頭の中に甘く淫らな声が響く。白い肌が艶めかしく動き、俺の脳裏に焼きつく。
「私のこと、好きにして良いんですよ」
「あなたにはその権利があります」
「どうぞ私を好きなように犯してください」
「そう…そうです…良いですよ…」
「あぁっ……大きくて、激しくて、素敵ですよ…」
「ふふっ、そろそろ出ますか?
中に出してかまいませんよ。
今日出せば確実に私は孕みますけどね。
でもあなたの好きなようにして良いんです。
快楽の赴くままに私を犯して良いんですよ。
他のことなんてどうでもいいんですよ…さぁ、出してください一度目の精液…」
「んん…ふふふ…出しちゃいましたね、精液。
熱いのが私の子宮に染み渡るのが分かります。
まだまだ硬いままですね? 良いんですよ、もっと出してください。
時間はいくらでもあるんですから。
ひたすら満足するまで、欲望が満たされるまで私を犯して良いんですよ。
何回も中出しして良いんですよ、欲望が満たされるまで…」
「もっとも人の欲望が尽きることはないなんて言いますけどね…ふふふふ」
俺は真っ白な何もない空間で女を犯してる。
射精するたびに喪失感と体を中から破壊するような強烈な快感を感じる。
きっと夢なんだろうとは思う。
だから俺は無責任に快楽を貪った。
女を激しく犯し、何度も中に出す。
色白で淫らな体つきをした黒髪の女だった。
女の体は俺の精液にまみれてたまらなくいやらしい。
俺は精液と愛液で溢れかえる膣内に何度目か知れない射精をする。
女が淫らに微笑する。
意識が遠のいていく…。
***
もう何度目か分からない夢魔への敗北。
特殊な術で魂を保護しているためにそう簡単に死ぬことはないが、負ければ相当の負荷が体にかかる。
夢魔は人々に淫らな夢を見せる代償に生命力を奪っていく。
俺は国に雇われて夢魔を退治する、夢魔食い人だ。
夢魔をおびき寄せ、取り込み、消滅させる技術を持っている。
昔から夢魔はいたが、現代において特に増えているらしい。
夢魔食い人に夢の中でいかされると夢魔は消滅する。
夢魔を毎晩自らの夢の中におびき寄せ、倒す。そして時には敗北する。
それが夢魔食い人だ。
昨夜のダメージが余程大きかったのか体が動かない。
あの黒髪の女…ただものじゃない。
夢魔食い人は淫夢の中でも理性や意識を明確に保てるよう訓練されてる。
だが昨夜、俺は快楽に溶かされ、自分が夢の中にいることすら満足に認識できなかった。
ただただ快楽に溺れた。
夢魔食い人をそこまで引きずり込むなんて雑魚には出来ない芸当だ。
俺は気合を入れてなんとか体を動かす。
大丈夫だ。まだ戦っていける。
夢魔が人の命を奪う限り戦わねばならない。
そう簡単にリタイアしてたまるか。
夢魔食いを職とする者は多くない。
俺が死んだら同業者に迷惑がかかるというものだ。
今晩、昨夜の夢魔をおびき寄せて倒す。
俺は十分な栄養を取り、休息のための睡眠を取った。
そして夜を待った。
***
夢魔を誘き寄せる眠りにつくとすぐに昨夜の夢魔があらわれた。
夢は昨夜の続きだった。
夢の中で俺は快楽に飲み込まれ、何度も中出ししながら一心不乱バックの体勢で腰を打ち付けている。
そういう状況の夢だ。
実際には俺は今回の夢ではまだ一回も出してないからダメージは負ってない。
そもそも昨日のダメージが大きいから一回出すだけでもやばい。
快楽に溺れながら何回も中出ししていた状況だったという夢を見せられてるのだ。
これを夢魔に見せられてると認識できなければ、また昨夜と同じように本当に快楽に溺れていくことになるだろう。
「んんっ、もっとぉ、もっと出してくださいっ」
夢魔が高ぶったような声を出す。でも実際には落ち着いたものだ。
勝負は始まったばかり。
まだ少しも感じちゃいないのに甘ったるい嬌声をあげ、精を搾り取ろうとしてくる。
俺は意識を集中する。これは夢魔の夢だ。まだ俺は快楽に溺れてもいなければ射精もしてない。
落ち着いて敵を攻めるんだ。
俺は動きを止めて精液と愛液でぐしょぐしょの膣からペニスを引き抜く。
ペニスを引き留めようと快感が絡みついてくるが、それを耐える。
