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県立南校BF部 番外編

県立南校BF部 番外編

「県立南校・男子BF部キャプテン・倉鹿之ユウマの朝は、ベットの上の自主トレーニングから始まる。
 早朝5時、まだ薄暗い部屋に小さなモーター音が響く。
 イタリア製のBFトレーニング・マシーンは、長期休みを利用してのアルバイトで購入したユウマの宝物だ。
 何人もの強敵を倒してきたユウマ自慢のペニス。
 朝勃ちで雄々しくそそり立つその逸物に、マシンの微細な電磁振動が伝わっていく。
 マシンの設定は最強のモード9。プロのBFファイターたちもタフネスの鍛錬に使っている。
 ユウマの若さで、このハードな試練に絶えるのは容易いことではない。
 敵を果敢に攻める若さの力は、同時に自分自身を絶頂へと追い込む諸刃の剣に他ならないからだ。
 ユウマの男根に、朝露のようにカウパー氏腺液が浮かび上がる。
 じっと目を閉じ、精神を集中する彼の姿は、まるで滝に打たれる高潔な修行僧のようだ。

 タフネスの練習は、まさに自分との戦いだ。肉棒を覆い包む快楽に、ただ耐えるしかない。
 耐えれば耐えるほどに、射精への渇望が若い体と精神を苛む。
 だが、そこでイッてしまえば、それはすなわち自分自身に負けることを意味する。
 若きBF戦士は、その強靭な精神力で欲望を制し、勝利の夢を勝ち取るその日まで、つらい修行に耐えるのだ。

……か。ふ〜ん、あんたも大変ねぇ。。」

 新聞の地方面を音読する母上に、俺は耳たぶまで真っ赤になった。

「読むなよ、そんなもんっ!!」

 朝食が並ぶテーブルを前に、つい絶叫しちまう。
 サラリーマンの親父は、息子にやや同情するような、しかしながらどこか誇らしい表情をして出勤していった。

 地区大会を突破し、いよいよ全国戦に進出する南校には、地元の期待が集まっている。
 当然、ローカル・メディアの取材もあった。
 そして今日は、県庁で壮行会が開かれる。

「ほら、ネクタイ曲がってる。あ〜、ブレザーちょっと皺がついてるじゃない。壮行会の前にクリーニングに出しときたかったのに、あんた面倒臭がるから……」
「うるさいなぁ、どうでもいいって」
「親にそういう口きかないのっ! ……まったく、何が高潔な修行僧よ。この前も、あんたが練習中に暴発させて汚したシーツを誰が洗濯したと……」
「あー、ゴメンゴメンゴメン。俺が悪かったからっっ。それより、さっさと小遣いくれよ。遅刻しちまうだろ? たぶん帰りにどっかでメシ食うと思うから、ちょっと多めに…」

 小遣いをもらい、身支度を整え、世話焼きの母親から逃げるように家から飛び出そうとする俺に、母上はさらに追い討ちをかけた。
「今度の試合は見に行くからね。新しいDVDハンディカムも買ったことだし♪」
「く、来るなぁっ!!! ぜったいに来るんじゃねぇっっっ!!!」
「もう、この子はすぐ親を邪険にするんだから。べつにBFなんだから見たっていいじゃないの……」
「そういう問題じゃないだろ。。ったく、何考えてんだよ、うちの母上様は」


 出掛けから疲れちまっていたというのに、県庁に行く途中、今度はバスでユリ子と偶然一緒になった。
「ユウマじゃねぇか」と、ユリ子は相変わらずガサツな男言葉で話し掛けてくる。
 昔はもっと清楚で儚げでイタイケな美少女キャラだったじゃないか……
「いいかげん、その男言葉やめろよな。マジでBF以外に入れてくれる男が居なくなんぞ」
 突っ込みの一つも入れたくなるので、実際に入れてしまう。
「オレ様に喧嘩売るとは良い度胸だな、ユウマ〜っっっ!!」と後部座席から羽交い絞めにされ、「ギャ〜っ、やめろ。この男女っ!!」とか騒いでいたら、「走行中は他のお客様のご迷惑になりますので、大きな声を出したり、暴れたりしないようにしてください」とマイクで叱られ.る。

「ったく、お前のせいで、運転手さんに注意されちまったじゃねぇか。小学生のジャリタレじゃあるまいし、何でこの歳になって、バスの中で騒がないで下さいなんて、アホなことで叱られにゃならんのだ。。これだから一人称が『オレ』のガサツな女は……」
「お前が場所も考えずに欲情するのが悪いんだろ? BF以外に入れてくれる男が居なくなるとか言っちゃって、オレの体に興味津々なのバレバレ」
「アホ抜かせっ。どこをどう解釈すれば、そんなオゾマシイ結論が出てくるんだ? あ? 俺は純粋に心配してんだよ。お前みたいな女っ気のかけらもない奴が試合に登場して、対戦相手の人がショックのあまりインポにでもなっちまったら、損害賠償とか請求されて、お前の親父さんが余計な苦労を背負い込みはしないかとだなぁ……ぐあっ、………何いきなりカバンで金的食らわしてんだ、…………っっ」
 金玉の痛みに思わずうずくまるが、バスの中で騒ぐわけにもいかず、奥歯をギシギシと噛んで悲鳴を押し殺す。
 そんなことをしたくせに、ユリ子の奴は同情する素振りも見せない。

