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なんちゃってハンターの冒険その1:森林の淫魔編

貴方は淫魔ハンターだ。どの位の腕かと言うと…
なんちゃってハンター、つまり実は淫魔にヤられたいだけのどMである。
死んでしまってはそれ以上楽しめないので
貴方の目的はヤられつつも生還する事だ。
毎回金には苦労しているけど、そこはなんとか切り抜けるが男の華!

さあ、今日はどんな任務に行こうか?好みのタイプの淫魔を
みつけられそうな所を選びたい所だが…

貴方は熟考の末ドライアードなどに拉致監禁されやすい森林に
行くことにした。目標は優しそうな淫魔に数日間搾り取ってもらい、
その後開放される事。しかし森林に住まう淫魔は危険な者も多い。
下手をすると生還できなくなってしまう、それだけは避けねば…

貴方はここも良さそう、あそこも良さそうと散々うろうろした挙句、
うっとりする様な良い匂いを追っていき、空中にきらきらと光る極細の糸が
見え、なんだか表面が肌色の木が立っている場所にたどり着いた。

巨大な赤薔薇からすっぽんぽんの裸体をさらけだしているのは
スレンダーだけどなんとも魅力的な体臭を放つアルラウネ。

空中に張った糸にぶら下がっているのがダイナマイツな上半身と
卑猥な曲線を描く極太の下半身を持つアラクネー。

髪が細長い葉っぱで、蔦や花がビキニの様になんとも柔らかそうな
肢体を申し訳程度に覆っているのがドライアード。

どうやら3人とも貴方を捕まえようと待ち構えていた様で、バツが悪そうに
三竦みの状況で視線を交わしている。これはチャンスかも知れない。
貴方は三人(?)に任せるよりも自分から積極的に選ぶ事にし、
次の台詞をちゃんと聞こえる様に宣言した。

「一番優しくしてくれる人が良いなあ」

3体の淫魔と遭遇したのに暢気な宣言をしてみせた貴方に
彼女達が示した反応はまちまちだった。

まず最初にアラクネーが心底呆れた、と言う表情になる。

「淫魔に命乞いならまだしも、選り好みをしてみせる人間が居るなんて…」

アラクネーの視線は冷たく、今にも貴方の命を刈り取ってしまいそうだ。
ところがここでアルラウネがニヤニヤ笑いながら横槍を入れた。

「ふふ〜ん、あんたは冷血女だから優しくするのなんて無理よね〜」

「何を言うか、小娘!」

「小娘結構コケコッコー。最近のハヤリは人間に自ら望ませるプレイよ。
無理やり絞った精より進んで出してもらった精の方が美味しいって
評判なのよ。時代遅れのオバサンには分からないだろうけど〜」

「フザけるな、この人間かぶれが!」

二人がぎゃあぎゃあと騒ぎ出し、事態は収拾がつかなくなる…と思われたが、
ドライアードは二人を相手にせず貴方ににっこりと微笑みかけてきた。

「長旅でお疲れでしょう?まずは私の果実で体を癒して下さいな。
これから頑張って頂くのですから、どうぞご遠慮なさらず」

ドライアードが纏う蔓の一部がみるみると膨れ上がり、リンゴの様な形の
白い果実が出来上がる。彼女がもいで差し出したそれは表面から
果汁が染み出ており、甘い匂いをプンプンと漂わせていた。

勿論、残りの二人がこの状況を放っておく訳がない。

「あー何抜け駆けしてんのよ!ねねね、おにーさん、アタシなら
そんな果物よりずっと良い匂いとあま〜い蜜を味わわせてあげるよ?
すぐに幸せになっちゃって、夢の様にキモチいいエッチが出来るんだよ!」

アルラウネが割り込む様にアピールしてきたのを他所に
アラクネーは白けた顔で下がっていた。貴方と視線が会うと
彼女は不機嫌そうにこう返す。

「何を見ているの。私は精々痛みを感じさせない事位しか出来ないわよ。
獲物が蜘蛛に慈悲など期待するものでないわ!」

匂いと蜜で誘惑するアルラウネ。
期待するなと断言するアラクネー。
果物で体調を労わるドライアード。

さて、誰を選んだ物か?

