――淫魔ハンター養成学校ベノッツ分校に<淫魔>が潜伏している可能性あり。貴殿には特別転入生として潜入し、秘密裏に<淫魔>を処理せよ。
それが、俺に割り当てられた仕事だった。
※ ※ ※
――くそっ。また見失ったっ!
俺は舌打ちし、淫魔ハンター養成用の武道館内を見回して言った。雨が降っても室内で訓練できるように設計された木造フローリングの広い館内には、全校生徒以上――四〇〇人は軽く収容できるほどのスペースがあり、一般部活としてバスケットやバレーなどの球技大会すら開ける程の余裕がある。
大した障害物もなく、館内中央に立つ俺の周囲からはバスケットゴールや木造の白壁を蹴る音、そして文字通り目にもとまらない速さで風を切る人影の音が聞こえる。
まるで狭い室内で打ちつけたスーパーボールのように、人影は速度を弱めることなく飛び回り、俺の目をかく乱していく……
「――せ〜んぱいっ♥」
突然、背後から声がした。聞き覚えのある少女の甘い声に咄嗟に振り返った次の瞬間、俺の顔は白く柔らかいましゅまろに包まれてしまった!
柔らかい乳房の壁に口を塞がれ、息が出来ないっ!
「ほ〜ら先輩っ♥ 先輩の大好きな制服越しのぱふぱふですよ〜? いっぱいいっぱい楽しんで下さ〜いっ♥」
学校指定の白く薄い布地のセーラー服越しに、柔らかなおっぱいの感触と共に、甘酸っぱい汗の匂いが漂ってくる……不快ではない程度に濃厚で甘く、それでいて、力が抜けていく……
柔らかぁい……
あったかぁい……
ふわふわの乳房は、脱力を誘う魅力に溢れていた。
柔らかくて、温かくて……寒い冬の朝に起きた時のように、いつまでもいつまでも布団に包まって寝ていたいと思い、学校に遅刻してしまう……優しい堕落への誘い……
「せ・ん・ぱ・い……♥」
甘く囁く声が、耳の中を通って脳を優しく包み込み、桃色の霧の中へと誘い込む。下級ハンターならすぐにでも懐柔されてしまう程の<魅惑>の魔法……だが俺は寸前のところで耐え切った!
「――やめろっ!」
俺は全力で突き飛ばしたつもりでも、目の前にいた人影はくるりと宙を舞い、武道館の天井付近で留まった。
「も〜っ、先輩ってば乱暴〜。女の子にはもっと優しくしないと嫌われますよ?」
黒いコウモリの羽を持ったセーラー服の少女は、翼を広げながらゆっくりと床に足をつけた。
目が大きくてロリ顔、健康的なショートカットが溌剌としていて、口元にある八重歯が小悪魔的な魅力に一役買っている。
ほっそりとした体を純白の袖なしセーラー服に身を包み、首もとから見える鎖骨、袖の隙間から見えそうで見えない乳首、更に空色のミニスカートと膝上まである白いハイソックスの間にある「絶対空間」がなかなか魅力的で……ってダメだっ! まだ<魅了>の効果が残っているっ!
俺は強く頭を振って、脳に乗っていた桃色の霧を振り払った。
「――あはっ♥ 大丈夫ですか先輩っ? ボクのおっぱい、そんなに気持ちよかったかな〜♥」
いつの間にか目の前まで近づいていた彼女は俺の目の前まで近づくと、少しお辞儀をするような姿勢を取りながら、上目使いに可愛らしく舌を出していた。柔らかな双乳が谷間を作り、ふよんふよんっと揺れ動く。
「先輩が望むならぁ……ずーっとボクのおっぱいでぱふぱふしてあげますよ? さっきみたいにお顔も、心も……そ・れ・に、もちろんズボンの奥で窮屈そうにしてるおちんちんも……」
薄い唇が、ゆっくりとくちづけするように、誘いの言葉を紡ぐ。
「先輩が本当の天国に逝くまで。ずーっと……くすくす♥」
あまりに色っぽいしぐさに見蕩れそうになるのを懸命に堪え、必死にけん制しようとした。
※ ※ ※
転校生として進入して一ヶ月――
潜伏していると予測される<淫魔>は依然として正体を現すことなく、それでいて行方不明となる男子生徒が続発――唯一発見された学生が精を吸い尽くされて死んでいたことから、淫魔の仕業であろうと判断された。
被害が男子に限られてるところから見て犯人は女性型であると考えられるが、それ以外は全く不明……表立って調査を進めても犯人は現れないであろう。そう考えた調査部は、ある程度腕が立ち、それていてあまり「顔」の知られていない俺に任務を依頼してきたのだ。
