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なんちゃってハンターの冒険その7:占い師編

おむつを脱ぐ事を諦めた貴方はそのまま服を着込んだ。
腰の部分が膨らんでしまったが、外套を着れば見えずに済む。

むしろ問題なのは歩いているだけでおむつの肌触りの良さを
意識してしまう事で、勃起が治まらないどころかムラムラとしてしまう。
一体ルーシャに何をされてしまったのだろう?

性欲が勝手に溜まっていき、犯されたい衝動が高まっていく。
ルーシャの家に戻る気にはなれず、今まで会った淫魔はすぐに行ける
場所には居ないピンク色の思考の中で貴方は衝動を堪えきれず、
適当に女をみつくろう事にした。

最初にみかけたのは教会の外で植木鉢に水遣りをしているシスターだった。
歳は30ほどだろうか、修道服でも隠し切れないむっちりとした肉体に
目を惹かれた貴方は彼女だけに見える様に外套を緩めた。
効果は抜群で、彼女は如雨露を落とし、それに気付かないまま
顔を真っ赤にし目と口を大きく開いて立ち去る貴方を凝視していた。

次にみかけたのはテントの前に台を作り水晶球やタロットカードを暇そうに
弄んでいる年齢不詳の占い師だった。透けて見えるローブとその下の
踊り子の様な衣装が褐色肌に映えており、細く長い指も綺麗だ。
通りざまに顔や鎖骨を見せていくと、彼女は驚いた顔になり貴方に
声をかけてきたがまだ物色が済んでいなかった貴方は素通りした。

次はお洒落なカフェのオープンテラスで高そうな飲み物をゆっくり
飲みながら一人チェスに興じている女を発見した。歳は成人し立てだろうか、
見るからに上流階級育ちと分かる瑞々しく白い肌やきらきら光る金髪や
びっくりする程細い腰、そして小さな丸眼鏡をちょこんとかけた
愛らしくのんびりとした顔が印象に残る。貴方の姿を少し見せると、
彼女は開いた口を手で抑えピンク色の頬をゆるめながらチラチラと
見たり視線を外したりを繰り返していた。

最後にめぼしく映ったのは人気の無い公園で剣の素振りを繰り返している
少女だった。長身だがまだ顔立ちは幼く、恐らくは17歳ほどだろう。
スレンダーな体にゆったりとした服装が似合い、後ろで束ねた
黒髪が清楚で穢れの無い美をかもし出している。貴方の素顔を見たら
一瞬だけ素振りを止め、その後目を瞑って再開していたが
素人目にも分かる程動きが乱れていて思わず笑ってしまいそうになった。

歩き回れる範囲で発見したレベルの高い容姿の持ち主はこの4人だった。
さて、一体誰にアプローチしたものか?

考えた末に貴方はもっとも好色そうな占い師の下に行く事にした。

官能を期待してうずく股間を持て余しながら彼女の店に戻ると、
彼女は何も言わずに艶かしく微笑んで貴方を招き入れた。
テントの中は彼女の商売道具らしい折りたたみ式の台と椅子しか無い。

「きっと来てくれると思ったわ、快楽を求める少年くん」

テントの幕を下ろし密室を作った彼女は既に貴方が何を求めているか
分かっている様だった。促されるままに椅子に座らせられ、
服を脱がされた貴方はふと思い出した。いくら年端の行かぬ少年とは言え
つけている筈の無いおむつをつけている事を。

「あら…これは流石に占えなかったわ。どうしたの少年くん、
何かの病気?普通、つけるとしても夜よね?」

占い師も予想外の物を見てしまったショックで目を丸くした。逆に言えば
この程度で済んでいるのも彼女の落ち着いた性格を証明している。
だが彼女は何処まで親身になって応じてくれるだろうか?
貴方はとりあえずおむつを脱ぐと股間が痛くて堪らなくなるのだと
症状を率直に話した。占い師は興味深げに頷いた。

「そうなると、まず考えられるのがこのおむつに呪いの類がかかっている
事だけど…どうもそうじゃなさそうね。ただの市販品のおむつの様だし
魔力の様な物も感じられないわ」

彼女はじっとおむつを観察した後おもむろにおむつを取り払った。
たちまち貴方の肉棒に焼け付く様な痛みが走って止まなくなる。
空気が薬品の様にしみるのが辛く、涙を堪えきれない。

「…そんなに痛いの?別に腫れてたり傷が出来ていたりはしないんだけど」

ちょんっ。
びりりっ!

少し指先でつつかれただけだった。爪を立てられた訳でもない。
それなのに焼きごてを押し付けられたかの様な痛みが走り、
貴方は短く悲鳴をあげ椅子の上で悶えた。
肉棒はあっと言う間に勃起を保てなくなり、縮こまってしまう。

「これは凄いわね。外見上何も問題がなさそうなのにこんなに
痛がるなんて…精神的な物かしら?少年くん、何か心当たりは無い?」

痛みに染まった意識に彼女の声が届いてくる。だが貴方は泣きじゃくるのに
忙しく答える事など出来ない。それを見た占い師は諦めて
タロットカードをシャッフルしてから3枚引いた。

「女帝、女教皇、隠者。どれも逆位置ね…察するに、おせっかいで
過保護な女に知らない間に調教されてしまったのかしら?少年くん」

ニヤリと意地悪そうに笑う占い師は貴方の返答を待っている様だ。
貴方は涙を浮かべながらなんとかして助けてと懇願してみた。
だが占い師は母性本能が薄いのか、殆ど誘惑された様子は無い。

「なんとかと言われても、私は医者じゃないしね…今はこうしておきなさい」

彼女は貴方におむつを着せなおした。すると嘘の様に痛みが消え、
代わりに柔らかい布の感触でまた欲望が膨れ上がってしまう。

「原因がはっきりしない以上、私に出来る事は無いわ。
おむつのまましごいてあげたらそれこそ悪化しそうだしね…
誰か別の人に助けを求めなさいな」

どうやら興ざめしてしまったらしい彼女に貴方はテントから出された。
このインキュバスの体に興味を抱いたのに優しくしてくれないなんて、
普段は子供など相手にもしないのだろうか?

止むを得ず貴方は次はどの女を頼るか考え始めた。



<なんちゃってハンターの冒険その8:シスター編>に続く。

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