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県立南校BF部 (1)

 県大会で優勝した俺たちの学校は、いよいよ全国大会の第一戦に臨むことになった。
 初戦の相手は、私大の付属校で、金持ちのクソガキばかりが集まることで有名な、いけすかない学校だった。
 対戦は、各学校男女3人ずつを選出し、午前・午後の二部制で行われる。
 午前は、俺らの学校の女子と、相手校の男子が戦って、0-3で向こうの圧勝。
 信じられんことに奴らは、負け確実の体制に持ち込んでからも、延々といたぶるようにクンニで焦らして、うちの学校の女子チームを辱め、試合時間終了の1分前まで弄び続けやがった。
 そして、いよいよもうすぐ、俺ら男子と対戦校女子との間のBFが始まろうとしている。
 涙を堪えて卑劣な対戦相手に試合終了の礼をして、退出していったうちの女子達の気持ちを考えると、男の沽券にかけて、これは絶対に負けられない戦いだ。

 対戦形式は、会場に設けられた3つのベッドを使い、まずはそれぞれ1対1で同時スタートする。
 勝敗は、先にイカせた方が勝ち、イッた方が負け。
 敗者はその時点で戦線から離脱。勝者は残った敵と闘うことができる。
 したがって、例えば味方が先に2人ともやられてしまえば、残った者は1人で3人を相手にBFしなきゃならない。


 試合開始5分前。俺たちが並べられたベッドの前に立つと、相手チームが現れた。
 長いストレートの黒髪をした美少女(対戦校女子部の主将)は、俺の戦意剥き出しの態度に臆することもなく、
「県大会のビデオ、拝見しました。本当に凛々しい戦い振りで、あたし感動しましたっ!!」
などと微笑みかけて、握手まで求めてくる。
 だが、そんな見え見えの作戦に騙されて油断なんかするものか。
「午前のあの試合なんだよ。お前らの学校のBF部は、レイプ部とでも改名した方がいいんじゃねーのか?」
と、毅然とした態度で握手を拒絶してやった。
 すると、光沢のある髪を軽くかきあげてクスリと笑った美少女は、俺をからかうように小首を傾げて、
「じゃ、次の試合は、男子の皆さんをレイプしてあげますね」と屈託なく宣言し、いきなり俺の頬にキスをしやがった。
「っ……ざけんなっ!!」
 凄んだものの、思わず赤面してしまった俺……まったく情けねぇ。
 隣のチームメイトが、俺に肘打ちして警告する。分かってるさ、こんな挑発にwktkするようじゃあ、BFファイター失格だ。
 敵の女子三人がクスクスと噛み殺したような笑い声をたてて、それが屈辱的に耳に響く。

いよいよ対戦スタートの時間がやってきた。

対戦カード
俺(3年・主将)×美紗(2年・主将)
シン(3年・副主将)×明日香(1年・副主将)
カズ(3年)×麗菜(1年)

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