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心覗き 前編

1
「そんなっ…この子すごぃ…あああぁぁっ!」
まだあどけなさすら残る少年が、肉棒を深く突き入れ淫魔を絶頂に導いた。

彼の名はタケル。本人のたっての希望で12の時に養成学校に入り、その後異例の若さで淫魔ハンターとなった。
今日が彼の初仕事。ハンター協会が充分に考慮した仕事であり、淫魔は雑魚ばかりだったが、それでもタケルの働きは非凡だった。固い意志が、彼を強くしていた。

ここの淫魔はあらかた片付いたようだ。あとは最奥部から感じる、ひときわ強い淫気だけ。
「…よしっ」
タケルは深呼吸して、初仕事の興奮と下半身の猛りを落ち着かせてから、最奥部へと足を踏み入れた。


2
そこには、妖艶な美女がいた。「美女」という言葉が陳腐に響くほど、美しい女だった。
軽くウェーブのかかった豊かな髪…豊満な乳房…紫のルージュをひいた唇は、扇情的だが一切の下品さがない。
そしてなにより、見るだけで下半身が疼くような、とてもしなやかな手指をしていた。

「ここまで来たってことは、この巣のコたちはアナタがヤり尽くしちゃったってことね…」
(この巣のコたち…?)
その言葉は、彼女がここに巣食う淫魔ではないことを示唆していた。
(いや、問題ない…淫魔はイかせるだけだ!)
そう心の中でつぶやいたタケルは、しかしすでに読み違えていた。
明らかに、新米ハンターが敵う相手ではなかった。
だが、淫魔の恐ろしさを肌身で知らぬ新米には、そのことが理解できなかった。

「どんないかついのが来るかと思ったら、まだ全然ボウヤじゃないの」
淫魔はベッドに悠々と身を横たえたまま、構えるそぶりすら見せない。
こういう態度の淫魔を、ここに来るまでに何匹といわずイかせてきた。だから今度の淫魔も、自分を「ボウヤ」と侮っているのだと、そう早計した。

「どうしたの?ボウヤ、って言われて怒ったのかしら?ねぇボク…きゃんっ!?」
タケルは一気に距離を詰め淫魔を突き飛ばした。
あまりの早業に、淫魔はなすすべなく仰向けに転がる。タケルはすかさず馬乗りになって、上から乳房を揉みしだいた。

「あ、はあっ…ボウヤのくせに随分手馴れてるわ、ねっ…ぅうんっ!!」
タケルは馬乗りになりながらも、ペニスが淫魔の胸に捕まらぬよう距離をとっている。
これでは淫魔は、わずかに自由な両手で乳首を責めるか、無理な姿勢で肉茎を扱くかしかできない。

「あんっ…乱暴なボウヤには、オシオキが必要ね…?」
案の定、淫魔はペニスに手を伸ばしてくる。
しかしこの体勢からの手淫では、三流ハンターですらイかないのは自明だった。

「…今アナタは、自分が絶対的優位にいると思ってる…でも、どうかしら?」
淫魔が肉竿を扱き始める。

――「三流ハンターですらイかない」…もっともそれは、彼女の手が並みの淫魔の手と同じならば、という条件付きだった。


3
「くううぅぅぅっっ!??」
次の瞬間、嬌声をあげていたのはタケルだった。

「なっ、なんでっ!?っ、ううぅっっ!!」
淫魔は、確かに「無理な姿勢で扱く」ことしかできなかった。ただそれが、とんでもない快感をもたらしているだけだ。

「ガッコウで習わなかった?淫魔には、それぞれのパーツに特化したコがいる、って…」
見るだけで下半身が疼く、という直感は正しすぎた…そんな手指で扱かれたらどうなるかは、推して知るべしだったのだ。

「あっ!う…ふぁ!?くうぅ……っ!」
淫魔は完全に組み敷かれていたが、タケルが腰を浮かすのに合わせ徐々に身を起こしてくる。
先走りで濡れ始めたエラを、親指と人差し指の輪でチュクチュクと激しく擦られる。