そんなのは決まっている。一番安全そうなアルラウネだ。

貴方が無言でアルラウネに歩み寄ると彼女は勝ち誇った笑みを
他の二人に向けた。それを受けてアラクネーはぶつぶつ悪態を
つきながら巣に帰り、ドライアードはショックを受けた表情で
ふらふらと去っていった。

こうして二人きりになれた貴方をアルラウネの芳香が襲った!

「えへへ〜、どう?クラクラする?頑張ってここまで来てね♪」

極上の酒に酔ったかの様な熱が貴方の全身に行き渡り、四肢が
ぐんにゃりと言う事を聞かなくなる。貴方は霞む意識の中必死に
重い足を引きずりどうにかこうにかアルラウネの所にたどり着いた。
力尽きて倒れこんだ貴方を彼女は優しく抱きとめ花の中に入れさせた。
すべすべでひんやりした肌が火照った体を慰めてくれる。

「クスクス…やっぱり人間はこう、へろへろになってくれないとね!
さーおにーさん、まずはキスからだよ。目を瞑って〜」

密着した事でアルラウネの香りがますます強くなり、もはや
体の何処にも力が入らない。瞼も例外ではなく、眠い訳ではないのに
勝手に下がってしまった。何か大きな物がバサッと音を立てたが、
それについて考える前にアルラウネの唇が襲い掛かってきた!

ちゅっちゅっ。べちゃあ…

甘く柔らかい唇が更に甘い、どろどろした液体を流し込んでくる。
とうとう口を閉じている事すら出来なくなり、飲みきれなかった液体が
口の端から垂れた。アルラウネの蜜らしきそれは貴方の顎と首を
撫で回し、鎖骨のくぼみに溜まって染み込んでいく。

「あーあ、勿体無い。横になっちゃった方が楽かな?」

彼女の腕から開放された貴方は後ろに倒れそうになった所を
暖かい布の様な物に受け止められた。重い瞼をうっすらと開けると、
いつの間にか赤いテントの様な空間に閉じ込められているのが分かる。
四方を柔らかい赤い布が囲んでおり、上の穴からかろうじて日の光が
届いて薄暗い空間の中を照らしていた。貴方は布の一面に
もたれかかっており、安楽椅子に座っている様な楽な姿勢だ。

「驚いた?ここはアタシの中。花びらで作ったラブホテルよ♪
さあ、どうしてほしい?もっとキスしよっか?匂いだけでイッてみたい?
アタシの蜜、舐めてみる?それとも、ア・タ・シ?」

アルラウネは器用に貴方の服を脱がし、それを天井の穴から投げ捨てつつ
にこにこと誘惑してきた。どうやら希望のプレイを選ばせてくれる様だ。

貴方はアルラウネの唇を物欲しげに凝視した後、鼻をひくつかせて
貪欲に匂いを吸い込んだ。それでうっとりして口を開けなくなってしまった
貴方の代わりにアルラウネが喋りだした。

「決められないんだー?じゃあ両方ともいっぺんにやってあげる!」

アルラウネがそう宣言した瞬間、花の牢獄の中の空気が目に見えて
濁った。そしてわざわざ鼻をかがなくても勝手に鼻腔が溢れかえる程
匂いが強くなり、貴方の嗅覚と意識はねっとりとした甘い匂いに
埋め尽くされてしまった。

暴力的なまでの陶酔感に自然と瞼が下がり、暗闇と匂いだけになった
世界の奥底からアルラウネの声が響いてくる…

「うふふ、一発でやられちゃったね。おにーさんのおちんちん、
今すごいガチガチのビキビキになってるけどもう分かんないかな?
このままにしておくと気付かない内に射精しちゃうんだけど、
ここはリクエスト通りちゅっちゅしてイかせてあげるね♪」

今まで用を成していなかった触感が急激に快感を訴えた。
アルラウネのしっとりと濡れた身体がひしっと押し付けられたのだ。
彼女の肌を堪能できたのはごく僅かな間で、
すぐにあのぷりぷりの唇が貴方の唇を翻弄し始めた。

ちゅっちゅう。ちゅーーっ。ちゅちゅっ。じゅるうう…

短いキスを何度か繰り返されては長いキスで人工呼吸を施されたり
蜜を飲まされたりする。苦しくない程度の酸欠状態を維持されて
貴方はますます深い酩酊に陥り、蕩けきった意識の全てを
柔らかい唇と甘すぎる匂いのハーモニーに浸り続ける為に使っていた。
やがて全身が一際強い快感に打ち震えた時、貴方は最初
何がおきたのか分からなかった。