 席を移動して俺の隣に座ると、慣れた調子でピタっと身体を寄せ、ブラウスを少しばかりはだけさせた胸を俺の二の腕に押し当てる。
 弾力ある胸の感触は、悲しいかな、間違いなく女の子の柔らかいオッパイの感触だ。
 長いストレートの黒髪から漂うのは、シトラスか何かだろう。

「これでも興奮してないって言うのか? ええ、ユウマ?」

 心臓はバクバクいっていた。
 挑発的な微笑は、なかなかのもんだ。
 そんな女に告白をして、恋人同士になるという甘酸っぱい妄想が、思春期の男子の脳裏いっぱいに広がりそうになる。
 だが、BFを志す男が、こんなところで女に降参するわけにはいかない。

「バーカ。。BFの時は勝負だから、割り切って勃たせているだけで、そうでなけりゃ誰がお前みたいなのと……」
「そこまで言うんなら賭けようぜ。オレじゃ興奮しないって証明して見せろ。県庁につくまで、オレの指でズボンの上から悪戯されて、イカずにいられたら誉めてやるよ」
「は? ふざけんな。だいたいそんなことして俺に何の得が」
「そーだなぁ……。じゃあ、こうしようぜ。お前が勝ったら、『オレ』とか言うのやめてやるよ。真っ白のワンピース着て、ピンクのリボンのついた麦藁帽子かぶって、お前のことは『ユウマ君』って可愛い声で呼んで、他にもリクエストがあれば聞いてやるぜ。どうだ?」
 一瞬にして自分が赤面するのを感じたんで、とっさに横をむいて誤魔化した。
「……俺が負けたら?」
「バスの中でオレにイカされたって、写メにとって皆に言いふらす♪」
「ま、どうせ勝つのは俺だけどな。あとで泣き言いうなよ、ユリ子。来週の週末は、フリルつきのヒラヒラなもん着せて、街中連れ歩いてやるからな」
「変態野郎www じゃあ勝負開始だな♪」

 チェックの学生ズボンの上に、ユリ子の右手が置かれた。
「お前、左効きだろ? 利き手は使わないのか?」
「別にぃ……っつーか、シコシコしてやる気は、さらさらないし」
 指を丸めて筒状のわっかを作って、半勃起しつつある俺のモノを包むが、ユリ子はそれ以上何もしようとしない。
「県庁まであと20分くらいか。ま、カウンター攻撃なしの展開じゃあ、余裕だな」
時計を確認して、他人事のように呟くユリ子。
「生殺し作戦かよ……俺の耐久力バカにすんなよ?」
「例のイタリア製のマシンでトレーニングしてるからか?」
「るせーっっ!! お前なんかネコミミも付けてやるっ!」

 勝負開始からわずか1分で、俺は挑発にのせられたことを激しく後悔していた。
 バスのエンジン振動が、ムズムズと堪らない。
 ディーゼルの回転数に逸物がシンクロして、すっかりタコメーター状態だ。
 マニュアル・ギアの変則が、包み込むユリ子の手を介して、肉棒の芯までジンジンと伝わってくる。

「お前、これ計算してたのか?」
 苦悶する俺の額に、脂汗がにじむ。
「前から、試してみたかったんだよ。こういう規則的なようで変則的な振動って、性感を妙に狂わせるだろ?」
「くっそ、あと何分だ?」
「まだだいぶあるな。しかも今日はうまい具合に渋滞してるから、ギアの切り替えも多いし、タマらないよなぁ、ユウマ?」
 ユリ子の右手にムギュッと力が込められる。古いディーゼル・エンジンのブルブルとした振動が、一気に強まり肉棒の中心の尿道まで痺れさせる。

 どこで運転を聞きかじったのか、今度はユリ子がバスの変速に合わせて俺の肉棒をギアチェンジさせる。
 クラッチの瞬間だけ力を緩め、次の瞬間に一気に握り締めながら肉筒をシフトする。
 操縦されているかのような錯覚が、俺の性欲をメンタル面からもかきたてた。
「ちくしょうwww 人の大事なモンで遊びやがってwww」
 どうしようもなく競り上がる肉欲に、俺はたまらず笑い出した。
「まだまだこれからだぜ? ほら、見ろよ、大橋渋滞してるなwww」

 見ると、線路をまたぐ陸橋に車が連なっていた。渡り終えるまでには、かなりのギア・チェンジがあるだろう。
 しかも低速ギアの方が、ペニスに伝わるエンジンの振動は大きいのだ。

