ドピュピュピュピュピュッ!!
僕は三度目の搾取を人形にされていた
意識が朦朧としてくる…こいつは一方的に腰を振って僕を快感の中へ導くだけだった
「……もう、意識がありませんか?」
後ろの方で、奴の…リリスの声が聞こえる
僕は右手を伸ばし、奴の影に触れようとするが…
ガシッ
人形はそれを許さず、僕の両手首を握って地面に着ける
そして更に人形は全身を使って僕の体を犯し続ける
僕に体を密着させ、キスをしてくる
人形とは思えない二つのその柔らかな双乳も、僕の胸板でぐにゃりと形を変える
乳首同士が擦れあう瞬間、無意識に僕の体は一度痙攣した
「私の作り出した人形相手にまだそこまで抵抗できるとは…しかし、そろそろ快楽に身を任せてもよいのでは?」
リリスの言葉が僕の脳裏に染み込んでくる…
「う、く…」
喋ろうにも人形はすかさず僕の唇を塞いでくる
全身を使った押さえ込みから抜け出せず、僕の力はどんどん抜けていくような感じに陥る
「あなたの限界は所詮ファントムを倒すことができる程度…王たる私達には勝てない…」
人形は再びその常人離れした膣を使い、腰を前後左右に素早く振る
収縮とざらざらとした中の刺激に、僕は大きく目を見開いた
「―――――――――ッ!!」
ビクンと跳ねる腰、僕の声は人形の口の中で封じられる
「四度目……そろそろ限界でしょう?」
リリスはにこやかに微笑み、僕に優しい声音で告げる
ビクッ、ビクッ……震えるのをやめない僕の体、人形は優しく腰を動かし僕の精液を吸収しようとする
だが……
「……………!?」
無機質だった青い髪の人形に、初めて生気のような瞳の色が宿る
それが示すのは、驚愕
「はっ……ああああああああああああっ!?」
人形が、人間のような激しい悲鳴を上げ、両肩を抱きしめる
人形は僕と繋がったまま、しばらくそうしていたが…やがて、ぐったりと僕の体にしなだれてきた
そして人形はみるみるうちに光の粒子となり、その姿を消した
「………………まさか、そんな手で人形を倒すなんて」
仰向けに倒れたままの僕に、ゆっくりとリリスは近づいてくる
「確かに人形は、快感を受け付けにくいという性質を持っている…だがそれ故に我慢というものが存在しない」
「はぁ……はぁ………」
近づいてくるリリスの気配に、僕はちっと舌打ちをする
さっきの戦いで精力を消耗しすぎた……もう僕は奴と戦える力は残っていない
「だから、人形が耐えられる快感を超える一撃を与えて倒したのですね…その精液と引き換えに」
すっ、と首に手を回され、僕の体はリリスに引き寄せられる
この甘い匂い、美しい肢体、香る長い金髪、着ている白いウェディングドレス…
もう限界の筈の僕のペニスは、それらを目にしただけで再び鎌首をもたげた
「…………………くっ」
死を覚悟する僕
……………だが、来るであろう刺激はいつまで経ってもやってこなかった
「……命拾いしたわね、お仲間のご到着よ」
リリスは僕を再び地面に横たえると、さっと踵を返した
「リリス様、ご無事ですか?」
と、リリスに駆け寄る一つの影
「ツヴァイ、私は大丈夫です、それより引き上げますよ、アインとドライにも連絡を」
「………………了解しました」
ツヴァイは一瞬だけその眼鏡の奥の瞳を僕に覗かせたが、すぐに主に向き直りその足元に膝を下ろす
そしてまた一瞬で、その気配を消してしまった
「私の計算を狂わせるとは…さすがはファントムを倒した男というところね」
リリスは肩越しに僕を一瞥し、そしてまたゆっくりと歩いていく
「それに免じて、今日は退きます…次に会うときはその命まで吸わせて頂きますが」
そしてリリスも、ふっと風のようにその気配を消した
「スークー!」
遠くで聞こえるアキの声、だが僕の意識は、もう闇の中に落ちようとしていた……
「リリス様、何故あの男にトドメを刺さなかったのですか?」
「……………」
ツヴァイの言葉に、リリスは顔を向ける
「仲間が来ていたとは言え、リリス様の実力ならば全員を相手にしてもまだお釣りが来る程のはず…なのに」
「私は…常に対等な戦いを求むわ、アンフェアな戦いは好まない」
それに……
「(スーク…彼はまだ成長する余地を残している、潜在能力を全て引き出した彼を倒したときこそ、私の欲望は満たされる…)」
リリスはくすりとほくそ笑む
「(それまでは…死なないでほしいものですね、スーク)」
それは、神という存在の傲慢か、それとも高尚が生み出す感情なのか
いずれにせよ、リリスの胸中ではあった
続く
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