「はい〜、射精〜!沢山出ました〜!おにーさん全然我慢しようと
しないんだね?最初から我慢する気が無かった?それともアタシの
匂いでもう何も考えられなくなっちゃったの?ああ〜、かわいいよ〜!
もっともっと何回も射精させてあげちゃうよーっ!」



数時間後、貴方は散らかった服の側に裸で倒れていた。あの後
興奮したアルラウネが貴方のペニスをふとももの間に挟みこんだのは
思い出せるのだが、そこから先は何がどうなったのか良く分からない。
手コキや挿入や強制クンニのイメージは断片的に覚えているのだが、
強い匂いで混濁した記憶を激しい射精の数々でバラバラにしてしまった様だ。

今貴方にはっきりと分かるのは三つ。

一つ、アルラウネはもう居ない。満足して帰っていったのだろうか。
二つ、貴方の身体は酷く衰弱している。歩くのも辛い。
三つ、もうすっかり夜だ。夜の森とはあまり居たくない場所だ。

この状況で貴方が取った行動は
この場で焚き火を作り朝まで眠る事だった。
震える四肢を叱咤しつつ服を着てキャンプギアを回収した貴方は
四苦八苦しつつ焚き火を作り側で横になった。本来浅い睡眠に
留めておくのが望ましいのだが、既に疲労困憊の貴方は
あっという間に泥の様に眠り始めた。

そして…朝が来た時、火は消えていたが貴方は無事だった。
淫魔が多い森なだけあって危険な野獣は少なく、また淫魔は
絞られきった残りカスの貴方に興味を示さなかった様だ。

こうして貴方は重い体を引きずり街に生還する事に成功した。
淫魔遭遇レポートを淫魔ハンター協会に提出していくばくかの金を
手にして次は何処へ行こうか、と胸を膨らませる。

ふっと胸に浮かんだのは「俺はもう一度森林に行くんだ!」と言う想いだった。
前回はアルラウネたんに気持ちよーく絞ってもらったwktkな森林。
今回はここでどうするか?
当然、アルラウネの匂いを探すに決まっている。

貴方は犬の様に鼻を鳴らしながらアルラウネの芳香を探し続け、
程なくあの甘い匂いの発信源を発見した。そこに居た
アルラウネは…なんと寝ていた。昼寝の最中らしい。どうしよう?
顔や体つきを見る限り、この前のアルラウネと同一人物らしい。

起こすのも忍びないし、怒らせてしまうかも知れない。そう判断した
貴方はかわいい寝息を立てるアルラウネの側に横たわり、彼女の方に
顔を向けて芳しい匂いを堪能しながら目を閉じた。
興奮剤と鎮静剤両方の役割を果たす匂いに包まれ、勃起しながら
眠りの園に落ちていくのは非常に良い気分だった。

夢見心地のひと時が破られたのは体感的にはすぐだった。
こみ上げてきた射精欲求にぼんやりとした意識を呼び覚まされ、
目を開いた貴方が見た物は薄い胸越しに見下ろしてくる
アルラウネの笑顔だった。彼女に膝枕をされているのは割とすぐに気付いたが、
何故ペニスが気持ちよくなっているのかは分からない。

「あ、おっはよう♪って言ってももう夕方だけどね。まずは歓迎のぜっちょーを
楽しんでね♪そーれごしごしごし…ほら、出るよ、出ちゃうよ!」

ぬるぬるの右手で手コキされており、その刺激で目を覚ました。
貴方がようやくそれに気付いたのは射精したその瞬間だった。

夢見心地の内に絶頂に導かれ、また夢見心地に落とされる。
先日に続きアルラウネらしいイかせ方を味わった貴方は幸せな
恍惚感に身を任せていた。すこぶる機嫌がよさそうなアルラウネは
しばらくそのまま膝枕を続けてくれたが、貴方のペニスが射精から回復し
また勃起したのを見ると話し始めた。

