「……良いんだな?」
「……うん、一なら……」
大学院の卒業式を終え、ようやく一息ついたその夜。俺……神楽 一は恵……相川 恵とバトルファックを続けていたが、この日から大きな転機を迎えようとしていた。
今まではコンドームを使用し、極力避妊に努めていたが、今日からコンドームを使わずにする事になっていた。
というのも、互いの両親を納得させるために俺が大学院を卒業するまでは待とうと、俺と恵の話し合いによる約束だったためだ。
それが今日、俺の一人暮らしする部屋で、ついに解禁される事になった。
「それじゃ早速……」
ピンポーン
始めようか、と言おうとした所でタイミングよく鳴らされる玄関のチャイム。
うっかり邪魔されたために二人してベッドの上にコケた体を起こし、部屋着を適当に羽織って玄関に出る。
「ったく、誰だよこんな時間に……」
ガチャリ
玄関を開けた先に居たのは……
「あら?その格好はお邪魔でした?」
愛美……砂丘院 愛美が居た。なにやら少し大きめの紙袋を持って。
「……こんな時間に、一体なんの御用事で?」
「こんな時間に女が男の一人暮らしする部屋に来たら……することは一つと言いたいとこでしたが、先客が居たようですね。」
「そう言う事だから、今日は帰ってくれ。」
「そう言う訳にも行きませんよ。と言うより、寧ろ好都合ですよ。」
「……好都合?」
「ともあれ、失礼致します。」
と、愛美はさっさと部屋の中に入ってくる。
「お、おいちょっと。」
俺が引き止めるまでもなくどんどん奥へ行く愛美。行き着いた先には当然……恵が居た。
「さ、砂丘院さん!?なんで……」
「本日は恵さんに挑戦状を叩きつけようと思いまして。」
「ちょ、挑戦状……?」
「えぇ、聞けばおふた方もバトルファックをしてると言う事でしたので、どちらが一さんを気持ちよくできるか、勝負しようと思いまして。」
『え……えぇっ!!??』
これには俺も恵も、声を揃えて驚く事になった。
「もちろん、これで一さんをどうこうと言う事はありませんよ。ただ純粋に、一さんはもちろん、恵さんとも仲良くお付き合いしたいのですから。」
「え?私とも……?」
「えぇ。
私の家の事は既に昼にお話しましたよね?その影響で、同年代の親友と言うものに恵まれなかったもので。」
実はそう、恵にも砂丘院家の事を話していたのだ。
というのも、俺と愛美だけで秘密を共有していると恵に勘付かれ、俺が言いあぐねてる内に愛美が周りに聞こえないように配慮しながら説明しているのだ。
「そう言う事で、挑戦状と言ってもただのお遊びですから。
それにですね……ゴニョゴニョ……」
「え……えぇっ!!??」
?俺は置いてけぼりなのか?恵に耳打ちしてるが。まぁいいけど……
「いかがでしょう?」
「……そ、そういう事なら……」
「ありがとうございます。
さて、それでは話がまとまった所で……」
「いやちょっとまて、そっちはまとまったとしても俺は置いてけぼりなんだが……」
「あら?でもこれから恵さんとする所でしたでしょう?」
「う……」
「でしたらやる事は一緒です。さぁ、始めましょうか……」
なんだかうやむやの内に始まることになったが……
「まずはフェラから始めましょうか。」
愛美と恵が申し合わせたようにベッドに座った俺のペニスに顔を近づけてくる。
二人はまず、亀頭の所に軽くキスをし、恵はそのまま亀頭を咥え込み、愛美は睾丸をしゃぶり始める。
「じゅぷ……ちゅ……んふっ……」
「はむっ……くちゅっ……ちゅぅっ……」
亀頭には恵の舌が這い回り、睾丸は愛美が唇を使ってマッサージをして射精を促してくる。
二人の口から分泌された唾液がペニス全体に塗りたくられ、それに伴い快感が蓄積されてくる。
「うっ……くっ……」
自分の中でバトルファックと考え、俺は必死にそれを我慢する。
……そういや、ろくにルールも確認しなかったが、これ勝敗どう決着付けるんだろ?
「ちゅっ……ん……一さん……我慢しなくて構いませんよ?今は私と恵さんの戦いですから……はむっ……」
「そ、そうか……」
……あれ?俺、今声に出したっけ?