「おい夢魔、昨日のお返しをしてやるよ」
「何を言ってるんですか? 早く入れてください…さぁ…もっと出させてあげますから…
一緒に気持良くなりましょう?」
快楽への誘惑が甘く心に浸透してくる。
だがまだ負けない。
俺は女の尻を抱え込んで後ろから秘所をぺろりと舐めた。
夢魔が短く喘ぐ。さっきまで膣いっぱいにたまってた精液は消えていた。
夢の中で少しでも獲物が不快感を感じないように、快感だけを感じるようにしてくるのだ奴らは。
大陰唇にをなぞる様に舐めた後に、全体に舌を押しつけるようにして舐めてやる。
それから膣をほじくるように舌を動かし、クリを弄る。
とめどなく愛液が滴る。
夢魔は身をよじり逃げようとしながら喘いだ。
今度は本当に感じているのだと分かる。
俺を挿入に誘う言葉を言おうとしているようだが、うまくいかない様子だ。
このまま攻めれば勝てるか。
そう思ったときにペニスが快感に包まれた。
「うっ」
突然俺の体の下に女が現れていた。
そして俺はその女に挿入してる状態だった。
夢魔が出現させたのは明らかだ。
力量にもよるが、夢魔は夢の中で何だって出来る。
それをある程度封じる力が夢魔食い人にはある。
この夢魔は攻めから逃げられないと悟って、逆に攻めるため分身を出してきたのだ。
おそらく分身に与えた快感も夢魔に行くんだろうが…
こっちに余裕がないことを知って急戦をかけてきたわけか。
ペニスが熱く締め付けられる。
ヌルヌルとした快感が理性を絡め取っていく。
昨夜の悩ましい快楽がフラッシュバックする。
俺は無意識のうちに腰を動かしていた。
夢魔の愛液を舐めすぎたためか、今までもっとも強烈に快感を感じる。熱い。
かろうじて舌は相手を攻めているが、腰は自身の快楽のために動いている。
二人の女の嬌声が耳に染み込む。
じゅぷじゅぷと音を立てながら膣がペニスに吸いつく。
やばい…だめだ…気持良すぎる。
術に守られてるとは言え、ダメージが残る体で夢魔に絞りつくされれば命はない…。
そもそも一回出すだけでもかなりのダメージがあることを考えれば、一発でも出す余裕はないのだ。
それが死につながる。
だというのに。
理性はどんどん破壊され、射精感がこみあげてくる。
快楽に溺れたい欲求が強くなる。
抵抗するように理性を振り絞る。
くそったれが。
まだ死なないぞ俺は。
「ふふふ…」
下の女の足が腰に巻きついてきた。そして俺の体を引きよせる。
「もっと激しくしていただいて良いんですよ?
そして中にたっぷりとお出しください」
たったそれだけで。
最後の理性は崩壊した。
俺は愛液を啜りながらヘコヘコと腰を動かし、射精をした。
命が溶けた精液が噴き出す。夢魔の中を満たし溢れ出してくる。
夢魔の秘所は精液でどろどろになり、太ももまで精液で汚れていく。
それでも射精は止まらない。
俺は快感に絶叫する。夢魔の笑い声が聞こえる。
心も体もばらばらになっていく。
魂が溶けて精液となって溢れ出る。
俺の全てが夢魔に食われていく。
***
「今日もまた優秀な夢魔食い人が一人殉職しました。
レベル4の夢魔に殺されたようです」
水色の瞳をした女性が、赤い眼の少年に説明している。
二人ともスーツを着ていた。
「ですから今回はこのレベル4の夢魔をおびき寄せ、処理してくださるようお願いします」
赤い眼の少年が微笑む。
「おっけー。夢魔食い人を食ったってことは力を増してる可能性もあるし危険だもんね。
すぐとりかかるよ。報酬はシェントさんのえっちなサービスとかかな?」
「いつも通りの金額で報酬が出ますよ。
当たり前ですが私のサービスは無しです。頭撫でるぐらいならしてあげますよ」
「ほぉ、それは頑張りがいがあるね」
「馬鹿言ってないで正確に仕事をこなしてください。
それではよろしくお願いしますね、メジオン君」
そう言って水色の瞳の女性は部屋を出た。
「…さぁて、早速仕事を始めようかな。
夢魔狩りの始まり始まり、ってね、はは」
メジオンはゆっくりと目を閉じた。
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