「おにーさんまた来てくれたんだね。うれしいよ!でもなんで2度も?
ただのマグロ趣味?あるいは淫魔に精を捧げるのが仕事なの?
ひょっとしておにーさんは淫魔ハンターで、それでも戦ってるつもり?
それとも…アタシの事、忘れられなくなっちゃった?」

にこにこと友好的に笑う彼女になんと答えるか?
考えるまでもない。貴方には夢があった。

淫魔に精を自ら与えてお友達になり、ゆくゆくは婚約、そして結婚したい。
彼女なら理解してくれるかも?と思った貴方はその願望を正直に熱く語った。

アルラウネは目が点になった。

「淫魔とマトモに交際したいだなんて…精奴隷を志願してくるのは
たまに居るし、なりゆきで恋人になっちゃったケースも聞いた事あるけど…
ねえ、おにーさんなんでそんな事望んでるの?そこまでモテないの?」

次第に彼女の驚きは哀れみに変わって行った。慌てて貴方は

・人間社会では男性に強さが要求される為マグロ男にとって理想の女性は
中々居ない。M男を好む女はハードなSばっかり
・欲求を満たしたいM男はS女の暴力的になりがちな気まぐれに
甘んじなければならないが、自分はハードなSMは好きじゃない
・自分が求めているのは鞭や蝋燭や奴隷調教ではなく、あくまで
快感で優しく圧倒される事
・マグロ男を自ら望んで可愛がってくれ、自らの性的刺激は求めない
淫魔こそ自分の理想

と順序立てて説明した。彼女はそれを黙って聞きながら呆れたり
笑ったりと百面相を繰り返したが、最終的には哀れみの表情に戻った。

「そりゃまた難儀な好みだねー。人間じゃダメだって言うけど、淫魔でも
強い男を屈服させるのが良い、最初からMなんて面白くないって言うのは
一杯居るよ?下手な淫魔に当たってたら殺されてたかもよ?
ショタっ子ちゃんだったら溺愛してもらうのも割と簡単だろうけど、
おにーさん立派なオトナだもんね…かわいそーに…」

世知辛い話を続ける内にHなムードはすっかり消えてしまった。
貴方は勃起したままだが、彼女は明らかにテンションダウンしている。
だがこういう反応には慣れている。今更落ち込む必要も無い。

「ショタかあ…なれたらいいだろうなあ…」

貴方はぼんやりと煩悩丸出しの願望を呟いた。それは何度も夢見つつ
叶わぬ物と諦めていた願いに対する悲哀の呟きだったが、
意外な事にアルラウネが笑顔で反応した。

「だったらなれば良いじゃん」

えっ?と驚き振り向くと、勘違いしたのか彼女は慌てて首を振る。

「ムリムリ、アタシにはそんな力ないよ。でも淫魔の中にはそういう力の
持ち主だって居るからね。アタシが知っている限りでは…」

その後彼女は若返りの力を持つらしい淫魔について教えてくれた。

・乳魔の亜種に魔母系と言う種類がある。母乳で相手を若返らせてから
可愛がるのが趣味らしい。
・高位のサキュバスなら、相手を弱体化させる魔法の一種としてそう言う
魔法も習得している可能性が高い。
・高い魔力を持つ魔物も同上。ラミアやダークエルフならあるいは?
・妖精の女王ティターニアは子供と遊ぶのが好きらしい。
・ハーリティーと言う母性本能がすさまじく強い魔神がどこかに居るらしい。
・人間でも高位の魔女ならなんらかの手段を持っているかも?

「こんな所かな〜。探してみればみつかるんじゃない?その前に
別の淫魔に捕まって死ぬのがオチかも知れないけど」

お喋り好きな彼女は胸が躍る話を沢山聞かせてくれた。
丁寧に礼を言うと、彼女はにっと笑って自分の花びらを一枚もいで渡してきた。

「これをお金にすればしばらくは持つでしょ?こないだとさっきの精の
お返しだよ。まー十中八九挫折するだろうけど、その時まだ
生きてたらあたしの所に遊びに来てね、おにーさん♪」

悪気は無いのだろうが、ケラケラ笑いながら立ち去る彼女を見送る貴方は
なんとも複雑な気分だった。主に盛んに自己主張する腰の疼きのせいで。



<なんちゃってハンターの冒険その2:妖精の島編>と
<なんちゃってハンターの冒険その3:高原の妖孤編>に分岐します。

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