 橋の登りで、バスが停止する。
 サイドブレーキがかかる瞬間、ペニスが折れそうな角度まで前に押し倒されてロックされた。
 きつく握り締められる俺のペニス。
 アイドリング中のグルグルと唸るような振動が、ムリな角度で固定されたままの肉棒をジンジンと追い込んでいく。
 普段修行している電子機器の微細な振動とは真逆の荒々しい感触だ。
 ユリ子の手から伝わる大型バスのディーゼル振動は、まるで猛獣のようだった。
 未知の興奮を教えられるたびに、思わず鼻息が荒くなる。

 バスが発進する。
 サイド・ブレーキの解除と同時に、ロックされたペニスが解放される。
 限界まで勃起した若い肉棒が、バネのように跳ね上がって下腹をビタンと打つ。
 すかさず、握られた肉筒のシフトレバーは、1速、2速とギアチェンジされる。
 カクカクと根本からシフトされる感触。折れそうな痛みは、すぐに妙な快感に代わってきた。

 信号で停止する。
 ニュートラルに置かれる俺のスティック。握り締めたカリを軽く左右に振りながら、 
「やっと大通りに出たな。次の直線で昇天させてやるぜ」とユリ子がKO宣言する。

 信号が変わる。
「まずはロー」 ユリ子の滑らかな手さばきで、俺のペ二スは右斜め前に倒された。
 大型バスのエンジンが轟音とともに激しく振動する。
 スラックスとトランクス越しに食い込むユリ子の指先が、内燃機関の轟きで俺を屈服させようとカリ裏を捕らえる。
「セカンド」 少しばかり運転手のギア・チェンジが早かったようで、ガクンとつんのめる感覚がした。
 左斜め後ろに倒された肉棒に、エンジンの軋むような振動がブルブルと伝わってくる。
「く……っっ」
 たまらず声を漏らす。
 まるで自分が運転をミスったかのようにペロッと舌を出すユリ子。そ
 の表情が、たまらなく可愛く見えて、俺は身震いした。
 片側3車線の大通りを、バスが加速していく。
「サード」 ユリ子が真っ直ぐ前方に肉棒を倒した。
「そろそろお前のチンコも離陸寸前か?」
 ニヤニヤと笑うユリ子。
「ひ、飛行機かよっ!! そ、そう簡単にこのユウマ様を射精させられると思うなよっ」
「へっ、みっともねぇな。負け犬の遠吠えっていうんだぜ、そういうの。素直に敗北を認めて、オレの色香にメロメロですって告白しろよ。そうすりゃ、ティッシュ貸してやる。武士の情けだ。このままズボンの中でぶちまけるのだけはカンベンしてやらなくもないぜ?」
「るせぇ、イカねぇったら、イカねぇよっ!」

 このままユリ子にイカされるわけにはいかないと、俺は限界を超えそうな快感に拳を握り締めた。
 こんな形で告るわけには絶対いかない。
 その瞬間、俺はユリ子に対する自分の気持ちを自覚させられた。
 間違いない。俺は、こいつに………

 ようやくと県庁が見えてくる。
 トランクスの中は、我慢汁で湿っているが、どうにか射精だけは我慢できそうだ。
「ま、けっこうお前も頑張ったが、この勝負、俺の勝ちだな」
 痩せ我慢して余裕の笑みを見せる俺。
 だが安堵したのもつかの間、ユリ子が耳元で囁いた。
「ユウマ君、大好き。あたし、小さいときからユウマ君のお嫁さんになりたかったの」
「なっ………」

 カリの先端が、プクッと膨れた。
 すかさずユリ子が社会の窓を開けて、トランクスから引っ張り出した横チンを、真空パックで包みこんだ。
「とどめのトップwww」
 俺の我慢が途切れる一瞬の隙を見逃さず、ユリ子の指がカリ裏を握り締め、一気に肉棒を後ろに倒す。
 溢れ出す白い猛り。
 いつもの数倍は粘性をもった濃厚な熱いエキスが、ビニールに音を立てて注ぎ込まれる。
 カシャッと容赦なく響く写メの効果音。
「オレの勝ちだな。どうだ男子部キャプテン、どっぷりと抜かれちまったご感想は?」
 さっきの塩らしい台詞を嘲笑うようなユリ子の態度。
 感想も何も、ぶちまけた白濁液が全部物語っているじゃねーかと、俺は屈辱と羞恥にそっぽを向いた。

「この写メとザーメンはオレたちだけの秘密にしといてやるから安心しろ。でも、これでオレに借りができたな♪」
 ハァハァと息を切らせつつ、悔し紛れの捨て台詞を探したが、あまりの脱力にうまい言葉も思いつかない。
 かわりに無言でユリ子の唇を奪い、問答無用で舌を入れようとした瞬間、みぞおちにパンチを食らった。
「ほら、県庁ついたぞ。さっさとチャックあげろやっ!!」
「もうちょっと、優しくできねーのかよ、この男女っ!!」



 青春まっさかりの不器用カップルが、騒々しくバスを降りていく。
 しょうもないカップルだなぁという感じで、見送る乗客たち。
 だが、二人の危ない行為に気付いていたのは、ミラーでチラ見していた元BF部員の運転手だけだった。
今回はH度軽めの番外編です。
最終回は現在製作中です。

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