……わ」
どぴゅ、どぴゅ、どぴゅ――
最後に残った残り少ない精子が彼女の膣内へと注ぎ込まれる。
彼女は今ある精一杯の力で俺を抱きしめ、精子を味わうように受け入れていた。
(もうダメだ。戦えねぇ……)
すべての精子を注ぎ込んだ俺は、彼女の尻を2回弱弱しく叩いた。
無様な失神KO負けだけは避けたかった俺は悔しいがタップして敗北を受け入れ、戦いの幕を自ら下ろした。俺のKO負けという形で……。
勝負が終わった俺達は見つめあってから二人で何となく力なく笑いあった。肉体をぶつけ合う事で精神も分かり合えたというのかも知れない。
ただ1つ気になる事がある。さっきお互い見つめあった時の意味ありげな目は一体何だろうか?答えを考える前に睡魔に襲われた俺はそのまま眠りについた……。
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