……二五歳にして、学生と見比べても分からない童顔というのも理由かもしれないが、それはともかく。かつてある養成学校では全生徒を<淫魔化>した極淫魔がいたらしいが……ここでは本当に潜伏しているかどうかも怪しくなるほど平和な日々が流れ、部活動への勧誘が激しくなるシーズンだったこともあって、俺が色んな部活を回っていた時――
俺は一人の下級生と出会った。
スポーツ万能で、様々な部活を掛け持ちしていた女子学生。俺が編入したのは三年生だったが、彼女は二年生。一応、一個下の後輩に当たる。人懐っこい性格で、友達も多い彼女とはすぐに打ち解けあい――
俺は彼女の勧めで−―部員が二人しかいない「淫魔生態研究会」という愛好会に所属することになった。
それが彼女の罠であるとも知らずに――
※ ※ ※
「――あ、甘く見るなよ、リムっ!」
<淫魔>の正体を現した下級生に、俺はけん制の意味をこめて叫んだ。
「俺はそんな簡単に――」
「あはっ♥ 今、名前で呼んでくれましたねっ」
<淫魔>の少女――リムは八重歯を出して笑った。
「確か先輩、教えてくれましたよね〜。“<淫魔>と戦う際、相手を特別視しないように名前で呼ぶのは避けた方が良い。あくまで<淫魔>の一体としてみるべきだ”って」
「……ッ!」
俺は息を飲む。
リムは頬を赤くして、囁くように言った。
「ボクのことは特別だって思ってるんだ……♥」
「ち、ちが……っ!」
「くすくす……そうですよね♥ 先輩、<淫魔>を倒す為に送られてきたベテランさんなんですもんね……♥」
リムはセーラー服のスカートのすそをそっと手で摘まむと、妖艶な表情を浮かべて、甘い吐息を交えながら、ゆっくりと囁いてくる……
「<淫魔>の本性は邪悪……♥ どんなに魅惑的で、どんなに甘い言葉を重ねても全部が偽り……心許した瞬間に人は堕落するの。女の形をした<魔>に魅入られて、永遠に魂を縛られるの……♥」
リムはスカートの中から、真っ白の下着の紐を白い指で引っ掛け、ゆっくりと下ろしていく……
「ほら……もう先輩は術中にはまっちゃってますよ? ふふっ、ボクの下着から目が離せないんでしょう? ホラホラ♥」
美しい脚を片方ずつ上げて下着を脱ぐと、手で摘まんでまるで俺に催眠術でもかけるかのように、ゆっくりと左右に揺らしてみせる……
「……っ!?」
突然、股間――いや、ペニスに強い刺激を感じて下を見ると、俺のズボンがいつの間にか脱がされ、しかも――
「ボクのパンティー……ふふっ。気持ち良いですか?」
俺のペニスには、可愛らしいコウモリの絵のプリントがされた真っ白なパンティーが被せられていた。それでペニスの亀頭からカリ部分までをゆっくりとくすぐるように撫でていく……
「ふ、ふわっ……」
間抜けな声を発してしまい、リムをくすりと笑わせてしまった。
「先輩っ大丈夫ですか〜? 先輩、ベテランのハンターなんですよね? ボクなんて、ホントーに弱い下級淫魔なんですよ? 弱くって、人間とほとんど変わらないから、ここにいても気付かれないんです。だからぁ、先輩くらい強い人なら、全然勝てるはずないんです。でも、先輩、我慢汁がた〜っぷり出ちゃってる……」
リムは、片手で竿にパンティーを被せながら、別の手で睾丸を五本の指で優しく揉み始め、射精感を更に強くさせていく。すでにリムのパンティーは俺の我慢汁で濡れていた。
「くすくす、ボクのパンティーこんなに汚しちゃって。これじゃ、今まで食べた同級生たちと変わんないですよ?」
面白い獲物を見つけた猫のように、八重歯を見せつつイタズラっぽい笑みを浮かべていたリムは、優しい声で囁く。
「先輩。ボクみたいなセーラー服の女子学生に欲情しちゃうんでしょ? セーラー服の女の子のパンティーにおちんちん包まれて、興奮しちゃってるんだ? とんだ変態クンですね、先輩は……」
リムの言葉が、先輩に対する言葉遣いから、ただの男へのものに変わる。
「でも許してあげる。それだけボクに魅力を感じちゃう可愛い先輩なんだもん……ふふっ。キミのザーメン全部奪って、ボクには絶対勝てないようにしてあげますね」
可愛らしい微笑みに、俺はつい見蕩れてしまった……
彼女になら、もっともっと色んなえっちなことをされたい……
