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悪夢の館 第8章

「もう朝か・・」
あれから僕は隣町に着くと適当な宿を見つけて一泊した。朝食を食べたら出発しよう。
「おはようございます。」
「おはよう・・」
宿屋の主人が食事の用意をしてくれていた。僕は席に着くと隣の客が僕に話しかけてきた。
「なあ坊主知ってるか?」
「何を?」
「隣町クラウンで起きた事件だ。」
「事件何かあったの?」
「何でも男は大半は死体で発見されて、女は全員行方不明になったらしいんだ。」
「それなら俺も聞いたよ。」
向かいに居た客が話に入ってきた。
「あそこにはガーディアンズが居たんだが、そいつらも全員やられたらしいな。」
「全員!」
「ああ生存者は一人もいないって話だぜ。」
「恐ろしい話だよ・・事件の犯人も不明だし、ここも危ないかもしれないな。」
僕は二人から事件のことを聞いて確信した。淫魔の仕業だ・・女性が全員行方不明なのは全て淫魔化したからだ・・男は何人か連れ帰ったんだ・・こうしちゃいられないや!早く準備をして北の支部に向かおう!
この町から東に行った所に城下町があるから今日はそこに泊まろう。着くのは夜になっちゃうけど宿は沢山あるって聞いたことがあるから大丈夫だ。












あれからできるだけ急いで来たけどやっぱり夜になっちゃたな・・あれ?変だな門の所に誰もいない?夜になるといつも兵士が立って、城下町を出入りする人間の調査などを行うのに・・
「まあいいかな。誰もいないんだから」
僕は門を潜って城下町に入るとさらにおかしなことに気がついた。時間はもうすぐ深夜だけど、人が一人もいない。何かあったのかな?
「そこの坊主!」
「わ!」
いきなり声をかけられたので驚いた。後ろを見ると男が一人家の窓から顔をだしている。
「こっちへ来い!早く!」
僕は言われるまま男の指示に従って家に入ると、男は慌てて下に降りて来た。
「坊主早くこの町を出ろ!奴等に見つからない内に!」
「奴等?・・一体何があったの?」
「淫魔が町を襲って来たんだ!」
「淫魔が!・・あれおじさん、どうして淫魔のこと知ってるの?」
「お前淫魔を知ってるのか!?」
「うん。色々あって・・おじさんはどうして?」
「俺は北の森にあった洋館で研究員として働いていたんだ。」
「え・・」
「といっても途中で恐ろしくなって逃げたがな、今はこの町で家族と幸せに暮らしている。今日奴等が町を襲うまではな・・町の人間はもう9割以上死んでるだろう・・お前は早く逃げろ、殆どの奴等は今は城にいるはずだ、空で徘徊してる奴等に気をつければ、見つかることなく町を出られるはずだ。」
「おじさんは?」
「俺はこれからやることがある。地下に俺の妻と娘がいる・・もう人間じゃないだろうがな・・俺はこれから妻と娘を殺しに行く。」
「危険だよ!」
「やらなきゃならんのだ・・坊主これを持って行け。これをガーディアンズの支部に見せれば、あいつらも淫魔のことを信じてくれるだろう」
おじさんは僕にファイルを数冊渡すと地下に下りて行った。追いかけようと思ったけど内側から鍵をかけられた。僕は家を出ると物陰に隠れて受け取ったファイルを読むことにした。
「これは・・淫魔の研究レポートだ。」
貰ったファイルの表札には淫魔の名前が書かれていた。アルラウネ、マーメイド、エンジェル。僕はサキュバスにしか会ったことはないけどこんなにいたなんて・・とりあえず敵のことを知っておこうと思い僕はレポートを読むことにした。

『アルラウネ
サキュバスに比べて個体は少ないがサキュバスより遥かに優れた能力を持っている。特徴は大きな花だ。獲物を見つけると蔓で獲物を捕まえて、自分の花の中に誘う。そして脱出が不可能になると快楽を与えて獲物から精液を搾り取る。アルラウネは普通に闘っても感じるが絶頂に達しさせることはできない。絶頂させるためには』