そんな俺の疑問は、次の瞬間掻き消えていた。恵が口を窄めて一気に吸引してきたのだ。
「うぁっ!!」
俺はたまらず射精してしまう。恵にフェラをさせていると、大抵この吸引で負けていた。
「ん……ちゅ……こくっ……ぷはぁっ!!」
最後の一滴までペニスから吸うと、恵はビールを一気飲みしたように息を吸う。
愛美は愛美で、少しでも俺の精液を舐め取ろうというかのごとく、鈴口の辺りに舌を這わせていた。
「れろっ……あんっ、恵さんが全部持っていってしまいましたね……ねぇ一さん、私の為にももう一度、お願いしますね。」
射精の余韻で呆けていた俺に抗う事ができるはずもなく、愛美は無遠慮にやわらかい唇でカリを刺激し、亀頭に舌を這わせながら吸ってくる。
「うあぁっ!!??」
呆けた所の突然の刺激に、俺は思わず射精してしまう。恐らく、先ほどまで愛美に睾丸を刺激されていた為だろう、射精の量も普段より多めになっていた。
「んっ……ちゅ……ちゅうぅ……」
それを嬉しそうに愛美は吸っていく。
そして先ほどの恵と同様に、最後の一滴まで吸い尽くすと唇を離した。
「ふぅ……ご馳走様でした。」
2度の連続射精で力の抜けた俺だが、何とか体を起こし顔を上げていると、恵と愛美はベッドの上で重なり、互いの秘所を合わせるように抱き合っていた。
「はじめぇ……今度はここに……」
「一さんのペニスを、くださいな……」
合わさった秘所に指を添えながら二人は誘惑してくる。
二人の秘所は既に濡れており、愛美が上から恵の花弁を自らのそれでこすり付けるように腰を蠢かしている。
「あっ……んぅ……一さぁん……早くぅ……」
「あ、あぁ……」
その妖艶な光景を目の当たりにし、つい魅入ってしまったのに気づき、慌てて頭を振り、愛美たちに誘われるがまま、再び漲らせたペニスを二人の秘所の間に挿入していく。
「うっ……」
『あぁん!!』
一人分のうめき声と二人分の嬌声があがる。二人の間は双方の愛液で満たされ、花弁が執拗にペニスに絡みついてくる。
更に、上下から全く異なる動きをしながら押し付けられるため、刺激に慣れる事が無く快感が蓄積していく。
「くっ……イくっ……!!」
「あっ!!わ、私もぉ……」
「このまま……私達も一緒に……!!」
ビュクッ!!ビュルビュル……
『あ……はあぁん!!』
ペニスから精液が吐き出され、それと共に二人が嬌声をあげ、ひときわ強く腰を押し付けてきた。
「うあっ!!」
それで一瞬精液の流れがせき止められ、悶絶しそうになる。幸い、すぐにまた吐き出されたが。
あらかた吐き出されたのを感じ取り、二人の間からペニスを引き抜くと、力尽きたようにベッドの上に倒れこむ。
「はぁ、はぁ……さ、流石に休憩させてくれ……」
「だ・あ・め。」
「休ませてあげませんから。」
と、仰向けに倒れている俺の左右に恵と愛美が座り込む。
「次は私達のおっぱいに、一さんのペニスを溺れさせて差し上げますわ。」
既に二人の唾液と愛液とが混ざり合いべたべたになったペニスに、二人は自慢であろう胸を近づけてくる……
むにゅっ
「うあぁっ!!」
情けない事に、思わず叫びだしてしまった。
連続した射精で非常に敏感になった上に、愛液やら唾液やらでベトベトになったペニスへ襲い掛かる、やわらかい胸の感触……正直言って、耐えられるものではない。
二人の胸は共に適度な柔らかさと弾力があり、それがペニスへ四方向から、ぬるぬると滑りながら強力な圧力を加えているのである。
押し付けられて数十秒、これでも俺は耐えた方だと誉めてやりたいが、そんな余裕がまるで無かった。
びゅくびゅくびゅくっ!!