「あッ!はぁぁ…っ」
タケルは呆けた喘ぎが出そうになるのを必死で堪える。ここで弱みを見せれば、それこそ淫魔の思う壺だ。

「あら…?授業は聞いてなかったみたいだけど、実技の方は優秀ね…まだ我慢できるなんて」
表向きにはまだ、タケルに組み敷かれたままで言う。
「自慢じゃないけど、三擦り半でイっちゃうハンターも多いのよ?」
「だっ…誰が淫魔なんかに、イかされるもんかっ…!」

精一杯の気勢をあげたつもりだった。しかし、淫魔は心底楽しそうに目を細める。
「イイわ…その固そうな意志。ウフフ…なんで『固そう』って言ったか分かる?」
淫魔は亀頭に掌を被せ、蛇口を捻る要領で小刻みに動かし始めた。
我慢汁で濡れそぼった肉傘は、五本の指であますところなくカリをなぞられ、掌の一番柔らかいところで絶えず尿道口をくじられ、先走りをさらにあふれさせた。
それに合わせ、淫魔はやんわりとタケルを押し返す。
当然、ペニスを扱く手は緩めない。流されそうな意識を必死で繋ぎ止めていたタケルは、容易に馬乗りを解かれてしまった。

「ニンゲンの固い意志って、必ずどこかに脆さがあるの。脆いから固いの」
馬乗りを解いた淫魔は、そのままタケルの背後へとまわっていく。
「カミサマを信じるヒトっているでしょ?――彼らは心に空虚があるから、それだけいっそう固く、カミを信じるの」

淫魔は、自分の身体にタケルをもたれさせ、右手で竿を、左手で乳首を愛撫し始めた。
「これで準備完了…ボウヤのココロの脆さ、私が暴いてあげる…」
淫魔はタケルの耳元に口を寄せ、そう囁いた…


4
「うわっ!?」
タケルが素っ頓狂な声をあげる。淫魔の舌が、耳に差し込まれたからだ。

「ん…怖がらないで。力を抜いて…」
差し込まれる、などという生易しい感触ではなかった。
人間では考えられないような長い舌が、奥へ奥へと侵入してくる。今にも鼓膜を突き破るのではないかと、タケルは戦慄した。

「あん、そんなに心を閉ざして…怖いのね?」
淫魔が囁く。その瞬間、耳奥の異物感は消えていた。
「今挿れたのは、霊的な舌…とでも言えばいいかしら。ボウヤの身体は傷つかないから、その点は安心していいのよ…」

そんなこと信用できるもんか――重要なのはただひとつ、自分に恐怖を与えていた舌が、抜かれたということだけ。
気を取り直したタケルは、隙を突いての脱出を試みる!

「いぎッ…!!?」
その瞬間、淫魔は一片の躊躇なくペニスを握りつぶした。――正確には、つぶれたと錯覚するほどの激痛が走った。
「ダメよ、おとなしくしてなきゃ。…次は潰すわ。精気は欲しいけど、生意気な餓鬼はいらないもの」
尻もちをつく形で、タケルの身体が再び淫魔にもたれかかる。とたんに淫魔の手が、優しくあやすように肉棒を包み込んだ。

「どのみち逃げられないわ…ボウヤのペニスは快楽か、さもなければ痛みで、私に完全に支配されてるでしょう…?」
そう言って、再び舌を挿入してくる。
「でも…拒まれちゃったら、私の舌はボウヤの記憶に届かない。だから、力を抜いてくれると嬉しいんだけど…?」
さっきあれほどの痛みを与えた魔手が、今は妖しく這い回って理性を溶かそうとしている。亀頭のくぼみをヌルヌルの指で擦られると、思わず喘ぎが漏れてしまう。
「さ…力を抜いて…?」

しかし、そこまで教えられて力を抜くほど、タケルは馬鹿でもなければ堕ちてもいなかった。これが返事とばかりに、心の中で拒絶の意志を並べ立てる。
「ウフフ…期待通りの反応ね。でも、これならどうかしら…?」
「あっ、はあぁぁっ!?」
あやすようにペニスを揉み扱くだけだった右手が、速度を速めて竿を扱き始める。と同時に、乳首はカリカリと爪で弾かれる。
「あぅっ!くっ、ふうぅぅっ…!」
「ほらほら、どうするの?このまま背後からシコシコされて、あっけなくどっぴゅんしちゃいたい?…嫌なら、ちゃんと抵抗しなきゃ」
そう言って、淫魔はさらにペニスを扱きたてる。
根元を小刻みにシコシコされて悶え、今度は先端から根元まで一気にズコズコされて、意識が弾けそうになるのを必死で抑える。時折、ギュゥッと抓られる乳首。