ここで終ってる・・あ、よく見るとまだ次のページがあるや。僕はページを捲って続きを読もうとすると
「その先を読まれては困ります。」
「あ!」
読んでいたファイルを突然取り上げられた。後ろを見るとカトレアが立っていたそしてカトレアの後ろには十人以上のサキュバスがいた。
「女王様がお呼びです。一緒に来ていただきます。」
持っていたファイルは全て没収され、僕はカトレアに抱かれて城に連れて行かれた。
「女王様。マオ様をお連れしました。」
「ありがとう。」
城に着くと僕は謁見の間に連れてこられた。玉座にはお母さんが座っていた。
「いらっしゃいマオ。貴方をこの町に連れてくるはずだったんだけど、まさか自分から来てくれるなんて思いもしなかったわ。」
「一体何がしたいの?」
「私は貴方の母親・・長い間会ってなかったから貴方がどれだけ成長したのか見てみたいの。」
「たぅたそれだけ?・・そんなことのためにこの町を・・」
「貴方のためなら町の一つや二つ安いものよ。」
「もうやめてよ・・こんなことしないでよ。」
僕は泣きそうになりながらお母さんに頼むと、お母さんは少し考え始めた。そして少ししたら何か思いついたようだ。
「じゃあこうしない?」
「何?」
「これから私とゲームをして勝ったらもう町を襲ったり、人を殺したりもしない。悪いことは全部やめるわ。」
「本当!」
「ええ勿論。私は嘘は言わないわ。でも・・貴方が負けたら今後私達協力すること。」
「協力?」
「協力と言っても人を殺せとかじゃないから安心しなさい。ただ私達を抱いてくれればいいの。毎日誰かと一緒に寝て精を提供する・・それだけよ。どうするの?受けるの受けないの?」
「どんなゲームなの?」
「あら、ごめんなさいまだ説明してなかったわね。ルールは簡単よ、私と勝負して勝てたら貴方の勝ち。」
よかった決闘みたいだ・・
「ただしこれから貴方は一度城から出てもらうわ。この城に入るには五枚のメダルが必要なの。そしてそれらは私が女王の称号を与えた者達に渡してあるわ。貴方はその五人を倒してここに戻ってきてそして私に勝てば貴方の勝ちよ。ただし、一度でも誰かの虜になってしまったら貴方の負けよ。時間は何日かかってもかまわないわ。」
「どうしてもそのルールじゃないとダメなの?」
「ふふダ〜メ。どうするの?」
どうしよう・・とても勝てるゲームとは思えない・・でも勝てばお母さんはもう一切こんなことはしない・・よし!
「わかった・・受けて立つよ!」
「ふふいいの?男の子に二言はないわよ?」
「いいよ。そのかわり約束は絶対守ってね!」
「ええ。じゃあカトレア。」
「はい女王様。」
「マオを城外に案内して、この町のことを詳しく教えてあげて。」
「畏まりました。」
僕はカトレアに手を引かれて城を出た。城を出ると城門でカトレアが色々説明してくれた。
「これをご覧ください。」
「これは?」
門には五つの窪みがあった。
「女王様がお話した五枚のメダル覚えていますか。その五枚のメダルをここにはめなければ、門は如何なる手段を用いても開くことはできません。」
「わかった。」
「では次にメダルを持っている淫魔の場所を説明しておきます。この町は五角形の城壁に囲まれています。そして城はその中心にあります。この城から城壁との間に五つ大きな教会があります。メダルを持っている淫魔はその教会のどこにいます。」
僕は北の方を見てみると、確かに一際目立つ教会が建ってる。他の方角にも四つある。
「ここまでで何かお聞きしたいことはございますか?」
「特にないよ。」
「そうですかわかりました。あ!そういえば女王様より預かったものがありますので先にお渡ししますね。どうぞ。」
カトレアは僕に一冊本を渡してきた。何だろう?僕は中を見てみると、女性の裸が写真が載っていた!
「な!何これ!?」
「うふふ・・貴方ももう女性の体に興味があるでしょう。それに淫魔と闘った後、溜まっている精を出さなければなりませんから、自慰をするのに必要だろうと女王様はお考えです。」
「いらないよ!」
「そうですか?では最後にルール違反になることをお教えしますね。」
「違反?」
「はい。この町にまだ人間がいないとは言い切れません。もし貴方が別の人間と手を組んだ場合、ルール違反とします。違反した場合それ相応の罰を受けていただきます。場合によっては無条件でゲームを終了し貴方の負けとさせていただきます。」
「わかった。」
「以上で説明は全て終了です。・・では」
「な、何?」
「案内料を払ってもらいますね。」
カトレアは僕の頬に手を添えて顔を上を向かせると唇を奪ってきた。舌も入れずに少し唇を合わせていただけだけど気持ち良かった・・
「ひゃあ!」
「うふふ・・こちらは貴方が城に戻ってきたときにいただきますね。」
カトレアは僕の股間を弄って微笑んできた。
「キスだけで勃起していてはこの先が思いやられますよ。では頑張って下さいね。」
カトレアは背中の翼を広げて城の方へ飛んで行った。館の時みたいに誰かが助けてくれるなんてことはもうない・・一人で頑張らないと!僕はまず北の教会に向かうことにした。
今回もエロはありません・・

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