今日一番の量となった精液が、二人の顔と胸に降りかかる。
「あんっ。すごい量ね……ん……ぺちゃ……」
「本当に……素敵ですわ、一さん……ちゅっ……ぴちゅ……」
二人は射精して萎えてきたペニスを開放し、胸や顔に掛かった精液を指ですくっては舐め取っていく。
そのエロティックな光景は、俺を更に興奮させるのに十分だった。
「その様子ですと……まだイけそうですね。
それでは、私は少々準備してまいりますね。」
「あ、うん。」
愛美はそういうと、持参していた紙袋を持ち便所へ入っていった。
「……準備?」
「うん、でも私の口からは言えないの、ごめんね。」
「いや、というかさっきの耳打ちの時か?」
「そうよ、そこであの紙袋の中身も教えてもらったんだけど……一もすぐにわかるわ。」
「そんな大層な準備が必要な物なのか……」
なんか、凄く嫌な予感がするのは気のせいか?背筋に悪寒が走るというか……
「そんな事より……今は私と……しよ……」
「あぁ、そうだな……」
俺は改めて、恵と向かい合い……さっき前戯は散々やったからお互いに準備は万端だった。そのまま正常位で結合する。
「あぁ……これが……本来の一なのね……」
「恵……動くよ……」
「一……来て……もっと私を感じてぇ……」
二人して抱き合い、恵に至っては足まで俺の腰に回してきた。
そのまま俺は、恵を感じさせるように腰を打ち付けるが、先ほどまでの前戯の為に恵の襞が絡みついてくるだけで、俺はすぐにでも射精しそうになる。
必死に我慢しながら突き下ろしていくと行くと、どんどん恵の喘ぎ声が大きくなっていく。
「あぁ、一ぇ……ひぅっ……もう……もうすぐ……あぁんっ!!」
「くぅっ……俺も……イくっ……!!」
「一……一緒に……ひゃんっ!!」
「くっ……」
ビクッビュクビュクっ!!
俺の射精開始したコンマ一秒後、恵の膣が凶悪なまでに締め付けてきた。
だが、その締め付けも一瞬で緩み、二人して力が抜けたようにぐったりとした。
「えへへ……やっと……一を受け入れて……あげられたね……」
「あぁ……ありがとう、恵……」
「私の方こそ……ありがとう……ね……」
二人して繋がったまま抱き合い、唇を貪り、余韻を楽しむ……だが、それはすぐにぶち壊されることになる。
ガチャッ
ぶち壊しにする張本人が……愛美が便所から出てきた。
「あら、丁度お楽しみが終わった所ですか?」
しかし、彼女の股間には今まで付いていないものを身につけていた。紫色の、ローションのようなものがべったりと付いた、男性器を模したようなグロい物体の付いたパンツが……
「ま、愛美……それは一体……?」
「私とのバトルファックの際、私のお尻を貫いて開発してくださったお礼をしたいと思いましてね。」
「いや、あの時は無我夢中で……」
「あれから私、結構このアナルを貫かれる快感が癖になっちゃいまして、一さんにも是非味わっていただきたいと。」
「いや、俺は結構です。」
これ、絶対愛美は怒っている。今まで表情にさえ出していないが、確実に怒っている。声音がそれを物語ってる。
後戻りができなくなる前に逃げ出さないと……
「ちなみに、拒否権はありませんよ?恵さんもご協力してくださるそうですから……ねぇ?」
「なっ……」
驚いて恵の方へ振り返る。恵は申し訳なさそうな顔をして謝っている。
「ごめんね……流石に話を聞いた時には許せなくて……」
「そ、そんな……」
あぁ……絶望ってこんなに辛いものだったんだな……
「さぁ……ご案内して差し上げますわ。甘美な背徳の世界へ……」
「ひっ……」
ゆっくりと近づいてくる愛美。俺は必死に逃げようとするが、恵が両手両足を使って抱きついているために逃げられない。
ついでに言うと、挿入したままの状態である。散々射精して敏感になったペニスが更に恵の襞が絡みついてきて、強い刺激が走るたびに力が抜けてしまう。
そしてついに、愛美のペニスが俺の尻の穴に触れ……
ズブッ!!
「アッーーーーーーー!!」
……それから先の記憶は翌朝までなくし……いや、率先して抹消した。
忘れられるというのは、時に救いになるのだと改めて実感した。忘れることが無かったら俺は、一生女性不振になっていただろう。
いや、これは恵にも言えることだな……結局、過去に何があったのか聞けず終いだったが、大体どんな事があったのか想像はつく。
あの後、目が覚めたら俺の両側に二人が寄り添うように寝こけていて、俺はそんな可愛らしい寝顔を見ながら、絶対に二人は守ろうと改めて誓ったのだった。
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