快楽拷問の只中で、タケルの思考は倒壊寸前だった。集中しなければ舌が入ってくる、でも抵抗しなければイかされる…!
「ウフフ…スキあり♪」
迷いで綻んだその隙間から、淫魔の舌は挿ってきた。

「ぁあっ…!!な、なにこれぇ…っ!??」
「フフ…アナタのココロ、捕まえた♪」
脳の中にある塊を、ぬめった赤い舌で絡めとられるイメージ。
「あら、思ってた以上に綺麗な意志だわぁ…フフフッ、おちんちんもこんなに美味しそうだし、ボウヤなかなか見所あるわよぉ…」
そう囁く声も、未知の快感と違和感に悶えるタケルには聞こえない。
「じゃ…ここらで一回、出しちゃいましょうか…?」
淫魔が、亀頭を掌で包んで撫で回す。すでに我慢汁でヌルヌルだった亀頭は、容易にこねくり回されてしまう。
「ふぁっ、あっ!あっ!あぁーーーっ!」
巧みに亀頭だけを愛撫され、腰の辺りの感覚は消え、頭には火花のような快感がはじける。
「あっ!あッ!あァッ!あーーーーーッ!!!」
圧倒的な快感にもかかわらず、扱かれないからいつまでも射精できない。

――のたうつような快感だけが、送りこまれ続ける。

「あんッ♪ダメよ〜、自分から腰突き上げちゃ。だいじょうぶ、そのうちイかせてあげるからねぇ」
タケルから動いたのではなく、あまりの快感に腰がガクガクと、電気ショックを受けたように痙攣しているのだ。
淫魔はそんな不測の動きにも対応して、丹念に…執拗に…亀頭だけを愛撫してくる。
「ど〜ぉ?亀頭責めって……キくでしょ?」
「あァーーーッ!あァーーーッ!!」
「ウフフ、いいお返事ね……ボウヤには見えないし、そんなアヘ顔晒してるようじゃ理解もできないだろうけど――」
すでに淫魔の手はグチョグチョで、白く泡立った我慢汁が手の甲にまでこぼれ落ちていた。
「ボウヤの精神防壁は快楽でボロボロ…あんなに綺麗だった意志にも、今じゃしっかりと綻びが見えてるの…」
淫魔の手が動き始める…でも今度は、皮の伸縮も使って根元から扱きあげる動き――イかせる動き。

「ほら、お待ちかねのどっぴゅんタイムよ…」
徐々に淫魔の手が加速していく。
「でもイっちゃったら…アナタはココロの奥の奥まで、舌を挿入されちゃうの…」
「あっ、あっ、あっ、あっ…!」
五指で肉棒を掴んで上下に扱くだけの手コキ。男がオナニーする時の平凡な握り…ただそれだけの性技が、タケルを至福へと追いやっていく。
「口答えするだけの余裕も、怯えるだけの理性も残ってないか…じゃ、トドメよ」
限界まで勃起した男性が、嬉し涙を流しながら、淫魔の手でシゴき倒され蹂躙されていく。まるでオナニーのラストスパートのような、乱雑で激しい手コキ。
「アッ!?アッ!アッ!アーーーーーーーーッッ!!!」
タケルはこらえる間もなく、盛大に、己が精子を宙に撃ち出していた。

「あ、あ、あ……あぅぅっ!??」
射精の余韻に浸る間もなく淫魔の舌が挿ってくる。
「ウフフ、挿ったぁ…♪ボウヤの脆さ、ぜぇんぶ視姦してア・ゲ・ル……」
ココロの内の内まで舐られる感覚に、タケルは朦朧とする意識の中で、おぞましさと、奇妙な興奮を感じていた……
処女作なので至らない点もあると思いますが、感想・ダメ出し等頂けると幸いです。

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