甘い誘惑が俺の心に襲い掛かる。
「くすっ……もう堕ちちゃった♥ ――ホラ、先輩♥」
リムはイタズラっぽい笑顔を浮かべながら、セーラー服に包まれたおっぱいの谷間を強調するように両脇を手で押さえてみせる。
柔らかいおっぱい…温かいおっぱい……先ほどまでずっと、ぱふぱふしてもらっていた快楽の塊に、俺のペニスが包み込まれる……
「ふふっ。いいの? 先輩っ♥」
リムは八重歯を見せながらイタズラっぽい笑みを浮かべる。
「パイズリってぇ、女の子はほとんど感じないんですよ? 特にボクにとって男の子を射精させる武器ですからね〜。キミがおちんちんを入れるってことはキミは完全な虜になっちゃう……入れていいのかな〜くすくす♥」
リムの言葉にハッとして、俺は一瞬その衝動に耐えようとした。
だが、心の中を完全に侵食していた色欲は、簡単に精神を蝕む。
包み込まれたい……
包み込まれたい……
俺のペニスは、リムのおっぱいの谷間に引き寄せられてしまう……
そしてセーラー服越しに、俺のペニスはリムの谷間に包み込まれてしまった!
「ふわあああっ!!」
一瞬にしてペニスの中が沸騰した。リムにしてみれば、それはパイズリですらないだろう。ただ、少しペニスが乳房に包まれただけだから。
「あ〜あ♥ 完全に負けちゃった♥」
リムはニコニコと笑って言った。
すぐにでも射精したい。だがリムの乳房は男の射精のタイミングを完璧に捉えているのか、射精しきれる快楽寸前で、快楽をとめてしまう……!!
「――先輩を殺すのはやめてあげる♥ キミのよがってる顔、とっても気持ち良さそうで……ボクも嬉しくなっちゃうもん。でもぉ、先輩はもうボクのおっぱいからは逃げられないよ?」
イタズラっぽい笑みはそのままなのに、妖艶さと、その中にある底冷えするような怖さは以前よりも強く感じる。
「キミはずっとボクのおっぱいの幻影に襲われるの……起きている時も。寝ている時も。おトイレに行ってる時も。いつも、ボクの大きな、柔らかぁいおっぱいに包まれた感触を思い出して……またボクのおっぱいに包まれたくなるの……くすくす。そしたら、またボクのところに来て……自分で自分を負けさせちゃうの……」
「ふっ。ふわあああ……」
ささやかな振動にすら、凄まじい射精感が込み上げて来る……!
なのに、射精をすることはできない……!!
「くすくす……可愛い表情。もっと見せて……ボクだけに。ボクのおっぱいに挟まれた時だけにその表情を浮かべてみせて……ボクは何度でもしてあげる……キミのおちんちんがとろとろになって……中がカラッポになっちゃうまで、ずーっとね……くすくす」
可愛らしいロリ声に妖艶さと可憐さを交え八重歯を覗かせて笑う可愛らしき悪魔は、最後の死刑勧告を優しく穏やかに行なった。
「さあ、キミの負けだよ。先輩……たっぷり、楽しませてあげる……」
リムは、ゆっくりとパイズリを行ない始めた! 温かくも優しく包み込む乳房の牢獄は、一瞬にしてペニスに快楽の拷問を与え、服従心を植えつけていく……!!
「ふわあああああっ!!」
どぴゅっ、ぴゅーーーっ!!どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅどぴゅっ!!!
射精など、あっという間だった。
白い精液がリムのパンティーを汚し、それを貫通するかのように、精液が凄い勢いでセーラー服とおっぱいを白く染め上げる。
「まだまだ、楽しませてあげる……」
おっぱいによる快楽拷問はどんどんと続けられていった。
そして精液がカラッポになった時、リムはニッコリと笑って言った。
「くすっ……セーラー服こんなに汚しちゃって……可愛い先輩クン。次はどんなので攻められたい? ブルマ? スク水? それともやっぱり制服かな? クスクス……」
リムの誘惑に対して、俺はもはや抵抗する意志など存在しなかった。
<淫魔>だと分かっていても、彼女の淫靡な笑みの前に理性は簡単に壊されてしまう。
「ホラ、もっと研究しよ……ボクと先輩だけの、淫魔生態研究会……くすくす♥」
THE END
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